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Posted by ブクログ
まさに宮本輝小説の真骨頂、日常生活の中で経験する様々な出来事を通じて感じる人生の機微を見事に表現していて、普段忘れていた感情をしみじみと思い起こされた。
文庫本最後にある木内昇さんの解説文が言い得て妙だと思いますので記載させてもらいます。
「この空気の中にずっと浸っていたいと願う気持ちが、残りのページが次第にすくなくなるにつれ、否応なく高まっていった。」
「一見なんら問題もないように見える人も含めて、誰しも抱えているものがある。当然ながらすべてが理想通りに整っている人などいないのだ。それを忘れて、相手を上辺だけで判じて、人と比べたり羨んだりすることの、なんと無益なことだろう。」
Posted by ブクログ
宮本輝さんの本を読むと、ちゃんと生きていこう、自分も周りも大切にしよう、と思う
はんなりとした関西弁の会話が心地よく、私の勝手な印象では、経済的にも精神的にも豊かな人物が、その財産を有意義に、そしてあたたかく使うお話 が多い気がします
この小説も90歳のファンキーなおばあちゃんが、350万円を一晩、いや、数時間でサイコーにステキな使い方をするお話
その親族たちもみんな、ちゃんと正しく育ってきた人たちばかりで、それぞれチャーミング!
心根の卑しい人が1人も出てこないところもほんと好ましい
宮本輝さん、時々無性に読みたくなります
そして、“ちゃんとしよう!”と思います
Posted by ブクログ
宮本輝さんの本は、主人公がよく独り言をいう。語り口は朴訥な農家の人が丁寧に陽気に作物を作るのに似ている。読後爽やかな気分が吹き抜ける。
90歳になった徳子おばあちゃんから、90歳の晩餐会を開きたい、それも本格的にと連絡を受ける。なんでも300万弟に出資したところ350万円返ってきてしまったから、それなら老い先短い身。晩餐会でぱあっと食べちゃえというのだ。しかもローブデコルテにタキシードのドレスコード。当日はカメラマンも思い出のために入る。シェフはエリゼ宮でシェフをしていて、そろそろ帰国しようかなという元教え子が務める。
祖母は戦時中に2週間婚姻した夫に死なれ、懐剣で胸をついて自刃しようとしたところ、ひょんと庭木を刈りにやってきた後の夫に救われた。晩餐会の正装は生きていること自体への賛辞だという。夫に晩餐会を味合わせることはできなかったけど、家族みんなでそれが味わえればいい。
Posted by ブクログ
錦繍以来の宮本輝さんの小説
徳子おばあちゃんが大切な家族を招き90歳を祝う晩餐会を開催する。
元教師の徳子おばあちゃんが本当に素敵だった。いやおばあちゃんを中心とした家族全員素敵でした。それぞれを主役としたお話を読みたいぐらい。
教え子達の協力のもと行われた晩餐会は抜かりなく滞りなく気遣いのなんたるかを教えてくれた。天晴れでした。
自分の人生に関わった人々すべての生命を褒め称える晩餐会。敬意と讃嘆。
徳子おばあちゃんのものへの審美眼も素敵だった。見ていると幸福になり、やがて幸福そのものになる。そうやって探し集めてきた幸福なものを孫たちの特性に合わせて分け与えていた。
ものに宿る幸福とともに受け継がれて行くことは、少し切なさもありとてもあたたかかった。
面白すぎて早く早くと読み進めてしまったので、もう一度ゆっくり大切に読みたい。
Posted by ブクログ
久しぶりの宮本輝さん。
正直、宮本輝さんの作品をいくつか読んできたイメージとしては、淡々とした読み口で、淡々と読み進めていく感じで、劇的な展開とかページをめくる手が止まらないと言う感じではないのだけど、
でもいつの間にか、小説の中の世界に引き込まれて、その日常に入り込んだような感覚になっていく。
今回もそんな感じ。
90歳の祖母が自ら計画して晩餐会を開く。なんで自ら計画したのかなあとか、なんで晩餐会なんだろうなあとか思いながら読み進めていくと、その理由が分かってくるのだけど、それが分かった時の、静かだけどこみあげてくる感情。あー宮本輝さんの作品読んでるなーと感動。
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