国内小説 - 新潮社の検索結果

  • 軍艦長門の生涯(上)
    4.3
    1~3巻770~814円 (税込)
    総排水量4万3千トン、40サンチ砲8門搭載、最高速力26.7ノット。世界最大・最強・最高速の戦艦としてその威容を誇った軍艦長門は、帝国海軍の栄光と矛盾を一身に背負って激動の大正・昭和期を生きた。連合艦隊が壊滅し、ただ一隻生き残った長門を、敗戦後待ちうけていたのは劇的な終焉……。一隻の軍艦の生涯を通して今よみがえる、“あの時代”の日本と日本人の一大スペクタクル!
  • 形影相弔・歪んだ忌日
    3.0
    僅かに虚名が上がり、アブク銭は得たものの内実が伴わぬ北町貫多は虚無の中にいた。折から、藤澤清造の自筆原稿が古書の大市で出品された。百四十一枚の入札額を思案するうち、ある実感が天啓の如く湧き起こる(「形影相弔」)。二十数年振りに届いた母親からの手紙に、貫多の想念は激しく乱されるが……(「感傷凌轢」)。孤独な魂の咆哮を映し出す、私小説の傑作六編。『歪んだ忌日』改題。
  • 警官の血(上下)合本版(新潮文庫)
    1.0
    1巻1,705円 (税込)
    昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。 ※当電子版は新潮文庫版『警官の血』上下巻をまとめた合本版です。
  • 掲載禁止 撮影現場(新潮文庫)
    4.0
    不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男を問い詰めていくなかで進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」……。怖いのに、読むのが止められない傑作八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。(解説・真梨幸子)
  • 刑事弁護人
    4.1
    1巻2,145円 (税込)
    現役女刑事による残忍な殺人事件が発生。弁護士・持月凜子は同じ事務所の西と弁護にあたるが、加害者に虚偽の供述をされた挙げ句、弁護士解任を通告されてしまう。事件の背後に潜むのは、幼児への性的虐待、残忍な誘拐殺人事件、そして息子を亡くした母親の復讐心? 気鋭のミステリ作家が挑んだ現代版「罪と罰」。
  • 軽薄(新潮文庫)
    4.1
    18歳の頃、カナは元恋人に刺されるも一命を取り留めた。29歳の今、仕事も夫と幼い息子との家庭も充実しているが、空虚な傷跡は残ったままだ。その頃、米国から姉一家が帰国しカナは甥の弘斗と再会。19歳になった彼に激しい愛情を寄せられ、一線を越えてしまう。カナに妄執する弘斗は危うげで、そしてある過去を隠していた――。二人を繋いでしまった、それぞれの罪と罰。喪失と再生の純愛小説。
  • けさくしゃ(新潮文庫)
    3.7
    1巻825円 (税込)
    腕っぷしは弱いが、見た目は役者と見紛うばかりのいい男。柳亭種彦は二百俵取りのお殿様で、暇を持て余す趣味人だ。その読み手を楽しませる才能を見込んだ版元の山青堂は、彼の戯作で一山当てようと目論む。渋々ながらも書き始めた種彦。すぐに戯作の虜になるが、世に出した作品がその身を危うくする……。実在した流行作家の若き姿と、本を愛おしむ仲間たちとの痛快な活躍を描く。(解説・新井見枝香)
  • 化粧の素顔
    4.0
    もっと開いて。もっと受け入れて。もっと満たして――。理想の女性を求めて遍歴を重ねる河島文也。大胆で細やかな文也のアプローチとテクニックは相手を歓ばせるが、燃え上がった官能は、なぜかいつも途中から醒めてゆく。甘美な性愛のさなかに、身体と身体で交わされる男と女の駆け引きの行方をシニックに描く。もう一段、恋愛上手になるための秘密が詰まった六篇。大人の小説集。

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  • 戯場國の怪人
    3.6
    1巻2,420円 (税込)
    桟敷席を予約し続ける謎の人物の噂が立つ江戸市村座。女形瀬川菊之丞、戯作者平賀源内、二代目市川團十郎、講談師深井志道軒、広島藩士稲生武太夫、大奥御年寄江島、さる公卿とその妹らを巻き込み、芝居小屋の地下で蠢く時を超えた怨讐、恋着、役者の業火等々、虚実のあわいを壮大に描き切る伝奇エンタメの極地!
  • 決壊(上)
    値引きあり
    3.9
    1~2巻654~880円 (税込)
    地方都市で妻子と平凡な暮らしを送るサラリーマン沢野良介は、東京に住むエリート公務員の兄・崇と、自分の人生への違和感をネットの匿名日記に残していた。一方、いじめに苦しむ中学生・北崎友哉は、殺人の夢想を孤独に膨らませていた。ある日、良介は忽然と姿を消した。無関係だった二つの人生に、何かが起こっている。許されぬ罪を巡り息づまる物語が幕を開く。衝撃の長編小説。
  • 決壊(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    地方都市で妻子と平凡な暮らしを送るサラリーマン沢野良介は、東京に住むエリート公務員の兄・崇と、自分の人生への違和感をネットの匿名日記に残していた。一方、いじめに苦しむ中学生・北崎友哉は、殺人の夢想を孤独に膨らませていた。ある日、良介は忽然と姿を消した。無関係だった二つの人生に、何かが起こっている。許されぬ罪を巡り息づまる物語が幕を開く。衝撃の長編小説。 ※当電子版は新潮文庫版『決壊』上下巻をまとめた合本版です。
  • 結婚
    4.0
    芥川賞受賞作『忍ぶ川』以降の6つの作品集から選ばれた9編と、早稲田大学仏文科在学中に24歳で執筆し第二回新潮同人雑誌賞を受賞した「十五歳の周囲」を収録。
  • 結婚詐欺師(上)
    3.8
    1~2巻605~693円 (税込)
    橋口雄一郎は40代のプロの結婚詐欺師。カツラ・洋服・職業・車を使い分けて変身、女性の心理を逆手に取る巧みな話術で誘惑し、金をだまし取っていた。東京・小滝橋署の刑事、阿久津は偶然かかわった結婚詐欺の被害届から、プロの匂いを感じ取り捜査を始めた。やがて松川学という前科者が浮上、身元の確認に追われる。一方、橋口はゴルフ練習場で見つけた女性に次の狙いを定めた――。
  • 結婚式
    4.0
