小山田浩子の作品一覧
「小山田浩子」の「穴」「小島(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「小山田浩子」の「穴」「小島(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
広島大学文学部卒。2010年『工場』で第42回新潮新人賞受賞。小説家デビュー。2013年『工場』で第26回三島由紀夫賞候補になり第30回織田作之助賞受賞。2014年「穴」で第150回芥川龍之介賞受賞。
Posted by ブクログ
何気ない日常のような文章
ひとつひとつ細かく細かく
描写される
どこか懐かしかったり
どこか自分のことのような
でも
なんだか不気味さが漂っている
何かが起こるわけでもない
ちょっとだけ
なにかが背筋をゾワッとさせる
文章の段落がなく
たたみ込むようにセリフが
連なる
それがまるで本当に自分が
動物園の中で
騒がしい雑踏の中で
途方に暮れている気分に
させてくれている
あるいはオタマジャクシや
カエル、蜘蛛、蟻、草や木の実
すべてが生きている
今、ここで生きている
その中で人々の心の中が
見え隠れして
また日常が過ぎていく
怖い、ホラーだ!
Posted by ブクログ
街のすべてが工場で
成り立っているような
巨大な工場がある
そこで働くことは誇らしい
ことらしい
いったいなんの工場なのか?
自分の仕事は
なんのためにあるのか
はたして必要なのか?
それぞれが疑問に思いながら
毎日過ごす
工場特有の鳥がいる
工場特有の動物がいる
工場特有のトカゲがいる
謎は深まるばかり
小学生の書いた研究論文が
校正に回されてくる
そしてそれは
シュレッダーに回されるのだろうか
きっとそうだろうな
そして黒いウは‥
いこぼれのむしを読んでから
また工場を読むと
なんだか
はっ!とする言葉があったりする
これは
永遠に読むのを
やめられないのかもしれない!
何かを求め
Posted by ブクログ
私は不穏な空気を感じながら、読み進んだ。
穴、穴、穴。
先走る私は、主人公が穴に落ちるのはいつなのだ!と思いながら。
ジリジリと暑い真夏の田舎の風景、普段誰も足を踏み入れないような川沿の草むら、見たことのないようなぼうぼうの草の茂み、虫の死骸。それが雨で湿って子供に踏み込まれて、土と混じったような臭いまでして来そうだ。蝉の大きなうるさい声と青い空。
私は昔の田舎の草の臭いと小学生の時、空があまりにも青くてきれいで悲しくなったことを思い出した。
不思議な獣、義兄、義祖父。義兄は本当にいたのだろうか?獣は?
映画を観る時のように、オチはなんなんだろうと考えながら、多分そんなものはないのだろうとわ
Posted by ブクログ
表題は芥川賞受賞作品
夫の転勤で、
夫の実家の隣に引っ越す
家賃はなし
非正規の理不尽な仕事も
辞めることができた
隣の姑は何かと世話をやく
そして教えてない携帯に
電話してきて頼み事をする
しかもそれはお金が足りない支払い
舅の父は
毎日同じように水を撒く
雨でも水を撒く
毎日暇になり
変な生き物と出会い
そこから謎だらけ
昼間の田舎の
その場所だけが
なんだか浮いてる感じになる
異世界なのか
誰もがなんだか
ふわふわしていて
実感のない存在?
とにかく戸惑ったまま
本を閉じることになる
他の二篇も同じように
落ち着かない
友人の家はいたちが出る
そして妻の実家もかつて
いたち