感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月03日
過去が今を作り、今でさえ未来の何かを担っている
宇宙のカラクリ
人の業とは?を考えた。
どの主人公の顔も姿も街並みもリアルに感じ取ることができる一気読み系の作品だった。
哀しい出来事、進む時間、
自分の気持ちと向き合うにも時間が必要だなとも思わされた
Posted by ブクログ 2024年02月17日
開成中高の国語教諭が中学生時に同校国語教諭から勧められた、という話から手に取ったもの。
あらすじを見て期待出来ないと思っていたが、やられた。昭和の小説らしい文章の美しさに。言葉選びのセンスと両者の奥ゆかしさが、か弱く心に響く。
宮本輝氏の舞台はいつも自分に身近なところであり、風景が重なっていく中で、...続きを読む錦繍の映える秋が決めてになる。
他方、昭和の作品にいつも感じる男達の身勝手さ。それを受け入れて振り回される健気な女性という偶像化が、男の身勝手さを倍増させる。この時代が今を作ってきた。未だに変われていないところも多々ある。大いなる反省が男達には必要だ。
Posted by ブクログ 2024年02月16日
素晴らしかった。有名な往復書簡の小説。
かつての夫と、蔵王のゴンドラの中で偶然再会をし、長文の手紙のやり取りが始まる。
10年前になぜ離婚しなければならなかったか?
納得しないまま別れることになったある事件。
その真相と、10年間の空白を手紙が埋めていく。
お互いに過去を見つめ直し、呼び起こ...続きを読むし、伝え合う。辛いことも怒りも悔恨も。
そして「今」に至り、お互いに生きる理由と糧を見出していく。
蔵王のゴンドラからの錦繍と、締めくくりの錦繍が2人の背中を押している。
人の業とは何なのだろうか。
粋な遊び心?亜紀と靖明…秋。
Posted by ブクログ 2024年01月27日
本当に、
素晴らしい本でした。
今も、読後の余韻に浸っています。
素晴らしい本でした。
最初は、ストーリーが、興味深く、
面白いなあ、
と読み進めていたのですが、
終盤は、
本当の意味の、
生きる強さを、感じることが、
できました。
私も、
自分にできることを、
精一杯、
生きていこうと思...続きを読むいました。
素晴らしい本との出会いに感謝。
Posted by ブクログ 2023年11月09日
宮本輝という小説家の、最も脂の乗った作品が『錦繍』だと思います。
蔵王の鮮やかな紅葉の描写ばかり記憶に残っていましたが、久々に読み返してみると最後の手紙のやりとりが凄く良かったですね。
過去を打ち明け、清算し、前に進もうとするふたりの姿と、それを支える家族の存在。温かさしかないです。
星島照孝氏...続きを読むの「懐かしい字やった」という一言に、この小説のすべてが現れているような気がします。
衒いがなく等身大で、なおかつこれほど美しいストーリーを生み出せる作家は、宮本輝以外にはいないと思っています。
Posted by ブクログ 2023年07月25日
離婚した男女の往復書簡によって話が進んでいく物語。発売された当時でも電話が普及し始めており手紙が過去になりそうであったらしい。スマホの普及が進んだ今の時代ではなおさら珍しい、と思いながら読んでいた。
夫だった人は、不倫の末、無理心中に巻き込まれながらも生き延び、10年後に妻だった女性と再会したことに...続きを読むより、新たな女性と新たな生活を始めることに。
妻だった女性も夫だった人との再会と手紙によって再婚した男性との別れを決意し、新しい生活を送る決意をする。
手紙によって夫とと無理心中を図った女性の過去の経緯が明らかになったりし、事件?出来事?が進んでいくのが面白かった。また、過去の出来事を振り返りつつも、2人とも今を生きるという生死感のような議論にも発展していったところも読んでいて面白かった。
Posted by ブクログ 2023年07月22日
手紙のやりとりという一風変わった形式だが、人間の深い部分が描かれており、どんどん引き込まれる。シンプルでナチュラルな日本語が何とも言えず美しい。ここ最近で読んだ小説の中で一番ハマった。
Posted by ブクログ 2023年05月06日
互いでしか癒せない孤独がある_
ふたりが抱える孤独を癒したとき
ふたりを包む世界が輝きだす
愛し合いながらも離婚した男女
一通の手紙から始まるふたりの愛と再生の物語_
互いのさまざまな感情が 文通を通して
過去~現在~未来という色糸で織りなされ
読み終わる頃には美しい金色...続きを読む(こんじき)の
タペストリーが浮かび上がるような物語だった…
そんな金色に輝く余韻を
心の中に宝物として大事にしまいたくなるような…
上品で美しい物語に 涙しました…
たとえ今日感じた気持ちを忘れたとしても
きっと読み返すたびに 金色に輝く景色のごとく
私を幸せな世界へと いざなってくれるのだろうな
Posted by ブクログ 2023年02月05日
はじめの1ページ目から、あまりの日本語の美しさに泣きそうになった。何度開いてみても、1ページ目に感動してしまう。いつか冬の蔵王に行ってみたい。
Posted by ブクログ 2023年01月29日
離婚し別の道を歩んでいた夫婦が10年ぶりに偶然再会し、その後の手紙の往来により物語が進む。二人を引き裂いた事件の裏側、その後の人生、今、そして未来に向かう男女の心情が文学的で美しい。
Posted by ブクログ 2022年11月28日
『往復書簡が紡ぎ出す、生きる意味と未来への希望』
元夫との偶然の再開をきっかけに始まった往復書簡。過去の事実、現在の状況を分かち合う中で、生きる目的と未来への希望を抱いていく様を描く。始めはドロドロの愛憎劇かと思いきや、とても綺麗なエンディングに、心揺さぶられた!
