宮本輝のレビュー一覧

  • ドナウの旅人(下)

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    後半は、東ヨーロッパへ入っていく。この時代の東ヨーロッパは共産主義の力が強く、裏寂しさを感じた。

    なぜ共産主義が生まれたんだろう?人々の貧しさを救うための共産主義だったはずが、権力を持つ人だけを太らせ、人々から自由を奪って貧困の中に閉じ込めているようにしか思えない。

    一方で、資本主義の罠によって大きな借金をして一度は死を決意した長瀬が、絹子の存在やシギィやピーターの助けもあって、再起を図っていくところは読み応えがある。特に、オーストリアでの未来の音楽家たちのモルダウの演奏は、長瀬の心に希望の光を灯したに違いない。私の頭の中でも想像の世界で鳴り響き、感動を覚えた。

    そして、7ヶ月もかけたドナウ川の旅に終止符が打たれる。思いがけぬ結末に涙した。

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    2026年03月21日
  • ドナウの旅人(上)

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    「ドナウ川に沿って旅する」なんて壮大な物語だろう。ドイツの美しい街並みや自然などが目に浮かぶようだ。

    17歳年下の男・長瀬と出奔した絹子、その娘の麻紗子、そして彼女のフィアンセのシギィ…おもしろいメンツで旅をすることになる。訪れる所々でいろんな人と出会って紡いでいくエピソードもおもしろい。

    大学生時代に好きだった本の1つ。その時は、語学を極め、海外で働き、海外の彼がいる麻紗子に憧れていたんだな。

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    2026年03月20日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    audible☆→本購入再読♡
    今作は熊吾の生まれ育った、愛媛県南宇和郡一本松村で暮らすところからはじまった。
    物語から自然豊かな土地の風景が想像できた。

    熊吾一家と繋がりがあった人達が、立て続けに亡くなり、その度これからの人生について考える熊吾。

    井草氏と再会した時の2人の会話はグッと胸が痛くなった。熊吾は嫉妬深く短気だが、人一倍人情に暑く、困った人に手を差し伸ばせる男気のある大男‼︎

    熊吾の感情や思考が細かく描かれていて、相手を思いやりどうしたらいいのか考える時、名言が度々でてくる。
    2回読んでも物語にのめり込み、フレーズをメモする前にどんどん読む手が止まらない。

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    2026年04月13日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    audible☆→本購入して再読♡

    Instagramで本の投稿をしているyukariさんがこの本を紹介していて聴いたのがきっかけ〜
    正直…ド・ストライク‼︎

    1回聴いただけでは感想が書けないくらい…感情が揺さぶられ余韻が残った。
    ので、すぐに本を購入しもう一度再読♡

    THE昭和の男、松坂熊吾。
    戦前戦後の激動な時代の中、大阪で車の部品を輸入し売る。そして房江との間に伸仁が産まれる。
    人情に厚くたくさんの名言がでてくる。
    ここには書ききれないが、本当に生きている熊吾と房江を見ているような…
    その時代の背景が浮かび上がっていて自分も一緒に生きている感覚になる‼︎
    たくさんの言葉に考えさせられる物語‼︎
    まだまだこれから続いていくが、2回は読まないと思考が整理されないくらいのめり込むこと間違いない‼︎

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    2026年03月30日
  • 優駿(下)

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    競馬について、ほぼ何も知らずに読んだ。イメージがらりと変わった。
    実際馬が走るところ観たら、生産者や馬主や騎手や厩舎の人や、色々なことを想像して、勝敗関係なく泣いてしまいそう。

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    2026年03月14日
  • 優駿(下)

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    馬だけではなく、馬主、調教師、騎手など様々な視点から物語を読むことができてとてもおもしろかった。競馬は、ギャンブル。とおもわれるが、そこにはたくさんの人のロマンや夢が詰まってる。しかし、馬券は無くなってもいいお金で買う。