    1巻440円 (税込)
    〈男はわたしをもてあましながら少しずつ手放そうとしている……。こっちから別れてもいいのだ〉恋人を捨てる「マリコの選択」。結婚式の前日ひとりヨットに乗り込み結婚を拒絶した男や、花嫁の過去を知りぬいて披露宴で道化を演じる若い夫の心理を描く「結婚式」。ほか、「投げられた指輪」「スペインから」「クール経由サンモリッツ行き」「パティオの月」「オー・イエス・イエス」の、“結婚”の前後にいる男と女の愛と欲望のくい違いを軽妙に描く短編7編。
  • 結婚します
    -
    1巻770円 (税込)
    初めての見合いの席で「わたくし、お見合いなんかする男の人って、嫌いなんです」と、相手の百合子に決めつけられた浩太郎は、敢然と“輝かしい見合い結婚”を決意する。“縁談の修羅場”に立ち向う浩太郎がめぐり合う、さまざまなエピソードを通して、現代の若者の女性観・結婚観・家庭観などなどを、新鮮痛快に描き出す――。明るく、爽やかなユーモアが全編に息づく青春小説。
  • 結婚しません
    -
    1巻440円 (税込)
    由利子は31歳、黄色い雨傘のよく似合う美しい独身女性である。年頃になってからは、縁談も多かった、恋人もいた。なぜ結婚しないのだろうと誰でも思う。が、彼女にはある決意と理由があった……(第6話「黄色い雨傘」)。聡明で魅力的でありながら、結婚しない人生をさりげなく選んだ女性たち。その内面のドラマと生き方を明るく描いて、若い女性の共感を誘うユニークな12の物語。「赤い大橋」「朝の寝台」「菜の花峠」「紫におう」「葉桜の周囲」「屋上の煙草」「炎の重量」など。
  • 結婚のためなら死んでもいい(新潮文庫)
    3.8
    1巻737円 (税込)
    わたしはね、55歳になったあんた自身、そして今でも独身だよ――。彼氏なし、売れない小説家の「わたし」は、勤め先のエレベーターの片隅に佇む女からそう告げられる。気迫に満ちた未来の自分に促され、死に物狂いの婚活を開始するが。自分語りが大好きな皮膚科医、24歳のかわいいDJ、趣味は合うほぼ童貞のSE……。〈運命の人〉は実在するのか。過激で赤裸々で切ない10年を描く実録小説。『婚活1000本ノック』を全面改稿の上、改題。併せてお読みください。(解説・清田隆之)
  • けっぱり先生
    -
    1巻880円 (税込)
    春三月、卒業式に「仰げば尊し」を歌わせない学校があった。新聞記者の宮川はその取材で一人の魅力的な教育者を見た。“けっぱり先生”こと猪股校長である。試験廃止、PTA解散など、教育ママの反対もなんのその、ねじまげられた教育のゆがみを正そうと情熱を燃やすガンバリ校長だ。傷つきやすく多感な青春群像を、厚い胸に抱きとめてのその奮戦を、爽やかに描く感動の学園小説。
  • 結論それなの、愛
    3.9
    1巻1,925円 (税込)
    バンコクの高級アパートで暮らすマリは、コロナ禍で出張先から帰ってこられない夫と別居生活を送っている。日本にいた母の葬儀にも参加できず、孤独なマリに声を掛けたのは、テオというタイ人青年だった。寄り添い、理解しようと向き合ってくれるテオに、マリは心惹かれるようになる。魂が震える最高純度の恋愛小説。
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)
    4.0
    ソ連軍が侵攻し、国府・八路軍が跳梁する敗戦前夜の満州。敵か味方か、国籍さえも判然とせぬ男とともに、久木久三は南をめざす。氷雪に閉ざされた満州からの逃走は困難を極めた。日本という故郷から根を断ち切られ、抗いがたい政治の渦に巻き込まれた人間にとっての、“自由”とは何なのか? 牧歌的神話は地に堕ち、峻厳たる現実が裸形の姿を顕現する。人間の生の尊厳を描ききった傑作長編。(解説・磯田光一)
  • けものみち(上)
    3.8
    1~2巻825円 (税込)
    米倉涼子主演ドラマの原作。割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。彼女は赤坂のホテル支配人・小滝にそそのかされ夫を焼殺し、行方を絶つ。直感で民子を疑った刑事・久恒はその行方を追ううち、民子への欲望をつのらせ、政財界の黒幕・鬼頭の女になっていることを突き止める。人倫の道を踏み外したものがたどる〈けものみち〉とは。
  • けものみち(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,650円 (税込)
    割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。彼女は赤坂のホテル支配人・小滝にそそのかされ夫を焼殺し、行方を絶つ。直感で民子を疑った刑事・久恒はその行方を追ううち、民子への欲望をつのらせ、政財界の黒幕・鬼頭の女になっていることを突き止める。人倫の道を踏み外したものがたどる〈けものみち〉とは。 ※当電子版は新潮文庫版『けものみち』上下巻をまとめた合本版です。
  • 快楽
    -
    1巻1,210円 (税込)
    たとえ女と交わっても覚楽してはならぬ。覚楽なければ不犯なり――厳しい戒律のなかでうろたえ、摸索する青春の魂。教団活動と左翼運動の境界に身を置く“赤い坊さん”柳は教団及び革命団体の分裂抗争に巻きこまれる……。集団悪の諸相、人間の業の深さを見据えて、戦慄すべき予言と稀有の洞察にあふれる本書は、巨人武田泰淳がそのすべてを投入した畢生の大作である。
  • 検事 霞夕子 風極の岬
    -
    夕子は北海道釧路地検に転勤になった。東京とはすべてスケールの違う生活に戸惑うなか、事件が発生した。廃業したリゾートホテルで、白骨死体が見つかったという。そして現場に残る酒盛りのあと。捜査に加わる夕子の目が光る――「札幌は遠すぎる」ほか3編収録。北の大地に渦巻く人間関係のあやを、かすかな違和感、些細な痕跡を手がかりに解きほぐす、検事・霞夕子シリーズ第3作。

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  • 検事 霞夕子 夜更けの祝電
    5.0
