宮本輝のレビュー一覧

  • にぎやかな天地(上)

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    2012年うめこ的ベスト作品!
    本を作る行為が個人的にツボだったばかりでなく,発酵食品のように主人公がじわじわと味を出していくというか成長していくような感じ,周囲の色んな関係の中で成熟していく感じが,じゅわっと味わい深いのです。胃腸にやさしくおいしいよ☆

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    2013年01月13日
  • 彗星物語

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    様々な問題や悩みをかかえた日本の大家族が、ハンガリーからの留学生(ポラーニ・ボラージュ:通称ボラ助)を迎え入れ、卒業するまでの3年の間に起こる泣き笑いを丁寧に描いている。

    お国柄や性格の違いから小さな衝突を繰り返しながらも、結局うまくおさまり、ボラ助の不思議な魅力で何事も(突拍子もないが)良い方向へと進んでいくのが面白い。

    また、自分を犬と思っていない愛犬フックもいい味を出しており、タイトルにある彗星の意味ともども、最後の最後までこの物語の鍵となっている。

    感動しました。

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    2013年01月01日
  • 約束の冬(下)

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    「もしその地図に示した場所で彼が待っていたら、好きになるだろうから」

    こんなに素敵な恋愛小説をほかに知りません。

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    2012年11月23日
  • 約束の冬(上)

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    「空を飛ぶ蜘蛛を見たことがありますか?」

    なんて素敵なラブレター。
    すべての登場人物の凛とした、その生き方がわたしの姿勢を正してくれる。

    真摯に、
    誠実に、
    ひたむきに、
    愛を。

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    2012年11月23日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    教訓的であり、人が誰かのために生きることの尊厳を改めて考えさせられた作品だった。2度読んで2回ともおもしろかった

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    2012年11月10日
  • 約束の冬(下)

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    清清しい。
    悪意のある人間が登場人物にいない。
    悪意のある人ばかりが、現実にも虚構にも多すぎるので(私を含め)
    茨木さんの謳った。「どこかに美しい村はあるか・・・」の村が
    ここにあった!と思わせてくれた。
    尊敬できる登場人物がいて、愛すべきキャラがいる
    ここに住むことができたら、仕事もしやすいことだろう。。。。

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    2012年11月10日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    日曜朝のFM、小川洋子さんのメロディアスライブラリーでこの本を取り上げていた。表紙のバロック風というか不気味なイメージにも惹かれ手に取った。
    表紙のイメージとは違って、大阪十三のゴテゴテしたような、侘しいようなビル。かつての孤児達の職業は猥雑さが満載だが、スッキリ書かれているので、いやらしさが無い。そのシーンを想像すると、かなり珍妙な風景も多く、笑ってしまう。女性にはこの本お勧めし辛いな。
    戦後捨てられた子供達と子供達を育てた2人の男の物語。主人公はビルの明け渡しのために乗り込んだ中年。肝が据わっているのか、いないのか、良く判らない。彼ら一人ひとりが語りだす話を聴きことが小説の眼目になっている。だから、物語は全然動かない。にもかかわらずジワジワ沁みてくる。
    料理を作ったり、庭仕事をすることが、如何にも地に着いた仕事のようで、物語に深みを与えている。

    この物語はどう収斂するのかと思いながら読み進める。何か起こったようでもあり、何もなかったような気もする。それでも深い満足を感じながら本を閉じた。
    何が言いたいのか判らないレビューになったが、今年一番良かった本になると思う。
    これから、茂木が何を求めていたのか、ゆっくり考えてみようと思う。

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    2012年11月12日
  • にぎやかな天地(下)

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    発酵食品の成熟/人生の成熟

    納豆と糠漬と、とろろ昆布に鰹節を入れた吸い物、それにご飯だけの日

    質素だけど高級な食材で体調を整える。
    続けるのは、難しいけど、人生感と合わせて、贅沢だと思いました。

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    2012年10月27日
  • 彗星物語

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    ハンガリーからの留学生ボラージュが、総勢13人の大家族である城田家で3年間暮らす話。
    時代は少し昔なんだろうね、城田家は家族の繋がりが良い意味でも悪い意味でも強い、典型的な日本の家庭。
    13人も家族が入れば問題も山積みだ。その上に留学生が来たらそれはもう。
    色んな価値観があるし、対立は絶えない。
    どの問題も厄介で簡単には解決されない。でもそこが良い。
    キレイごとが書かれていないので、読みがたえがある。
    それぞれが成長する様子に感動を覚えますし、勇気も貰いました。
    みんなの異なる個性が如実に表れてて面白いです。

    あと、ボラージュの熱心な勉強姿には刺激をもらいました。
    勉強熱心な留学生に対しては、私も危機感を感じている毎日です。
    自由な時間をちゃんと使わないともったいないね!

