宮本輝のレビュー一覧

  • 彗星物語

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    14人家族ってだけで登場人物十分多過ぎなのに、各人のキャラが立っていて、作中別段大きな事件が起きるわけではないけれど、笑ったり、そして、最後は嗚咽するくらい泣いてしまった。
    読み終えたあと、家族写真を撮りたくなった。

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    2020年10月25日
  • 骸骨ビルの庭(下)

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    マンションへの建て替えを了承したものの、ビルに居続ける茂木氏。彼は生きる場所と意味を与えてくれたビルの正統な後継者である友人阿部氏に不義理を働いた女性に、彼女がそこで知るべきことを知らせる義務感から居残っていた。
    そのビルで育った子供たちの思い出と、彼らを育てた阿部・茂木両氏との思い出とが読んでいく中で重層構造を成していく。思い出に関係のない様々な知識も込められ、知的好奇心が満たされる感覚が良い読書体験として残る。
    末尾まで来た時に、頭の中に残ったものはとても綺麗なのだけれど、文字では伝えきれない。良書。

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    2020年10月25日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    戦前に建てられた英国調のビルはGHQに接収され、屋上にアンテナを張り巡らした姿が骸骨に見えると、いつしか骸骨ビルと呼ばれるようになった。
    この建物をマンションに建て替えようという話が持ち上がるが、ほぼ孤児院としてそこで育った人々は今も居座っており、主人公の八木沢が彼らを立ち退かせるために送り込まれる。けれどごくごく一般人の八木沢は、その住民たちの生い立ちを聞くうちに次第に感化されただ骸骨ビルで住むだけの人になる。
    戦後日本の光と闇が綯い交ぜとなった生活史が興味深くもっと知りたくなる。まだ続きがあるのが嬉しい。
    ジャンルはなんなんだろう?他ではあまり経験できない読み心地。犯人がわからない人物から

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    2020年10月25日
  • 青が散る(上)

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    ネタバレ

    メモ。
    青くて幼くて脆くて必死に生きてた。
    大人になって世間に擦れて沈んでしまう、若さに裏打ちされた感情を思い起こさせる作品だった。
    誰もが椎名燎平であり安斎克己であり氏家陽介でありむしろ誰でもない。
    この世は怖い。人生は大きい。

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    2020年09月06日
  • 彗星物語

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    ゆるーい、よくありそうな家族のお話。
    愛に溢れた、あったかい家族のお話。
    人と人の繋がりの大切さ
    忖度感情なく、見返りを求めない無償の愛。
    家族だからこそ、できるものだと思った。
    心あったまりました

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    2020年07月22日
  • ドナウの旅人(下)

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    遂にドイツから始まったドナウの旅が終わった・・・という感じで、上巻から始まり、すごくはまりました!

    今では自由に往き来できるヨーロッパの国々も、この作品の時代は厳しい出入国審査があり、共産圏である東ヨーロッパでは自由に旅もできない。
    麻沙子とドイツ人の恋人シギィ、母親の絹子と愛人の長瀬、二組の旅人がドイツからオーストリア、ユーゴスラビア、ブルガリア、ルーマニアと、ドナウ川を旅をする姿が、ドナウに沿ってだんだん色濃くなる共産圏の国々の時代背景と共に描かれているのが、この物語を一層魅力的にしているなと感じた。
    旅の途中で出会う人々の背景も、限られた中で端的に描かれていて、登場人物全員に興味が沸い

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    2020年07月07日
  • ドナウの旅人(下)

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    私もドナウ河に沿って旅をしたことがあった。だから題名に惹かれてこの本を手に取ったのだけど、微妙な感情の機微の表現に圧倒されてしまった。題名以上にインパクトのある話だった。

    ずっと続く散文的な展開が、ドナウ河を思わせるよう。ドイツからルーマニアまで流れていきながら、ついには黒海に注ぐ水の流れ。なんとなしに各地域における河の太さや存在感が、話の展開にも比例していた気がする。

    それにしても宮本輝が描く女性ってなんでこんなに魅力的なのでしょう!

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    2020年07月02日
  • ドナウの旅人(上)

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    私も10年前、ニュルンベルクから、レーゲンスブルク、パッサウ、そしてウィーンへとドナウ川に沿って旅をしたことがあり、この物語の主人公達が旅するのと全く同じ順番にドナウ川沿いの街がでてきて、私も見たその時の風景を思い出し、凄く懐かしく、もう一度訪れたくなりました。
    母親と若い愛人、娘と恋人、といった異色の二組が、ドナウに沿って旅を進めるごとに、どんどんこの物語にはまっていきます。母親の愛人である長瀬という男が訳有りで、母親と旅をすることになった経緯や、長瀬という男がとても興味深く、ページをめくっていくのが楽しくて仕方がない。
    ドイツから始まる彼等の旅が、ドナウ沿いのドイツの街、ドイツを経てオース

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    2020年07月01日
  • にぎやかな天地(下)

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    三回めの再読。暫くすると忘れている箇所があったり、、刺さる部分が前回とは違ったり。今回は自粛中に読み始め、発酵物に興味を抱いたからだけど 人の心も熟す?熟れて(ナレテ)行く?
    お母さんと彦市さんの場面に感涙。前回はそれ程感じなかったのに。。

    ゆっくり ゆっくり 読みたい一冊。

    生と死は繋がっている、、、

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    2020年06月16日
  • ドナウの旅人(上)