    バツイチのOL・山口美幸は39回目の誕生日を迎えるその日、たった一人で孤独をかみしめながら過ごしていた。次の日、彼女は後頭部を鈍器で殴打されて、自分の部屋で死亡していた。部屋には色彩豊かな花瓶に5本の紅いバラと3本のクリーム色のバラが挿されていた。いったい誰が彼女を殺したのか。お多福顔でおっとり口調の検事、霞夕子が鋭く解決する「夜更けの祝電」をはじめ、「橋の下の凶器」「早朝の手紙」「知らなかった」の4篇を収録する人気シリーズ。

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  • 県民には買うものがある
    3.3
    1巻1,540円 (税込)
    滋賀の片田舎に住む私たちは、「JKでヤってない」ってだけでかなり取りこぼしてる。だから廃れたSNSで、ちょうどいい男を探すことに……。都民でも府民でも道民でもない、「県民」の心の底にある揺らぎを掬い取った「R-18文学賞」友近賞受賞作をはじめ、切実すぎるのになんだか残念、でも胸が熱くなる、デビュー短編集。
  • 絢爛の法
    4.4
    1巻3,630円 (税込)
    維新がなければ、世に出られなかった熊本の陪々臣の三男、井上毅は肺を病むほどに学び、大久保利通と伊藤博文らに見出され、立憲政体の詔勅、大日本帝国憲法と教育勅語の起草など近代国家の礎を言葉にしていく。大隈重信、岩倉具視、星亨、牧野伸顕などの英傑もクセが強く、黎明期の明治は熱く面白いと見直す記念碑的傑作。
  • 外科室・天守物語(新潮文庫)
    4.0
    1巻649円 (税込)
    私はね、心に一つ秘密がある――。伯爵夫人手術時に起きた“事件”を描く『外科室』。眷族を伴として姫路城天守閣に棲む妖姫が、若き武士と出逢う『天守物語』。二つの代表作に加えて、故郷金沢を情感ゆたかに描く怪異譚『霰ふる』。三島由紀夫が絶賛した絶筆『縷紅新草』。そして『化鳥』『高桟敷』『二三羽――十二三羽』『絵本の春』を収める。アンソロジスト東雅夫が選び抜いた、鏡花文学の精髄八篇。(解説・東雅夫)
  • 激情次長―不正融資を食い止めろ―(新潮文庫)
    4.0
    1巻814円 (税込)
    大洋栄和銀行の上杉健は、問題があると思えば上司や官僚であろうと容赦しない広報部次長だ。横領、派閥抗争、大蔵省接待、インサイダー取引。数々の苦難を持ち前の正義感で乗り越えてきた上杉に、未曾有の金融不祥事が立ちはだかる! 隠蔽を図る経営幹部たち。腐敗が極限にまで達した銀行の膿を出し切ることはできるのか? 企業エンタテインメントの傑作。『さらば銀行の光』改題。
  • 戯作三昧・一塊の土(新潮文庫)
    3.7
    江戸末期の市井の風俗の中で、芸術至上主義の境地を生きた馬琴に、自己の思想や問題を託した「戯作三昧」、仇討ちを果した赤穂浪士の心理に新しい照明をあてて話題を呼んだ「或日の大石内蔵之助」などの“江戸期もの”。闇空に突然きらめいて、たちまち消えてゆく花火のような人生を描いた「舞踏会」などの“明治開化期もの”。ほかに本格的な写実小説「秋」など、現代に材料をとった佳作を網羅した。(解説・中村真一郎)
  • 下駄の上の卵 (新潮文庫)
    4.0
    昭和21年7月。憧れのまっ白な軟式野球ボールを手に入れるため、山形から闇米抱え密かに東京へと向かった国民学校六年生の野球狂の少年たち。その大冒険は、疲弊と混乱の極みに達した東京の街を舞台に、一進一退のシーソーゲームとなって展開していく。眼前に広がる敗戦の実像、しかし人々はなおしたたかに生きている。戦後とはいったい何だったのかを少年たちの視点から繙(ひもと)いた永遠の名作。(解説・井筒和幸)
  • 月光のドミナ
    -
    暗い波間から現われた全裸の金髪女性に頬を打たれ、自己のマゾヒストとしての運命を確認する画学生千曲の暗い欲望に迫る「月光のドミナ」。外国旅行中、結核が再発した夫に南仏見物を同意させる妻のわがままを描く「再発」。ほか「シラノ・ド・ベルジュラック」「あまりに碧い空」「パロディ」「寄港地」「宦官」「松葉杖の男」「地なり」「イヤな奴」「葡萄」を収録。作中人物の心に潜む暗い衝動やエゴイズムや恐怖を、そのまま描き出す誠実な筆致と明確な構成を持つ初期短編11作。

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  • 月光の東
    値引きあり
    3.6
    1巻693円 (税込)
    「月光の東まで追いかけて」。出張先のカラチで自殺を遂げた友人の妻の来訪を機に、男の脳裏に、謎の言葉を残して消えた初恋の女性の記憶が甦る。その名前は塔屋米花。彼女の足跡を辿り始めた男が見たのは、凛冽な一人の女性の半生と、彼女を愛した幾人もの男たちの姿だった。美貌を武器に、極貧と疎外からの脱出を図った女を通し、人間の哀しさ、そして強さを描く傑作長編小説。
  • 月桃夜(新潮文庫)
    3.8
    薩摩の支配下にあった奄美。孤児のフィエクサは、父を失った少女サネンと兄妹の契りを交わす。砂糖作りに従事する奴隷のような身分の二人だが、フィエクサは碁を習い才覚を発揮、サネンは美しい娘に成長する。しかしサネンが薩摩の役人から妾に所望され、過酷な運命が動き出す――。濃厚な花の匂いの中、無慈悲な神に裁かれる禁断の絆。魔術的な魅力に満ちたファンタジーノベル大賞受賞作。(解説・吉田伸子)
  • 月曜日の朝・金曜日の夜
    4.0
    1巻770円 (税込)
    中央線に乗って国立駅から東京駅まで通う。沿線に展開する四季折々の風景、車内にみる世相百態など、通勤電車の心とその表情を捉えた「月曜日の朝」。週末にホッと一息ついて行きつけの止り木でピーナツを噛み、寿司屋の床几でコハダをつまむ。わが街のやすらぎの風情を描く「金曜日の夜」。ひとつひとつの挿話に季節感が刻みこまれ、日常生活を再発見する新しい歳時記。
  • 幻化
    -
    消え去った記憶を確かめようと南九州を旅する精神病の男を通して、二十数年間の心象風景を文学へと結晶させた、戦後文学屈指の名作「幻化」。ほかに「庭の眺め」「記憶」「仮象」「空の下」「突堤にて」「凡人凡語」の全7編を収録。一貫して戦後の繁栄の仮象の底に生の深淵を見つめ続けた梅崎春生の後期作品集。
  • 限界病院(新潮文庫)
    -
