宮本輝のレビュー一覧

  • よき時を思う

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    書店で目に留まり、タイトルに惹かれて購入。

    主人公の綾乃は私と同い年だった。90歳近いおばあちゃんがいるところも、独り身なところも同じだからか、読みやすかった。あと教師としても徳子おばあちゃんの在り方に魅せられた。出てくる人がみんなただ高貴なわけじゃなくて教養があって、人の機微を読んだり揶揄ったりしてる様子がちゃんと人間の生活っぽくてよかった。400ページ超で読み切れるか心配してたけど、気づいたら50ページとか進んでて3日で読めた。

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    2026年07月24日
  • 湾

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    地図を眺めながら読んでしまい、いつか舞鶴を訪れたいと思ってしまう。すてきな風景や風土、美味しい食べ物、つながりの強い家族、うらやましい境遇などにあふれている。

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    2026年07月23日
  • 春の夢

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    ネタバレ

    父親の借財から逃げる大学生の哲之と母。
    暗闇の中、大阪の古いアパートの柱に打ちつけた蜥蜴。
    大学で出会った純真潔白な陽子。
    アルバイト先のホテルで出会った数々のボーイ。
    京都で日本庭園や茶室のある家屋に住む沢村。
    それぞれのストーリーを描きながら一つの話にまとめ上げていく宮本輝の技量の凄さ。

    大阪の古いアパートの泥臭さと、京都の洗練された伝統的な風景の相対する描写が面白い。
    それは、借財に追われる哲之と、金持ちお嬢様の陽子にも通ずるものがある。
    最後に蜥蜴のキンの釘を抜くシーンは、爬虫類の体液まで鮮明に描かれていて、身の毛がよだった。
    哲之と陽子の夜の描き方が大学生の青春らしくて良かった。

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    2026年07月23日
  • 錦繍

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    読んだ後なんとも言えない気持ちになる。でも、心の中に強い芯みたいなものがある感覚になる。
    お互いのことを深く理解し合った人がいる、という事実は、たとえ一緒にならなくとも、心強いもの

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    2026年07月22日
  • 錦繍

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    私は若造なので「ゆかこ、ゆかこうるさいわねえええ!!!奥さんにもっと謝りなさいよ!!」とか思っちゃった。結婚ってマジで何?とは思うんだけどこの本の主題ってそこじゃないんやろな。過去を乗り越えて現実を見つめ直して1歩進んでいくっていう物語なんだろな。個人的には令子ほんとに強い女だなと思った。恋人?の元奥さんとの手紙読んで「私元奥さんのこと好き」って泣けねえよどういうことだよ、、、、。

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    2026年07月20日
  • 幻の光

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    若い頃、宮本輝さんが大好きでほぼ全ての作品を読んできたのですが、『幻の光』だけはまだ読んでいませんでした。たまたま手にとって見ると、一編目が私の馴染み深い奥能登を舞台にしているとのこと。実は毎年、能登へお墓参りに行っているため、作中に出てくる曽々木海岸の情景もよく分かり、描写がとてもリアルに心に迫ってきました。収録されている他の作品もすべて「生と死」をテーマにしており、宮本さんならではの美しい方言を用いた抒情詩のように描かれています。それは、すっと心の深いところに溜まっていくような感覚です。暗い影がベースにありながらも、その中にほんの少しだけ確かな光が見える、そんな宮本文学の魅力を、改めて深く

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    2026年07月18日
  • 錦繍

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    素晴らしい作品。この一冊で男女の関係だけでなく、過去と未来、生と死、人間の背負う業など数々の事を考えさせられた。お互いの手紙によって物語が進んでいくという形式が時の流れと心情の変化を上手く運んでいた。この作品にだいぶ喰らってる。

    人間には業があり、それに沿って人生が展開していく。人によってはその業は決して容易いものではなく受け入れがたいものかも知れない。ただ諦めて自死を選ぶのではなく、その業を受け入れた上でイマを必死に生きることで未来へと歩みを続ける。

    「生きていることと、死んでいることは、もしかしたら同じことなのかもしれない」この宇宙の、生命の不思議なのカラクリはまだ俺の人生では理解でき

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    2026年07月15日
  • ドナウの旅人(下)

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    後編。旅は東ヨーロッパへ。ソビエト影響化なので今とは全然違う。自身で訪問した所もありますが、人々の様子が現在とは全く違うのも印象深い。6ヶ月に及ぶ旅、登場人物の中身も色々変化していく様、少々悲しい終わりかたも、これで良かったのかなという思いも強いです。

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    2026年07月14日
  • 異国の窓から

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    読みやすい。

    小説を書くための異国を旅するエッセイ。


    道中の人とひとの交流が描かれています。

    わたしの一生の中で決して行かない国の、人情や
    風景が、ありありと目に浮かびます。
    本って、すごい魔力がありますね、



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    2026年07月09日
  • 錦繍

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    何かでおすすめ作品として取り上げられていて気になって手に取った作品。三島由紀夫とか志賀直哉とか古い純文学系も好きな自分としては文章が美しく、それでいて読みやすく心が掴まれた。二人の書簡でのやりとり、一方的になってしまうもつれた感じも含めて空気感が好きだったし、読んだあと何度も読み返したいと心から思った。2人はなぜ別れてしまったのかこれからどうなるのか読みながらグイグイ引き込まれた

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    2026年07月06日
  • 生きものたちの部屋

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    宮本輝さんの本が売れてお金持ちになった後のエッセイ。