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    「楽しい劇であろうと、哀しい劇だろうと、平凡な劇であろうと、劇のない人生に真のしあわせなんかありませんよ。そして劇は偶然に訪れたりしないわ。さあ、準備をしなさい。忘れ物はない?」

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    2020年06月14日
  • 森のなかの海(下)

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    ネタバレ

    深いストーリー、泣けた。

    希美子に家や財産を託して亡くなった西岡カナ江とその若き日の恋人、室谷宗弥、そして二人の息子である典弥の数奇な人生が明かされる。宿命としか言いようがない、家族としてはある意味不幸な人生を生きながらも、それぞれがとても人として深いものをもっていたことが救いだと感じた。

    そして、希美子や、やさぐれ気味の震災孤児たちの再生に、知性と寛容さ、人間の幅を感じさせる希美子の父や、個性的ながら姉想いの妹の存在も大きいと思う。
    知性と教養のある人は、魅力的だな。。

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    2020年05月31日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    雪子がアメリカ文学を教えている老人から教わったエミリ・ディキンスンの詩

    もし私が一人の生命の苦しみをやわらげ
    一人の苦痛をさますことができるなら
    気を失った駒鳥を
    巣にもどすことができるなら
    私の生きるのは無駄ではない

    の一節が印象的。

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    2020年05月16日
  • 優駿(下)

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    再読完了、やはり当方が読んだ古今東西のhorse racingものでNo.1。
    古き良き時代から社台、もっといえばノーザン1強への競馬シーンとしてはあまり面白くないともいえる流れが背景に見え隠れするなど、リアリティという意味でも出色。
    また、そんな知識無くとも人間ドラマとして結構重厚だし、ちょっとした推理的要素も兼ね備えている。
    東京優駿が無観客で施行されることとなった今こそ読みたいMasterpieceであること、当方レベルでは何ですが保証します。

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    2020年05月07日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    読み終わった後の爽快感。
    おおらかな富山の田園。
    大人の人間模様が織りなす京都の花街。
    その中で人は関わり合い、成長していく。
    この物語は、自然とそこに暮らす人々が善意のもと、大きく変わっていくものだ。
    そして周りの大人たちが祐樹に与える無償の愛はこの物語の希望である。

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    2020年05月03日
  • 優駿(上)

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    1987年吉川英治文学賞受賞

    個人的宮本作品金字塔。
    人物の主観が章ごとに変わり2回転ほどする。
    どの章も生への執着が強く感じられとても良かった。

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    2020年03月09日
  • 水のかたち 上

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    ネタバレ

    評価が1から5まであって驚く。

    骨董の価値はその人が決めたそれで良いというのと同じだと思った。 本来の価値とは違う次元の価値。

    志乃子の価値を見誤ったのは すべての読者ではないかと思う。それを後半覆される。 どこにでもいる普通の主婦のはずだったのに。

    「自然にすなおで、自然に謙虚で、自然に礼儀ただしい。」
    これが水のかたち。

    ちょっと都合が良すぎないか?と誰もが思うだろう幸運が押し寄せているが 志乃子はずっと続くなどとは思っていない。

    たとえば 今 当たり前に思っている日々の出来事も 思い上がり故に当たり前に感じているのかもしれない。幸運なのだ。

    もう一つの文机に関わる話は実話であ

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    2020年02月23日
  • 星宿海への道

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    「星宿海への道」
    読み終わった後、鳥肌がたつような一冊。

    弟の語り口から壮絶な過去を持つ兄との回想シーンから始まる。
    全ては繋がっている。
    輪廻転成や縁を感じずにはいられない。

    本来の星海宿、兄が想う星海宿。
    母が見た星海宿、全てはつまるところ繋がっていた。

    家族というものをもう一度じっくり考えてみたい人におすすめ。

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    2019年12月30日
  • 星々の悲しみ

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    タイトルにもなっている「星々の悲しみ」が一番印象に残ったが、他の作品もいずれもとても良かった。
    宮本輝の小説はどれも叙情的で少し物悲しくて、でも読後は胸にストンと落ちてくるような不思議な気持ち良さを感じる。その感覚が癖になってどんどん読んでしまう。
    読んでいると自然と「生と死」について考えさせられる。死は容赦なく誰にでもやってくる。同じ死でもやはり若い人が死ぬのはとりわけ辛い。日々後悔のないように生きなければならない。

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    2019年11月24日
  • 田園発 港行き自転車 上

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    物語は15年前カガワサイクルの社長が出張先とは関係のない富山滑川駅で病死した先を娘と友人が辿る旅から始まる。

    北陸街道を自転車で巡る様子、富山湾やそれぞれの港町、そして黒部内陸の田園風景、川にかかる愛本橋の姿。
    行ったことのない見たことのない場所を地図を広げ確認して想像することが楽しくなる。父の死の謎は下巻に続くがこの本の素敵なところは風景描写と土地の空気感がそこかしこの文章にあふれているところです。
    下巻が楽しみ。

    京都の花街の描写も読んでいてあれこれ思います。

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    2019年11月20日
  • 青が散る(下)

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    上巻よりも下巻のほうが面白い。下巻のために上巻を読むべき。読後感:切ない。大人でも子供でもない、ある一定の期間だけに許される感情が描かれている。

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    2019年11月02日