Posted by ブクログ 2022年11月13日
1日で一冊読み終えたのは久しぶり。
流転の海シリーズは大学生の頃ハマったけどそれ以外の宮本輝は初めてだった。
最近の本屋大賞のような不幸の安売りとは違う人間臭いけど真に迫るストーリーがたまらない。
Posted by ブクログ 2024年02月04日
究極の恋愛もの、というふれこみをどこかで見たので楽しみに読み始めたら前半は不穏な空気で、ちょっと思ってたのと違う?と思ったけれども…
亜紀は有馬と別れたくなかったのに。瀬尾由加子との関係はなんだったの?なぜ私の子どもは障害を持つ子なの?私は何も悪いことをしていないのに?ずっと理不尽さを燻らせてい...続きを読むて、その気持ちを押し殺して、それでも清高を立派に育て上げようと努力していた時に有馬と再会してしまった。
瀬尾由加子との経緯を知り、憎んだ相手も苦悩していたことがわかった。有馬は確かに自分のことを愛していた、不倫はしたが彼も別れたくなかったのだ、ということもわかった。ようやく過去に折り合いをつけることができた。そして、それぞれの未来に向けてエールを送ることができた。あぁ、大人の恋愛だな、と思った。
時代的に仕方がないのかもしれないが、障害や人種差別的な表現があるところが気になった。
Posted by ブクログ 2023年12月30日
なにを思ったか約20年ぶりに読み返した。
いつのまにか自分が主人公たちと同じ年になっていた。
手紙形式で話は進み、とにかく言葉が美しい。
ああ、生きるとはなんと辛いのだろう。
話は決してハッピーエンドではないけれどそれでもお互いがそれぞれの人生を意を決して進みはじめる場面で終わる。
それは...続きを読む希望に満ちた場面とも読み取れる。
亜紀の父の「懐かしい字やった」。
ここが私の感涙ポイントでした。
人生は思い通りにいかない。それでも生きていく。
それを思い知らされる本だった。
Posted by ブクログ 2023年10月14日
かつては夫婦であったが、壮絶な出来事により離婚した男女、有馬と亜紀。
秋の紅葉深まる蔵王で偶然再会し、手紙のやりとりが始まる。
最初は謎が多く、それぞれの性格を探りながら読む形となるが、次第に離婚の事情とその後辿ってきた厳しい人生が明かされていく。
生きていても虚無の中で生活していた亜紀。
「生...続きを読むきていることと、死んでいることとは、
もしかしたら同じことかもしれない。」
亜紀の苦しい心情に共感し、何とか立ち直って欲しいと願う一方で、破れかぶれに生きている有馬には、甘さを感じ怒りすら抱く。
手紙のやりとりを通じて、お互いの過去の事実を知り、今を見直し、未来を変えていく事になる。交わる事のない2人だが、思いは通じた気がした。女性の方が強く逞しい。
手紙だけで物語が成立する珍しい小説。
四季折々の美しい文章で綴られた手紙が、雰囲気を作り素晴らしかった。現代のSNSも便利だが、手紙もこれまた味わいがあり、良いもんだなぁと感じた。
Posted by ブクログ 2023年09月28日
読み終えてから余韻が凄くて誰かとこの感情をシェアしたい気分です。
なぜ愛情があるのに裏切るのか、また別れなければいけないのか。女として許せない気持ちも分かるし、それでも愛してるなら自分の気持ちに従って欲しい気もします。別れたから愛し続けられるのかもしれません。そばにいたら許すことはできないのかも。
Posted by ブクログ 2023年08月06日
別れた夫婦の文通…
別れたのにそんか素敵な関係になれるお二人の人柄は読んでいてせつなくなります。
それぞれの人生をそれぞれの立場と視点から一緒に読み進めていけるのは新鮮でした。
Posted by ブクログ 2023年03月09日
男女の文通物語。
手紙という制約あるツールが面白い
返信が来るのかどうかと結局どこか脳裏の片隅にいるという関係性、縁というか繋がり
離婚の真相エピソードがピーク
無理心中の背景を明確にしない美徳
転落人生を生き恥晒すある種のかっこよさ
生と死とは?
