灯台からの響き

灯台からの響き

小説・文芸
913円 (税込)

4pt

板橋の商店街で、父の代から続く中華そば屋を営む康平は、一緒に店を切り盛りしてきた妻を急病で失って、長い間休業していた。ある日、分厚い本の間から、妻宛ての古いはがきを見つける。30年前の日付が記されたはがきには、海辺の地図らしい線画と数行の文章が添えられていた。差出人は大学生の小坂真砂雄。記憶をたどるうちに、当時30歳だった妻が「見知らぬ人からはがきが届いた」と言っていたことを思い出す。なぜ妻はこれを大事にとっていたのか、そしてなぜ康平の蔵書に挟んでおいたのか。妻の知られざる過去を探して、康平は旅に出る――。市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを伝える傑作長編。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    灯台からの響き
  • タイトルID
    :
    1396809
  • ページ数
    :
    448ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年08月03日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

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灯台からの響き のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ●感想
    出雲ひのみさき灯台、本を読んで行ってみたいなと思い、調べてみたら、とても美しい灯台。
    静かで芯のある物語。ミステリー要素もあり、最後まで惹きつけられた。他人のことは、永遠にわからない部分があること、今ある自分の幸せを噛み締め、足るを知ること、人は偶然に他人と知り合い、影響を与えたり受けたりしながら人生を紡いでいくこと。言葉にしてみれば当たり前のことなのだけど、この作品を通して、だれの人生も偶然の出会いや別れや選択によって織りなしているのだなぁと思うと、なんというか、自分もそうやっね生きてきた、これからも生きていく、ということが前より少し素敵なことに思える、そんな作品だった。

    ●本概要
    牧野康平、62歳。中華そば屋を休業し、ひきこもり中。
    亡き妻の知られざる過去を追い、男は初めての一人旅へ――。
    人生の価値を照らし出す感動長編

    中華そば屋を営む62歳の康平は、妻を急病で失って以来、長い間休業していた。だが、ひきこもりのような生活を送る中で偶然、妻宛ての古い葉書を見つける。30年前「知らない大学生から届いた」と言っていた妻は、なぜその葉書をとっておいたのか。差出人は何者で、描かれた地図は何を意味するのか。妻の知られざる過去を追い、康平は初めての一人旅へ出る――。人生の価値を照らし出す感動作。

    0
    2026年09月19日

    Posted by ブクログ

    大なり小なり、誰しもその人だけの人生劇があり、交わり、心持ち次第でまた行き先が分かれていく。小説は波乱万丈なほうが読み応えがあるのかもしれないが、単純に主人公、良き人生だなと思った。

    滋味深い中華そば、素朴な味わいが大好きな私は、この物語も1ページ、また1ページと大切に読み進めていった。宮本先生の透明感のある美しい日本語、唯一無二ですよね。大好きな作家さんになった。

    0
    2026年08月26日

    Posted by ブクログ

    宮本輝さんの作品を初めて読んだ。
    妻を亡くした男性が、2年間放置していた中華そば屋の仕事を1人で再開しようと奮起する話。登場する人たちが皆温かく、妻が生前に夫の図書に挟んだ見知らぬ人物からの手紙に触発された男性は、自分探しで灯台めぐりの旅を始める。その中で妻が挟んだ手紙の意図が少しずつ解き明かされていく。読み終わる頃には登場人物全員が愛おしく、特に亡くなった奥さんがひときわ輝いて見えてくる。
    謎解き要素が重要なテーマなのだが、殺人も暴力も恐怖も出てこない、心温まるミステリーである。

    0
    2026年06月19日

    Posted by ブクログ

    本当に良い物語を読んだなぁ。骨太で硬派でありながらも温かく優しいロードノベルだった。船の行き先を優しく照らす、灯台のような物語。

    誰の人生にもドラマがあるし、人生とは良いものだなと感じさせてくれる1冊。

    1枚のはがきをきっかけに、中華そば屋を営む主人公が亡き妻の知られざる過去を辿って灯台めぐりをするロードノベル。
    物語は静かに進むけれど、主人公は旅を通して大きく変わっていく。私も一緒に旅をしているような気持ちを味わうことができた。