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    2012年10月18日
  • 彗星物語

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    兵庫県伊丹市を舞台に大家族+居候の外国人留学生+犬一匹が繰り広げる人間模様を描いた小説です。
    母と息子の視点から描かれており、冒頭から中盤まではくすりと笑ってしまう文章が多く、外で読むには危険と言わざるを得ません。
    では終盤は大丈夫かと言えば、さにあらず。
    今度は思わず涙するストーリー展開が待ち構えており、やっぱり危険です。

    笑いと涙を十分に味わえる本書。
    気軽に読める文章で読みやすいため、普段読書をしない方でも簡単に感情移入が出来るのではないでしょうか。
    心の洗濯をしたい時にお勧めです。

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    2012年10月17日
  • 優駿(上)

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    "恋愛"をテーマとした読書会に持って行こうかと、久々に再読。
    軽い復習のつもりだったのですが、ついつい読み込んでしまいました、秋は危険です。

    結構忘れているもので、改めて読むと家族愛の要素の方が強いようにも感じました。
    ん、一番愛情が向けられていたのは、"サラブレッド"だと思いますけども。

    で、"馬(サラブレッド)"に対する想いが、愛情が、これでもかというくらいに綴られていきます。
    そして、たまらなく夢を追いかけたくなりますが、冷徹な現実も立ちはだかって。

    人の世は有為転変、それでも自分の"芯"を見失うことが無ければ、
    どこかで一つに結実していくのでしょうか、"祈り"とともに、、なんて。

    多頭立てのダービーの時代ですから、舞台としては大分古いハズなのですが、
    今読んでも普通に情景が浮かんできます、東京競馬場のラスト3ハロンなど、たまらない。

    そういった意味では、時代をも超越しているのでしょうか、競馬というスポーツは。

    そうそう、結局読書会には『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』+αを持参したのですが、
    そのどちらでも"社台ファーム"をネタにしているのは、日本競馬界への影響の大きさが伺いしれます。

    ノーザンテーストにサンデーサイレンス、今の日本競馬の血統の土台を作ったこの2頭ですが、
    ここにメジロマックイーンを加えた、日本の血統の集大成ともいえる馬が、今年凱旋門を走ります。

    リアルタイムで見れるかどうかはわかりませんが、"祈り"を込めて結果を待ちたいと思います。
    そういえば『風の王』もまだ未読でした、、探してみようかなぁ。

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    2024年05月18日
  • にぎやかな天地(下)

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    出来事の作用、時間の作用。心の琴線に触れるどころか、心の襞にじわじわと染み入ります。宮本さんの本はやっぱり私の人生の友。

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    2012年09月20日
  • にぎやかな天地(上)

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    出来事の作用、時間の作用。心の琴線に触れるどころか、心の襞にじわじわと染み入ります。宮本さんの本はやっぱり私の人生の友。

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    2012年09月20日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    流転の海シリーズ第5巻です。
    中古車業連合会の計画がつぶれた後、大阪で駐車場経営を任され、家族三人がやっと一つ屋根の下で暮らせるようになるまでの経過と、それまで伸仁が暮らしていた蘭月ビルの住人の人間模様が描かれています。

    この巻は特に、熊吾が今までかかわってきた人々との縁に助けられることが多く、因果応報を感じました。
    情厚く義理堅く愛情深く、自分にまっすぐ正直に生きた人生が今の熊吾を助けているのです!!
    人生ってそういうものよね、やっぱり。

