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Posted by ブクログ
後半は、東ヨーロッパへ入っていく。この時代の東ヨーロッパは共産主義の力が強く、裏寂しさを感じた。
なぜ共産主義が生まれたんだろう?人々の貧しさを救うための共産主義だったはずが、権力を持つ人だけを太らせ、人々から自由を奪って貧困の中に閉じ込めているようにしか思えない。
一方で、資本主義の罠によって大きな借金をして一度は死を決意した長瀬が、絹子の存在やシギィやピーターの助けもあって、再起を図っていくところは読み応えがある。特に、オーストリアでの未来の音楽家たちのモルダウの演奏は、長瀬の心に希望の光を灯したに違いない。私の頭の中でも想像の世界で鳴り響き、感動を覚えた。
そして、7ヶ月もかけたドナウ川の旅に終止符が打たれる。思いがけぬ結末に涙した。
Posted by ブクログ
高校生の頃に夢中になって読んだ本を再読。
当時は海外に行ったことがなく、西ドイツからルーマニアにかけての情景は全て想像の中でしかなかった。
大人になって実際にドイツ・ハンガリーなどの東欧諸国を訪れたことで、ドナウ川の流れやヨーロッパの果てしない平野、駅に降り立った時の寂寞感が私の中で現実のものとなった。
母・絹子とその愛人の長瀬、娘の麻沙子とドイツ人の恋人シギィ。
四人の複雑な関係のまま進んでいく旅路は、一編の叙情詩のように感じられる。
高校生の頃に憧れた麻沙子に近づけているかはわからないが、それでもこの作品が私の人生に影響を与えたことは間違いない。
Posted by ブクログ
遂にドイツから始まったドナウの旅が終わった・・・という感じで、上巻から始まり、すごくはまりました!
今では自由に往き来できるヨーロッパの国々も、この作品の時代は厳しい出入国審査があり、共産圏である東ヨーロッパでは自由に旅もできない。
麻沙子とドイツ人の恋人シギィ、母親の絹子と愛人の長瀬、二組の旅人がドイツからオーストリア、ユーゴスラビア、ブルガリア、ルーマニアと、ドナウ川を旅をする姿が、ドナウに沿ってだんだん色濃くなる共産圏の国々の時代背景と共に描かれているのが、この物語を一層魅力的にしているなと感じた。
旅の途中で出会う人々の背景も、限られた中で端的に描かれていて、登場人物全員に興味が沸いた。
凄くはまる作品だった。
しばらくドナウロスになりそうです。
Posted by ブクログ
前から気になっていたこの本をついに読み終わりました。
冷戦終結前の時代に、ドナウの源流から終わりまでの長大な旅。現代とは比べものにならないくらい大変な旅だと思います。
物語の最初のうちは、これはマサコの物語なのかなと思ったけれど、意外とすぐにシギィとの再会と婚約があり、そして長瀬目線の語りが入ってきたときにこの長大なお話が本当に始まったように思いました。
それぞれの国の様子、そこで出会う人々、それぞれが魅力をもっていて、そして4人の旅に大きな影響を与えます。
ドナウ好き、そして、宮本さんファンの自分としては本当に読み終わるのが惜しい物語でした。
またいつか再読したい一冊です。
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