宮本輝のレビュー一覧
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日曜朝のFM、小川洋子さんのメロディアスライブラリーでこの本を取り上げていた。表紙のバロック風というか不気味なイメージにも惹かれ手に取った。
表紙のイメージとは違って、大阪十三のゴテゴテしたような、侘しいようなビル。かつての孤児達の職業は猥雑さが満載だが、スッキリ書かれているので、いやらしさが無い。そのシーンを想像すると、かなり珍妙な風景も多く、笑ってしまう。女性にはこの本お勧めし辛いな。
戦後捨てられた子供達と子供達を育てた2人の男の物語。主人公はビルの明け渡しのために乗り込んだ中年。肝が据わっているのか、いないのか、良く判らない。彼ら一人ひとりが語りだす話を聴きことが小説の眼目になっている。だから、物語は全然動かない。にもかかわらずジワジワ沁みてくる。
料理を作ったり、庭仕事をすることが、如何にも地に着いた仕事のようで、物語に深みを与えている。
この物語はどう収斂するのかと思いながら読み進める。何か起こったようでもあり、何もなかったような気もする。それでも深い満足を感じながら本を閉じた。
何が言いたいのか判らないレビューになったが、今年一番良かった本になると思う。
これから、茂木が何を求めていたのか、ゆっくり考えてみようと思う。 -
Posted by ブクログ
ハンガリーからの留学生ボラージュが、総勢13人の大家族である城田家で3年間暮らす話。
時代は少し昔なんだろうね、城田家は家族の繋がりが良い意味でも悪い意味でも強い、典型的な日本の家庭。
13人も家族が入れば問題も山積みだ。その上に留学生が来たらそれはもう。
色んな価値観があるし、対立は絶えない。
どの問題も厄介で簡単には解決されない。でもそこが良い。
キレイごとが書かれていないので、読みがたえがある。
それぞれが成長する様子に感動を覚えますし、勇気も貰いました。
みんなの異なる個性が如実に表れてて面白いです。
あと、ボラージュの熱心な勉強姿には刺激をもらいました。
勉強熱心な留学生に対しては、私も危機感を感じている毎日です。
自由な時間をちゃんと使わないともったいないね! -
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"恋愛"をテーマとした読書会に持って行こうかと、久々に再読。
軽い復習のつもりだったのですが、ついつい読み込んでしまいました、秋は危険です。
結構忘れているもので、改めて読むと家族愛の要素の方が強いようにも感じました。
ん、一番愛情が向けられていたのは、"サラブレッド"だと思いますけども。
で、"馬(サラブレッド)"に対する想いが、愛情が、これでもかというくらいに綴られていきます。
そして、たまらなく夢を追いかけたくなりますが、冷徹な現実も立ちはだかって。
人の世は有為転変、それでも自分の"芯"を見失うことが無ければ、
どこかで一つに結実していくのでしょうか、"祈り"とともに、、なんて。
多頭立てのダービーの時代ですから、舞台としては大分古いハズなのですが、
今読んでも普通に情景が浮かんできます、東京競馬場のラスト3ハロンなど、たまらない。
そういった意味では、時代をも超越しているのでしょうか、競馬というスポーツは。
そうそう、結局読書会には『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』+αを持参したのですが、
そのどちらでも"社台ファーム"をネタにしているのは、日本競馬界への影響の大きさが伺いしれます。
ノーザンテーストにサンデーサイレンス、今の日本競馬の血統の土台を作ったこの2頭ですが、
ここにメジロマックイーンを加えた、日本の血統の集大成ともいえる馬が、今年凱旋門を走ります。
リアルタイムで見れるかどうかはわかりませんが、"祈り"を込めて結果を待ちたいと思います。
そういえば『風の王』もまだ未読でした、、探してみようかなぁ。 -
Posted by ブクログ
きれいな、ゆたかな世界。
私には聴こえるだろうか。
○倦まず弛まず焦らず、ひとつずつ進めて完成させる。それが仕事というものなのだ(135頁)
○アクセルを踏みながらブレーキも一緒に踏むような生き方はあきまへんで
○勢いのあるときは、がんがん行きなはれ。それは年齢とは関係おまへん。若い人が伸びてくれんと、国は滅びますよってに(141頁)
・確信を持ってイメージすること
○ぼくは、雨あがりの、薄ぐもりの空の下の、濡れた鉄橋のように生きている(379頁)
2015.07.17 再読
・かっこよくなくても清潔に生きる。
・していい、ふり。
・冥利が悪いことはない。 -
Posted by ブクログ
れぞ宮本輝の世界!!
あくまでも私の中での宮本輝さんのイメージですが。
久々に大満足。
特別哀しいできごとがある訳でもなく、ごく普通の日常(多少のゴタゴタはあるけど)が描かれてるだけなのに、なんだか泣けた。
読み終わって幸せな気持ちになれた。
もしも10年前に「10年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」なんて手紙をくれた高校生が自分の目の前に現れて、しかも今でも想い続けてくれてたら、それってすごいドキドキだよなぁ。
いい年して私ってばまだ「白馬に乗った王子様」思考があるのかもしれない。。。
宮本輝さんは「日本という国の民度がひどく低下している」って感じてこの本を書いたそうだ。
だから登場人物がみんな、優しくて誠実で大人で愛に溢れてるんだ。
こんな人たちに囲まれて生きていけたら幸せだなぁって思った。
んま、まずは自分が、優しくて魅力的な人間にならなくちゃね。