侍

825円 (税込)

4pt

藩主の命によりローマ法王への親書を携えて、「侍」は海を渡った。野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは――。政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の“生”を通して、人生と信仰の意味を問う。

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侍 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月31日

    まさに皆の思い浮かべるTHE SAMURAI的なやつ。もちろんハリウッド版じゃなくて三船敏郎版みたいな。
    侍ってひたすらに我慢を強いられるというか、そういうイメージのもとに明治から昭和の戦時体制やらその後の昭和やら、ずっと力を持っていたわけで、しかしついに日本でもそういう人種が隅に追いやられ始めて、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月29日

    弱い人でも強い人でも心挫かれたときに、その辛さを分かち合ってくれる理解者としてのキリスト。そして現世利益を重視する日本人にとっては富めるものよりも貧しいものがあの世で救われる考えや、実存的でないものがあまり合わない。こうした遠藤周作さんの考えるキリスト教や日本文化論を感じられる1冊でした。

    過去作...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月08日


    遠藤周作の圧倒的無力感・孤独感を凝縮した野間文芸賞受賞の傑作。
    鎖国下での宣教師と侍という特殊な立場の対比が興味深い。
    長編の中でも尺のあるボリュームだが、その前半で何となく結末が分かってしまうにも関わらず読ませてしまうエネルギーと説得力。

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    Posted by ブクログ 2020年10月07日

    久しぶりに読んだ遠藤周作。
    さすがというか、やっぱり文豪。
    40年たっていても、文章が生きている。
    しばらく、遠藤文学を読み直してみようと思う。

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    Posted by ブクログ 2019年08月25日

    実に丁寧に書かれている文章だと感じた。
    侍が、キリスト教に関して問うている部分が、非常に共感できて、また、時代の流れも感じられた。
    淡々と進むストーリーと、感情の変化、揺れが、非常におもしろかった。

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    Posted by ブクログ 2019年06月26日

    転ぶ。

    信仰とは何か?、ということすら、生きる上で全く考えることのない、無意味なくらいの、そんな侍の社会。
    その社会で大切なのは、ただただ忠誠であり信仰とは似て非なるモノ。

    その時代の人達が。
    何故ヨーロッパに行くのか?
    キリスト教が介在したのは何故?
    危険を冒す理由があったのか?

    という事は...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年12月27日

    久々に読み応えのある小説に出会えた。自分の力ではどうにもならぬ運命に流されていく切ない物語。「転ばない」美学

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    Posted by ブクログ 2017年12月21日

    物凄く面白かった。キリスト教との関わりの中から、他の作品と同じように、日本人の本質をことごとく見事にあぶりだした作品だったと感じる。

    30年近く日本で布教活動をしてきたヴァレンテ神父の「日本人はこの世界の中で最も我々の信仰に向かぬ者達です。彼らにとってもし、人間以上のものがあったとしても、それは人...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年08月23日

    『沈黙』よりももしかしたら、こちらの方が好きかもしれない。ずしーん、と心に重くのしかかってくる作品。
    自分のことや、友だちのことを考える時、信仰って一体なんだろう、と思うことがよくある。
    それでも信じ続ける理由?
    僕はまだ、よく分かりません。

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    Posted by ブクログ 2014年07月28日

    江戸時代初頭、仙台藩が送った遣欧使節の話である。主人公は、長谷倉六右衛門と宣教師ベラスコ。ベラスコの持つ、驕慢と野心、日本という困難な国で布教し、征服したいという野望。一方、侍の持つ、お役目に対する真摯さ、たとえ不条理なものでも定めと受け入れる愚直さ。この二人は対照的だが、読み終えてから気づいたのは...続きを読む

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