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    2026年03月11日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    時代背景を知らないとしてもその時代を自然と思い描ける。この文章の凄さ、特に細かい心情と心の揺らぎをこれほどまでに磨ける能力が羨ましく思える。また、主人公の姿は憧れ、羨望の眼差し読む部分、人間として弱さを感じてしまい部分と複雑な気持ちになることが多い。長い文章ではあるが、それを飽きさせない。この沼にはまりそうだ。

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    2026年03月05日
  • 錦繍

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    「耳でも聞きたい」そう思った小説は初めてだった。
    往復書簡だからなのか、読んでいる時も頭の中で誰かが読んでいるようなイメージがあった。

    読み終えるまでの過程はすごくモヤモヤしたのに、終わってしまったららすぐにまた最初のページを開いてしまった。
    本当に不思議な魅力のある本。

    モーツァルトの39番シンフォニィを聴いてしまうし、蔵王のダリア園からドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトに乗ってみたいと思う。

    綺麗なだけのお話では決してない。
    だけど、妙に心に残る言葉や景色は何だろう。
    手紙の中で綴られる素直な気持ちや、どうしようもなくても生きる生命の美しさなのかな。

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    2026年03月04日
  • 優駿(上)

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    競馬はギャンブルだとはおもわない。騎手も調教師も命をかけて戦っている。安全ベルトがあるわけではないからいつ死ぬかもわからない。だけど、そこには夢やロマンがある。文章だけでレースの運び方や馬の状態が細かく書いてあって読んでてとても楽しい。競馬小説は色々あるけど、またリアルな感じがすごく読んでて楽しい。下巻もたのしみ

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    2026年02月28日
  • 灯台からの響き

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    良かった。情景が浮かぶし、一緒に旅をして
    行かなければいけないところを見出す力が康平に出てきたところが良いと思った。
    なぜあの本に挟まれていたのか
    なぜ蘭子が知らない人と言っていたのか
    考えさせられる
    読書に没入してしまいました。

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    2026年02月19日
  • よき時を思う

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    宮本輝さんの本は、主人公がよく独り言をいう。語り口は朴訥な農家の人が丁寧に陽気に作物を作るのに似ている。読後爽やかな気分が吹き抜ける。

    90歳になった徳子おばあちゃんから、90歳の晩餐会を開きたい、それも本格的にと連絡を受ける。なんでも300万弟に出資したところ350万円返ってきてしまったから、それなら老い先短い身。晩餐会でぱあっと食べちゃえというのだ。しかもローブデコルテにタキシードのドレスコード。当日はカメラマンも思い出のために入る。シェフはエリゼ宮でシェフをしていて、そろそろ帰国しようかなという元教え子が務める。

    祖母は戦時中に2週間婚姻した夫に死なれ、懐剣で胸をついて自刃しようとしたところ、ひょんと庭木を刈りにやってきた後の夫に救われた。晩餐会の正装は生きていること自体への賛辞だという。夫に晩餐会を味合わせることはできなかったけど、家族みんなでそれが味わえればいい。

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    2026年02月14日
  • よき時を思う

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    錦繍以来の宮本輝さんの小説
    徳子おばあちゃんが大切な家族を招き90歳を祝う晩餐会を開催する。
    元教師の徳子おばあちゃんが本当に素敵だった。いやおばあちゃんを中心とした家族全員素敵でした。それぞれを主役としたお話を読みたいぐらい。
    教え子達の協力のもと行われた晩餐会は抜かりなく滞りなく気遣いのなんたるかを教えてくれた。天晴れでした。
    自分の人生に関わった人々すべての生命を褒め称える晩餐会。敬意と讃嘆。

    徳子おばあちゃんのものへの審美眼も素敵だった。見ていると幸福になり、やがて幸福そのものになる。そうやって探し集めてきた幸福なものを孫たちの特性に合わせて分け与えていた。
    ものに宿る幸福とともに受け継がれて行くことは、少し切なさもありとてもあたたかかった。

