満月の道―流転の海 第七部―
  • 完結

満月の道―流転の海 第七部―

825円 (税込)

4pt

昭和三十六年。東京五輪へ向け復興は進み、大阪行きの集団就職列車が満員となった時代。六十五歳を目前にした熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ、往時の覇気が甦りつつある。息子・伸仁は絵画を愛する少年に成長し、妻・房江はアルコールから抜け出せずにいたが、確かに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは。

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流転の海 のシリーズ作品

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1~9件目 / 9件
  • 流転の海―第一部―
    完結
    660円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。
  • 地の星―流転の海 第二部―
    完結
    781円 (税込)
    人間の縁の不思議、父祖の地のもたらす血の騒ぎ……。妻子の健康のため、郷里に引きこもった松坂熊吾の雌伏の三年。戦後史を背景に自らの“父と子”を描く連作長編。
  • 血脈の火―流転の海 第三部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和27年、大阪へ戻った松坂熊吾一家は、雀荘や中華料理店を始めとして、次々と事業を興していく。しかし義母の失踪に妻房江の心労はつのり、洞爺丸台風の一撃で大損害を被った熊吾も糖尿病の宣告を受ける。そしてたくましく育つ無邪気な小学生伸仁にも、時代の荒波は襲いかかるのだった……。復興期の世情に翻弄される人々の涙と歓びがほとばしる、壮大な人間ドラマ第三部。
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。そして新しい仕事も順調にみえたが……。苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    完結
    737円 (税込)
    昭和三十ニ年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規模な駐車場運営に乗り出す。戦後という疾風怒濤の時代を描く著者渾身の雄編第五部。
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和34年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松坂熊吾だが、駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが──。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。
  • 満月の道―流転の海 第七部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和三十六年。東京五輪へ向け復興は進み、大阪行きの集団就職列車が満員となった時代。六十五歳を目前にした熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ、往時の覇気が甦りつつある。息子・伸仁は絵画を愛する少年に成長し、妻・房江はアルコールから抜け出せずにいたが、確かに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは。
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)
    完結
    781円 (税込)
    昭和38年、松坂熊吾は会社の金を横領され金策に奔走していた。大阪中古車センターのオープンにこぎ着けるのだが、別れたはずの女との関係を復活させてしまう。それは房江の知るところとなり、彼女は烈しく憤り、深く傷つく。伸仁は熊吾と距離を置き、老犬ムクは車にはねられて死ぬ。房江はある決意を胸に秘め城崎へと向かった……。宿運の軸は茫洋たる暗闇へと大きく急速に傾斜していく。
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)
    完結
    935円 (税込)
    昭和41年春、大学生になった伸仁は部活動にアルバイトに青春を謳歌し、房江は兎我野町のホテルで賄い婦の仕事を得て働いている。別居の熊吾は進行する糖尿病に苦しみながらも、木俣の高級菓子の夢、中古車センターの運営、森井博美の活計等、大小様々な難事の解決に奔走していたのだが……。37年の時を経て紡がれた奇跡の大河小説圧倒的な感動のフィナーレ。(解説・堀本裕樹)

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満月の道―流転の海 第七部― のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年06月17日

    満月の道

    熊吾が、柳田のモータプールの管理人と並行して始めた中古車販売の「ハゴロモ」は、予想以上に繁盛しスタッフの増員を余儀なくされ四十五歳の玉木則之と二十二歳の佐田雄二郎を新たに雇い入れる。

    一家は、ゴルフ場建設に意欲を燃やす柳田の要請で、もう一年モータープールの管理人を続ける事となるが、房江...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月18日

    事業の危うさ、身体の危うさ、人間の危うさが入り混じっていて最後までヒヤヒヤしながら読んだ。
    そんな中でも生命の誕生や房江が新たに楽しみを見つけて人生を楽しもうとしていてワクワクする。人生を楽しむのは些細な事で良くて、それはこの第7部の満月があらわすように常にそばにある。それに気がつく事が出来れば幸せ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2018年12月15日

    読者としても、もはや引くに引けないお付き合いとなる長編。

    宮本輝は自身の生い立ちや経験をなんども作品化している。名前や設定は変えつつもこれまで他の作品で描かれてきた主題がじっくりと描かれている。これは「重複に対する批判」ではなく逆にファンとしては嬉しいことなのだ。筆者の、繰り返してきた年輪と成熟が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月10日

    松坂一家のドタバタ劇は続きます。
    60代で立ち会上げた『中古車のハゴロモ』は無事軌道に乗り、むしろ拡大していく彼の商才は大したもんではありますが、またいつものように女絡みで一波乱ありそうでワクテカ状態です。65歳でもギンギンですね、よ!松坂の大将!私も亜鉛摂取して大将に負けないぐらい頑張りマ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月15日

    文庫判だからこそ巻末についているであろう「解説」で1〜6部のあらましをまとめてくれているのが悪くない。

    が、宮本さんの筆致力により第六部からおおよそ9年ぶりに読んだにもかかわらずぐぐっと引き込まれるのがすごい。

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    Posted by ブクログ 2021年07月09日

    今回も熊吾は同じ失敗をしている。信頼している部下に裏切られるのだ。何回同じ過ちを犯しているのかとほぞを噛む思いだ。さすがの熊吾も自分の性格を分析している。
    この先房江には困難が待ち受けているそうだ。しかしそれは満月の道であるという暗喩。
    伸仁が逞しく成長している。

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    Posted by ブクログ 2018年10月24日

    房江がけっこう良さげに想い語ってるやん て思ってたらあとがきで次巻は最悪になるって知らされて…盛り上げどころになるのは分かるけど今回幸せそうになってきてよかったやん て思ってたのに。まぁ熊吾はでっかい人やからこそちっこい綻びあったっていいやん。伸は15,6なのに良い子過ぎやわ〜このまま成長できるのか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年11月19日

    発表、発売が緩やかで、これまでの話を忘れてしまうのが惜しい。主人公熊吾は66歳である。まだ懸命に働いている。様々な事件が襲い、人間模様に翻弄される。2016.11.19

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    Posted by ブクログ 2016年10月30日

    伸仁の成長!良かったなあ…熊吾さん頑張れ。でも、ここからどんどん辛くなるんだよなあ…。最終章の執筆が始まったそうですごく楽しみ。最後どんな文章で終わるんだろうか。

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    Posted by ブクログ 2021年05月29日

    息子の危なっかしいところはだいぶ落ち着いてきたが、親父は懲りないというか、ますます人間臭さを強く放ってくる。

    修羅場に直面した時の、熊吾の一貫した肝のすわりかたはすごい。自業自得感は否めないのだけど。

    望んでいないけど、そろそろ夫婦関係に一大事か?

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