宮本輝の作品一覧
「宮本輝」の「優駿」「錦繍」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「宮本輝」の「優駿」「錦繍」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
追手門学院大学文学部卒。1997年『泥の河』で第13回太宰治賞を受賞しデビュー。『螢川』で第78回芥川賞を1978年に受賞。『優駿』で吉川英治文学賞(歴代最年少40歳)、初代JRA賞馬事文化賞を受賞。2作共に映画化された。その他作品に『骸骨ビルの庭』、『青が散る』、『ドナウの旅人』などがある。2010年に秋紫綬褒章受章。
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「慈雨の雨」とは、高度経済成長下で、松坂熊吾一家の周りに、慈しみの雨が降っていたという意味らしい。
城崎温泉に住むヨネや、蘭月ビルの盲目の少女香根、海老原の死。また、北朝鮮に還る人びととの別れ(北朝鮮に帰らせまいとする、大韓民国系の人びととの間で争いが多発していたのは初めて知った)など、幾つもの別離が一家に押し寄せるが、松坂熊吾は、新しい事業に乗り出していく。
相変わらず、濃いエピソード満載で、飽きさせない。
熊吾も、時々癇癪を起こすが、年齢を重ねて温厚になっている。
そして、伸仁が、いよいよ思春期に差し掛かるところまでが描かれる。
とりあえず第七部に進みます。
Posted by ブクログ
書簡体小説といわれるものは、夏目漱石の「こころ」がはじめてでした。手紙は一方的なのですが、その人の感情が痛いほど感じとれるものだと思います。それを読んで泣いたのを覚えていますし、小説にはまったのもそれがきっかけだったような気がします。それほど強く衝撃を受けたものでした。
「こころ」は往復ではなく片道のたった一通の手紙でしたが、「錦繍」の手紙は男女でやりとりされる往復で、最初から最後まで手紙のみ。
昔夫婦だった二人が久しぶりに再会し、手紙のやり取りをはじめるのですが、1ページ目から心をぐっと掴まれます。読むのをやめることが出来なくなりました。
内容は男女の激しいものですが、書簡体なので印象として