宮本輝のレビュー一覧
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我が人生のバイブル(笑)
「流転の海」第四部
気の遠くなるような長旅を経て富山へと辿り着いた松坂一家を出迎えたのは、想像を絶する豪雪と先行きの不安を暗示する高瀬夫婦の応対だった。
程なく、
高瀬勇次の人間を見誤っていた事に愕然とする熊吾の元に、河内善助の急死の知らせが届く。
河内の告別式の為に帰阪した熊吾は、千代麿から自動車ブローカー・久保敏松と引き合わされ、観音寺のケンとも再会する。
そして、観音寺のケンから房江と二人で自分の子を身籠った女・百合を預かって欲しいと頼まれる。
やがて、高瀬との事業に見切りをつけた熊吾は、高瀬にゴム付きの手袋の事業を薦め、自身は単身大阪への帰還を決意する -
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「流転の海」第三部。
舞台は再び大阪に。
しばしの休息を経て自らの戦場へと戻った熊吾は、時代の先行きを読む確かな感性で、中華料理屋「平華楼」、雀荘「じやんくま」、きんつばの「ふなつ屋」等次々と事業を起こし軌道に乗せる。
だが…
伸仁が死にかけた近江丸事件を皮切りに台風による高潮の被害で大金を失い、電電公社と労組の不毛な争いに巻き込まれた形の理不尽な食中毒事件…
さらには共同経営者・杉野の脳溢血と熊吾の母親の失踪、房江の精神の乱れと、
津波のごとく次々に災厄が襲いかかる。
やがて、
高瀬勇次の再三にわたる懇請を受け入れ、富山で自動車部品を扱う会社を起こす為、大阪を離れる決意をするのだった。 -
ネタバレ 購入済み
死ぬ前に完結して良かった!
さっき調べてみたら、書き始めたのは自分(私)がまだ小学生の頃で、腰が抜けるほどビックリしました!
それで完結が2018年…。まだ4年ぐらいしか経ってないじゃんよww。
著者曰く「最初はもっと早く書き上げる予定だったし、巻数ももっと少ない積もりだったんだけど…」と、いつだったかお話ししていましたが、結果的にはこの歳月…。
(年老いた)実家の母は、当初「早くこの続きが読みたい!」と、新刊が出る度に買ってくる私へ催促していたものでしたがw、途中で認知症を患い、今この本の話をしても「あ~、そんな物語を読んでいた様な気がするねぇ…」等と切ない事を語っておりました。
だから、その分だけ自分 -
Posted by ブクログ
とんでもない本に巡り合えた。
人が幸せに生きていく上で必要な素養の全てかここに在る。
この作者の「優駿」を読んで、是非他の作品も読みたくなり、この本に辿り着いた。
1984年の第一刷発行であるが、
全く古さを感じないどころか、まさに現代(いま)を予言しているかの様な作者の慧眼に舌を巻く。
宝石の様な言葉が至る所に溢れている。
いみじくも…
巻末のあとがきにて、自らをドンキホーテに擬え、「宇宙の闇と秩序を全ての人間の内部から掘り起こそうと目論み始めたのです」と語っている。
なんと途方も無い決意で書かれた小説なのだろう…。
作者自らが予測した第五部を大きく越えて、第九部で完結した