宮本輝のレビュー一覧

  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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     主人公は愛媛弁丸出しでアクの強い大男・熊吾 
    学歴はないがずば抜けた才覚と持ち前の気風の良さとで事業を拡大し一家をなす
     他の登場人物の話し言葉は 当時のあの辺りの大阪弁そのままで 違和感なくしみ込んで来る この人達は 多分作者が実際に見聞きした人たちで ただ順にポケットから取り出して 勝手に動き回るにまかせている・・・という安心感があって気持ちよくのめり込んた
     熊吾の事業は順調に拡大していたが 最愛の幼い息子が病弱で そのために事業はすべてたたみ 戦前会社のあった梅田の一等地も現金に換え 故郷に帰る 
     朝鮮戦争の気配

    第2集が楽しみ

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    2017年03月07日
  • 森のなかの海(下)

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    ネタバレ

    長編を読むことが得意でない私が
    上下巻 飽きることなく読書を楽しめた

    突然の主人公の環境変化には
    少々驚いたが、
    同時に始まった老婦人の謎解きは
    最後の最後まで、興味深く読むことができた

    想像していた再会とは違っていたが
    双方の心の動きが切なくて、涙がこぼれた

    また、戦争中の時代背景を知るにつれ
    自由に自分の学びたいことを学び
    自由に言いたいことを言える今の時代は
    当たり前ではない時代があったことを
    自分事として感じられた

    そして震災によって家族を失うことの悲劇もさることながら、
    幼い時に家族に愛されることを実感できないこと
    安心した環境で生活できないことによる影響は
    その人を形成する

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    2017年01月14日
  • 青が散る(下)

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    まさに青春物語

    自分もこれくらいの大学時代を過ごせればと、今となっては歯がゆく感じる
    皆目指すものが有り、時にはクールに、時には真っ直ぐに藻掻きながらも最後には現実を突きつけられるが、その経験がかけがえのないものとなっていく
    まさに、「青(青春)が散る」

    最後の文章がこの物語の全てなのだと思う

    ”自分のまわりにいた者はすべて、何物かを喪った。”
    ”自分は、あるいは何も喪わなかったのではないかと考えた。何も喪わなかったということは、じつは数多くのかけがえのないものを喪ったのと同じではないだろうか。”

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    2017年01月11日
  • 胸の香り

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    初めてこの小説を読んだのは高校生のときでした。それからずっと、宮本輝さんの短篇についての考え方が書かれている「あとがき」が印象に残っていました。
    短篇が7作収録されているのですが、どれも短いなかに凝縮されていて、頭の中にどんどん物語の世界が広がっていきます。読む人の状態に合わせて変化する、大好きな短篇集です。

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    2016年12月23日
  • 優駿(下)

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    ”生まれる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように早く、嵐のように烈しく名馬の天命をたずさえて生まれますように。”北海道の小さな牧場で生を受けた一頭のサラブレッドオラシオン。北海道の大自然が育む緑と光の原野の中で育ち、順調に競走馬への道を歩み始める。そして生産者、馬主、騎手、調教師等の命をモチーフにしたそれぞれの物語が、最終章のダービーに向かって一気に駆け抜ける。。特徴は、北海道の雄大な自然から、レース展開や騎手の駆け引きまでをきめ細やかな筆致にて描く。そして各章毎に、登場人物の視点を小気味よく切り替えて、それぞれが抱える人生の悲哀がダービーを駆け抜けるオラシオンの一点に集約されるよう伏

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    2016年11月27日
  • 三十光年の星たち(下)

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    男は老人から起業したい人向けの融資事業と融資事業から店をオープンした女性から伝説のソースを引き継ぐことになる。
    男は老人たちを通して、自分は何をすべきかと人生の覚悟を磨いていく。
    人間としてどうありたいか。ちょっと参考になる本。

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    2016年11月20日
  • 三十光年の星たち(上)

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    迷える若者に読んでほしい1冊だと思う。
    なぜ注目されなかったんだろう。はっきり言ってそう思う。
    主人公の男は何をやっても中途半端なままで来てしまった30歳。
    でも佐伯老人との出会いが人生を変えていくことになる。

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    2016年11月20日
  • 水のかたち 下

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    平成28年9月

    主人公の人生が平凡だったものから変わっていく。
    その中で主人公の中にあるものは変わらず大切に一滴一滴の力を大切に。

    ファニー(偽物)が世界を席巻している時代。
    偽物、まがいもの、うらっつらだけ。そういうのに人間は騙されやすい。
    一丈のほりを越えぬもの、十丈二十丈のほりをこうべきか
     一丈の幅の堀を越えたら、一気に十丈二十丈がやすやすと越えられるようになる。その一丈の堀を越えてみることが大切。

    この本を上下と読んで、
     やっぱり人生って難しいね。自分も今、40になろうとしているところで。この主人公と同じように、今までの自分の人生って何だったんだろう、ヘイヘイボンボンと生きて

