無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
宮本輝の自伝的小説『流転の海』第七部。
あと2冊で終わりとなる。
第一部を読んだ時は、松坂熊吾に対して嫌悪の情が強く、最後まで読み通せるか不安だったが、今は終わるのが惜しいという気になっている。
それは、歳をとった熊吾が、若い頃のように、すぐに暴力に訴えるということがなくなったからかもしれない。
人を差別することなく、面倒をみる熊吾の性格に気づいたからかも(人助けをすることが快感なのだろう、と自分でも分析している)。
または、この物語に慣れてきて、登場人物に親しみを持つようになってきたからかも。
今回は、前半あまり起伏のない内容が続くが、後半またもや、というストーリー。
そんななかでも、美食や他人に対する援助などを続ける熊吾って。呆れてしまうが、次が読みたい。
とりあえず、第八部に進みます。
Posted by ブクログ
大阪鷺洲・中古車販売のハゴロモ編(伸仁14歳から16歳・中3から高2)
この巻で、私が一番心に残った熊吾の言葉は、ハゴロモの社員・神田三郎との会話の中にあります(p1 96)
自分の鶏すき鍋が運ばれてくると、熊吾は焼酎の水割りを飲みながらトクちゃんが守屋忠臣の弟子となるために京都へ引っ越して行ったときのことを神田に話して聞かせ、「行」というものがいかに大切かを教わったのは十二歳のころだと言った。
「ぎょう…?行なうの行ですか?」
と神田は箸を置いて訊いた。
「うん、その行じゃ。ひとつのことを実際にやり続ける。ひたすら、やり続ける。そういう意味では、わしは家庭の主婦というのはえらいと思うのお。毎日毎日、洗濯をする、掃除する、家族のご飯を炊き、おかずを作る。結婚して、歳をとって体が動けんようになるまで、営々とつづけちょる」
熊吾は、手を叩いて仲居を呼び、三杯目の焼酎を頼んでから話をつづけた。
「大工は家を建てるのが行。医者は病人を治すのが行。運転手は車を安全に運転するのが行。百姓はうまい米を作るのが行。どんなものでも、行が伴って万般に通じる何かをそれぞれが会得していく。勉学もそうじゃ。わしは十二、三のころに、叔父からそう教えてもろうた。しばらくのあいだは覚えちょって、あれをしたい、これをしたいと思うと、『まず行じゃ。行動じゃ』と自分に言い聞かせて、具体的にそれに向かって実際にからだを動かすことをこころがけたが、いつのまにか忘れっしもうて、茫茫五十数年が過ぎた。つまり、わしは自分の才の及ぶ範囲内で努力したに過ぎん。単調でつらい行から逃げて、たかが知れちょる小才で生きてきて六十五になった。トクちゃんを守屋さんの家に送った帰り道に、叔父の教えを思い出したが、もう手遅れじゃのお」
→ こんな素敵な言葉を語る熊吾なのに、会社のお金を持ち逃げされたり、森井博美と続いていたり…糖尿病も悪くなっていく。なんで、そんなふうに展開していくの!?と叫びたくなります。
第8巻は、房江さんに気持ちを寄せて感想をまとめたいと思います。涙なしでは読めません。
Posted by ブクログ
満月の道
熊吾が、柳田のモータプールの管理人と並行して始めた中古車販売の「ハゴロモ」は、予想以上に繁盛しスタッフの増員を余儀なくされ四十五歳の玉木則之と二十二歳の佐田雄二郎を新たに雇い入れる。
一家は、ゴルフ場建設に意欲を燃やす柳田の要請で、もう一年モータープールの管理人を続ける事となるが、房江の負担軽減の為柳田商会から高卒の田岡勝己を派遣してもらう。
さらに、またも国立大学の受験に失敗したシンエータクシーの神田を、合格した私大の夜間に通わせる為ハゴロモに雇い入れる。
意に反して事業拡大するハゴロモは、房江の心配をよそに板金塗装会社「松坂板金塗装」を立ち上げる。
そしてその資金繰りの為、柳田商会の松田茂とその母親の貯えからから八十万を借り受ける。