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    2012年12月11日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2巻も1巻に引けを取らず面白かったです!
    エネルギッシュ、骨太、なんと表現したらいいのか・・・とにかくとても深く、強い作品です。
    表現力も豊かでね、
    牛殺しのシーンは、夢にも出そうなくらいインパクトが強かった・・・
    読みながら怖すぎて手が震えました。

    人間は50歳を過ぎても日々成長です!DVの熊吾も少しづつまるくなりました。。

    すごくいい本だったけど、子供がいない夫婦についての音吉との会話には私、ちょっと傷つきました。

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    2012年12月03日
  • 私たちが好きだったこと

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    複数の友人にいいよいいよと薦められすも、今まで2回読み始めたが、何故か読みきれずふと三度手に取ってみた、3/4過ぎたとことから、引きづり混まれていき一気に読んだ。なんだこれは、という衝撃。彼女がいたり、別れたばかりだったら、3日は酒ばかりのんで会社に行かないだろうなと思うくらい。
    自分が主人公だったらどうすればよいのだと思うが、数時間後結局主人公の行動が正しいのだなと思う。小さな自分を再認識することにもなった。

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    2012年08月20日
  • にぎやかな天地(下)

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    きれいな、ゆたかな世界。
    私には聴こえるだろうか。

    ○倦まず弛まず焦らず、ひとつずつ進めて完成させる。それが仕事というものなのだ(135頁)

    ○アクセルを踏みながらブレーキも一緒に踏むような生き方はあきまへんで
    ○勢いのあるときは、がんがん行きなはれ。それは年齢とは関係おまへん。若い人が伸びてくれんと、国は滅びますよってに(141頁)

    ・確信を持ってイメージすること

    ○ぼくは、雨あがりの、薄ぐもりの空の下の、濡れた鉄橋のように生きている(379頁)

    2015.07.17 再読
    ・かっこよくなくても清潔に生きる。
    ・していい、ふり。

    ・冥利が悪いことはない。

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    2015年07月18日
  • にぎやかな天地(上)

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    先日、「テマヒマ」展を観に行って、数日前には、能登でていねいにじっくり作られたいしりを使ったお料理を堪能して、輪島で漆塗りの奥深さに感銘を受けてきたばかりで、偶然手にした本。いろいろなものが私の中で繋がってきて、ドキドキわくわくしてきた。発酵食品のことももっと知りたいけれど、作り手が気になる。そんなことも思いながらページをめくっていた。聖司のような仕事が現実にもあるのだろうか、あるといいなぁ。今、時間をかけることの意味、「待つ」ことの意義をかみしめている。下巻が楽しみ!!

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    2012年08月07日
  • 約束の冬(上)

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    れぞ宮本輝の世界!!
    あくまでも私の中での宮本輝さんのイメージですが。
    久々に大満足。
    特別哀しいできごとがある訳でもなく、ごく普通の日常(多少のゴタゴタはあるけど)が描かれてるだけなのに、なんだか泣けた。
    読み終わって幸せな気持ちになれた。

    もしも10年前に「10年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」なんて手紙をくれた高校生が自分の目の前に現れて、しかも今でも想い続けてくれてたら、それってすごいドキドキだよなぁ。
    いい年して私ってばまだ「白馬に乗った王子様」思考があるのかもしれない。。。
    宮本輝さんは「日本という国の民度がひどく低下している」って感じてこの本を書いたそうだ。
    だから登場人物がみんな、優しくて誠実で大人で愛に溢れてるんだ。
    こんな人たちに囲まれて生きていけたら幸せだなぁって思った。
    んま、まずは自分が、優しくて魅力的な人間にならなくちゃね。

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    2012年08月03日
  • 道頓堀川

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    道頓堀川の淀んだ泥水から、乞食の絵描きは人間の深緑色を見る。その緑色に惹かれて身を滅ぼしていった女と、その男が喫茶店に飾る美しい翡翠の水差し。


    宮本輝の小説といえばまず一番に「業」だと思う。
    人間の、どうにも自分の力ではあがらえない行動や心情や関係をありありと書く。


    自分の範疇を超えた業は自分以上に自分自身を映し、そしてあるとき些細に思えていた物事の本当の"濃さ"にふと気づかされたなら、それがどんな人生であれ、人としての冥利に尽きる。
    圧巻だなー

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    2012年07月18日