Posted by ブクログ
2011年11月05日
短編集が、好きだ。
村上春樹の「象の消滅」「レキシントンの幽霊」にはじまり、
辻仁成「千年旅人」、堀江敏幸「雪沼とその周辺」・・・どれも素敵で、
印象に残っている。その作家の作風とユーモアに溢れていて、
ひとつひとつの文章に「その人らしさ」が感じられるからだ。
そして、宮本輝。
彼の本はちゃんと読...続きを読むんだのは初めてである。「蛍河」は買ったものの
読めていないのだ。
素敵な、キレイな文章を書く人だと思った。
そしてどの舞台も関西なんだよね。身近な光景。
大阪の猥雑な雰囲気とそこに見え隠れする哀愁、人情・・・
9つのどの作品も「生」「死」「人生」を感じさせる。
それぞれの人物が背負ってきた過去があり、物語の終わりには彼らの未来を考えさせられる。
何気ない日常の、でも特別な一コマが、綺麗に抜き取られていると思った。そういう意味で「雪沼とその周辺」とか、「パークライフ」とか、「スティル・ライフ」の好きな私の嗜好をくすぐった。
すごく好きです。彼の作品、もっと読みたいな。