宮本輝のレビュー一覧

  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    この本を読みながら、読んでいるとずいぶんと疲れる本だ。
    と感じることだ。

    宮本輝の父親を モデルにして
    戦後の波乱期のなかで 50歳になって 子供を授かって
    子供と妻のために 郷里に戻り
    そこで、自然と健康を取り戻させようとする 松坂熊吾の
    父親として 生きていく姿 がある。

    伸仁は まだ4歳で 不確かな自己の中に
    閉じた人生をおくっている。
    房江も 鮎を手で捕まえるという 妙技があるなかで
    田舎伝説ができて、噂になるほどの美人であるが。
    イメージとして 樋口可南子を思い出した。

    宮本輝は この本を通して 日本の昔からある 道徳と躾を
    克明に刻んでおこうとしているんだなと思った。

    その

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    2013年08月18日
  • 五千回の生死

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    やっぱり短編上手だなー。すごいなあ。短い文章だけど、一つ一つが深い。小説読むっていいなあ、と思わせる本だなと思います。

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    2013年08月15日
  • 青が散る(上)

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    中学時代に本小説のドラマをやっていた。主演は石黒賢(確か彼のデビュー作)。そして佐藤浩市、二谷友里恵、川上麻衣子らが出ていた。松田聖子の「青いフォトグラフ」が主題歌で毎週楽しみにしていた。
    いつか原作を読んでみたいと思い、6年ほど前にようやく読みました。
    ドラマは関東が舞台だったけど、原作は関西なんですね。ドラマも良かったけど、原作もとても良かった。
    椎名燎平が大学の4年間、テニスを通して成長していく姿が描かれている。夏子への片思い。良いです。最後はとてもせつない。でもでも何度でも読み返したくなります。読み終えて本を閉じると「青いフォトグラフ」が聞えてきます。

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    2013年04月17日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    宮本輝、予備校生だった二十年前に出会った作家。模試の国語で『星々の悲しみ』が出題されて以来の付き合い。大学二年くらいまでの間に、当時出版されていた作品の、ほぼすべてを読んだと思う。
    それからは数年に一冊、なんとなく手に取り、毎度のようにしっくりと身体に染み込んでくる感覚を味わってきた。
    たぶん、森の中の海かなんかを数年前に読んだ、次がこれになった。

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    2013年02月24日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    「わたしが畑仕事で知ったことは、どんなものでも手間暇をかけていないものはたちまちメッキが剥げるってことと、一日は二十四時間がたたないと一日にならないってことよ。その一日が十回重なって十日になり、十日が十回重なって百日になる。これだけは、どんなことをしても早めることができない。」ナナちゃんの話

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    2013年02月09日
  • オレンジの壺(上)

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    女性としての魅力、面白くない人間とまで言われてバツイチとなった女性。
    物語の最初の印象は悪く言えばお人形さんのようで、共感も感じず、つまらないの一言だったが、話が進むにつれて行動力と決断力を徐々に発揮しだします。そこからだんだん引き込まれてゆきました。

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    2013年02月04日
  • オレンジの壺(下)

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    謎を追ってこんなところまできてしまうのか!!と、驚嘆というと大げさですが、あのお人形さんの様だったおお嬢さんは年齢相応の精神的な成長を遂げます。
    さらにそこで出会った女性のこれまでの人生と、お嬢さんのこれまでの人生があまりにもかけ離れている

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    2013年01月31日
  • 優駿(下)

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    競馬のことを知らなくても、競走馬とそれに関わる人たちの運命や、かすかな心の動き、息づかいを十分に楽しむことができる。

    専門用語もふんだんに使われていて、かつそれを説明するような表現も全くないため、意味が分からないまま読み進めて行くことになるが、それでもここまで入り込むことができるのは、作者の巧みな表現力があってのことだろう。いちいち興ざめな解説をされると、流れがつかめず、客観的に読んでしまうことがある。

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    2013年01月14日
  • にぎやかな天地(上)

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    2012年うめこ的ベスト作品!
    本を作る行為が個人的にツボだったばかりでなく,発酵食品のように主人公がじわじわと味を出していくというか成長していくような感じ,周囲の色んな関係の中で成熟していく感じが,じゅわっと味わい深いのです。胃腸にやさしくおいしいよ☆

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    2013年01月13日
  • 彗星物語

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    様々な問題や悩みをかかえた日本の大家族が、ハンガリーからの留学生(ポラーニ・ボラージュ:通称ボラ助)を迎え入れ、卒業するまでの3年の間に起こる泣き笑いを丁寧に描いている。

    お国柄や性格の違いから小さな衝突を繰り返しながらも、結局うまくおさまり、ボラ助の不思議な魅力で何事も(突拍子もないが)良い方向へと進んでいくのが面白い。

    また、自分を犬と思っていない愛犬フックもいい味を出しており、タイトルにある彗星の意味ともども、最後の最後までこの物語の鍵となっている。

    感動しました。

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    2013年01月01日
  • 約束の冬(下)

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    「もしその地図に示した場所で彼が待っていたら、好きになるだろうから」

    こんなに素敵な恋愛小説をほかに知りません。

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    2012年11月23日
  • 約束の冬(上)

