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人間の縁の不思議、父祖の地のもたらす血の騒ぎ……。妻子の健康のため、郷里に引きこもった松坂熊吾の雌伏の三年。戦後史を背景に自らの“父と子”を描く連作長編。
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Posted by ブクログ
何故、田舎暮らしを決意した男とその家族の話がこんなにも面白いのだろう。流転の海で出会った人達とのドラマの続きも、故郷での昔馴染みとのあれこれも、それぞれの生き方を見事に描いており、読み応えがある。悲しいところや辛いところもあるにはあるが、熊吾の人柄と才覚で一つは一つ乗り越えていく様には勇気をもらえる...続きを読む。この続き、熊吾がいかに大阪でまた花を咲かせるのかが楽しみである。
第2部の舞台は、熊吾の故郷・愛媛の南宇和です。(伸仁が4歳から5歳まで)。 病弱な妻子の健康を思って、事業の志半ばで郷里にひきこもり、伸びやかな自然の恵みのなかで、我が子の成長を見守ります。 その郷里でも、増田伊佐男など、強烈な人たちが登場します。様々な人たちが関連しあって、目が離せない展開ですが、...続きを読む第2部でも熊吾の言葉に注目しながら、まとめたいと思います。 (p46から) 「世の中というものは、この天と地が、いっしょくたになっちょるようなもんじゃ。お前はまだチビ助やが、そんなお前の中にも、この空よりもでっかい宇宙がある。お前の中に、お天道さまも、お月さまも、ぎっしりつまっちょる」 (p420から) 「心根は、きれいでなきゃあいけんぞ」 五歳の子に、〈心根〉という言葉が理解できないことは承知していたが、熊吾は、いま伸仁にわからなくてもいいのだと思った。 「だんだんおとなになっていくと、いろんな悪さをするもんじゃ。しかし、人間として根本のところで心根がきれいじゃと、神様が助けて下さる。お前にどんな困ったことが起こっても、お前の心根がきれいじゃったら、いろんな神さまが集まってきて、お前を護って下さるんじゃ」 折にふれて伸仁に語りかける熊吾の言葉は、心に深く沁みてきます。物語の展開もドキドキの連続ですが、熊吾の珠玉の言葉も注目しながら読むと、楽しみが倍増します。
第一部に引き続き、一気に読んでしまった。 主題がありすぎるんだけど、ごちゃごちゃしてない感じがすごい。次も楽しみ。
人間の複雑さ、極まれり。ゴタゴタとした中で、徐々に熊吾が、房江の人物が立ち上がってくる。 感動的な場面があったかと思うと、裏切る様に短絡的に動く熊吾。支離滅裂で、非常に賢いところと、非常に愚かなところと。様々な感情と側面が同じ人間の中に同居しており、そんな人間が集まって、すったもんだしている。 ...続きを読むいっ時の言動は、大事だが、それらは表層的なものであり、それらを生み出す性分、変えられない業が人間にはあるということか。 作中で、宿命、環境、自分の中の姿を見せない核という、三つの敵について熊吾が考察するところが秀逸。人間の言動は、意識的なものだけでなく、これらによって影響制限を受けていることを、自覚することも、大切なのかもしれない。 二巻に入り、ようやく読み慣れてきて、小説世界に段々と没入し始めている。様々な、教訓めいたエピソードが随所にでてくる。
この物語は愛媛県南宇和、城辺の熊吾の 故郷での物語。伊佐男と言うならず者が 小さい頃に怪我をさせられたらことを 根に持ち嫌がらせをしたりする。 所々熊吾の行動が可笑しくて笑ったり しました。この人の本は3冊目、 面白かった
第二部 舞台は南宇和郡一本松村。 愛息・伸二の五歳までの成長を軸に熊吾が己の人生の意味を模索する。 異常な執念で熊吾への恨みをぶつける地元のヤクザ・増田伊佐男との再会。 伊佐男の画策した闘牛をキッカケに出会った深浦港の網元・和田茂十の、県議選出馬に伴う選挙参謀としての活動。 茂十の罹患…そして...続きを読むその死。 妹・タネとその情夫・政夫の為にお膳立てしたダンスホール。 政夫の転落死。 ついに、長きに渡って絡み続けた伊佐男の自死を経て大阪へ戻る決意を固める。
後書きで北上次郎さんが主人公松坂熊吾について記述して言い得ているのでメモする。『やくざも恐れぬ獰猛さを持ちながら涙もろく、事業の才覚は鋭いくせに自ら進んで人に騙されるお人好し。さしたる学歴はもたないのに古今東西の書を引用し、妻を愛しながら次々に愛人を作り、さらに嫉妬深く、真摯で、知的で、ひとことで言...続きを読むえば、野放図ないかさま師』 田舎に引きこもったので物語としては静かなものになるかと思ったら、増田伊佐男というヤクザが彼の邪魔をするし、横領した井草を尋ねたり、ダンスホールをつくったり、選挙参謀をしたりいそがしい。動くたびに周囲の人が亡くなっていく。 松坂熊吾の造形がとにかくスゴイのだが、出てくる人物、事件、風景とも魅力的で細かく小説家見てきたような嘘をつきの嘘のクオリティがとにかく高い。なんというリアリティ。 『いなかというところは、保守性とか閉鎖性などという言葉でひとくくりにしてしまえない底意地の悪さがうごめいている。思いも寄らぬ陰湿な噂話はたちまちひろまるが、耳に痛い真実は頑固に拒否し、つねに数の多いほうに味方し、体制におもねり、権威に平伏し、人々の顔と腹はいつも異なる。熊吾は、四国の辺鄙な地にある己の郷里を決して愛していなかった。それどころか、ほとんど憎悪していたと言ってもよかった。』
主人公のまわりではいろんな事が起こり、ストーリーはどんどん進んで行く。人間の内面を深い考察でえぐって行くところは興味深い。また、ストーリー展開が早く目まぐるしいため、感想というより次の展開が気になる。一つ上げれば、伊佐男からの恨みがどんな風に熊吾に襲いかかり、熊吾はどう対応するのどろうか?と重いなが...続きを読むら読み進めたが、以外な結末を迎えた。
この本を読みながら、読んでいるとずいぶんと疲れる本だ。 と感じることだ。 宮本輝の父親を モデルにして 戦後の波乱期のなかで 50歳になって 子供を授かって 子供と妻のために 郷里に戻り そこで、自然と健康を取り戻させようとする 松坂熊吾の 父親として 生きていく姿 がある。 伸仁は まだ4歳で...続きを読む 不確かな自己の中に 閉じた人生をおくっている。 房江も 鮎を手で捕まえるという 妙技があるなかで 田舎伝説ができて、噂になるほどの美人であるが。 イメージとして 樋口可南子を思い出した。 宮本輝は この本を通して 日本の昔からある 道徳と躾を 克明に刻んでおこうとしているんだなと思った。 その本を読むには 体力のいる 作業である。 多分 日本という国の流れている 精神は 疲れさす何かが あるのだと思う。
読み終わった本は、貰ってくれる人に上げているが このシリーズは残している…。 次作との間隔が長く待ち遠しいが、時々読み返したり…。
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