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土佐堀川に浮かんだ船に母、姉と暮らす不思議な少年喜一と小二の信雄の短い交流を描いて感動を呼んだ太宰治賞受賞の傑作「泥の河」。北陸富山の春から夏への季節の移ろいの中に中三の竜夫の、父の死と淡い初恋を螢の大群の美しい輝きの中に描いた芥川賞受賞の名編「螢川」。
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Posted by ブクログ
戦後の哀しい時代の空気が、文章を通して、強烈なイメージとして蘇る小説だった。 「泥の河」は、ずっと記憶に残りそう。素晴らしい小説だった。
宮本輝をこの本から入った。 泥の河、とにかく泣ける、美しく哀しい。 昔の日本はこんな貧乏だったのかなぁと想像しながら読んだ。 映画もぜひ見たい
文章が美しく、情感に溢れている。泥の河が特に刺さった。 泥の河:悲しくも美しい戦後の風景。人々は逞しく生きるも、残酷な人生。 螢川:4年間住んだ富山の方言が懐かしい。
丁寧に綴られた言葉とリアルな情景が秀逸 人間の生の美しさと強さとそして嫌悪が 子どもの視点を通して不器用に映し出される 忘れた頃にまた読み返したくなる一冊
確かに美しい文体で、イメージの中の風景も自分の幼少期が思い起こされる。 今、考えると初恋だった近所の年上のお姉さん❗ 幸せになってたらいいなーと思いながら読めた作品
昭和30年代という戦後復興真っ只中の日本が舞台の小説。 「泥の河」は、大阪で食堂を営む家族と、舟で様々な地域を転々としながら生活を営む家族との何か切なくなるような話。 「螢川」は、富山に住む家族に降りかかる友人、親との死別などの悲劇、幼なじみとの淡い恋心を交えながら家族の揺れ動く心の描写に美しく...続きを読むも切なくなるような話。 どちらの話も時代に翻弄されたが故に避けられない悲劇が描かれているにも関わらず、所々に差し込まれる風景描写が非常に美しく、とても惹きつけられるものがあった。古き良き時代のノスタルジーを想起させてくれる素晴らしい表現なので、風景描写だけでも読んで損はない小説。 「朝陽はまだ姿を見せていなかったが、鬱金色のさざめきがすでに川面で煌めいていた。」
宮本輝の初期代表作、太宰治賞『泥の河』と芥川賞『螢川』を収録している。全てが代表作である純文学の権化のような作家だが、その中でもデビュー作と実質デビュー作はこの人を語るには欠かせないものだろう。 戦後経済成長期で、発展を遂げようとしている大阪府の2つの家族を描いた『泥の河』。 同じく戦後経済成長期...続きを読むで、衰退しつつある富山に住む少年と周辺を描いた『螢川』。 全く正反対の舞台であるが、方や田舎に移ろうとし、方や都会に移ろうとする。ほぼ同じ時代に暮らしていても、2つの物語が目指す生活は異なっていた。 しかし、彼らとて、自ら進んで計画したわけではない。運命とも、悲劇ともいえる状況に身を置かれ、やむなく決心したのだ。 昭和の時代、風景、人情、感情の起伏を流動的に描き、その上、読者の心には写真のように物語の光景を刻みつける。文学が閉ざされた現代においても、宮本輝の文学は輝度を増すばかりだ。
太宰治賞を受賞した泥の河と,翌年に芥川賞を受賞した螢川のカップリング.恥ずかしながら宮本輝を読んだのは初めてだが,美しいですね.
作家・宮本輝の初期の代表作2編が収録されています。 本作収録の2編の短編により、宮本輝は作家としての地位を確立しました。 宮本輝は教科書では村上春樹や吉本ばなななどと並んで文学作家として紹介されることが多いです。 ただ、大体"第三の新人"あたりからの文学作品は大衆文学との境が薄...続きを読むれていて、宮本輝作品も文学といわれると違和感を感じます。 この頃に登場した作家達は、共通した思想や定義などはなく、各作家が作品毎に思想を込めている部分があります。 また、2022年8月現在も活動中である作家も少なくなく、本作は純文学と大衆文学の境目がなくなってきた時期の文学作品と言えるかと思います。 各作品の感想は以下の通りです。 ・泥の河... 宮本輝氏の作家デビュー作品。太宰治賞受賞作。 戦後の傷跡が残る大阪で、安治川の畔に住む少年「信雄」と、船に住む姉弟との交友を描いた作品です。 姉弟の母はその船で体を売って糊口を凌いでいます。 信雄は、船に住む「喜一」と友達になるのですが、喜一の母が客を取っている様子を垣間見てしまう。 周囲の大人に下劣な冗談を言われ、それでも喜一と友人でいようとする信雄の心理描写に長けた作品だと思います。 信雄が育ちの異なる喜一の"楽しいと言っていること"を理解できず、ラストは切なさがありました。 本作は宮本輝氏の幼少期をモチーフとしているようで、少年ゆえに処理できない自分の中の感情が書かれた名作です。 ・螢川... 芥川賞受賞作です。 富山県を舞台にした作品で、こちらも重要な舞台として"川"が登場します。 もう一編『道頓堀川』という作品があり、こちらを併せて「川三部作」をなすそうです。 中学二年生の「竜夫」を中心として書かれています。 かつては戦後復興時にタイヤ販売で成功し、北陸有数の商人にのし上がった父でしたが、行き詰まり、家には借財のみが残ってしまった。 老いた父は病に倒れ、母も看病のためにろくな仕事につけずにいる。 竜夫には関根という親友がおり、関根は同級生の英子と同じ高校へ進学するために猛勉強をしています。 実は竜夫も英子に憧れをもっているのですが、それを隠しています。 テーマとして、少年が直面する2つの死を描き、生命が対比されて浮かび上がってくるように思いました。 交尾に勤しむ蛍の、恐ろしいまでに幻想的な光によって浮かび上がる英子の姿は、竜夫にとっては正しく生命の輝きそのものであったのであろうと思います。 本作も、登場人物の心理描写や情景描写が巧みで、ノスタルジーを呼び起こします。 また、シンプルに読み物としておもしろい作品でした。
太宰治賞受賞作「泥の河」、芥川賞受賞作「螢川」。名作である。 古典とも言われる名作は、何回読み返しても、また違う感動があります。 暗鬱な北陸の風土に、生き抜いていく人間の哀愁、命というものの叫びというものが、読み手に強烈に跳ね返ってくる。若い頃では感じ得ない感情を、感動がここにはある。
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