あらすじ
九十歳の記念に祖母が計画した、一流のフレンチシェフと一流の食材が織りなす、豪華絢爛な晩餐会。子どもたち、孫たちはそれぞれの思いを胸にその日を迎える。徳子おばあちゃんは、なぜ出征が決まった青年と結婚したのか? 夫の戦死後、なぜ数年間も婚家にとどまったのか? そしてなぜ、九十歳の記念に晩餐会を開くことにしたのか? 孫の綾乃は祖母の生涯を辿り、秘められた苦難と情熱を知る――。よき時、それはかつての栄光ではなく、光あふれる未来のこと。一人の命が、今ここに在ることの奇跡が胸に響く感動長編!
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まさに小説です。物語ではない。
金井家の人々の生活から、人生が語られ、人との関わりが描かれる。その深さだけでなく、様々な知識も相まって、恐れ入りましたって感じでした。
初めはなかなか読み進まなかったんですが、後半は一気に読みました。
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宮本輝さんの本を読むと、ちゃんと生きていこう、自分も周りも大切にしよう、と思う
はんなりとした関西弁の会話が心地よく、私の勝手な印象では、経済的にも精神的にも豊かな人物が、その財産を有意義に、そしてあたたかく使うお話 が多い気がします
この小説も90歳のファンキーなおばあちゃんが、350万円を一晩、いや、数時間でサイコーにステキな使い方をするお話
その親族たちもみんな、ちゃんと正しく育ってきた人たちばかりで、それぞれチャーミング!
心根の卑しい人が1人も出てこないところもほんと好ましい
宮本輝さん、時々無性に読みたくなります
そして、“ちゃんとしよう!”と思います
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京都の家族の物語。
我が実家も大勢集まるのが好きな家なので、雰囲気は良く伝わった。ただ、この主人公の家族といったら、衣食住については良いものと出会い大切に育む素地があり、90歳のおばあちゃんを中心に脈々と受け継がれている、羨ましい一家。
贅を尽くした晩餐会に向けての準備も、想像以上のこだわりぶり。そのこだわりが独りよがりではなく、ちゃんと相手を尊重し理解しているからこそ、受け取る側や読みても嫌味がなく素直に羨ましく思える。
90歳を家族で笑って迎えられるように、大切に生きようと思える素晴らしい作品。
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宮本輝さんの本は、主人公がよく独り言をいう。語り口は朴訥な農家の人が丁寧に陽気に作物を作るのに似ている。読後爽やかな気分が吹き抜ける。
90歳になった徳子おばあちゃんから、90歳の晩餐会を開きたい、それも本格的にと連絡を受ける。なんでも300万弟に出資したところ350万円返ってきてしまったから、それなら老い先短い身。晩餐会でぱあっと食べちゃえというのだ。しかもローブデコルテにタキシードのドレスコード。当日はカメラマンも思い出のために入る。シェフはエリゼ宮でシェフをしていて、そろそろ帰国しようかなという元教え子が務める。
祖母は戦時中に2週間婚姻した夫に死なれ、懐剣で胸をついて自刃しようとしたところ、ひょんと庭木を刈りにやってきた後の夫に救われた。晩餐会の正装は生きていること自体への賛辞だという。夫に晩餐会を味合わせることはできなかったけど、家族みんなでそれが味わえればいい。
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錦繍以来の宮本輝さんの小説
徳子おばあちゃんが大切な家族を招き90歳を祝う晩餐会を開催する。
元教師の徳子おばあちゃんが本当に素敵だった。いやおばあちゃんを中心とした家族全員素敵でした。それぞれを主役としたお話を読みたいぐらい。
教え子達の協力のもと行われた晩餐会は抜かりなく滞りなく気遣いのなんたるかを教えてくれた。天晴れでした。
自分の人生に関わった人々すべての生命を褒め称える晩餐会。敬意と讃嘆。
徳子おばあちゃんのものへの審美眼も素敵だった。見ていると幸福になり、やがて幸福そのものになる。そうやって探し集めてきた幸福なものを孫たちの特性に合わせて分け与えていた。
ものに宿る幸福とともに受け継がれて行くことは、少し切なさもありとてもあたたかかった。
面白すぎて早く早くと読み進めてしまったので、もう一度ゆっくり大切に読みたい。