過去から未来への動き
お父さんに依存しすぎ
読み終...続きを読むえた後に結局は未来に明日に向かって進んでいくという少しホッとする作品
Posted by ブクログ 2023年02月23日
宮本輝を初めて手にしたのは、いのちの姿だったから物語はどんなだろうと趣の違う作品を何冊か読んでみた。
この作品は往復書簡が展開され、過去が明らかになっていくミステリアスであり温かみがある。
マチネの終わりにのインタビューで石田ゆり子さんが錦繍を好きだと言った意味も読み終えた今理解できた気がする。
...続きを読む
この人が好きだと言う絶対的な理由を述べられなくても好きなんだから仕方ないでしょうと言う感覚。
忘れていた恋心に灯りが灯ったようだった。
Posted by ブクログ 2023年01月02日
宮本輝の本はじんわりと温かい。
もともと夫婦だった男女が別れた後、一瞬の出会いをきっかけにして文通が始まり、両者の思いが語られる。別れた当時の事実も明らかになることで関係性が深化していく。それぞれが経験した苦労は互いを変化させて、時間を経てまた引きつけ合う。
夫婦という形でなくても、お互いの幸せを祈...続きを読むることができる深い愛情が、少し複雑ではあるけれど温かいと思った。
Posted by ブクログ 2022年12月12日
mina perhonen デザイナーの皆川明さんオススメということで読んでみた。往復書簡で交わされた2人のやりとりの10分の1でもいい、もしその当時に思いを言葉にしてぶつけ合っていれば…と思わずにはいられない。
Posted by ブクログ 2022年11月21日
手紙のやり取りが紡ぐ恋愛小説。
終わった恋から始まるので、キュンとはしません。ただ、確かに存在した愛情と相手を思いやる2人の様子に、心あたたまるお話です。
2人を隔ててしまったわだかまりや、今抱える絶望がゆっくり溶けてゆくのも読みどころ。
希望の物語だと思いました。
Posted by ブクログ 2024年03月12日
美しい。
静かに
決して穏やかではない内容の手紙のやり取りが
静かに続いていく。
暗い中に光はあった。
しかしどうも好きになれない男たち。
人の世 人の心は美しいものばかりではないと
分かっている。
でもここまで包み隠さず
それも美しい日本語で書かれると
感情の整理が追いつかなくなる。
それで...続きを読むも最後まで引き込まれた。
おもしろいおもしろくないじゃなく
ぶっ飛んでる本の記憶に仲間入り。
Posted by ブクログ 2023年11月29日
昔の独特の話し言葉
タイトル通り、二人が織りなす手紙の中の語りかけが美しかった。
今だとLINEでのやりとりになって
もっともっと返事をせっついて、
なんなら話した方が早いねって電話したりして、
結局、またモトサヤになったりして…。
手紙だからゆっくりと、冷静に、
流されずに、話し合いができるの...続きを読むかな。
今だったら手紙のやりとりは、
男性はすごく嫌がりそう…w
ただすごく思うのは、
大事な人ひとり、
どうして大事にできないのか。
守りきれないのか。
簡単に手放すのか。
傷つけたら癒せよ。
壊したら治せよ。
それが責任をとるということではないの?
愛する人とはどこまでも、一緒にいてなんぼと
私は思うから。
愛する人なんて人生で、そうそう出会えるものでもないから。
さようならって、なるべくしてだとしても、私ならしたくない。
Posted by ブクログ 2023年05月06日
元夫婦の再開をきっかけに、手紙をやりとりする形式で物語が進みます。これがちょっと新鮮に感じられたりして、また文章も美しく、読んでてうっとりするような瞬間もあった気がします。
男女感のやりとりなので、恋愛のお話かなと先入観がありましたがそんなことは無く。人生とか、死生観とか哲学ぽい話題が結構ありまし...続きを読むた。この辺の話題になかなか共感出来なかったのですが、もう少し年を経たら分かるのかも…?