宮本輝のレビュー一覧

  • 錦繍

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    ええ。めちゃめちゃ面白かった。モーツァルトの調べから「生きていることと死んでいることが同じこと」と悟るなんて、、、全編通して死相が漂っている感じがすごく好みだった。冒頭から悲しい物語を予感させ、沁み込んでくる文章だった。まさしく解説通り、手紙で振り返ることで過去を生き直し、未来へ向かう物語。業ってなんだろう、死ぬってなんだろう。余韻に浸ってます。父の「勝沼と離婚してもいい」という切り出すシーンも重くて、涙ぐんでしまった。手紙は終わるべき時機にきちんとけじめをつけて終わって、二人が未来へ進んで良かった。かなり好きな小説だった。

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    2026年02月20日
  • 灯台からの響き

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    良かった。情景が浮かぶし、一緒に旅をして
    行かなければいけないところを見出す力が康平に出てきたところが良いと思った。
    なぜあの本に挟まれていたのか
    なぜ蘭子が知らない人と言っていたのか
    考えさせられる
    読書に没入してしまいました。

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    2026年02月19日
  • よき時を思う

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    宮本輝さんの本は、主人公がよく独り言をいう。語り口は朴訥な農家の人が丁寧に陽気に作物を作るのに似ている。読後爽やかな気分が吹き抜ける。

    90歳になった徳子おばあちゃんから、90歳の晩餐会を開きたい、それも本格的にと連絡を受ける。なんでも300万弟に出資したところ350万円返ってきてしまったから、それなら老い先短い身。晩餐会でぱあっと食べちゃえというのだ。しかもローブデコルテにタキシードのドレスコード。当日はカメラマンも思い出のために入る。シェフはエリゼ宮でシェフをしていて、そろそろ帰国しようかなという元教え子が務める。

    祖母は戦時中に2週間婚姻した夫に死なれ、懐剣で胸をついて自刃しようとし

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    2026年02月14日
  • よき時を思う

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    錦繍以来の宮本輝さんの小説
    徳子おばあちゃんが大切な家族を招き90歳を祝う晩餐会を開催する。
    元教師の徳子おばあちゃんが本当に素敵だった。いやおばあちゃんを中心とした家族全員素敵でした。それぞれを主役としたお話を読みたいぐらい。
    教え子達の協力のもと行われた晩餐会は抜かりなく滞りなく気遣いのなんたるかを教えてくれた。天晴れでした。
    自分の人生に関わった人々すべての生命を褒め称える晩餐会。敬意と讃嘆。

    徳子おばあちゃんのものへの審美眼も素敵だった。見ていると幸福になり、やがて幸福そのものになる。そうやって探し集めてきた幸福なものを孫たちの特性に合わせて分け与えていた。
    ものに宿る幸福とともに受

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    2026年02月13日
  • 道頓堀川

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    傑作やろ。
    これに星4つけるやつって、じゃあ何を望んでるんだ? ってはなしだし、地に足ついた文学でこのレベルなんて、もうそうそう出ないぞ。

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    2026年02月07日
  • 夢見通りの人々

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    夢見通り商店街に住むクセが強い人々の話。

    宮本輝作品そんなに読んでないからあるあるなのかわからないけれど、春太が三十光年の星たち主人公と通じるものがあった。お人好しで頼られがちで気づいたら首突っ込んでるあたり。

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    2026年02月02日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    宮本輝氏の小説もほとんど読み終わってしまうのでこの小説はゆっくり読んだ。
    「流転の海」で描かれた富山の生活とは対照的。あちらが影ならばこの作品は光のよう。
    この作品を書くことは、宮本輝氏の富山への罪滅ぼしなのかなと思ったりして。
    (流転の海での富山の描写は、気候と人柄が主人公の家族に合わなかったので鬱気味になったと記憶している)

    読み終えて清々しい気持ちになる小説でした。

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    2026年01月31日
  • 錦繍

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    美しい文体の手紙のやり取り。切なくて悲しくて美しい。
    宮本輝さんの作品をもっと読んでいこうと思います。

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    2026年01月30日
  • 満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)

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    宮本輝の自伝的小説『流転の海』第七部。
    あと2冊で終わりとなる。
    第一部を読んだ時は、松坂熊吾に対して嫌悪の情が強く、最後まで読み通せるか不安だったが、今は終わるのが惜しいという気になっている。
    それは、歳をとった熊吾が、若い頃のように、すぐに暴力に訴えるということがなくなったからかもしれない。
    人を差別することなく、面倒をみる熊吾の性格に気づいたからかも(人助けをすることが快感なのだろう、と自分でも分析している)。
    または、この物語に慣れてきて、登場人物に親しみを持つようになってきたからかも。

    今回は、前半あまり起伏のない内容が続くが、後半またもや、というストーリー。
    そんななかでも、美食

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    2026年01月26日
  • 錦繍

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    久々に良い本読んだな…と思う読後感。
    あらすじに離婚した男と女の愛と再生の物語ってあるし要は復縁していく経緯を描く物語を期待して読み進めていたけれど、
    再生ってそういうことか〜!ってなりました。
    二人が綴る書簡の美しさはまさに錦繍。
    ラストが近づくほど美しく、作品としても味わえるような素敵な一冊でした。

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    2026年01月24日
  • 錦繍

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    一番はじめに読んだのは、30年くらい前のハタチ位の時。その後、2〜3回は読んだと思う。
    先日、久しぶりに宮本輝さんの別の作品を読む機会があり、懐かしくなって、今回20年ぶりに読みました。

