宮本輝のレビュー一覧

  • 星々の悲しみ

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    哀しい話だった。伝えたくても伝わらない想いや、思い出せない事すら忘れてしまいそうな、刹那的なエピソードの数々が、何億年も前の星の光の様に思えた。

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    2022年10月16日
  • 愉楽の園

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    ネタバレ

    宮本輝先生の作品、28冊目の読破です。

    『書評・宮本輝By 書評ランキング』というサイトを参考(Aランク)に、読んでみましたが良い小説でした。(今まで読んだ小説全てが好きです!)

    タイを舞台に物語が進んでいきますが、タイの風習に初めて触れ全てが新鮮でした。
    内容も刺激的でドキドキしながら読みました。

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    2022年10月12日
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)

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    とうとう自分が房江と同じ年齢に!
    房江は生まれ変わり、強く生きる力を得た。
    熊吾と房江が生かされている奇跡に感謝しているのと同様に自分もこのタイミングにこの本に出会えたことに感謝!

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    2022年09月27日
  • 満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)

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    事業の危うさ、身体の危うさ、人間の危うさが入り混じっていて最後までヒヤヒヤしながら読んだ。
    そんな中でも生命の誕生や房江が新たに楽しみを見つけて人生を楽しもうとしていてワクワクする。人生を楽しむのは些細な事で良くて、それはこの第7部の満月があらわすように常にそばにある。それに気がつく事が出来れば幸せなのかなと考えるきっかけになった。

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    2022年09月18日
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)

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    流転の海完結編。全9巻。

    宮本輝は毎回、人生とは、人の宿命とは、幸福とは、などいろいろなことを考えさせられる。

    この作家に出会えたことで、人生が深まったように感じる。

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    2022年08月07日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    第二部
    舞台は南宇和郡一本松村。
    愛息・伸二の五歳までの成長を軸に熊吾が己の人生の意味を模索する。

    異常な執念で熊吾への恨みをぶつける地元のヤクザ・増田伊佐男との再会。

    伊佐男の画策した闘牛をキッカケに出会った深浦港の網元・和田茂十の、県議選出馬に伴う選挙参謀としての活動。

    茂十の罹患…そしてその死。

    妹・タネとその情夫・政夫の為にお膳立てしたダンスホール。
    政夫の転落死。

    ついに、長きに渡って絡み続けた伊佐男の自死を経て大阪へ戻る決意を固める。

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    2022年07月15日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    とんでもない本に巡り合えた。

    人が幸せに生きていく上で必要な素養の全てかここに在る。



    この作者の「優駿」を読んで、是非他の作品も読みたくなり、この本に辿り着いた。

    1984年の第一刷発行であるが、
    全く古さを感じないどころか、まさに現代(いま)を予言しているかの様な作者の慧眼に舌を巻く。

    宝石の様な言葉が至る所に溢れている。

    いみじくも…
    巻末のあとがきにて、自らをドンキホーテに擬え、「宇宙の闇と秩序を全ての人間の内部から掘り起こそうと目論み始めたのです」と語っている。

    なんと途方も無い決意で書かれた小説なのだろう…。

    作者自らが予測した第五部を大きく越えて、第九部で完結した

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    2022年07月15日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    過去の行いが今現在に返ってくる。子や孫に戻ってくる。良い事も悪い事も。
    自分も自分や家族、関係する人々に誠実にありたいと思う。
    全編やはり雨の印象が残る回でした。

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    2022年05月14日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    読み終えてやっと、花の回廊は蘭月ビルも表しているのだと気がついた。花の回廊とはいうが華麗な花とは対極にもあるような人間の汚さや妬み脆さや危うさが混ざり合っていて、読んでいる自分にも重くのしかかってくる。
    そのような闇ともいえる場所でさえも伸仁は自分なりに向き合って、人間の部分を成長させているように見えた。次から次へと起こる事柄にひとつひとつ優しさで対応しているところを眩しく感じた。
    この花の回廊では熊吾の活躍があまりなく、やはり息子の伸仁へと重心が移っているのかなと思った。
    メモ 茶:侘茶  倨傲と卑屈

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    2023年07月24日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    精力的に事業を興しては成功させていた熊吾にも暗雲立ち込めてきて読み進める事が中々つらくなってきた。
    宮本輝氏の作品で描写される「生と死」「明と暗」「幸と不幸」「貧と富」等々、この第4部は暗の部分が強くのし掛かってきたような感じがした。第5部は生の象徴でもある伸仁の活躍に期待している。

    メモ 古今亭志ん生「二階ぞめき」
    提婆達多

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    2022年04月19日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    知らず手に取ったが第九部まで37年間に及ぶ小説の冒頭だった。人間のどうしようもなさと星廻りを感じさせる物語。

