宮本輝のレビュー一覧
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この本を読みながら、読んでいるとずいぶんと疲れる本だ。
と感じることだ。
宮本輝の父親を モデルにして
戦後の波乱期のなかで 50歳になって 子供を授かって
子供と妻のために 郷里に戻り
そこで、自然と健康を取り戻させようとする 松坂熊吾の
父親として 生きていく姿 がある。
伸仁は まだ4歳で 不確かな自己の中に
閉じた人生をおくっている。
房江も 鮎を手で捕まえるという 妙技があるなかで
田舎伝説ができて、噂になるほどの美人であるが。
イメージとして 樋口可南子を思い出した。
宮本輝は この本を通して 日本の昔からある 道徳と躾を
克明に刻んでおこうとしているんだなと思った。
その -
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中学時代に本小説のドラマをやっていた。主演は石黒賢(確か彼のデビュー作)。そして佐藤浩市、二谷友里恵、川上麻衣子らが出ていた。松田聖子の「青いフォトグラフ」が主題歌で毎週楽しみにしていた。
いつか原作を読んでみたいと思い、6年ほど前にようやく読みました。
ドラマは関東が舞台だったけど、原作は関西なんですね。ドラマも良かったけど、原作もとても良かった。
椎名燎平が大学の4年間、テニスを通して成長していく姿が描かれている。夏子への片思い。良いです。最後はとてもせつない。でもでも何度でも読み返したくなります。読み終えて本を閉じると「青いフォトグラフ」が聞えてきます。 -
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日曜朝のFM、小川洋子さんのメロディアスライブラリーでこの本を取り上げていた。表紙のバロック風というか不気味なイメージにも惹かれ手に取った。
表紙のイメージとは違って、大阪十三のゴテゴテしたような、侘しいようなビル。かつての孤児達の職業は猥雑さが満載だが、スッキリ書かれているので、いやらしさが無い。そのシーンを想像すると、かなり珍妙な風景も多く、笑ってしまう。女性にはこの本お勧めし辛いな。
戦後捨てられた子供達と子供達を育てた2人の男の物語。主人公はビルの明け渡しのために乗り込んだ中年。肝が据わっているのか、いないのか、良く判らない。彼ら一人ひとりが語りだす話を聴きことが小説の眼目になっている -
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ハンガリーからの留学生ボラージュが、総勢13人の大家族である城田家で3年間暮らす話。
時代は少し昔なんだろうね、城田家は家族の繋がりが良い意味でも悪い意味でも強い、典型的な日本の家庭。
13人も家族が入れば問題も山積みだ。その上に留学生が来たらそれはもう。
色んな価値観があるし、対立は絶えない。
どの問題も厄介で簡単には解決されない。でもそこが良い。
キレイごとが書かれていないので、読みがたえがある。
それぞれが成長する様子に感動を覚えますし、勇気も貰いました。
みんなの異なる個性が如実に表れてて面白いです。
あと、ボラージュの熱心な勉強姿には刺激をもらいました。
勉強熱心な留学生に対しては -
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関西に所縁のある四編。土地の知識があるのでより満喫できた気がする。
・『幻の光』何て言ったらいいものか。なぜそんな言葉を言ったのかわからない、なぜそんな行動をしたのかわからない、という主人公ゆみ子の支離滅裂がわかりすぎて辛い。
・『夜桜』宮本輝の小説のよさって、人が生きているところなんだろうなと思った。こういう話を作ろうとか、こういう主張をしようとかではなく、登場人物が息をしたことによって物語が生まれている。
・『こうもり』こうもりの記憶。こうもりのようだった頃の個人的な記憶と重なった。
・『寝台車』他者のなかを通り抜ける心地よさ。これは他の話にも共通するけど、物語のなかを通り抜ける気持ちよさ