    北海道富産別市立バトラー病院は過疎化とともに経営が悪化し、市財政のお荷物と化していた。市長一派は民間譲渡も視野に入れた改革に手を付ける。医師・看護師の減給を決行し、赤字のままの予算案を市議会に提出。医師を供給してきた北斗医大はその無策に激しく反発する。東京からやってきた外科医城戸健太朗は新院長大迫佳彦と女医吉川まゆみとともに病院改革に乗り出していくのだが……。(解説・東えりか)
  • 言語小説集
    3.7
    ワープロのディスプレイ上でカギ括弧同士が恋をした。威張り腐った●や■に他の記号たちが反乱を起こす「括弧の恋」。方言学の権威が、50年前自分を酷い目に遭わせた特高の元刑事を訛りから見破って復讐する「五十年ぶり」。ある日突然舌がもつれる青年駅員の悲劇を描く「言語生涯」など言葉の魔術師による奇想天外な七編に加え、抱腹絶倒の四編を新たに収録した著者最後の短編集。
  • 源氏物語・隣りの女
    5.0
    亡き母に生きうつしといわれる、父帝の妃・藤壺を恋慕しつつ凛々しく成人した光源氏の、甘美な愛の遍歴を雅びなせりふで語る「源氏物語」。隣りに住むスナックのママの情事に深入りし、その情人と関係を持った人妻の非日常性を描く「隣りの女」。出稼ぎ男の殺人事件を機に現代の家族像を浮彫りにする「七人の刑事」など、テレビドラマの鬼才・向田邦子の傑作シナリオ、6編を収録する。

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  • 現代語訳 竹取物語
    -
    光る竹から生まれたかぐや姫が娘になり、貴公子の求愛に無理難題を与え、煌々と冴えわたる満月の夜に昇天するという永遠の美の幻想……。源氏物語の絵合の巻に「物語の出で来はじめの祖なる竹取の翁」とある「竹取物語」は、平安時代から千百年ものあいだ読み継がれ親しまれている。日本の自然と情感を愛したノーベル賞作家の現代語訳と、ていねいな解説で読む、わが国最古の美しい物語。

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  • 現代語訳 とわずがたり(新潮文庫)
    3.3
    幼少の頃から後深草院のもとで養育された二条は、十四歳の春に院の寵愛を得る。二条は院の愛人となってからも、あまたの貴人や高僧たちと交渉を重ねるが、かねてからの出離の思いが高じ、ついには尼となって諸国遍歴の旅に出る。――波瀾にみちた性の体験を大胆に告白し、愛欲の世界を脱して、宗教に浄化されていく過程を描いた女流日記文学の傑作を、艶麗な筆に甦らせた名訳。
  • 小泉八雲集(新潮文庫)
    3.9
    日常の生活、風俗習慣から、民話、伝説にいたるまで、近代国家への途上にある日本の忘れられた側面を掘り起して、古い、美しい、霊的なものを求めつづけた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。彼は、来日後、帰化して骨を埋めるまで、鋭い洞察力と情緒ゆたかな才筆とで、日本を広く世界に紹介した。本書には、「影」「骨董」「怪談」などの作品集より、代表作を新編集、新訳で収録した。
  • 恋せよ魂魄―僕僕先生―(新潮文庫)
    4.2
    連れ去られた両親を救うために、一行を離れて長安へ向かった劉欣。彼を追う美少女仙人・僕僕と王弁はその旅の途中でタシという少女に出会う。不治の病と診断された彼女はなぜか、王弁の傍にいると症状が和らぐのだった。一方、劉欣の仙骨を狙う胡蝶の頭目は、ついに劉欣を追い詰め、最後の戦いを仕掛けようとするが。クライマックス目前! 大人気中華ファンタジー、出会いと別れの第九巻。
  • 恋に焦がれて吉田の上京
    3.3
    札幌に住む吉田苑美(そのみ)は、23歳にして人生初の恋をする。相手は四十男のエノマタさん。不器用な乙女は「会いたい」と「知りたい」と「欲しい」の本能のまま、想い人を張り込んだ。だがある時彼は上京し、吉田は友人前田の制止(「正気かい?」)を振り切り後を追う。まだ吉田の存在を知らぬ彼に、ちゃんと出会うために。初恋の全てがここにある! 『とうへんぼくで、ばかったれ』改題。
  • 恋人たちの誤算
    3.8
    1巻572円 (税込)
    弁護士事務所に勤める流実子と一流商社のOLの侑里は、高校の同級生で25歳。卒業以来、連絡の途絶えていた二人が思いがけない形で再会した。夢を実現するためなら、自らの体も武器にする流実子。自分を棄てた男とやり直すために、婚約を解消する侑里。愛なんか信じない。愛がなければ生きられない。それぞれの「幸福」をつかむための、がむしゃらな闘いが始まった。

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  • 恋文・私の叔父さん
    4.1
    結婚10年目にして夫に家出された歳上でしっかり者の妻の戸惑い。しかしそれを機会に、彼女には初めて心を許せる女友達が出来たが…。表題作をはじめ、都会に暮す男女の人生の機微を様々な風景のなかに描く『紅き唇』『十三年目の子守歌』『ピエロ』『私の叔父さん』の5編。直木賞受賞。

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  • 行為と死
    -
    愛する女性ファリダのために、スエズ義勇軍に参加し、爆薬を抱えて夜の海を泳ぎきり、かけがえのない生命の燃焼の時間を持ち得た男、皆川。ところが東京に帰った皆川は、次から次とさまざまな女の肉体に惑溺し、バルトリン腺粘液の白い海に溺れて過ぎてゆく日々……。交錯するスエズと東京、純粋な愛とすさまじい性の営み、現代人にとっての“人間復権”を激しく追究した野心作。
  • 公園へ行かないか? 火曜日に
    4.2
    1巻1,496円 (税込)
    2016年11月8日、わたしはアメリカで歴史的瞬間に居合わせた、はずだった――。世界各国から作家や詩人たちが集まる、アイオワ大学のインターナショナル・ライティング・プログラムに参加した著者が、英語で議論をし、街を歩き、大統領選挙を経験した3ヶ月。現地での様々な体験から感じたことを描く11の連作小説集。
  • 香華
    4.2
    女としてのたしなみや慎みを持たず、自分の色情のままに男性遍歴を重ね、淫女とも言えるような奔放な生き方をする母の郁代。そんな母親に悩まされ、憎みさえしながらも、彼女を許し、心の支えとして絶えずかばい続ける娘の朋子。――古風な花柳界の中に生きた母娘の肉親としての愛憎の絆と女体の哀しさを、明治末から第二次大戦後までの四十年の歳月のうちに描く。