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気品ある家族の関係性を幸せに描いた作品。90歳の誕生日を迎えた祖母の願いとして、豪華な晩餐会が企画され、参加する家族の思いが丁寧に描かれる。読んでて幸せな気分に浸れるし、文章の間の余韻が素晴らしく、宮本さんらしさが満載されていて、充実した読書感が得られた。よき時とは、過去の思い出でなく、未来志向の言葉として意味づけられている。こんな家族関係は羨ましすぎて毒も無く、波風も立たない物語だけど、なぜか許容できてしまうのは不思議。
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展開に発展があるのかと思いきや、終わりまで書かない。だからこそ、よき時を思う余韻が残る。そんな作品でした。
登場人物はみんなどこか不器用なところがあるが、人間だれしもそんなことあるよねと共感できるエピソードが多い。それぞれの登場人物が、それなりに自分と対話しながら生きていく、それが人生を形作り、よい人生になっていくのかもしれないと感じた。
ところどころ中国の四合院づくりや、東京の郊外の話、仏教用語がちりばめられていたりなど、日本人でなければ感じられない要素もたくさんあり、日本人の感性を刺激する作品でした。
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巨匠の新作。読むたびに、上手に生きるための何かを、必ず幾つか教えてくれます。祖母の90歳の晩餐会。一貫して語られるのは家族への感謝ですが、古臭くなく、現代的な時空の拡がりが大きく夢中になります。
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正直、初めの数十ページはページが進まなかった。
ただ、読んでいくにつれて物語に出てくる、情景、食べ物、人物、全ての映像が頭に浮かんできた。本を読んでいたが、映画を見ているような不思議な感覚に包まれた。
徳子おばあちゃんは壮絶な人生を送ってきたが、多くは語らなかった。それでも孫たちがおばあちゃんの言動や与えられた物の意味を自分たちで考え学んでいく。おばあちゃんの孫たちへの深い深い愛情が暖かく、優しかった。
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特に劇的な物語ではなく、誰もが日常が繰り広げられているの、穏やかなお話だった。
ここに出てくる90歳の徳子おばあさんがとても魅力的でこんな風に歳をとっていきたいと思った。
Posted by ブクログ
宮本輝さん、初読みです。
穏やかで良質な小説を読んだなという感じがした一冊でした。家族間で晩餐会を開くということに驚きましたが、他は衝撃的な出来事が特に起きないのが、かえって新鮮でした。
叔母夫婦が留守の間、中国の四合院作りの家のうちの一棟、倒座房に住むことになった綾乃。彼女の祖母を中心とした物語でした。
その祖母が90歳の記念に晩餐会を開くことになり、その準備を手伝うことで綾乃が祖母の教え子と出会い、祖母の教師としての一面を知ることになります。そして語られた過去で祖母の生きてきた歴史を知ります。
この祖母の徳子おばあちゃんが、凛として気遣いもぬかりなく、とてもすてきな人でした。戦争を経て、自分の生き方を見つけた後に邁進した姿の結果が、この晩餐会に現れていました。そしてこの家族の一人一人がとても魅力的な人たちでした。特に弟の春明は憎めない人でした。
晩餐会は徳子おばあちゃんの一世一代の催し物で、その本格的なことに驚きました。どれもが一流で豪華でした。特に料理は味わえないようなものだったので、興味津々でした。
『よき時を思う』というと、過去の思い出かと思いましたが、そうではありませんでした。今このとき、そして未来へとよき時が起きてくると感じさせてくれた小説でした。そしてこの先が気になり、まだ読んでいたいと思わせるところが、宮本輝さんのすごいところなのかもと思いました。
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タイトルに惹かれて、ずいぶん久しぶりに宮本輝の本を手に取った。
心地よい空気の中にいるようだった。
晩餐会の料理の美味しそうなこと☺
徳子さん90歳おめでとうございます!
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再読
読み始めてから 「読んでた」と気づく。
宮本輝は、読んでるはずと思いながら、買った
やっぱり 読んでた
それは 読んでるときの没入感
読み終わったあとのさらっと感だからか?
釈迦の話が出てくるのは、何以来だったかな?
