宮本輝のレビュー一覧

  • 約束の冬(下)

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    上巻同様、桂二郎と留美子の語りで進みます。

    桂二郎の大人の対応、蘊蓄の深みなど、ダンディーな社長さんを思わせます。
    ゴルフで、あばら骨を痛めちゃうところは、おちゃめですが…。

    留美子と手紙の主との劇的な展開を期待しますが、ちょっと肩透かしな感じもありました。

    全体を通して、素敵な大人の会話を楽しめました。

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    2011年02月17日
  • 約束の冬(上)

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    現在、32歳になった留美子と、留美子の家の真向かいに住む、54歳の会社・社長の桂二郎の二人の語りで話が進みます。

    それぞれが様々な問題に直面しながら、リンクしていきます。
    登場人物たちも、良い人が多く、丁寧な言葉を選んでいて、安心して読めます。

    この後の展開が楽しみです。

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    2011年02月15日
  • 道頓堀川

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    喫茶店のマスター・武内と、アルバイト学生・邦彦の二人の語りで物語が進みます。
    ビリヤードにのめり込む息子、ビリヤード屋の店主、小料理屋の親父、ゲイボーイ、ストリップのダンサー、絵描きの易者、などなど…。なんとも色の濃い人たちに囲まれています。

    それぞれが、葛藤しながら前を向いて生きて行く姿に清々しい強さや優しさを感じます。

    こてこての大阪が舞台ですが、爽やかな雰囲気が漂っています。

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    2011年02月01日
  • 森のなかの海(上)

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    最低三回は上下巻読んだ。
    神戸の震災が身近な出来事だからか、描写風景がリアルに思えてくる。読む度に好きなシーンが変わるのが飽きないところで、三回目のときは妹の奔放な性格に周りが振り回されていそうに見えて、実は周りが支えているんだと思えたことが印象的だった。またしばらくしたら読み返したい一冊。

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    2011年01月27日
  • ドナウの旅人(下)

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    15年以上ぶりに再読。
    学生のときに読んだが、まったく記憶に残ってなかった。
    再読して納得。
    異国の地を踏んだこともない二十歳そこそこの自分には、この本は非現実過ぎて印象に残らなかったのだと思う。

    異国での生活も僅かながら経験し、歳も重ねた今再読して思うのは、なんと壮大な小説を若い時期(おそらく30代の終わり)に書いてるんだろう と。

    著者は河3部作を書いてるが、日本における川とドナウ川は同じ川であっても人間の使い方がかなり異なる。
    古代ローマ時代から現代においても国境としての役割を果たしているドナウ川。
    そのドナウ川に沿っての旅という、でっか過ぎるとも思える設定でどうやってま

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    2011年01月11日
  • 道頓堀川

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    ネタバレ

    宮本輝作品、2作目。
    道頓堀川沿いに店を出す喫茶店リバー。
    マスターである竹内鉄男と、ここでアルバイトとして働いている大学生の邦夫を中心に描かれた物語。

    道頓堀という賑やかな場所で生きている人々の抱いている心情などがよく現わされているなぁ、と思った。
    登場人物の間でやり取りされる言葉が関西弁で現わされていて、登場人物の全てに愛らしさがあるなぁ、と思った。

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    2011年01月10日
  • 優駿(上)

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    宮本輝の名作「優駿」。吉川英治文学賞作品であり、映画化もされているので、ご存知の方も多いと思います。

    そのストーリーは、読んで字のごとく、一頭のサラブレッドを誕生に始まり、そのサラブレットを取り巻く牧場主や馬主、調教師、厩務員、騎手などさまざまな人々の生き様を描いていく・・・といったものなんですが、後半はストーリー展開がちょっと早い感じもしたけど、おいしいご飯を食べているときのように、とにかく次のページを貪り読みたくなる感じの本でした
    その理由は、自分が単に馬好きだから・・・といった単純なものではなく、人間の内面に潜む強さや弱さ、そして人生における「運」や「夢」、さらにそれらを掴むための「勝

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    2010年12月05日
  • 五千回の生死

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    表題作の「五千回の生死」、何度読み返したことだろう。
    私の転機となる時期、また考え込んでしまう時期に、つい手にとって読んでしまう。「ふつふつ」と「生命力」のようなものが湧いてくる気がするのだ・・・

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    2010年10月23日
  • 五千回の生死

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    あかん、死にとおなってきたああ!!