そんな頃、街中で男と言い争う森井博美を見かけるが、その余りにも窶れた見窄らしい姿に愕然とし、後を尾けるも見失う。
だが後日、たまたま食事に立ち寄った居酒屋で働く博美とついに再会してしまうのだった。
同じ頃、神田から玉木が二重に伝票を作成していると言う報告を受けるが、さしたる調査もしないまま忘れてしまう。
再び、
街中でばったり博美と遭遇した熊吾は、ヤクザのヒモと切れないので助けて欲しいと懇願され、博美の顔の傷の負い目もあり逃亡に関わってしまう。
結果、熊吾が東京へ逃した事が漏れ、赤井というヒモに八十万の手切れ金を支払うハメに。そしてその出費は想像以上に大きな重荷となってゆく。
熊吾の手切金によってひとまず自由となった博美は大阪へと戻り、モータープールとハゴロモの近所にアパートを借りる。
結局、博美の持つあまりにも甘味な肉体の虜となった熊吾は、その欲情に抗えず昼間から足繁く通うようになる。
一方、
行方不明となっていた城崎の麻衣子は、蕎麦修行の為に但馬の出石にいた事がわかる。蕎麦専門店としてのちよ熊を開店するにあたりツユの味が決まらず、房江を頼ってきたのだった。
そして…
神田の抱いていた危惧は的中し、またしても信じきっていた己の腹心・玉木の裏切りが判明する。
玉木は数百万にも及ぶ金を着服していたのだ。
そして、その金はなんと森井博美のヒモとその背後のヤクザへと流れていたのだった。
Posted by ブクログ
感想
熊吾は人に裏切られすぎやろ。激しやすい割にお人好しなのかな。
熊吾の人生厳しすぎやろ。
あらすじ
中古車ハゴロモが起動にのってきた熊吾は、シンエーモータープールの管理人をそろそろ辞退しようと思っていた。モータープールでは柳田の社員寮で門限を守らない者やエアーブローカーの溜まり場になって房江が疲弊していた。
そんな折、千代麿より麻衣子が女の子を産んだと聞く。伸仁も高校生になった。
熊吾は、元ダンサーの森井博美と再会し、ヤクザ男と別れるのを助けて欲しいとお願いされる。博美はそのうち姿を消したが、モータープールにヤクザが来たので熊吾は手切金を払う。
熊吾は、中古車の販路を広げるために、板金の店も開く。麻衣子は城崎で小料理屋を蕎麦屋に変えて、商売を続けることにした。房江がつゆの味を決める手助けをする。
ハゴロモで、黒木が不正な取引に気づき、経理の玉木が不正をしていたことに気づく。玉木はノミ屋で賭博をやっており、その裏には博美の男のヤクザが糸を引いていたことが分かり、愕然とする。
Posted by ブクログ
松坂一家のドタバタ劇は続きます。
60代で立ち会上げた『中古車のハゴロモ』は無事軌道に乗り、むしろ拡大していく彼の商才は大したもんではありますが、またいつものように女絡みで一波乱ありそうでワクテカ状態です。65歳でもギンギンですね、よ!松坂の大将!私も亜鉛摂取して大将に負けないぐらい頑張りマッスル。
第四部で別れた女(西条あけみ)に偶然出逢ってしまい、焼け木杭に火で5秒で合体、あひゃ、これは言い過ぎか、彼女のヒモ野郎(893屋さん)に手切れ金を渡し、再び失楽園の世界へ・・・
以前経営していた中古車販売で社員にお金を持ち逃げされて結果会社を畳んだ松坂の大将、またやらかします。信頼していた社員にまたごっそり持っていかれましたね。もー、バカバカ、大将のバカ!
ここで伸仁くんが名作『赤毛のアン』に線を引いていた一節〔アンにもの事を冷静に受け取れと言うことは、性格を変えろということになるだろう〕これですよ、正に同じ失敗を繰り返す松坂の大将お前にピッタリやがな。
そして〔松坂熊吾に同じ失敗を繰り返すなということは、性格を変えろということになるだろう〕大将は自分で分かったみたいですね。お疲れ様です。
あとがきでは次回第8部で大将の奥様房江さんが大変苦労すると書かれておりました・・・・房江さん、ファイツ!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。