工場(新潮文庫)

工場(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

大河が南北を隔てる巨大工場は、ひとつの街に匹敵する規模をもち、環境に順応した固有動物さえ生息する。ここで牛山佳子は書類廃棄に励み、佳子の兄は雑多な書類に赤字を施し、古笛青年は屋上緑化に相応しいコケを探す。しかし、精励するほどに謎はきざす。この仕事はなぜ必要なのか……。緻密に描き出される職場に、夢想のような日常が浮かぶ表題作ほか2作。新潮新人賞、織田作之助賞受賞。(解説・金井美恵子)

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工場(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年01月27日

    表題作は複数の視点で語られつつ、時間や場所が前後したり、時にかなり昔の場面が混ざっていたりと、多少読み手にも集中が求められる構成だが、だからこそ何気なく埋め込まれているポイントに気がつくと、小説では直接語られない背景にまで興趣がそそられる巧みな作りとなっている。(後藤氏やイリノイさんの来し方行く末な...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月12日

    これは大変面白かった!
    「穴」メタモル。
    「ディスカス忌」少女の像がちらつく。
    「いこぼれのむし」これはややわからず。

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    Posted by ブクログ 2023年04月21日

    「工場」の、淡々としたリアリズムが奇妙なずれの感覚を生んでいくような書き方が職場を描くのにあまりに適していて、いいなあと思った。あと「工場ウ」という命名、字面、存在がよすぎる。

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    Posted by ブクログ 2020年07月18日

    欲しい本のリストを持って
    近所の個人経営っぽい
    文具も扱ってる書店で
    欲しい本リストが全滅仕掛けた
    のだが、何とか在庫があった本

    何を作っているのかわからない
    住居、レストラン、娯楽施設、美術館
    まである
    どこぞの小さな町よりも
    とてつもなく大きな「工場」
    で働く人々の話

    読んでいくにつれて
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    Posted by ブクログ 2019年07月05日

    ミステリ的な起承転結のはっきりしたものではないので、好みが別れそう。
    いきなり終わる。
    全体的に暗く曖昧で、各登場人物の気分や思いを細かく・時にバッサリと言い切る描写を読んでいくうちに、自分はいつしかハマり込んでいった。
    なんだか分かんないけど、(あぁなるほどねぇ)とか(えぇ、そんなことで?!)など...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年02月25日

    <工場>
    牛山佳子:契約社員。一日中ひたすらシュレッダーをかける仕事(バイトにでもやらせりゃいいのに、と思うんだけど何だろうな)。正社員との扱いの違いに憤りを感じてる。
    古笛:正社員。コケの研究をしているだけで会社には何も貢献していない感がすごい。
    牛山(兄):派遣社員。前職をクビになり、彼女の働く...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月14日

    会社勤めをしたことある人には容易に理解できるざらつき感。歯車になったままの自分に嫌気が差すが、そこで暴れるより、長いものに巻かれたほうが楽なのもよく分かる。

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    Posted by ブクログ 2022年01月22日

    巨大工場の中での日常。正社員募集の面接を受けにきたのに契約社員となり、毎日大量のシュレッダーだけを繰り返す日々の主人公。
    コケの専門家として屋上緑化をたった独りでまかされた男。彼女の紹介で同じ工場の派遣社員になる主人公の兄。
    取り立てて何か突飛な事件が起きる訳でもなく、複雑な人間模様が描かれている訳...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年04月14日


    メインの「工場」と
    「ディスカス忌」、「いこぼれのむし」の
    三篇から成る本作。

    「工場」では文中の時系列が行ったり来たりし、
    複雑でありながら読んでいて面白かった。
    工場ウや灰色ヌートリア、洗濯トカゲ…と
    興味深い生き物について触れられたにも関わらず
    工場ウくらいしかオチに使われていなかった気が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月27日

    タイトルの「工場」を含む短編集。
    綴られるのは工場だったり、非正規や役職者が入り交じるオフィスだったり、普遍的な場所ばかり。
    でも、どことなく変で、気持ち悪い。
    それは文中に登場する「ウ」や「芋虫」に現れている。
    何かの隠喩だと思ったけど、1度読んだだけでは掴みきれなかった。
    よくある日常を描いてい...続きを読む

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