宮本輝のレビュー一覧
-
舞台となっている昭和30年代と現在との時代背景の違いに改めて驚かされた。ほんの50年前が別時代のように思える、それほど当時の大阪・尼崎の町の情景、人間模様、社会の出来事が赤裸々に詳細に述べられている。熊吾の豪放さと合わせ持つ細やかな心配り、房江の暖かさと思いやりの深さ、それに今回は伸仁の繊細だがたく...続きを読むPosted by ブクログ
-
短編集。
表題作「五千回の生死」は1日に五千回生きたくなったり死にたくなったりする男が出てくるちょっと不思議で、かつ力強い作品。
1作目の「トマトの話」という短編は、読後しばらく動けなくなりました。小説の力ってすごいと改めて思いました。Posted by ブクログ -
素晴らしい本。小説というより人間のドキュメンタリーのような。宮本氏は被災者なのか詳しく取材してかかれたのか。何があっても生き続けることを考えさせられる。また人としての質や精神性の高さなど深く共鳴した。Posted by ブクログ
-
久々に読み返しましたが、何度読んでも、濃密で味わい深くて、読書をする楽しみを十二分に感じることができるなあと思いました。「辛い哀しい事が起こっても、いっこうにへこたれんと生きていけることが幸せやと思いますねェ」というセリフが好きです。Posted by ブクログ
-
宮本輝の小説は、とてもたくさんのものが詰まっていると思う。この小説では、特にそのことを強く感じました。生と死、愛と恨み、孤独、人生における偶然、運命、意志の力、幸せ。いろいろな事が思い浮かびます。あと、しまなみ海道に行きたくなりました。本文中の風景を自分で見てみたい。Posted by ブクログ
-
異母兄妹の2人が、兄が見つけた母の謎のメモや、妹の家から異様な写真を発見したことをきっかけに浮かんだ疑問。
「二人は本当に兄妹なのか?」
続きが気になる・・・・。Posted by ブクログ -
スリルとロマンが一杯詰まった小説。
ヒロインの成長がよく書かれている。
宮本さんだからこそ、こんなにわかりやすく丁寧に、且つワクワクさせる文章が書けるんだろうな。Posted by ブクログ -
やっぱり宮本輝の作品にはすごく引き込まれてしまう。この作品は「人は何を拠り所にして生きていくのか。」問う傑作と紹介されていたが、現実が嫌になってしまっても、私たちには大切なものが何かあるはずだって思える作品だった。たくさんの登場人物の心の綺麗さがすごく癒されるし、自分も、頑張らなきゃなって思えた。Posted by ブクログ