宮本輝のレビュー一覧

  • 灯台からの響き
    読後
    宮本輝さんはやはりいいと思った。いつも人の中に忘れていることを考えさせられる。
    相変わらず一気に読んだ。作品中に出てくる
    灯台をネットで検索しながら読んだ。行けるところは行きたいなとも。
    しかしながら、主人公の読んだ本には手がつけられないなと思った(笑)
  • 錦繍
    本当に、
    素晴らしい本でした。

    今も、読後の余韻に浸っています。

    素晴らしい本でした。

    最初は、ストーリーが、興味深く、
    面白いなあ、
    と読み進めていたのですが、

    終盤は、
    本当の意味の、
    生きる強さを、感じることが、
    できました。

    私も、
    自分にできることを、
    精一杯、
    生きていこうと思...続きを読む
  • 約束の冬(下)
    色んな大人がいて、それぞれ意思があって約束がある。約束は守るという至極当たり前のことをできる大人になりたい。逆に言えば守れない約束はしない。律することもできれば破ることもできる。力を入れるより抜く方が難しい。
  • 血脈の火―流転の海 第三部―
    登場人物が多く、ごちゃごちゃしている話なのに、すっと頭に入ってくる。まさに映像が思い浮かぶような物語。主人公の主義主張が好きなんだよなぁ。今の時代にはそぐわない、もしかしたら古い価値観と言われてしまうかも、でも芯が通ってるように思う。次も読もう。
  • 灯台からの響き
    妻を亡くして気力を失った中年男性が、ある日、本の隙間から、妻が隠した一冊の葉書を見つける。その謎解き、即ち妻の過去を知り、妻がそっと残していたメッセージを究明するために、灯台巡りの旅に出る。その過程で、3人の子どもや親友達との対話を重ね、生きる希望を取り戻して行く。最後のシーンは圧巻である。


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  • 地の星―流転の海 第二部―
    第一部に引き続き、一気に読んでしまった。
    主題がありすぎるんだけど、ごちゃごちゃしてない感じがすごい。次も楽しみ。
  • 流転の海―第一部―
    長編第一部
    宮本輝の父親を描いたとされる自伝的小説。
    豪放磊落、しかし、決して完璧でない、むしろどこか精神的な病を患っているかのような主人公の在り方に、とても惹かれた。今の時代には、おそらく受け入れられないであろう。だからこその憧憬かもしれない。魅力的で人間臭いキャラクターが多数登場。続きが楽しみ。
  • 草花たちの静かな誓い
     久しぶりに宮本輝さんの本を読みました。私のおススメの作家さんの一人です。私が勝手にイメージする宮本輝さんの本に登場する主人公は、①それなりの教養を備えている、②運を持っている、③自分を引き上げてくれる出会いや人とのつながりがある、の三つかな。なのですごく羨ましくて、自分もこんな人物になれたらいいな...続きを読む
  • 錦繍
    宮本輝という小説家の、最も脂の乗った作品が『錦繍』だと思います。

    蔵王の鮮やかな紅葉の描写ばかり記憶に残っていましたが、久々に読み返してみると最後の手紙のやりとりが凄く良かったですね。
    過去を打ち明け、清算し、前に進もうとするふたりの姿と、それを支える家族の存在。温かさしかないです。

    星島照孝氏...続きを読む
  • 螢川・泥の河
    丁寧に綴られた言葉とリアルな情景が秀逸
    人間の生の美しさと強さとそして嫌悪が
    子どもの視点を通して不器用に映し出される
    忘れた頃にまた読み返したくなる一冊
  • よき時を思う
    徳子おばあちゃんが素敵すぎる。筆で書く手紙、90歳で開く華やかな晩餐会、状況が目に浮かぶ!
    全ては、徳子さんの教師時代に起因する。徳子おばあちゃんの素晴らしい先生ぶりもさることながら、登場人物全てが素敵すぎる。玉木少年への導き、吃音を治す練習法、人として立派だなぁと感じ行ってしまった。
    綾乃の兄弟、...続きを読む
  • 草花たちの静かな誓い
    泣いた。
    読んでて本を伏せたくなるような辛い場面もあったけどキクエさんの娘を思う強さと優しさに胸が熱くなった。
    娘さんを逃した後結婚生活を続けるところも、どうしてと思う反面、
    娘と娘を引き取ってくれた夫婦に危害が及ばないよう、事件の波風がたたないようにすることと、夫を監視するためだったんだろうなと思...続きを読む
  • ドナウの旅人(下)
    主人公4人を軸とし、その他脇役の人々の心情や背景が丁寧に描かれ、一人一人の人生はまるでドナウ河のようだと思わせた。

    絹子には最後まで嫌悪感を拭いきれなかったが、彼女は最も身勝手で最も幸福な人生を歩んだのだろう。
    シギィとペーター2人の王子様争いが見たかったなと思った。
  • 螢川・泥の河
    確かに美しい文体で、イメージの中の風景も自分の幼少期が思い起こされる。
    今、考えると初恋だった近所の年上のお姉さん❗
    幸せになってたらいいなーと思いながら読めた作品
  • 螢川・泥の河
    昭和30年代という戦後復興真っ只中の日本が舞台の小説。

    「泥の河」は、大阪で食堂を営む家族と、舟で様々な地域を転々としながら生活を営む家族との何か切なくなるような話。

    「螢川」は、富山に住む家族に降りかかる友人、親との死別などの悲劇、幼なじみとの淡い恋心を交えながら家族の揺れ動く心の描写に美しく...続きを読む
  • 灯台からの響き
    幸せは気づくもの。
    何でもない日常、それとなく過ぎてゆく日々。そこに確かに存在する自分。現在の自分に至る人類の永きにわたる生の継承。それは宇宙の歴史におけるほんの僅かな一瞬。その永遠と瞬間の交わりの中に在ることを尊いと思える心の持ち様。それこそが幸せの本質ではないかと思います。
    変わらぬ事こそが変わ...続きを読む
  • 満月の道―流転の海 第七部―
    前巻から、打って変わっての空気感。
    人生何が起こるかわからない。変転、流転は、常のものか。
    その中でも、変わらぬ己の特質がもたらす陥穽。

    行というものの大切さなども、物語の伏流の中で描かれる。
    銀行の空気や、ふとした瞬間に熊吾が思い出す、戦死した戦友たちへの申し訳ないという思いなど、今の時代に失わ...続きを読む
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―
    時代の息吹を感じられる。
    歴史的な経緯を庶民のその時大阪にいた人間として追体験できる。
    生半可な現代史よりもリアル。学問では、知ることのできないもの、知覚できないものを、表現している。文学というフォーマットで表現できるものがあることの実例かも。
  • 三十光年の星たち(下)
    仕事にどう向き合っていくかを考えさせられた。
    とてもいい意味で、3年で1人前という考え方が覆される。自分がどんな大人になっていきたいか、どんな生き方をしていきたいかという、大きなことを問いかけてくれる本。
    20代で出会えて本当に良かったな。
    人生の分岐点で、必ずまた読み返すだろうな。
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    凄惨な人間生活。
    熊吾の激しさ(暴力と経済力)が、そして運が回復してきたように感じる。
    それと対になる、蘭月ビルの人々の生活。破滅的な生き方をする者、他人の生き血を吸う者、そうした生活の中でも文化的に精神的に生きる者、ぐれずに育つ子供たちの純真さ。
    人間と人間の打ち合いの中で鍛えられる伸仁。

    コン...続きを読む