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    2016年10月03日
  • 水のかたち 上

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    平成28年9月 

    主人公の志乃子は、夫、子供3人の平凡な主婦で50代に突入。
    そこで、人生について考える。考えさせられる。動かされる。
    主人公、姉、友達のジャズシンガー少しずつ変わっていく。


    心は巧みなる画師のごとし
     心には心に描いたとおりになっていく、そんな凄い力がある。
    命は食なり
    石に一滴一滴と食い込む水の遅い静かな力を持たねばなりません。
     

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    2016年10月03日
  • 青が散る(下)

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    大阪郊外の新設大学に入学した主人公たちが4年間、テニスに打ち込み、恋に焦がれ、人生のとば口を知る青春小説の金字塔。
    描かれる恋は全てが一方通行。
    登場人物たちのもがく姿が愛おしい。
    青春小説、学園小説の類は随分読んだが、学生時代の鬱屈をこれほどまでに描いた作品は無いのではないか。
    大学が「4年間の執行猶予」だった頃の物語。 大学が「有利な就職の予備校」みたいになってしまった今の若者には通じないのかなぁ。

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    2016年09月21日
  • 優駿(下)

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    物語は、牧場、騎手、馬主、社長、秘書と様々なシーンの主人公が、それぞれの想いを胸に精一杯生きた生き様が交錯する展開にグイグイ惹かれた。
    また話の流れも色々人が死んだり予想外の展開に驚きの連続で一気読みでした。

    余談だけど、若い頃、競馬に没頭して、北海道にわたり馬に乗っていた頃を思い出した。物語の時代は物心ついてないけれど、メチャメチャ勉強したので、色んなワードに心踊りました。単枠指定、阪神3歳S、数え年、ノーザンダンサー系が席巻とか、、、

    牧場に行きたくなってきたなぁー

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    2016年08月05日
  • 彗星物語

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    関西弁が心地よく、敦子お母さんの目線で書かれているけれど、子供たちの気持ちも手に取るようにわかって泣けました。それぞれのキャラクターの設定がしっかりしているからだと思います。

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    2016年07月09日
  • ドナウの旅人(下)

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    前から気になっていたこの本をついに読み終わりました。
    冷戦終結前の時代に、ドナウの源流から終わりまでの長大な旅。現代とは比べものにならないくらい大変な旅だと思います。
    物語の最初のうちは、これはマサコの物語なのかなと思ったけれど、意外とすぐにシギィとの再会と婚約があり、そして長瀬目線の語りが入ってきたときにこの長大なお話が本当に始まったように思いました。
    それぞれの国の様子、そこで出会う人々、それぞれが魅力をもっていて、そして4人の旅に大きな影響を与えます。
    ドナウ好き、そして、宮本さんファンの自分としては本当に読み終わるのが惜しい物語でした。
    またいつか再読したい一冊です。

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    2016年06月25日
  • 私たちが好きだったこと

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    レビュー評価に惑わされてはいけない。今まで読んだ宮本輝作品の中で一番沁みた。あぁ、なんでそうなってしまうんだろう。

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    2017年07月16日
  • 生きものたちの部屋

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    宮本輝さんが、どんな風にして作品を生み出しているのか垣間見ることができました。面白く読めました。特に最後のエッセイ、阪神淡路大震災についてのエッセイは、辛い。当時、尼崎に住んでいた頃を思い出しました。さらに、今自分が直面している熊本の状況、すごく辛く、涙が出ます。無気力感に絶望します。

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    2016年05月15日
  • 水のかたち 上

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    宮本輝の作品には、いかに多くの心根の正しいたちが出てくるのだろうか。
    石椀のお金と手文庫の手紙のこれからが、とても気になる。

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    2016年05月01日
  • 新装版 命の器

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    エッセイの中に出てくるお父さんの記述が気になりました。流転の海を読んでいるから余計かもしれません。宮本輝さんの名作が、何をきっかけに書かれたのかもわかって興味深かったです。

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    2016年04月02日
  • 春の夢

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    私と主人公の哲之を重ね合わせながら読みました。30年以上前に、父の事業が行き詰まり、夜逃げ。一家離散しました。当時、私は26歳、とりあえず友人のアパートに転がり込み、武庫之荘の4畳半一間、共同トイレ共同風呂のアパートに住んでました。日々、債権者が来ることに怯えながら過ごしていました。小説の中に出てくる、梅田、住道、もちろん武庫之荘全てに馴染みがあり、のめり込んで読みました。ただし、当時の私には陽子はいませんでしたが。

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    2016年03月28日
  • 水のかたち 下

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    物語以前に宮本輝の文章が好きである。
    読んでいると、ほっとして気持ちが温かくなる。
    この物語も主人公は恵まれた女性だが、「水のかたち」を柔らかく醸し出すために存在しているようだ。

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    2016年03月04日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    昭和34年.伸仁は中学生になった。ヨネの散骨、香根の死、いくつもの別れが熊吾達に飛来する。生の祈りに満ちた感動

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    2016年02月22日