花の回廊―流転の海 第五部―
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花の回廊―流転の海 第五部―

737円 (税込)

3pt

昭和三十ニ年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規模な駐車場運営に乗り出す。戦後という疾風怒濤の時代を描く著者渾身の雄編第五部。

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流転の海 のシリーズ作品

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  • 流転の海―第一部―
    完結
    660円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。
  • 地の星―流転の海 第二部―
    完結
    781円 (税込)
    人間の縁の不思議、父祖の地のもたらす血の騒ぎ……。妻子の健康のため、郷里に引きこもった松坂熊吾の雌伏の三年。戦後史を背景に自らの“父と子”を描く連作長編。
  • 血脈の火―流転の海 第三部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和27年、大阪へ戻った松坂熊吾一家は、雀荘や中華料理店を始めとして、次々と事業を興していく。しかし義母の失踪に妻房江の心労はつのり、洞爺丸台風の一撃で大損害を被った熊吾も糖尿病の宣告を受ける。そしてたくましく育つ無邪気な小学生伸仁にも、時代の荒波は襲いかかるのだった……。復興期の世情に翻弄される人々の涙と歓びがほとばしる、壮大な人間ドラマ第三部。
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。そして新しい仕事も順調にみえたが……。苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    完結
    737円 (税込)
    昭和三十ニ年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規模な駐車場運営に乗り出す。戦後という疾風怒濤の時代を描く著者渾身の雄編第五部。
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和34年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松坂熊吾だが、駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが──。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。
  • 満月の道―流転の海 第七部―
    完結
    825円 (税込)
    昭和三十六年。東京五輪へ向け復興は進み、大阪行きの集団就職列車が満員となった時代。六十五歳を目前にした熊吾は中古車販売業を軌道に乗せ、往時の覇気が甦りつつある。息子・伸仁は絵画を愛する少年に成長し、妻・房江はアルコールから抜け出せずにいたが、確かに一家に未来は拓きかけていた。熊吾が博美と再会するまでは。
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)
    完結
    781円 (税込)
    昭和38年、松坂熊吾は会社の金を横領され金策に奔走していた。大阪中古車センターのオープンにこぎ着けるのだが、別れたはずの女との関係を復活させてしまう。それは房江の知るところとなり、彼女は烈しく憤り、深く傷つく。伸仁は熊吾と距離を置き、老犬ムクは車にはねられて死ぬ。房江はある決意を胸に秘め城崎へと向かった……。宿運の軸は茫洋たる暗闇へと大きく急速に傾斜していく。
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)
    完結
    935円 (税込)
    昭和41年春、大学生になった伸仁は部活動にアルバイトに青春を謳歌し、房江は兎我野町のホテルで賄い婦の仕事を得て働いている。別居の熊吾は進行する糖尿病に苦しみながらも、木俣の高級菓子の夢、中古車センターの運営、森井博美の活計等、大小様々な難事の解決に奔走していたのだが……。37年の時を経て紡がれた奇跡の大河小説圧倒的な感動のフィナーレ。(解説・堀本裕樹)

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花の回廊―流転の海 第五部― のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月23日

    在日朝鮮人と言われた人々の暮らし、思想、逞しさが伝わってきた。毎回のように、重厚なテーマが物語の根底に流れていて、読み応えがある。
    人間性を形作るのは環境。まさにその通りだと思う。特に子供の時分はその影響力が計り知れない。良い環境とは何か。考えるきっかけにもなった。

    0

    Posted by ブクログ 2023年05月06日

    この物語は、
    なぜこんなにも惹きつけて止まないのか…

    一部・二部の頃の、房江に向けたクソのような暴力には、嫌悪感しか覚えなかったけれど…。

    陰と陽。
    正と負。
    相反する両極の性質を内包する、
    人間というもの…

    主人公・熊吾の卓越した洞察力。
    そして、年齢・性別・国籍・身分を問わず自分間違いは素...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年04月30日

    読み終えてやっと、花の回廊は蘭月ビルも表しているのだと気がついた。花の回廊とはいうが華麗な花とは対極にもあるような人間の汚さや妬み脆さや危うさが混ざり合っていて、読んでいる自分にも重くのしかかってくる。
    そのような闇ともいえる場所でさえも伸仁は自分なりに向き合って、人間の部分を成長させているように見...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2019年01月15日

    蘭月ビルが中心に展開する。伸仁の体験はすごい、としか言いようが無い。同じ年代の娘が私にもいるが、とても伸仁のような人生経験はさせられていない。

    この小説は大河だ。大きな流れの中で、読者はストーリーに迫ったり、離れたり。私自身も読み始めてから、相当な時間がかかってしまっている。

    一つには、何か悪い...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2016年02月15日

    昭和32年。松坂熊吾大阪房江と空きビル。10歳の伸仁は尼崎の欄月ビルの叔母に預けられる。朝鮮人が多く壮絶な人間模様に巻き込まれる。大規模な駐車場経営に乗り出す。3人一緒の生活

    0

    Posted by ブクログ 2014年05月07日

    流転の海第5部。富山から大阪に戻った松坂一家は、一人息子伸仁を熊吾の妹タネに預ける。そこは、尼崎の集合住宅、蘭月ビルという貧乏の巣窟で、様々な人たちが住む。蘭月ビルはじめ様々な人間模様、昭和時代の懐かしさ、そして大阪特有の喧騒を凝縮した物語。13.5.3

    0

    Posted by ブクログ 2013年11月27日

    伸仁が 小学生高学年になる。
    それにしても、熊吾、房江の生活がすごい。
    電気のないビルで生活する。
    外の水道水でシャワーをする。
    撤退を潔くする熊吾が残ったものはわずかだった。
    60歳をむかえている。
    タネをまいたものが少しづつ返されるのであるが。
    大きな事業をするには、たりない。

    伸仁は、蘭月ビ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2014年03月08日

    収入が無くなり、房江までもが働きに出る熊悟一家。相変わらずどたばたは絶えない。この物語はある一家とそれに関わる人々や出来事を淡々と綴って行く人生劇場だ。この先どうなるのか?クライマックスっていうのはあるのか?

    0

    Posted by ブクログ 2011年08月12日

    新事業に再起をかける主人公は裏切られ、途方に暮れるが、人の恩というものに助けられる。高度経済成長という時代に起こる様々な出来事に翻弄されながらも、たくましく生きていく登場人物に元気をもらえる。
    続きはいつ発行されるのか、大変待ち遠しいです。

    0

    Posted by ブクログ 2010年06月21日

    6月13日~20日

    昭和32年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規...続きを読む

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