  • 校舎の静脈
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    なかに入るとタイムスリップするという給食運搬用のリフト。毎日屋上からフェンスを越えて飛び降りるとささやかれる安行という謎の男。こことは並行して存在する異世界に思いをめぐらす少女。一見平凡そのものにみえる学校のかげに生じるかすかな綻び……。現実に微妙なズレを感じつつ生きる少年少女達を描く表題作他三篇。
  • 甲州赤鬼伝(新潮文庫)
    5.0
    その赤備え軍団は「戦国の伝説」となった――。十四歳の初陣で功を上げられず、父の介錯を務め首を切った山県昌満。心に深手を負い、若き頭領の重圧がのしかかる。だが馬鉄砲の腕を磨き、臣下の窮地を救った昌満は、赤備えの大将として復活。家康と、腹心井伊万千代を震え上らせる戦いを挑んでいく。権謀術数が渦巻く乱世で、最強の赤鬼たちは、いかなる光芒を放ったのか。鮮烈無比の傑作。
  • 好色覚え帳
    -
    「好色な小説家といわれる保坂庄助」の、好奇心あふれ、奇妙でいてしかも真剣な行動に託してくりひろげられる、現代風俗のカリカチュア。――“頓狂連”なる珍妙な仲間たちをひきいてとりおこなう赤線忌、寒詣りから、結婚相談所の見合い、近親相姦の村探訪記、乱交パーティの実地研究、女学校の運動会見物まで、黒メガネに映った虚実反転の世界を、諧謔諷刺まじえつつ描く連作長編。
  • 好色の魂
    -
    昭和初期、エロ・グロ・ナンセンス華やかなりし時、たび重なる発禁にも屈せず、女泣かせの極意書や春本をあっぱれ秘密刊行して、名声天下にかくれもない「好色出版の帝王」貝原北辰。その奔放無頼の生涯を、空前の言論の自由を謳歌する今日、相も変らぬ官憲の発禁処分に対して闘う現代の北辰、野坂昭如が、己れの自画像をも映し入れながら共感と敬意をこめて描き上げた異色長編。
  • 麹町二婆二娘孫一人
    3.5
    1巻2,024円 (税込)
    東京麹町の古い屋敷に暮らす女ばかりの五人。昭和初め生まれのお嬢さん気質の抜けない家付き娘・富子さんも、ロリータファッションの孫娘・真由に振り回される平成の現在。富子さんと長年ともに暮らしてきた大正生まれのおきくさんが高齢出産で得た娘の紀美ちゃんもいて――世代様々、微妙な関係。変わりゆくもの、変わらないもの、それぞれの人生を温かくみつめる長編。
  • 工場(新潮文庫)
    3.5
    大河が南北を隔てる巨大工場は、ひとつの街に匹敵する規模をもち、環境に順応した固有動物さえ生息する。ここで牛山佳子は書類廃棄に励み、佳子の兄は雑多な書類に赤字を施し、古笛青年は屋上緑化に相応しいコケを探す。しかし、精励するほどに謎はきざす。この仕事はなぜ必要なのか……。緻密に描き出される職場に、夢想のような日常が浮かぶ表題作ほか2作。新潮新人賞、織田作之助賞受賞。(解説・金井美恵子)
  • 行人(新潮文庫)
    4.2
    学問だけを生きがいとしている一郎は、妻に理解されないばかりでなく、両親や親族からも敬遠されている。孤独に苦しみながらも、我を棄てることができない彼は、妻を愛しながらも、妻を信じることができず、弟・二郎に対する妻の愛情を疑い、弟に自分の妻とひと晩よそで泊まってくれとまで頼む……。「他の心」をつかめなくなった人間の寂寞とした姿を追究して『こころ』につながる作品。(解説・大野淳一)
  • 洪水はわが魂に及び(上)
    5.0
    1~2巻627円 (税込)
    50種の野鳥の声を識別する知恵遅れの幼児ジンと共に、武蔵野台地の核避難所跡に立て籠り、「樹木の魂」「鯨の魂」と交感する大木勇魚(いさな)。世界の終末に臨んでなお救済を求めず、自らの破滅に向って突き進む「自由航海団」の若者たち……。世代を異にする両者の対立・協同のうちに、明日なき人類の嘆きと怒り、畏れと祈りをパセティックに描いて、野間文芸賞を得た渾身の純文学巨編。
  • 公孫龍 巻一 青龍篇(新潮文庫)
    4.5
    1~2巻737円 (税込)
    中国戦国時代、人質として周から燕に送られることとなった十八歳の王子稜(りょう)。父赧王の燕王宛ての書翰に、己を殺すようにと書かれているのを知った稜は愕然とする。王宮内の陰謀に巻き込まれたことを悟った稜は、山賊の襲撃から救った強国趙の幼き二公子の求めに応じ、商人「公孫龍(こうそんりょう)」として趙の都邯鄲(かんたん)を目指すことに。群雄割拠の乱世に颯爽と現れた青年の成長を描く波乱万丈の大河歴史小説開幕。
  • 幸福
    -
    1巻1,144円 (税込)
    愛してはいけない女との、ただ一度の過ちを胸に秘め、小さな町工場で油にまみれて働く、無口な青年数夫の前に、兄の婚約者だったその女、組子が再び現われた……。数夫を慕う組子の妹素子、組子を見守る中年男八木沢、そして数夫を憎む兄の太一郎。さまざまな愛が、互いにからみあい、もつれ、傷つけあう姿を通して、本当の「幸福」とは何かを問いかける、男と女の愛のドラマ。

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  • 幸福な家族
    3.4
    馬鈴薯や玉葱や南瓜に美を見いだして、あくことなく野菜の絵を描く老ドイツ語教師・佐田とその妻、聡明で個性的な息子、娘とその恋人たちが、人類の意志としての幸福を愛し、幸福を極めようとする、どこまでも素朴な善意を基調として構成された小説。彼らの周辺でさかんに交される、真情こもった当意即妙のユーモラスな会話は、読者の心を明るい希望で満たして尽きることはない。
  • 幸福な朝食
    3.6
    女優を目指して上京した少女は、運命の悪戯に全ての夢を打ち砕かれ、孤独のうちに歳月を過ごしてきた。だがその男との出会いを境に、心の底に凍てついた狂気がゆっくりと溶けはじめる。……なぜ忘れていたのだろう。あの夏から、私は妊娠しているのだ。そう、何年も、何年も、この子は待っていてくれたのよ……。濃密な心理描写が絶賛された直木賞作家のデビュー作。
  • 坑夫(新潮文庫)
    3.8