    面白すぎて早く早くと読み進めてしまったので、もう一度ゆっくり大切に読みたい。

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    2026年02月13日
  • 道頓堀川

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    傑作やろ。
    これに星4つけるやつって、じゃあ何を望んでるんだ? ってはなしだし、地に足ついた文学でこのレベルなんて、もうそうそう出ないぞ。

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    2026年02月07日
  • 夢見通りの人々

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    夢見通り商店街に住むクセが強い人々の話。

    宮本輝作品そんなに読んでないからあるあるなのかわからないけれど、春太が三十光年の星たち主人公と通じるものがあった。お人好しで頼られがちで気づいたら首突っ込んでるあたり。

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    2026年02月02日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    宮本輝氏の小説もほとんど読み終わってしまうのでこの小説はゆっくり読んだ。
    「流転の海」で描かれた富山の生活とは対照的。あちらが影ならばこの作品は光のよう。
    この作品を書くことは、宮本輝氏の富山への罪滅ぼしなのかなと思ったりして。
    (流転の海での富山の描写は、気候と人柄が主人公の家族に合わなかったので鬱気味になったと記憶している)

    読み終えて清々しい気持ちになる小説でした。

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    2026年01月31日
  • 満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)

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    宮本輝の自伝的小説『流転の海』第七部。
    あと2冊で終わりとなる。
    第一部を読んだ時は、松坂熊吾に対して嫌悪の情が強く、最後まで読み通せるか不安だったが、今は終わるのが惜しいという気になっている。
    それは、歳をとった熊吾が、若い頃のように、すぐに暴力に訴えるということがなくなったからかもしれない。
    人を差別することなく、面倒をみる熊吾の性格に気づいたからかも(人助けをすることが快感なのだろう、と自分でも分析している)。
    または、この物語に慣れてきて、登場人物に親しみを持つようになってきたからかも。

    今回は、前半あまり起伏のない内容が続くが、後半またもや、というストーリー。
    そんななかでも、美食や他人に対する援助などを続ける熊吾って。呆れてしまうが、次が読みたい。
    とりあえず、第八部に進みます。

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    2026年01月26日
  • 草花たちの静かな誓い

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    アメリカ在住の叔母の莫大な遺産を相続することになった弦矢。だが、亡くなったはずの叔母の娘(弦矢の従姉妹)は6歳で失踪していたことが判明。
    物語の半ばからラストにかけて怒涛の展開が…先が気になって一気読み‼️

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    2026年01月20日
  • 人生の道しるべ

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    お恥ずかしながら宮本輝作品を読んだことがなく、きれいな作品というイメージばかりが先行して手に取ってこなかったのだけど、対談を読んだらそんなこと言ってないでさっさと読まねばという気になりました。私はきれいの奥にあるどろどろを感じられるだろうか。
    またおふたりに通ずる繊細かつ豪胆な小説家の業を教えてもらえておもしろかった。

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    2026年01月15日
  • 灯台からの響き

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    ゆっくりゆっくり物語は進むのですが、なぜか「もういいや」と読むのをやめる気にはなりません。登場人物の語る言葉に人生を歩む上で大切な訓示が入っているからでしょうか。さすが、宮本輝さんです。読後は蘭子さんの人柄や想いが温かく心に広がり、惜しい人を亡くしたと寂しくなり、実際にこの世で生きていたかのような感覚になりました。
    ちなみに、影響されやすい私は近場の灯台を見に行ったりしました。

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    2026年01月13日
  • 優駿(下)

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    銀色のステイヤーで、競馬系小説の面白さを知り、テレビドラマ「ロイヤルファミリー」を見てさらに興味が深まり、有馬記念で馬券を買って、この本を読み始めた。
    最初の設定が、ロイヤルファミリーと似てる…と思ったが、もっともっと深かったと思う。
    誰が主人公なのかわからない。章ごとに変わる?なので誰に肩入れすることもなく、公平な気持ちで読み続けられる。
    競馬用語を、ネットで調べながら読み進めた。ロイヤルファミリーを見ている時もそうだったが、レースの実況場面がいちばんグッと来る。
    馬が走るところを見たい。

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    2026年01月12日