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Posted by ブクログ
櫻守は、桜に合う土、桜の配置、桜の保存や接木の仕方
桜の楽しみ方までをも主人公の弥吉が時に感動し、
時に落胆しながら語ってくれています。
師匠の竹部(モデルあり)曰く、染井吉野は日本の桜でも
いちばん堕落した品種だそうです。
本当の日本の桜というものは山桜や里桜だという。
「櫻守」にしても「凩」にしても
合理性の名の元に本来の姿を壊し、また別物を生み出し
保存という都合の良い解釈の上に胡座をかき、
魂の入らないモノに囲まれて満足している現代と呼ばれる時代の
姿勢に対しての痛烈な風刺であると共に、守り継いで行くという
本当の意味を教えてくれる作品だったと思います。
あぁ~すごいモノを読んでしまった。
Posted by ブクログ
表題作「櫻守」が特によかった。
表現が美しいのに現代語らしいテンポをうしなわず、情景や会話の様子が目に浮かぶようだ。
二人の男の人生を丹念に描きながら、樹齢四百年の古桜を移植する大仕事、人生の終焉までをあたたかく、時に哀しく描く。
信念と技のある人が理解者をもってやりたいことをする様は清々しい。
それに比べて「凩」は人生の悲哀の色が濃すぎて、若輩の私にはつらかった。
こちらも宮大工の男の晩年を描き、丹念で素晴らしいのだが、子供たちの世代の、古いものをいたずらに古いからと切り捨てるやり方に憤りを覚えながら、死への恐れを見つめて自分の技を注ぎこんだお堂を建てる。
そこにはそれを見つめる友の目線もあるが、大半にはその寂しさも心からは理解されずに終わる。
Posted by ブクログ
二編収録のうち、表題作が特によかった。表現が美しいのに現代語らしいテンポをうしなわず、関西弁が文字の美しさより会話の息遣いが感じられ、情景が目に浮かぶようだ。 読書中爛漫の櫻と木肌のあたたかさを常に肌に感じられる。実在の人物をモデルに二人の男の人生を丹念に描きながら、樹齢四百年の古桜を移植する大仕事、人生の終焉までをあたたかく、時に哀しく描く。 信念と技のある人が理解者をもってやりたいことをする様は清々しい。 それに比べて「凩」は人生の悲哀の色が濃すぎて、若輩の私にはつらかった。 こちらも宮大工の男の晩年を描き、丹念で素晴らしいのだが、その仕事は孤独だ。子供たちの世代の、古いものをいたずらに古いからと切り捨てるやり方に憤りを覚えながら、死への恐れを見つめて自分の技を注ぎこんだお堂を建てる。 そこにはそれを見つめる友の目線もあるが、大半にはその寂しさも心からは理解されずに終わる。映画「はなれ瞽女おりん」で水上勉を知り興味を持った。保守的な考えがハッキリとした頑固オヤジという感じだけれど、それがイヤミにならない。そこそこ厚みのあるのにするすると読まされ、郷愁と土着の雰囲気を骨太な読書でしみじみと感じさせる。
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