    恋愛事件のために家を出奔した主人公は、周旋屋に誘われるまま坑夫になる決心をし、赤毛布や小僧の飛び入りする奇妙な道中を続けた末銅山に辿り着く。飯場にひとり放り出された彼は異様な風体の坑夫たちに嚇かされたり嘲弄されたりしながらも、地獄の坑内深く降りて行く……。漱石の許を訪れた未知の青年の告白をもとに、小説らしい構成を意識的に排して描いたルポルタージュ的異色作。明治41年、『虞美人草』に次いで「朝日新聞」に連載された。(解説・三好行雄)
  • 神戸・続神戸(新潮文庫)
    4.0
    第二次大戦下、神戸トーアロードの奇妙なホテル。“東京の何もかも”から脱走した私はここに滞在した。エジプト人、白系ロシヤ人など、外国人たちが居据わり、ドイツ潜水艦の水兵が女性目当てに訪れる。死と隣り合わせながらも祝祭的だった日々。港町神戸にしか存在しなかったコスモポリタニズムが、新興俳句の鬼才の魂と化学反応を起こして生まれた、魔術のような二篇。(解説・森見登美彦)
  • 黄落(新潮文庫)
    4.0
    還暦間近の夫婦に、92歳の父と87歳の母を介護する日がやってきた。母の介護は息子夫婦の苛立ちを募らせ、夫は妻に離婚を申し出るが、それは夫婦間の溝を深めるだけだった。やがて母は痴呆を発症し、父に対して殺意に近い攻撃性を見せつつも、絶食し自ら命を絶つ。そして、夫婦には父の介護が残された……。自らの体験から老親介護の実態を抉り出した、凄絶ながらも静謐な佐江文学の結実点。(解説・櫻井よしこ)
  • 香乱記(一~四)合本版(新潮文庫)
    -
    悪逆苛烈な始皇帝の圧政下、天下第一の人相見である許負は、斉王の末裔、田氏三兄弟を観て、いずれも王となると予言。末弟の田横には、七星を捜しあてよという言葉を残す。秦の中央集権下では、王は存在しえない。始皇帝の身に何かが起こるのか。田横は、県令と郡監の罠を逃れ、始皇帝の太子・扶蘇より厚遇を得るのだが……。楚漢戦争を新たな視点で描く歴史巨編。 ※当電子版は新潮文庫版『香乱記』一~四巻をまとめた合本版です。
  • 虚空の冠(上)―覇者たちの電子書籍戦争―(新潮文庫)
    4.0
    1~2巻671~715円 (税込)
    俺の夢は、メディアの制覇だ──。終戦直後の日本。若き新聞記者、渋沢はある船舶事故に遭遇。一人生き延びた彼は、事故をめぐる重大な秘密と引き換えに、出世の階段を登り始める。時は移り、現代。IT企業の社長、芦野は電子書籍ビジネスに目を付けた。そのコンテンツ獲得のために、今や極東グループの会長となった渋沢に接触を試みる。時代を予言する衝撃のエンタテインメント。
  • 虚空へ(新潮文庫)
    4.2
    暗がりのなかで蛍火のように点滅する詩もある。今の夥(おびただ)しい言葉の氾濫に対して、小さくてもいいから詩の杭を打ちたい――。誰よりも巧みに言葉を操りながら、疑いも抱きつづけた谷川俊太郎が、最晩年にありったけの願いを込めて編んだ十四行詩・88篇。誕生の不思議、いま生きて触れている感覚、世界の恐ろしさと愛おしさ、そして死の向こう側。遺作詩集にして、現代詩の到達点。(解説・俵万智)
  • 國語元年
    -
    明治七年、文部省官吏南郷清之輔は「全国統一話し言葉」の制定を命じられた。織田信長や太閤秀吉の天下統一にも比すべき大事業! しかし彼の家では家族、奉公人など十の方言が入り乱れて大混乱……。戯曲版・井上ひさし日本語連続講座。
  • 国銅(上)
    4.4
    1~2巻737~781円 (税込)
    歯を食いしばり一日を過ごす。星を数える間もなく眠りにつく。都に献上する銅をつくるため、若き国人は懸命に働いた。優しき相棒、黒虫。情熱的な僧、景信。忘れられぬ出会いがあった。そしてあの日、青年は奈良へ旅立った。大仏の造営の命を受けて。生きて帰れるかは神仏のみが知る。そんな時代だ。天平の世に生きる男と女を、作家・帚木蓬生が熱き想いで刻みつけた、大河ロマン。
  • 孤高の人(上)
    4.2
    1~2巻990円 (税込)
    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。
  • 孤高の人(上下)合本版(新潮文庫)
    4.7
    1巻1,980円 (税込)
    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。 ※当電子版は新潮文庫版『孤高の人』上下巻をまとめた合本版です。
  • ここから先はどうするの―禁断のエロス―(新潮文庫)
    3.3
    官能小説の依頼に難航していた女性ホラー作家は、女性同士のカップルの後をつけ漫画喫茶へ。隣の壁に耳を澄ませ聞こえてきたのは、衣擦れ、溜息、潤みの音で……(「壁の向こうで誰かが」)。医師の寺沢は急患の老女の足に驚く。爪先に向かって細く、指は折り畳まれ、足裏は窪んでいた。纏足だ。それは、性具だった――(「Lotus」)。歪んだ欲望が導く絶頂、また絶頂。五人の作家の官能アンソロジー。
  • ここは夜の水のほとり
    3.3
    1巻1,540円 (税込)
    生に無頓着なのに、死と隣り合わせだったあの頃。あなたと優しい幽霊、古い一軒家、アトリエ、そして玉川上水のほとりの並木道……。あまりにも完璧な、けれどもどこか曖昧な環境で、かけがえのない人さえ守りきれなかった私たちの、歪でつかみどころのない青春群像。受賞作を含む連作短篇集。
  • ここは私たちのいない場所(新潮文庫)
    3.6
    順風満帆な会社員人生を送ってきた大手食品メーカー役員の芹澤は、三歳で命を落とした妹を哀しみ、結婚もしていない。ある日、芹澤は元部下の鴫原珠美と再会し、関係を持ってしまう。しかし、その情事は彼女が仕掛けた罠だった。自らの運命を変えた珠美と会い続けようとする芹澤。彼女との時間は、諦観していた彼の人生に色をもたらし始める――。喪失を知るすべての人に捧げるレクイエム。(解説・中瀬ゆかり)
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)
    3.5
    小柳美帆はエリート記者の黒川丈二との結婚を目前に、故郷の福岡で同級生の仲間優司と再会する。中学時代「俺は、お前のためならいつでも死んでやる」と唐突に謎の言葉を口走った優司。今その背中に大きな龍の刺青と計り知れぬ過去を背負っていた。時間や理屈を超え、二人の心に働く不思議な引力の正体とは――恋より底深いつながりの核心に迫り、運命の相手の存在を確信させる傑作。
  • ここを出ろ、そして生きろ