    主人公のつくる澄んだスープの中華そばを私も食べてみたい。

    0
    2026年04月17日

    Posted by ブクログ

    良かった。情景が浮かぶし、一緒に旅をして
    行かなければいけないところを見出す力が康平に出てきたところが良いと思った。
    なぜあの本に挟まれていたのか
    なぜ蘭子が知らない人と言っていたのか
    考えさせられる
    読書に没入してしまいました。

    0
    2026年02月19日

    Posted by ブクログ

    ゆっくりゆっくり物語は進むのですが、なぜか「もういいや」と読むのをやめる気にはなりません。登場人物の語る言葉に人生を歩む上で大切な訓示が入っているからでしょうか。さすが、宮本輝さんです。読後は蘭子さんの人柄や想いが温かく心に広がり、惜しい人を亡くしたと寂しくなり、実際にこの世で生きていたかのような感覚になりました。
    ちなみに、影響されやすい私は近場の灯台を見に行ったりしました。

    0
    2026年01月13日

    Posted by ブクログ

    灯台巡りがしたくなりました。
    そこで起きる人間ドラマが、また宮本輝節が効いていてよい。

    宮本輝さんの本は、いつも旅がしたくなるんだよなぁ。

    0
    2025年08月27日

    Posted by ブクログ

     以前、「◯◯強調月間」「勝手に◯◯特集」等テーマを設定し選書したことがありました。今回はあまり続ける意図のない「灯台」絡み…それも海外文学連続3作でしたが、国内編の本作で最後です。

     本作とも関係しますが、GPS等の進歩で灯台の役割が縮小し、廃止が進んでいるようです。が、機器トラブルの際の命綱、またその地域のシンボル(観光資源等)として、存在し続けてほしいです。

     中華そば屋を夫婦で営んでいた康平(62歳)は、2年前に妻を亡くして以来、店を閉め家にこもっています。子ども3人も皆成人(3番目が大学生)し、同じ商店街にそれなりに親友もいて、好きな本を読んで過ごし、仕事への切迫感はありません。

     ある日、読みかけの本から妻宛ての30年前の葉書が出てきます。差出人は大学生で、灯台巡りをした報告とどこかの岬らしい図がペン書きされ、まったく覚えがないと妻が生前語っていたのを康平は記憶していました。

     様々な疑問が湧き、次第に灯台巡りの旅に誘われていきますが、これは妻の過去を辿る旅でもありました。『錦繍』もそうですが、若い方には退屈で年寄りくさくつまらないかも…。でも、作中の中華そばのように優しく滋味あふれる作品でした。

     そもそも人は多面的で、人を完全に理解する、いや理解しようとするのは無理…というか、その必要はないですね。でも、想いは寄せることができるので、関係性を再構築することには意義がある気がします。葉書のちょっぴりミステリーが適度なスパイスとなり、中華そば屋の再開と康平の再生の描き方が温かく沁みます。

     表題の「響き」に込めた著者の想いを想像し、灯台巡りをしてみたくなりました。役目を終えても毅然と屹立する灯台は、今後も誰かを励まし、また導く存在であってほしいです。ささやかな幸せは目の前に!"灯台下暗し"と教えられます。
     藤岡陽子さんの解説もよきかな。
     2025第16回エキナカ書店大賞受賞作

    0
    2026年08月04日

    Posted by ブクログ

    起伏は少なく淡々と、わりと都合良く話はすすむものの、余韻も残り味わい深いなと感じた。

    妻、夫、パートナー…なんでも知っているつもりの、いることが当たり前になっている人の知らない過去。確かに気になる。

    人生の折り返しは過ぎた私にも響く。
    老年期を迎えた主人公の、哀愁と再生を描いた優しく胸を打つ大人のための旅情物語。

    都会の商店街、旅先の灯台に足を運びたくなる。

    0
    2026年07月25日

    Posted by ブクログ

    妻を亡くした中華屋の主人、康平が灯台を巡る旅をする中で自分と向き合う。とにかく登場人物が皆人情派で、ほっこりする。康平と惣菜屋のトシオの関係がいい。歳をとってもずっと変わらず地元の友達という関係が羨ましくもある。

    0
    2026年04月26日

灯台からの響き の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    灯台からの響き
  • タイトルID
    :
    1396809
  • ページ数
    :
    448ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年08月03日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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