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    「空を飛ぶ蜘蛛を見たことがありますか?」

    なんて素敵なラブレター。
    すべての登場人物の凛とした、その生き方がわたしの姿勢を正してくれる。

    真摯に、
    誠実に、
    ひたむきに、
    愛を。

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    2012年11月23日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    教訓的であり、人が誰かのために生きることの尊厳を改めて考えさせられた作品だった。2度読んで2回ともおもしろかった

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    2012年11月10日
  • 約束の冬(下)

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    清清しい。
    悪意のある人間が登場人物にいない。
    悪意のある人ばかりが、現実にも虚構にも多すぎるので(私を含め)
    茨木さんの謳った。「どこかに美しい村はあるか・・・」の村が
    ここにあった!と思わせてくれた。
    尊敬できる登場人物がいて、愛すべきキャラがいる
    ここに住むことができたら、仕事もしやすいことだろう。。。。

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    2012年11月10日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    日曜朝のFM、小川洋子さんのメロディアスライブラリーでこの本を取り上げていた。表紙のバロック風というか不気味なイメージにも惹かれ手に取った。
    表紙のイメージとは違って、大阪十三のゴテゴテしたような、侘しいようなビル。かつての孤児達の職業は猥雑さが満載だが、スッキリ書かれているので、いやらしさが無い。そのシーンを想像すると、かなり珍妙な風景も多く、笑ってしまう。女性にはこの本お勧めし辛いな。
    戦後捨てられた子供達と子供達を育てた2人の男の物語。主人公はビルの明け渡しのために乗り込んだ中年。肝が据わっているのか、いないのか、良く判らない。彼ら一人ひとりが語りだす話を聴きことが小説の眼目になっている

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    2012年11月12日
  • にぎやかな天地(下)

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    発酵食品の成熟/人生の成熟

    納豆と糠漬と、とろろ昆布に鰹節を入れた吸い物、それにご飯だけの日

    質素だけど高級な食材で体調を整える。
    続けるのは、難しいけど、人生感と合わせて、贅沢だと思いました。

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    2012年10月27日
  • 彗星物語

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    ハンガリーからの留学生ボラージュが、総勢13人の大家族である城田家で3年間暮らす話。
    時代は少し昔なんだろうね、城田家は家族の繋がりが良い意味でも悪い意味でも強い、典型的な日本の家庭。
    13人も家族が入れば問題も山積みだ。その上に留学生が来たらそれはもう。
    色んな価値観があるし、対立は絶えない。
    どの問題も厄介で簡単には解決されない。でもそこが良い。
    キレイごとが書かれていないので、読みがたえがある。
    それぞれが成長する様子に感動を覚えますし、勇気も貰いました。
    みんなの異なる個性が如実に表れてて面白いです。

    あと、ボラージュの熱心な勉強姿には刺激をもらいました。
    勉強熱心な留学生に対しては

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    2012年10月18日
  • 彗星物語

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    兵庫県伊丹市を舞台に大家族+居候の外国人留学生+犬一匹が繰り広げる人間模様を描いた小説です。
    母と息子の視点から描かれており、冒頭から中盤まではくすりと笑ってしまう文章が多く、外で読むには危険と言わざるを得ません。
    では終盤は大丈夫かと言えば、さにあらず。
    今度は思わず涙するストーリー展開が待ち構えており、やっぱり危険です。

    笑いと涙を十分に味わえる本書。
    気軽に読める文章で読みやすいため、普段読書をしない方でも簡単に感情移入が出来るのではないでしょうか。
    心の洗濯をしたい時にお勧めです。

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    2012年10月17日
  • 幻の光

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    関西に所縁のある四編。土地の知識があるのでより満喫できた気がする。
    ・『幻の光』何て言ったらいいものか。なぜそんな言葉を言ったのかわからない、なぜそんな行動をしたのかわからない、という主人公ゆみ子の支離滅裂がわかりすぎて辛い。
    ・『夜桜』宮本輝の小説のよさって、人が生きているところなんだろうなと思った。こういう話を作ろうとか、こういう主張をしようとかではなく、登場人物が息をしたことによって物語が生まれている。
    ・『こうもり』こうもりの記憶。こうもりのようだった頃の個人的な記憶と重なった。
    ・『寝台車』他者のなかを通り抜ける心地よさ。これは他の話にも共通するけど、物語のなかを通り抜ける気持ちよさ

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    2013年02月28日
  • 優駿(上)

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    "恋愛"をテーマとした読書会に持って行こうかと、久々に再読。
    軽い復習のつもりだったのですが、ついつい読み込んでしまいました、秋は危険です。

    結構忘れているもので、改めて読むと家族愛の要素の方が強いようにも感じました。
    ん、一番愛情が向けられていたのは、"サラブレッド"だと思いますけども。

    で、"馬(サラブレッド)"に対する想いが、愛情が、これでもかというくらいに綴られていきます。
    そして、たまらなく夢を追いかけたくなりますが、冷徹な現実も立ちはだかって。

    人の世は有為転変、それでも自分の"芯"を見失うことが

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    2012年10月05日