穴

506円 (税込)

2pt

仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ私は、暑い夏の日、見たこともない黒い獣を追って、土手にあいた胸の深さの穴に落ちた。甘いお香の匂いが漂う世羅さん、庭の水撒きに励む寡黙な義祖父に、義兄を名乗る知らない男。出会う人々もどこか奇妙で、見慣れた日常は静かに異界の色を帯びる。芥川賞受賞の表題作に、農村の古民家で新生活を始めた友人夫婦との不思議な時を描く二編を収録。

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穴 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    私は不穏な空気を感じながら、読み進んだ。
    穴、穴、穴。
    先走る私は、主人公が穴に落ちるのはいつなのだ!と思いながら。
    ジリジリと暑い真夏の田舎の風景、普段誰も足を踏み入れないような川沿の草むら、見たことのないようなぼうぼうの草の茂み、虫の死骸。それが雨で湿って子供に踏み込まれて、土と混じったような臭

    0
    2025年10月20日

    Posted by ブクログ

    表題は芥川賞受賞作品

    夫の転勤で、
    夫の実家の隣に引っ越す
    家賃はなし
    非正規の理不尽な仕事も
    辞めることができた
    隣の姑は何かと世話をやく
    そして教えてない携帯に
    電話してきて頼み事をする
    しかもそれはお金が足りない支払い
    舅の父は
    毎日同じように水を撒く
    雨でも水を撒く

    毎日暇になり
    変な生

    0
    2025年10月07日

    Posted by ブクログ

    終始感じる不穏な空気が純文学好きにはたまらない作品。主人公が初めてその存在を知った引きこもりの義兄とともに自分が落ちた穴を探しに行く川原でまるで昼休みの校庭のようにたくさんの子どもたちが遊んでるシーンが圧巻。

    0
    2024年11月14日

    Posted by ブクログ

    暗くて不気味で怖い
    登場人物がみんな怪しく感じる描写
    でも表立って何も起こらない
    気味悪がりながら続きを読んでしまう

    0
    2023年08月21日

    Posted by ブクログ

    ズボン、ヒューン、ならばアリスの穴だが、この作品ではドスッ、シーン、肩から下が埋まってしまう。
    リンチを思い出す草地や土の描写を経て、現実が変異するが、それはもとからそうだっただけのこと。
    「工場」の着地は変身だが、「穴」の着地は変態(もしくは成長)。
    まずは義兄の存在感だが、
    この作者はどこかしら

    0
    2022年08月12日

    Posted by ブクログ

    よく分からない、一体なんの話なの?って感想が多いみたいで漏れなくあたしもそうなんだけど、それがつまらないってことではないんだよな。このなんだかよく分からない、不思議、モヤっとするのが芥川賞っぽいというか笑 読みやすく、直ぐにこのなんとも言えない世界へ引き込まれた。結局、主人公以外の全員が不気味で少し

    0
    2020年10月05日

    Posted by ブクログ

    主人公は派遣社員として働いており、正社員との関係や待遇について、同じく派遣社員の同僚と語り合う場面から物語が始まる。夫の転勤に伴い仕事を辞める際には、その同僚から小言を言われる場面も描かれている。 物語には、夫の義兄や穴、獣、子どもたちといった不可解な存在が登場するが、これは主人公が新しい土地に移り

    0
    2025年07月11日

    Posted by ブクログ

    主人公は市街から県境の田舎にある夫の実家の隣に引っ越してきた主婦
    田舎の何もない虚無感と自分は一体何をこの町でやればいいのかもわからず、隣の姑、ボケた義祖父を見て見ぬふりしながら暮らしていく
    葬式の下りなど田舎あるあるで共感した

    穴はとても不穏に感じる
    そういえば吉田修一の「愛に乱暴」でも少しずつ

    0
    2025年02月17日

    Posted by ブクログ

    不思議な世界観が当たり前のように進み、主人公が自然と順応してる様がゾクっとする。
    体調悪い時に見る夢のようなモヤモヤ感。かなり好きでした。

    0
    2024年08月17日

    Posted by ブクログ

    日常に紛れているちょっとした違和感をとても丁寧な描写で書かれていると思う。そのせいか「何でもない」事を勝手に色々妄想。面白かった。

    0
    2024年06月02日

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