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    2022年04月01日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    熊吾と房江の其々からの描写で構成されているので、ストーリーに奥行きがあって面白い。登場人物も根っからの悪い人はおらず、危うい怖さはあるけれど嫌いになれない。
    また戦後の大阪の様子が思い浮かび、作品に入り込んでしまう。流転の海は一年かけてゆっくりと読もうと思っていたけれど、あっという間に読んでしまいそうだと思った。

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    2022年03月30日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    宮本輝さんの作品との出会いは16歳。青が散るでした。
    そしてこの流転の海のシリーズを読み始めたのは52歳。主人公とほぼ同じ年齢なので目を背けたくなる描写も、辛くて耐えられそうにないことも受け入れられる精神力があるように思います。
    作品に入り込みすぎてあっという間に読み終えてしまいそうなので、この流転の海シリーズは一年かけてゆっくり読みたいと思います。

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    2022年03月11日
  • 優駿(下)

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    ネタバレ

    額に白い星印を捺された漆黒の仔馬、オラシオン、祈り。

    オラシオンの誕生、育成から宿命のダービー戦までの三年間。
    二分何十秒かで決まる勝負の世界。

    和具平八郎の私生児として15年間生きた誠は「お父さんの腎臓をください。お願いですから」と言いながら亡くなっていきました。
    平八郎は「俺は生涯、俺を許さん」と言うほかありませんでした。

    平八郎の秘書の多田は久美子と一線を越えようとして、手前で逃げられ、そして平八郎をも裏切ります。

    そして騎手仲間の寺尾を殺したと思い込んでいる騎手の奈良がオラシオンに乗ります。

    トカイファームの渡海千造は亡くなりますが、息子の博正と平八郎、久美子には共通の夢が生

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    2022年02月17日
  • 優駿(上)

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    ネタバレ

    北海道の静内、渡海千造の営む小さな牧場のトカイファーム。
    そこへ息子の渡海博正と同い年で大学生の和具久美子が大阪から和具工業の社長であり、父の和具平八郎とともに、今、生まれようとする仔馬を見にやってきます。

    生まれてくる仔馬はウラジミールとハナカゲの子のサラブレッドで、のちに和具の秘書の多田により「オラシオン」スペイン語で祈りと名付けられます。

    仔馬は平八郎が三千万円で買いとり、平八郎は久美子に隠し子がいるという秘密を母に内緒にするかわりに譲ります。

    久美子は父の隠し子の誠が同じ血液型の血縁である父からの腎臓を提供され手術をしないと生きられない病気であると知り、誠の入院先の病院に逢いに行

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    2022年02月16日
  • 私たちが好きだったこと

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    ネタバレ

    宮本輝の小説はすべてがハッピーに終わらず、現実というのは山あれば谷もあるというのを暗に示しているような話が多いがこれもそう。

    結果的に見れば、主人公は大学に行かせる手助けをして、医者になれる道筋を作った挙げ句違う男に乗り換えられて恋は終わる悲しいストーリー。
    しかし女がひどいかといえば、このままだと破産する男から金の心配せず大学生活を送ることができる男に乗り換え、結婚後も安泰なわけで誠に合理的。
    でもこれじゃあ主人公はバッドエンドじゃないかと思いそうだが、本当の「愛」ってやつを受け取った四人での生活は、今後彼が得ようと思っても得られない経験であるだろうし、無駄ではないんじゃなかろうか。いやそ

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    2022年02月12日
  • 水のかたち 下

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    今まで読んだ宮本輝の中で1番好きかもしれない
    水の流れのままにではなくて、水のかたちのままに
    『善き人』の強さを最近強く感じる自分にとって、なんだか救われたような気持ちになる話だった

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    2022年01月10日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    熊吾

    過ぎるほどの人間臭み

    豪胆さと脆さ

    こんな境遇、時代背景に自己投影できる人などいないけれど

    共感できる

    共感というよりは、男性として惚れる、憧れる男ですね

    この小説の存在で、今年は寝正月になったと言っても過言ではない

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    2022年01月01日
  • 青が散る(下)

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    ネタバレ

    燎平のテニスの成長ぶりに目を見張った。
    また、ガリバーの躍進ぶり(歌手だけでなく私生活も)も非常に驚いた。
    一方、安斎の死は非常に残念でやり切れなさを覚えた。
    そして、燎平と夏子の関係は今後どのようになるのだろうか?

    最高の一冊でした!

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    2021年12月20日
  • 田園発 港行き自転車 下

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     何か運命に引き寄せられるように登場人物が富山に集まっていく様がおもしろかった。
     登場人物もそれぞれ事情を抱えつつも嫌味のない感じで魅力的だった。それもあって話の中に入り込みやすかった。特に千春と佑樹のコンビは、田舎でゆっくり育った良さみたいなのが出てるような気がして好きだった。
     本の中では富山県の田園風景を描くシーンが多々あったが、その描写を読んで富山県に行ってみたくなった

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    2021年11月28日