    3.8
    1巻1,232円 (税込)
    目の前の誰かを救うためNGO活動に没頭しながらも、戦後利権に群がる民間組織の現実に戸惑いを覚えるさゆり。より危険な道を選ぶことでしか「生」を実感できない焦燥感に悩む、プロの人道支援者ジャン。コソボ、コンゴ、NY、エルサレムを舞台に、生死の境界を往く恋人たちの壮絶な闇を追った、渾身の長編小説。

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  • 小島(新潮文庫)
    4.0
    「絶対に無理はしないでください」豪雨に見舞われた地区にボランティアとして赴いた〈私〉は、畑に流れこんだ泥を取り除く作業につく。その向こうでは、日よけ帽子をかぶった女性が花の世話をしていた。そこはまるで緑の小島のようで――。被災地支援で目にした光景を描いた表題作のほか、広島カープを題材にした3作など14編を収録。欧米各国で翻訳され、世界が注目する作家の最新作品集!(解説・藤野可織)
  • 個人的な体験
    4.2
    わが子が頭部に異常をそなえて生れてきたと知らされて、アフリカへの冒険旅行を夢みていた鳥(バード)は、深甚な恐怖感に囚われた。嬰児の死を願って火見子と性の逸楽に耽ける背徳と絶望の日々……。狂気の淵に瀕した現代人に、再生の希望はあるのか? 暗澹たる地獄廻りの果てに自らの運命を引き受けるに至った青年の魂の遍歴を描破して、大江文学の新展開を告知した記念碑的な書下ろし長編。
  • 去年今年
    -
    1巻440円 (税込)
    飄々として、清廉と一パイの酒を愛し、片隅の人生、ささいな市井事にも慈しみの眼を向けつづけた著者が、胸にせまる実感と鮮やかなユーモアで綴った短編集。著者自らが選んだ珠玉の十編を収録した、最後の自選集。
  • 木精―或る青年期と追想の物語―
    3.8
    1巻671円 (税込)
    ドイツの神経研究所で学ぶひとりの日本人精神科医。彼が遠い異国へやって来たのは、人妻との情事に終止符を打つためでもあった。ドナウ源流地帯、チロルの山々、北国の町々――ヨーロッパを彷徨う彼の胸に去来する不倫の恋への甘美な追憶、そして、作家としての目覚めと将来への怯え。著者自身の若き日の魂の遍歴をふり返り、虚構のうちに再構成した《心の自伝》。『幽霊』の続編。
  • 孤蝶の城(新潮文庫)
    3.7
    1巻1,045円 (税込)
    カーニバル真子としてクラブや芸能界で活躍する秀男は、モロッコで手術を受け、念願だった「女の体」を手に入れた! 帰国後の凱旋ショーは大成功をおさめるが、気まぐれな世間の注目を集め続けることは難しい。歌手デビューや地方回り、話題づくりのための結婚などあの手この手で奮闘するが、その先に待っていたのは!? 出会い、別れ、新たな始まり――。読んだ人の運命を変える圧倒的な物語。(解説・内藤麻里子)
  • 古都(新潮文庫)
    4.2
    京都の呉服問屋の娘である千重子は、幼馴染の大学生、真一と平安神宮へ花見に出かける。夕暮れ時、彼女はある秘密を明かすが、真一は本気にしなかった。やがて夏の祇園祭の夜、千重子は自分とそっくりな娘と出会う。あなたは、いったい誰? 運命の歯車が回りはじめた……。京都の伝統ある行事や街並み、移ろう季節を背景に、日本人の魂の底に潜む原風景を流麗に描く。ノーベル文学賞対象作品。(解説・山本健吉、綿矢りさ)
  • この国の空
    3.4
    戦争末期の東京――空襲に怯え、明日をもしれぬ不安な日々を過ごす十九歳の里子。母と伯母と杉並の家に暮らす彼女の前に、妻子を疎開させた隣人・市毛が現れる。切迫する時代の空の下、身の回りの世話をするうち、里子と市毛はやがて密やかに結ばれるが……。戦時を生きる市井の人々の日常と一人の女性の成長を、端正な筆致で描き上げた長編文学作品。谷崎潤一郎賞受賞作。
  • この血の流れ着くところ
    3.4
    1巻1,496円 (税込)
    母のようにだけはなるまい、と心に決めて生きてきた。なのに、気付けば母と同じことをしている自分がいる。この娘も、母や私のようになってしまうのだろうか――。貧困、いじめ、シェアハウス、シングルマザー、そして信仰。我が子の幸せを願うとは、いかなることか? 世の毒親物とは一線を画し、ここに母娘小説は極限を見る。
  • この橋をわたって(新潮文庫)
    3.7
    妾は、猫で御座います。名前は、「ファー」って呼んでいただければ――。猫には、秘密の使命が隠されていたことが明らかにされる新井素子版『吾輩は猫である』。素直になれない猫と、不器用なカラスの友情を描く「黒猫ナイトの冒険」。十四歳少女が土地神からの風変わりな試練に立ち向かう「なごみちゃんの大晦日」など、日常から伸びる「橋」をわたった先に待つ、心あたたまる8つの不思議。
  • この星のソウル
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    李朝最後の王高宗は、閔妃を日本人に斬殺され、息子をロシア語通訳に毒殺されかかりながらも強かな抵抗を続けた。日本統治下の作家や詩人、語り手の中村をガイドしてくれた在日の女子留学生。儚い生の連なりが、激動の朝鮮史を織りなしてゆく。過去を掘り下げることによって未来を見晴るかす視野を開く刺激に満ちた歴史長篇。
  • 湖畔の愛(新潮文庫)
    3.7
    1巻649円 (税込)
    今日も一面霧が立ちこめて。ときに龍神が天翔るという伝説がある九界湖の畔で、むっさいい感じで営業している九界湖ホテル。支配人新町、フロント美女あっちゃん、怪しい関西弁の雑用係スカ爺が凄絶なゆるさで客を出迎える。真心を込めて。そこへ稀代の雨女や超美人の女子大生、ついには鳥取砂丘に消えたはずの伝説の芸人横山ルンバも現れて――。文学なのか、喜劇(コント)なのか。笑劇の超恋愛小説。(解説・酉島伝法)
  • 拳の声が聞こえるか
    3.7
    1巻2,310円 (税込)
    言葉は喉の奥でつっかえ、想いは胸の底で燻る。東京の片隅で、影のように生きる青年・五十嵐遼馬。その人生を変えたのは、ボクシングだった。寡黙な青年は拳を交わし、生きた会話の喜びに目覚めていく。やがて立ちはだかるのは、悪霊に憑かれた異国のチャンプ――これぞ王道の灼熱、青春小説の名手がブッ放す魂の拳闘小説!
