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九十歳の記念に祖母が計画した、一流のフレンチシェフと一流の食材が織りなす、豪華絢爛な晩餐会。子どもたち、孫たちはそれぞれの思いを胸にその日を迎える。徳子おばあちゃんは、なぜ出征が決まった青年と結婚したのか? 夫の戦死後、なぜ数年間も婚家にとどまったのか? そしてなぜ、九十歳の記念に晩餐会を開くことにしたのか? 孫の綾乃は祖母の生涯を辿り、秘められた苦難と情熱を知る――。よき時、それはかつての栄光ではなく、光あふれる未来のこと。一人の命が、今ここに在ることの奇跡が胸に響く感動長編!
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Posted by ブクログ
書店で目に留まり、タイトルに惹かれて購入。 主人公の綾乃は私と同い年だった。90歳近いおばあちゃんがいるところも、独り身なところも同じだからか、読みやすかった。あと教師としても徳子おばあちゃんの在り方に魅せられた。出てくる人がみんなただ高貴なわけじゃなくて教養があって、人の機微を読んだり揶揄ったり...続きを読むしてる様子がちゃんと人間の生活っぽくてよかった。400ページ超で読み切れるか心配してたけど、気づいたら50ページとか進んでて3日で読めた。
お前は人に好かれるし、なんともいえない品がある。それなのにおもろい。 こんな人たちがたくさん出てくる作品。本を読んでこんなに泣いたのは久しぶりです。ありがとう。
まさに宮本輝小説の真骨頂、日常生活の中で経験する様々な出来事を通じて感じる人生の機微を見事に表現していて、普段忘れていた感情をしみじみと思い起こされた。 文庫本最後にある木内昇さんの解説文が言い得て妙だと思いますので記載させてもらいます。 「この空気の中にずっと浸っていたいと願う気持ちが、残りのペー...続きを読むジが次第にすくなくなるにつれ、否応なく高まっていった。」 「一見なんら問題もないように見える人も含めて、誰しも抱えているものがある。当然ながらすべてが理想通りに整っている人などいないのだ。それを忘れて、相手を上辺だけで判じて、人と比べたり羨んだりすることの、なんと無益なことだろう。」
まさに小説です。物語ではない。 金井家の人々の生活から、人生が語られ、人との関わりが描かれる。その深さだけでなく、様々な知識も相まって、恐れ入りましたって感じでした。 初めはなかなか読み進まなかったんですが、後半は一気に読みました。
宮本輝さんの本を読むと、ちゃんと生きていこう、自分も周りも大切にしよう、と思う はんなりとした関西弁の会話が心地よく、私の勝手な印象では、経済的にも精神的にも豊かな人物が、その財産を有意義に、そしてあたたかく使うお話 が多い気がします この小説も90歳のファンキーなおばあちゃんが、350万円を一晩...続きを読む、いや、数時間でサイコーにステキな使い方をするお話 その親族たちもみんな、ちゃんと正しく育ってきた人たちばかりで、それぞれチャーミング! 心根の卑しい人が1人も出てこないところもほんと好ましい 宮本輝さん、時々無性に読みたくなります そして、“ちゃんとしよう!”と思います
京都の家族の物語。 我が実家も大勢集まるのが好きな家なので、雰囲気は良く伝わった。ただ、この主人公の家族といったら、衣食住については良いものと出会い大切に育む素地があり、90歳のおばあちゃんを中心に脈々と受け継がれている、羨ましい一家。 贅を尽くした晩餐会に向けての準備も、想像以上のこだわりぶり。そ...続きを読むのこだわりが独りよがりではなく、ちゃんと相手を尊重し理解しているからこそ、受け取る側や読みても嫌味がなく素直に羨ましく思える。 90歳を家族で笑って迎えられるように、大切に生きようと思える素晴らしい作品。
宮本輝さんの本は、主人公がよく独り言をいう。語り口は朴訥な農家の人が丁寧に陽気に作物を作るのに似ている。読後爽やかな気分が吹き抜ける。 90歳になった徳子おばあちゃんから、90歳の晩餐会を開きたい、それも本格的にと連絡を受ける。なんでも300万弟に出資したところ350万円返ってきてしまったから、そ...続きを読むれなら老い先短い身。晩餐会でぱあっと食べちゃえというのだ。しかもローブデコルテにタキシードのドレスコード。当日はカメラマンも思い出のために入る。シェフはエリゼ宮でシェフをしていて、そろそろ帰国しようかなという元教え子が務める。 祖母は戦時中に2週間婚姻した夫に死なれ、懐剣で胸をついて自刃しようとしたところ、ひょんと庭木を刈りにやってきた後の夫に救われた。晩餐会の正装は生きていること自体への賛辞だという。夫に晩餐会を味合わせることはできなかったけど、家族みんなでそれが味わえればいい。
錦繍以来の宮本輝さんの小説 徳子おばあちゃんが大切な家族を招き90歳を祝う晩餐会を開催する。 元教師の徳子おばあちゃんが本当に素敵だった。いやおばあちゃんを中心とした家族全員素敵でした。それぞれを主役としたお話を読みたいぐらい。 教え子達の協力のもと行われた晩餐会は抜かりなく滞りなく気遣いのなんたる...続きを読むかを教えてくれた。天晴れでした。 自分の人生に関わった人々すべての生命を褒め称える晩餐会。敬意と讃嘆。 徳子おばあちゃんのものへの審美眼も素敵だった。見ていると幸福になり、やがて幸福そのものになる。そうやって探し集めてきた幸福なものを孫たちの特性に合わせて分け与えていた。 ものに宿る幸福とともに受け継がれて行くことは、少し切なさもありとてもあたたかかった。 面白すぎて早く早くと読み進めてしまったので、もう一度ゆっくり大切に読みたい。
2026年ナツイチフェアで「宮本輝」という懐かしい名前を見かけて購入。 宮本輝といえば「ドナウの旅人」を繰り返し読んだ日々を思い出す。 タイトルの「よき時を思う」にはいろんな意味があるように思う。 物語の始まりは東小金井にある三沢平馬の四合院造りの家から始まる。平馬の話はそこそこに、すぐにそこに住...続きを読むむ綾乃の話になり、小説の大部分は綾乃とその家族、祖母の話となる。 90歳になる祖母が計画した豪華絢爛な本格的晩餐会。 そこに至るまでの、家族の話。 何か大きな事件が起こるわけでもなく、ただ日常が描かれているのだけど、その日常がそれぞれが生きてきた物語なのだと気付かされる。 小説の最後に、再び三沢平馬の話に戻り、アレ?誰だったっけと最初に戻って確認する。 高齢の祖母と孫娘の話は、以前読んだ「祖母姫ロンドンへ行く」を思い出すけど、あちらの話が動ならこちらは静。 静かに心に沁みる。
よき時を思い、こんなに穏やかに過ごせるよう努力したい。 いや心乱れることも、穏やかに感じられるよう昇華されているのか。 10代のころから宮本輝さんの小説を読んでいますが、いつもすこし不思議な読書感を得ます。
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