    かつての夫婦であった男女の間で交わされる14通の手紙。
    暗い過去を振り返るやりとりから、後半になるにつれ、だんだん希望を感じられるやりとりになっていく様子が素晴らしかったです。

    また10年後に読み返してみたいです。

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    2026年01月23日
  • 草花たちの静かな誓い

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    アメリカ在住の叔母の莫大な遺産を相続することになった弦矢。だが、亡くなったはずの叔母の娘(弦矢の従姉妹)は6歳で失踪していたことが判明。
    物語の半ばからラストにかけて怒涛の展開が…先が気になって一気読み‼️

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    2026年01月20日
  • 錦繍

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    紅、朱、橙、黄
    色とりどりの紅葉を目にする度、私はこの「錦繍」を思い出さずにはいられないだろう。

    錦繍【きんしゅう】
    1.錦(にしき)と刺繍(ししゅう)を施した織物
    2.美しい織物や立派な衣服
    3.美しい紅葉や花のたとえ
    4.美しい字句や文章のたとえ


    蔵王のドッコ沼へ向かうゴンドラの中で10年ぶりに偶然再会した元夫婦 勝沼亜紀と有馬靖明。そんな2人の往復書簡のみで綴られた小説。

    別れて10年の歳月が過ぎたというのに、当時を振り返り相手のことを思い、いく枚もの便箋に何時間も何日もを費やして書かれた手紙。
    時に冷たく突き放す有馬。しかし再びやり取りが始まると、そんな有馬からも品を感じる。

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    2026年01月16日
  • 人生の道しるべ

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    お恥ずかしながら宮本輝作品を読んだことがなく、きれいな作品というイメージばかりが先行して手に取ってこなかったのだけど、対談を読んだらそんなこと言ってないでさっさと読まねばという気になりました。私はきれいの奥にあるどろどろを感じられるだろうか。
    またおふたりに通ずる繊細かつ豪胆な小説家の業を教えてもらえておもしろかった。

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    2026年01月15日
  • 灯台からの響き

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    ゆっくりゆっくり物語は進むのですが、なぜか「もういいや」と読むのをやめる気にはなりません。登場人物の語る言葉に人生を歩む上で大切な訓示が入っているからでしょうか。さすが、宮本輝さんです。読後は蘭子さんの人柄や想いが温かく心に広がり、惜しい人を亡くしたと寂しくなり、実際にこの世で生きていたかのような感覚になりました。
    ちなみに、影響されやすい私は近場の灯台を見に行ったりしました。

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    2026年01月13日
  • 優駿(下)

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    銀色のステイヤーで、競馬系小説の面白さを知り、テレビドラマ「ロイヤルファミリー」を見てさらに興味が深まり、有馬記念で馬券を買って、この本を読み始めた。
    最初の設定が、ロイヤルファミリーと似てる…と思ったが、もっともっと深かったと思う。
    誰が主人公なのかわからない。章ごとに変わる?なので誰に肩入れすることもなく、公平な気持ちで読み続けられる。
    競馬用語を、ネットで調べながら読み進めた。ロイヤルファミリーを見ている時もそうだったが、レースの実況場面がいちばんグッと来る。
    馬が走るところを見たい。

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    2026年01月12日
  • 三千枚の金貨(下)

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    20台の頃、大好きだった宮本輝さん。ハードオフで上下巻揃っていたので購入。
    読みはじめてすぐに「これ、これ!輝さんの雰囲気!」と、ワクワクしながら読みました。
    シルクロードや日本国内の具体的な地名が出てきて、行ってみたいなぁと想像力を掻き立ててくれるところ、さすが輝さん、と思い出しました。

    調べたら、流転の海シリーズを完結されていたとの事!また、一から読んでみたいと思っています。

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    2026年01月12日
  • 錦繍

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    山形文学紀行で紹介された本であるが、蔵王温泉は一場面しか出てこない。その場所で別れた夫婦が偶然に再開する。しかし、多くの場面は関西であり、大阪であり京都である。

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    2026年01月11日
  • 錦繍

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    昔はこうして連連と手紙を書いたものでした。
    本当は別れたくはなかった、本当は今も愛し愛されていることがわかった。でも一緒にはなれない現実もある。
    女は、生きることと死ぬことは同じと感じ、その言葉に男は、己の為した全ての行為、心に抱いた思念は、死の世界へ移行した自分を打擲すると伝えた。
    過去に囚われた苦しみが、希望に満ちてくる瞬間がある。その時、美しい錦の織物が紡がれたように感じました。
    この人の作品は本当に素晴らしい!

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    2026年01月08日
  • 螢川・泥の河

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    泥の河を読んで
    私は同じ時代に大阪の狭い長屋に生まれましたが、そのような船があるとは知りませんでした。幼い頃はまだ皆んなが貧しく洗濯機もない時代。裏口で大きなたらいに水を出し洗濯板でゴシゴシ。お隣のおばさん達も皆んな朝から洗濯していて、そういえば、冬は母が熱湯を持ってきて少しずつたらいに入れました。
    川では、枝を落としただけの幹の太い木を数本縛り、男の人がその上に立ち、長い竿を操りながら船のようにして大木を運んでいました。ポンポン船も大好きで、よく橋の上から眺めました。父が「昔は、よう土左衛門が流されてきたんやで」と言っていたのを思い出しました。それがそんな昔の話ではなかったのだと小説を読んで

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    2026年01月08日