    僕たちは今までもこれからも生死を繰り返す
    そして少しずつ少しずつ死んでゆくのだと思う

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    2010年09月26日
  • 五千回の生死

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    「トマトの話」「眉墨」「力」「五千回の生死」「アルコール兄弟」「復讐」「バケツの底」「紫頭巾」「昆明・円通寺街」

    短篇のお手本。どこか切ない。

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    2010年09月15日
  • 約束の冬(上)

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    8月18日~25日

    十年前、留美子は見知らぬ少年から手紙を渡される。「十年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」。いったいなぜこんな身勝手なことを?東京、軽井沢、総社、北海道…。さまざまな出会いと別れ、運命の転変の中で、はたして約束は果たされるのか。

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    2010年08月28日
  • 星宿海への道

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    子供を身ごもっている時、一気に読みました。
    輝さんとの出会いは高校生の時ですが、この作品と出会い、自分の中で第二次宮本輝ブームが起りました。

    作中にあった「生きなおす」。
    このフレーズが今でもココロに浮かびます。

    子供を育てる事で「生きなおす」。
    息子は今6歳ですが、子育てを終えた時、私は私を好きでいたい。

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    2010年08月12日
  • 森のなかの海(上)

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    おちてるな、とおもうと宮本輝を読む。まだまだ世の中捨てたもんじゃないわよね、とおもいなおしてまた歩く。

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    2010年08月07日
  • 森のなかの海(下)

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    最初とっつきにくかったけど、一気に引き込まれた。みんなの奮闘ぶりに、ドキドキハラハラ。「負けるな。頑張れ」と応援しつつ、ページをめくる手が止まらんかった。

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    2010年05月14日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    人間の心の機微をここまで表現できる作家さんて他にいないのではないでしょうか。男として、父として、息子として、夫として、そして人として、あらゆる立場のあらゆる視線や心情をこれほど濃やかに描いた作品を読んだのは多分初めてです。

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    2011年07月17日
  • 生きものたちの部屋

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    執筆に行き詰って自分のそれまでの本を全部破いて家中のすべての物をぶっ壊すくだりが衝撃でした。
    誰がどう見ても傑作ぞろいの作家なのに…

    何かを創り出す苦しさや喜びが詰まっているエッセイです。

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    2010年02月14日
  • 五千回の生死

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    昭和50年代末から60年代前半ごろの短編集。
    工事現場の警備員のバイト中に、病に伏せる作業員から手渡された手紙を無くしてしまう、「トマトの話」。繁華街の小学校に一人で通学する息子を見守る母のハラハラドキドキの「力」。など、9編どれも魅力にあふれた短編小説集。

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    2010年01月12日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    舞台となっている昭和30年代と現在との時代背景の違いに改めて驚かされた。ほんの50年前が別時代のように思える、それほど当時の大阪・尼崎の町の情景、人間模様、社会の出来事が赤裸々に詳細に述べられている。熊吾の豪放さと合わせ持つ細やかな心配り、房江の暖かさと思いやりの深さ、それに今回は伸仁の繊細だがたくましく世の中のことを吸収して育っていく様子が息を付かせぬ展開で語られている。おもしろい。

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    2013年12月08日
  • 海岸列車(下)

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    二十年ぶりの再読。 当時の読後感の記憶は全くなかったけれど 読み直してみて、 宮本さんの小説の中でも とても印象に残る作品となった。
    読み終えて、登場人物たちの行く末を案じたり、 祈ったりといった余韻の深さがそのひとつ。
    いつかふと実感したり こういうことなのかもと感じることがあるに違いない
    と思えた心に深く沈殿したことばの多さがひとつ。
    登場人物たちの他者たちとの関係性のリアルさや多面性がひとつ。
    たとえば、クライマックスでもある 夏彦とかおりが実母と再会するシーンなどがそうだ。
    またいつか 読み直してみたい。

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    2009年12月24日
  • 五千回の生死

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    短編集。
    表題作「五千回の生死」は1日に五千回生きたくなったり死にたくなったりする男が出てくるちょっと不思議で、かつ力強い作品。
    1作目の「トマトの話」という短編は、読後しばらく動けなくなりました。小説の力ってすごいと改めて思いました。

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    2009年12月01日