【感想・ネタバレ】錦繍のレビュー

あらすじ

「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とてもきれいな書簡小説だった…
文体はもちろんのこと、内容も高尚で美しく
読んでいて心がスゥーっと洗われていくような感じがした。

亜紀と靖明は10年前に、靖明の不貞・殺人事件が原因で離婚をした。そして、その10年後蔵王のゴンドラで奇跡的な再会を果たす。その再会ではお互い見つめ合い少しの挨拶で終わったが、亜紀には靖明に聞きたいことがたくさんあった。不貞の相手由加子と靖明の関係性とその真実、亜紀との離婚を踏みきった理由…それを切実に書簡で尋ねる亜紀。それに対しはじめは躊躇したものの、亜紀に嘘偽りもない事実を書き連ねて返信していく靖明。ふたりの計14通から見えてくるさまざまな真実に、胸が締め付けられると同時に、人間という生き物のやるせなさもひしひしと感じられた…

特に印象に残ったシーンは、さまざまな死や無になる描写が出てくるなかで、最後にふたりが見出した未来を語るシーンだ。ずっとふたりは過去を振り返り書簡していたが、いつしかそれぞれにこれからの生き様を語り、お互いの健闘を祈る姿は凛々しく、そして美しかった。

手紙の尊さを改めて感じた作品。
私も誰かに手紙を書きたくなった…
そしてこの作品が昭和60年に執筆されたことに、
いまだ驚きを隠せない。
宮本輝さん…また気になる作家さんに出会ってしまった!!

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

離婚した男女が手紙を通して過去を語り合い、過去を再解釈しそれぞれが前へ向いて進んでいく話。
モーツァルトを聴きながら読んだ。

女性目線からだと亜紀が不憫でならない。どこにも置けない切ない気持ちになった。

生きていることと、死んでいることとは、もしかしたら同じことかもしれない。
生きてると辛いことが多くてこんな風に感じることが多い。


昭和57年に刊行されている本だけどとても読みやすかった。


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2026年05月10日

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