Posted by ブクログ
不思議な小説だった。
すごく大きな起伏があるわけでもなく、つらつらと順を追って書いているだけ。
それなのに、情景がありありと浮かんできて、登場人物の誰もが魅力的だった。
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読み始めて、四合院造りの大家さんの話なのかと思ったら、途中でいきなり30代女性視点に変わり、あまり共感できない女性だなぁと思いながら読んでいたら、彼女の家族となかなか芯の強い祖母の話になり、祖母の話がメインなんだなぁと思ったら最後は取ってつけたようにまた大家さん視点になり、ちょっと消化不良。
90歳で正式な晩餐会を開くおばあさんの話が面白かったから、その余韻のまま終わってほしかったような気がする。
吃音の話もいきなり入ってきた気がするし。なんとなく書きたい題材を2,3合体させた感が否めない感じでした。
個人的には端渓の硯、国行の懐刀、アンティークのカテラリーと比べると、半纏だか綿入れってのは大分格差があるなぁなんて思いました。嫁はつらい(笑)
そして、個人的には息子一家と孫のみで二人いる娘が参加しないってのも不思議な感じ。まぁ二人とも海外だから出来なかったという設定だけれども。なんかなぁ~。女親と娘の方がつながりは強くないのかなぁなんて、個人的には思ったりしました。
メニューの中で食べてみたいなぁと思ったのはキャビアでした。おいしそう。少病少悩は確かに理想とする生き方だなぁと思いました。
Posted by ブクログ
金井徳子は90歳の誕生日に、家族を招待しての晩餐会を企画する。
豪華絢爛の晩餐会。
そこに至るまでの徳子の人生が…
16歳で出征真近の学生との結婚、そしてその夫の戦死。16歳での決断。
金井健二郎との出会い、教師としての人生。
そこには苦難、情熱溢れる教師生活が。
徳子の晩餐会のために、教え子たちが…
徳子の人生、すばらしい。
特に清彦亡き後、徳子の教師への思いを後押しし、バックアップをした朝倉家があったからこそ、今日の金井家がある。
そして、そんな徳子の子どもたち、孫たちもみな
いい人間ばかりで、徳子の教育が素晴らしかったんだと感じる。
金井家、ほんとにいい家族だった。
徳子の健二郎への感謝ははかりしれない。
健二郎とともにどんなに晩餐会に出たかっただろうか。
徳子の人生と金井家の人々でよかったような気がするが…
三沢家の話は必要だったのか⁇
晩餐会後の金井家の話をもう少し期待していたような自分がいる。
綾乃と棚田のこれからや、春明のK2商会のことを。
Posted by ブクログ
文庫が出版されてすぐに購入した本
好きな作家の小説だけど遅々として進まず
それはたぶん、取り扱う内容にあまり興味が湧いてこなかったからかも知れない
晩餐会、端渓の硯、書道、源氏物語、ゲランの香水、ブガッティのチョコトルテ、シャトー・マルゴー、ペトリュス、、どれも自分には縁がなく最後まで興味がもてなかった
唯一,四合院造りの住居には興味がもてた
どんなものかネットでも調べてみた
確かに中国の映画とかに出てきそうな感じがした
内容は晩餐会へ向かって金井家の人々の日常が淡々と進んでいくだけだった
主催者の90歳になる徳子さんの過去は凄まじかったけど、戦争を経験しているのだから当然と言えばその通りである
それと本編の最初と最後に登場した三沢家の人々の話は興味深かった
父と子はどのように和解するのか,もう少し先を知りたくもあったが、「よき時を思う」ということで、ちょうど終わり方もよかったのだと思った
それぞれの家族の行く末が楽しみで、それがよき時ということなのかなぁと
余談ですが
宮本輝の小説で1番好きなのは『約束の冬』
宮本輝を知るきっかけになった本
約束した二人はどうなるんだろうと思いながら、最後まで興味深く読み進められた
時を経た後での出会いが素敵だった記憶がある
最近では『灯台からの響き』
妻の残した遺品の謎を追うストーリーにドキドキワクワクした
『草花たちの静かな誓い』も面白かった
アメリカの叔母さんが残した遺産だなんて
それだけでワクワクした
今回のストーリーはそういった謎のようなワクワク感がなかったからあまり興味がもてなかったのかもしれない
Posted by ブクログ
四合院造りと呼ばれる家を中心に、そこに住む人のそれぞれの人生が展開される。
綾乃のおばあさん、徳子の90歳の誕生日を、自分で家族を招待して、豪華な晩餐会を開催する。
シェフや、晩餐会に関わる人は、徳子の教え子。
人間味の溢れる先生に人生が大きく変わったのだと感じる。
Posted by ブクログ
2026年2月27日
穏やかな展開
ワインや晩餐会の話はいかにもリッチ
それをするまでにもいろいろ悩みも苦しみもあった
家族の仲が良いのがほっこり
善人の物語
中国の四合院造りがとても魅力的
Posted by ブクログ
普段ミステリばっかり読んでるから最初の方は正直退屈で読み進めるのに時間がかかった。でもおばあちゃんの過去の話のところから面白くなった。大家の話で締めるのは意外だったけどよかった。登場人物が多いけどキャラクターがそれぞれ立ってて面白かった。