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亡き父の借財を抱えた大学生、井領哲之。大阪にあるホテルでのアルバイトに勤(いそ)しむ彼の部屋には、釘で柱に打ちつけられても生きている蜥蜴(とかげ)の「キン」がいる──。可憐な恋人とともに、人生を真摯に生きようとする哲之の憂鬱や苦悩、そして情熱を1年の移ろいのなかにえがく、青春文学の輝かしい収穫。
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Posted by ブクログ
忍耐の大切さを教えてくれる。また読みたい。青春のエネルギーと不安定感。ふとしたときにあの世に一歩踏み出してしまうかもしれないような危うさと、その中でも何がなんでも生きてやろうという熱情と。
父が借金の整理を付けずに死んでしまった為に、主人公の哲之とその母は借金取りから逃れる為別々に暮らすことに。 哲之は田舎のアパートに落ち着くのだが、ひょんな事から蜥蜴と共に暮らすことになる。 彼女陽子への思い バイト先でのホテルでのゴタゴタ 母親の暮らしを心配したり 借金取りが家に来るのではという恐...続きを読む怖 そんな哲之の一年間の暮らしが描かれている。 時代設定が昭和の末期ですので公衆電話を知らない世代に読んで欲しい。
私と主人公の哲之を重ね合わせながら読みました。30年以上前に、父の事業が行き詰まり、夜逃げ。一家離散しました。当時、私は26歳、とりあえず友人のアパートに転がり込み、武庫之荘の4畳半一間、共同トイレ共同風呂のアパートに住んでました。日々、債権者が来ることに怯えながら過ごしていました。小説の中に出てく...続きを読むる、梅田、住道、もちろん武庫之荘全てに馴染みがあり、のめり込んで読みました。ただし、当時の私には陽子はいませんでしたが。
ふと死にたくなったり、ふと生きたくなったり、人は簡単に生死を扱うときもあるけれど、生きることは、そんなに容易くない。正解も解らない中で、意味など知ることもなく、ただ生かされている、そんな風にかんじる時もある。 でもキンのように、いつか自由になることを夢見て生きていいんじゃないかなぁ。 ただ生きてるこ...続きを読むとの尊さ。力強さ。 それだけで、誰かを突き動かす原動力になったりすることもある。 「春の夢」ってきれいな題だなぁ。読み終わって、余韻に触れた時の題1の感想がこれだった。
色々な問題を抱えた大学生が様々なことち苦悩しながら送る日々が描かれる。 蜥蜴の存在が哲之の考え方や行動に変化を与えているように感じる。 時代状況などを知らない面もあったものの、面白く読めた。あと陽子みたいな彼女ほしい。
生きていく上でままならないこと、逃れられないことって誰にでもあって、それがたとえすごく小さなことだったとしてもそれによって傷ついたり深く落ち込んだり。 そういうときに答えが出ないことは分かっているのに死というものについて考えることはよくあるなぁと思った。 明日はもう来ないって覚悟でなきゃ生きれないほ...続きを読むどに切羽詰まっていても、明日は必ず来るし、どんなに暗くても必ず光はあるはず。 生と死が隣り合わせであるように光と影も隣り合わせにあることを実感させられた。 あと読めば読むほどキンちゃんー!愛おしいー!
釘で打ち付けられても生きてるトカゲと過ごした大学生の1年の話というあらすじに惹かれて読んでみました。 ある時代のただの青春小説ではなく、生きることの意味のようなものを主人公の生き様から学べた哲学的な1冊でした。
なんか色々とモンモンし続ける青年の話、と思いきやのトカゲである。 いやトカゲを飼うというのもなかなかないけど、釘で柱に打ち付けてっていうのはかなりアツいのではないか。今どきこの設定では、大家がグリーンピースあたりに通報して活動家が大量に押し寄せて人生が終わること間違いなし。ネットにも情報がばらまかれ...続きを読む、借金取りの比ではない苦労が待っているわけで。 なもんだからこの設定にしつつも妙な愛情を注ぐ主人公のある種の狂気もこの時代だから許されて、なんかどーしよーもねーなーこの若者は、というありきたりな展開に実に味が出ているではないか。
冒頭から食らいついてしまった。 当に社会人1年目、 大東市 野崎のアパートに私も居たせいか哲之に自分を重ねる所があった。 懸命に生きる哲之親子と陽子 幸せであれと祈りつつ ページを繰る。 物悲しさと 刹那が同居し、あっと言う間に読み終えた。 蜥蜴のキンチャンが良い味を添えていた。
読書力養成読書、11冊目。 なんだろう、この、読むにつれて少しずつ少しずつ、じわじわと心に染み込んでくる、コクとうまみ。 始めはあまり好みじゃないかもと思いながら読んでいたのが、いつの間にか抜け出せなくなっていて、気がつけば懸命に生きる主人公に喝采を送っていた……。こういうのって、もしかし...続きを読むたら、これこそが、優れた文学作品というものなのではないかと思いました。 主人公の井領哲之は大学留年中。死んだ父が残した借金のために、母と別れて大阪の大東市にあるアパートに住んでいます。この物語は、このアパートで過ごした哲之の1年間を描いています。 哲之は、やくざの取り立てに怯えながら、恋人陽子との幸せなひとときに安らぎを感じ、多くの人たちとの交流により人生経験を積んでいきます。アルバイト先の、〈梅田にある大きなホテル〉で出会った上司やボーイ・キャプテンの磯貝晃一、ドイツ人のラング夫妻と沢村千代乃、さらには高校時代からの友人中沢雅見など。 この作品、想像以上に濃く、深かった。そしてけっこうスピリチュアル。要所要所でそう感じさせるのですが、その最たる要素は、部屋の柱に釘づけにされても生きている蜥蜴キンちゃんでしょう。この子が哲之や読者にいろいろなことを考えさせ、本書のタイトルへとつながっていきます。 人間てこんなにも心が揺らぐものなんだなぁと思うと同時に、自分も確かにこういうときあるなぁと気づきます。でもこれこそが生きている証拠。喜怒哀楽を味わい尽くしてこその人生、人間こうでなくちゃと、哲之を見ている神様が「いいね!」と満足げに笑っているような気がしました。〈キンちゃんも俺も、どいつもこいつも、自分の身の中に地獄と浄土を持ってるんや。そのぎりぎりの紙一重の境界線を、あっちへ踏み外したり、こっちへ踏み外したりして生きてるんや〉 この小説は、1980年代に書かれ出版されたものなので、哲之がバイト先のホテルで宿泊客からチップとして500円札をもらったり、誰かと連絡を取りたいときは公衆電話を探したりします。でもこの2点以外ではそんなに時代の古さは感じませんでした。 宮本輝さんの作品を読むのは、数十年前に『ドナウの旅人』を読んで以来だったのですが、今回、改めてもっと他の作品もじっくり読んでみたくなりました。『読書力』の中で目にしなければ、本書は読んでいなかったかもしれません。この出会いに感謝、読んでよかった。
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