宮本輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
15年以上ぶりに再読。
学生のときに読んだが、まったく記憶に残ってなかった。
再読して納得。
異国の地を踏んだこともない二十歳そこそこの自分には、この本は非現実過ぎて印象に残らなかったのだと思う。
異国での生活も僅かながら経験し、歳も重ねた今再読して思うのは、なんと壮大な小説を若い時期(おそらく30代の終わり)に書いてるんだろう と。
著者は河3部作を書いてるが、日本における川とドナウ川は同じ川であっても人間の使い方がかなり異なる。
古代ローマ時代から現代においても国境としての役割を果たしているドナウ川。
そのドナウ川に沿っての旅という、でっか過ぎるとも思える設定でどうやってま -
Posted by ブクログ
宮本輝の名作「優駿」。吉川英治文学賞作品であり、映画化もされているので、ご存知の方も多いと思います。
そのストーリーは、読んで字のごとく、一頭のサラブレッドを誕生に始まり、そのサラブレットを取り巻く牧場主や馬主、調教師、厩務員、騎手などさまざまな人々の生き様を描いていく・・・といったものなんですが、後半はストーリー展開がちょっと早い感じもしたけど、おいしいご飯を食べているときのように、とにかく次のページを貪り読みたくなる感じの本でした
その理由は、自分が単に馬好きだから・・・といった単純なものではなく、人間の内面に潜む強さや弱さ、そして人生における「運」や「夢」、さらにそれらを掴むための「勝