    ひとの人生って、そんなに変わるのね。

    沢山読んで、苦悩しながら書いて。ひとの縁があって成功を掴む。ちょっと偉そうになっていく姿も面白い。ひとって今も昔も変わらないなー。

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    2026年07月03日
  • 潮音 第四巻

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    全四巻。

    富山の薬売りから見た幕末、明治を描きながら
    “富山の薬売り”の実態も描かれている。
    私の父は富山出身なので 微かに小さい頃その関係の薬が我が家にあった記憶が。
    “富山の薬売り”の話は とても興味深く読ませてもらった。干し昆布が密貿易によって唐薬種と交換されていたこと。富山から薩摩まで片道35日、往復70日もかけて それこそ“薬を売る”為に “薬売り”たちは 歩き通したことなどなど。
    主人公 川上弥一のドラマチックな人生を通して描かれていく。

    幕末、明治の頃の話も 知っているのは 真正面から描かれた歴史。武士ではない一商人側から見た、見えた幕末、明治も興味深かった。

    それにしても

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    2026年06月24日
  • 湾

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    昭和から令和への人生一代記。感情の安定した朴訥とした語り口。宮本さんのお人柄もそうなのだろうか?

    光太は舞鶴にやってきた。すき焼肉800gと5つの種を預かって。舞鶴には姉の皐月ちゃんがいて、なぜかというと喘息持ちで祖父母に預けられていたのだ。プロパンガスが来て、風呂に取り付けられる。

    ツルばあちゃんの誕生日に皐月と光太は木を植える。皐月はヤマボウシ、光太はコブシ。五老ヶ岳に登る。ここからの舞鶴湾の眺めが一番美しい。父母がやってきて駅まで迎えに行く。父は新車を買うという。父は日野ルノーを購入、事務所と工場を整備して、7人雇う。

    伊勢湾台風が来て、一帯は停電になり、皐月の喘息発作が治らなくて

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    2026年06月23日
  • いのちの姿 完全版

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    2017年に買っていたが、今月ようやく読んだ。この9年の間に「流転の海(全巻)」「水のかたち」「よき時を思う」を読んだ。
    これらを読んだからこそ興味深く思える内容ばかりだった。宮本輝氏の作品に奥行きがあるのは、氏の経験によるものとわかる。

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    2026年06月22日
  • 湾

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    非常に読後感が良い。舞鶴というところは私の人生の中でも光っている、思い入れのある場所なので、「湾」という題名からなんとなく舞鶴を思い浮かべたが、見事に当たった。舞鶴湾の美しさを知る人は読んで欲しい。

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    2026年06月21日
  • 灯台からの響き

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    宮本輝さんの作品を初めて読んだ。
    妻を亡くした男性が、2年間放置していた中華そば屋の仕事を1人で再開しようと奮起する話。登場する人たちが皆温かく、妻が生前に夫の図書に挟んだ見知らぬ人物からの手紙に触発された男性は、自分探しで灯台めぐりの旅を始める。その中で妻が挟んだ手紙の意図が少しずつ解き明かされていく。読み終わる頃には登場人物全員が愛おしく、特に亡くなった奥さんがひときわ輝いて見えてくる。
    謎解き要素が重要なテーマなのだが、殺人も暴力も恐怖も出てこない、心温まるミステリーである。

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    2026年06月19日
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)

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    超大作を何年もかけて読みました。
    熊吾と彼を取り巻く人間それぞれが実に人間味あふれていて魅力的である。
    特に豪傑な熊吾の言葉の端々には深く胸に刺さるものがたくさんあった。若い頃から人を魅了し惹きつけるそして怖いものなどない熊吾も、老いるにつれ様々なことがうまくいかなくなり熊吾の人生の最期は私の心情としてはなんとも複雑で悲しい終焉であった。どんな強い偉大な人間もちっぽけであっけないものだなと。
    妻である房江には同じ女性として同情と芯の強さに畏怖の念を持つ。可愛らしい。

    登場人物がたくさんすぎて感想はキリがないのでこの辺にしておこう。
    熊吾の言葉は読み返して書き出して、人生の訓にしたい。

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    2026年06月12日
  • 錦繍

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    文学の森 2026年6月クールのテーマ作品

    過去から現在につながり、そして未来へとつながる。
    過去に引きずられず今を精一杯生きることが、きっと自分にとって一番ふさわしい未来につながると感じた。

    数十年ぶりの再読だが、宮本輝さんの美しい文章は心地よいなぁ。

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    2026年06月12日
  • 潮音 第三巻

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    物語は佳境に。
    大政奉還、鳥羽伏見の戦い、明治政府と世の中が目まぐるしく動いていく。弥一たちも その渦に巻き込まれて。

    弥一、長吉、才児たちは 本当によく動き回りました。疲れもでます。弥一は 何ものにも 心が響かなく、虚脱状態に。

    “カンパニー”のようなものを作ると言っていたが
    どうなるのでしょうか?

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    2026年06月03日
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)

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    読み終わった後の何とも言えない、ふわっとした気持ちがすごい。1人の人生、1つの家族、過酷な時代を生き抜いてきた。その歴史を目の前で見続けてきたような気分。生きるとは何かを改めて自分に問いただしてみると、やはり信念の強さや前を向く必要性が大事。松阪家の生き方から学んだ。戦前戦後生き抜いた熊吾のこの力強さよ。心から人を助けたいという思いを貫く。そういった強さ、優しさを僕自身も身につけたい。

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    2026年05月31日