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Posted by ブクログ
吉本ばななと宮本輝の対談集。温かい雰囲気で、素敵な時間だったのだろうと思われる。
宮本輝の温かい言葉が並べられたあとの(あとがきで本人は言葉を省略していることを反省しているけれど)、吉本ばななの鋭い一言に何度も考えさせられた。きっかけをもらって、その対談とは全然違うことを考えることも多かった。
吉本ばななが「世界中のひきこもりのような感じの人に『あなたの本を読んで救われた』と言ってもらえるんです」と述べているとおり、生きづらさを抱えながらもがんばって生きている人たち(私を含む)にとって、吉本ばななの職人のようにコツコツと救いを届けるための本を書いてくれる人がいることは、非常にありがたいと思う。
Posted by ブクログ
大学生の時、友人に勧められて読んだ「優駿」「青が散る」が深く心に染み渡り、青春時代のもやもやとした思いや生きている中でふとしたことで感じる縁や運命的なことを重ね合わせ、その後、事あるごとに読み返しています。
宮本輝さんの小説は、心の中に鬱屈した感情も抱えつつ、様々な事柄や周囲の人たちに翻弄されながらも、人生に向き合っていく心の根のきれいな主人公を丁寧に描いていて、生きることの大変さとそれでも生きていくことの意味を考えさせられて生きる勇気と人生の深さや豊かさを感じられるので30年来の愛読者です。
吉本ばななさんとの対談の中からお二人に通ずる人生観に触れられて、何かとても爽やかで幸せな気持ちになりました。
Posted by ブクログ
惜しい本を、読み飛ばしていた。
が、単行本が出た2015年は、まだ読書生活を復活させてなかった頃だった。
しかも、2011年の新刊『三十光年の星たち』を読んで、宮本輝ともちょっと距離を置こうとしていた時期にも重なる。その『三十光年の~』のレビューの冒頭には、こう記してある。
「宮本輝も齢をとったな、と思わせる一冊だった。佐伯という老人を通して今の若者世代に説教したいことをちりばめたような何とも後味の悪い印象。」
その少し前の作品あたりから、金持ちな老人が出てきて話を引っ張りまわすような感じがあり、うすうすと感じていた説教臭さ、関西の親戚の叔父貴がいかにも言いそうな、蘊蓄や御宣託が多くて、ヤになったのだ。
その後、そろそろどうかな?と、新作を手に取ったのは2021年の『灯台からの響き』。実に10年も間が空いてしまった。
「でも、宮本輝が、ヤなジジイのままではなく、また佳き作家として戻って来てくれた印象を持てた本書は、二重丸だ。」
とレビューしたので、その後は、なるべく読んではいる。
10代、20代のころのように、新刊が出ればすぐに全部読んでいたころとはちょっと違うけど。
そして対談相手が吉本ばなな。こちらも、20代の頃、彼女がデビューした時からの初期の数冊は、単行本ですぐに読んでいた。素敵な感性と表現力を持った大好きな作者さんだ。
そんな二人の対談。ハズレるわけがない。
主に、作家論だったが、とても示唆に富んでいる。何かを創作する人の姿勢、死への心構え、なにより人生との向き合い方が多く語られている。
小説の面白さを教えてくれた人生の大先輩と、同じ時代の空気をすって育ってきた同世代。発せられる言葉が、どちらの口から出ても、スっとしみ込んで腹落ちするのは、数多たの作品を通して、自分なりに感じてきた作者のヒトトナリと合致するところがあるからだろう。
作品や、エッセイから感じ取っていた人物像から、予想通りの、人肌感が伝わるひと言ひと言に、大いに感銘をうけた。
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