  • これはペンです(新潮文庫)
    3.8
    1巻539円 (税込)
    叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得たらしい叔父から、大学生の姪に次々届く不思議な手紙。それは肉筆だけでなく、文字を刻んだ磁石やタイプボール、DNA配列として現れた――。言葉とメッセージの根源に迫る表題作と、脳内の巨大仮想都市に人生を封じこめた父の肖像「良い夜を持っている」。科学と奇想、思想と情感が織りなす魅惑の物語。
  • 婚活1000本ノック(新潮文庫)
    3.9
    1巻693円 (税込)
    これは実話であり、登場するすべての人物・団体は実在する――。南綾子31歳、独身、売れない小説家。冬の夜、かつて「クソ男・オブ・ザ・イヤー」を授与した山田が現れ、わたしに婚活を命じる。遊び相手に殺されて幽霊となった山田は、わたしの婚活成功を頼みに成仏を狙うらしい。お料理合コン、お見合いパーティ、漁師の嫁募集。奮起しては絶望する綾子だったが。熾烈で切実な婚活小説!(解説・豊島ミホ)
  • 今度は異性愛
    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    宮内祐子はボーイズラブ小説を書き、オンラインで発表してきたアマチュア作家。還暦を過ぎ、定年を迎えた彼女に、ふと初めて「男女物」を書いてみたいという思いが兆した。自らの創作観、性愛観を振り返りながら、小説は書き進められていく。スリリングな構成、性愛の繊細さと読むこと=書くことの歓びに満ちた長篇小説。
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)
    4.6
    会津出身の父から「喧嘩は逃げるが、最上の勝ち」と教えられ、反発した鷹志は海軍の道を選び、妹の雪子は自由を求めて茨の道を歩んだ――。海軍兵学校の固い友情も、つかの間の青春も、ささやかな夢も、苛烈な運命が引き裂いていく。戦争の大義を信じきれぬまま、海空の極限状況で、彼らは何を想って戦ったのか。いつの時代も変わらぬ若者たちの真情を、紺碧の果てに切々と描く感動の大作。(解説・末國善己)
  • 今夜
    3.6
    1巻1,705円 (税込)
    プロボクサー、タクシードライバー、交番の警察官、高校教師。その夜、四人の男女は、人生の境界線上に立った。あの日のあなたと同じように。選択の瞬間、夜に潜む魔物が、そっと背中を押す。選んだのは、善? それとも悪? 人間の強さと弱さを繊細な視線でとらえ、忘れられない物語に昇華させた著者会心の書き下ろし長編。
  • 婚約のあとで(新潮文庫)
    3.6
    晴れて婚約したのに結婚をためらい始めた波。秘密の恋に大胆に身を任せてゆく碧。男性との関係を仕事のステップアップにつなげる真理。三世代同居家族の中の専業主婦、優美。障害があるゆえに自立を求めて結婚に踏み切れない宙……。姉妹、友人、仕事仲間としてリンクする七人。恋愛、結婚、仕事、家庭をめぐって揺れる彼女たちの、それぞれの心情と選択をリアルに描き出した連作集。(解説・瀧井朝世)
  • コーヒーもう一杯
    3.6
    1巻1,232円 (税込)
    結婚するつもりの恋人にふられ、会社では大失敗。人生のピンチに陥った32歳の未紀が突然ひらめいてしまったのは、自分のカフェを開くこと。難題を片づけてなんとかオープンしてみても、経営ってやっぱり難しい……。憧れの夢を叶えるまでは、失敗したって大丈夫、いつかはきっと──。実用情報も満載の読んで役に立つ物語。

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  • ご依頼の件
    3.9
    1巻825円 (税込)
    若いころの事件をたねに、金をゆすられているあなた! 殺してもあきたらないほど、憎らしい人がいるきみ! おもいきって、“殺し”はいかがですか? ご依頼の件は必ずやりとげ、絶対安全。あなたには決してご迷惑をおかけいたしません。常識的で、ありふれた世界に安住している人々の意識を痛撃し、人間の心の奥にひそむ願望をユーモアと諷刺で描いたショートショート40編。
  • 豪華特急トワイライト殺人事件
    3.2
    闇夜を疾走する密室同然の寝台特急で、大胆不敵な予告殺人が……。十津川警部の携帯電話にわざわざ殺人を知らせる犯人の狙いは!?
  • 号泣(新潮文庫)
    3.8
    1巻781円 (税込)
    新宿の男装ホストクラブで働く百合には、声優になる夢があった。だが現実は、池袋の狭いアパートで、不幸の典型のような共同生活。同居人の真優はソープ嬢、累はホスト狂い。百合自身にも暗黒の過去があった――。知らない男からの宅配便、心臓を鷲づかみにされる恐怖、ルームメイトとの不協和音、そして惨劇。とめどなく涙流れる結末が恐怖を超える余韻を残す傑作。『愛しのシャロン』改題。(解説・長江俊和)
  • 傲慢な婚活
    3.0
    1巻1,496円 (税込)
    職業・前衛音楽家、偶に小説家。ノイズの世界ではドイツで評判が良く、「新潮」の編集者に拝み倒されて書いた小説は日本で一番有名な文学賞の候補になり、本も売れた。が、パトロンを失い、暗転に次ぐ暗転でボンビー暮らしに転落。一寸マジメに婚活したら、俺のファンだという20歳で資産家の娘が嫁にして下さいと出現。とんだハメに……『下妻物語』的コミカルで感動のラブロマンス。
  • 強力伝・孤島
    3.9
    五十貫もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描いた処女作「強力伝」。富士山頂観測所の建設に生涯を捧げた一技師の物語「凍傷」。太平洋上の離島で孤独に耐えながら気象観測に励む人びとを描く「孤島」。明治35年1月、青森歩兵第五連隊の210名の兵が遭難した悲劇的雪中行軍を描く「八甲田山」。ほかに「おとし穴」「山犬物語」。“山”を知り“雪”を“風”を知っている著者の傑作短編集。

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