宮本輝のレビュー一覧

  • 水のかたち 上

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    人と人とが何故の縁で出逢い、そしてその時を境にそれぞれの川が合流して新たな畝りを形成していくように時は流れる。
    キャノンボールアダレイのジャスを聴きながら、早苗の純粋で清い心に心打たれ、上は終わり。

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    2024年04月06日
  • 星々の悲しみ

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    中学の国語の教科書にて「星々の悲しみ」が載っていたのがキッカケでした
    他のストーリーも含めて珍しい経験ですが無くはないよね、というストーリーという印象です

    個人的に非現実的な設定のストーリーは面白くて当然、日常をどれだけ面白く書けるかを期待しているタイプなのでこの作品は私に合っていて非常に面白かったです

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    2024年04月05日
  • 三十光年の星たち(下)

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    よかった
    内容に感動したというより
    文章に心打たれた

    上巻より付箋だらけになってびっくり
    忘れないうちに書き出そうと思う

    私はあることに修行中(⁈)の身

    教わり導かれる立場として
    教え導く方々の言葉が沁みた

    人との出会いが
    人生を変える

    よい出会いをしたい

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    2024年03月30日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    在日朝鮮人と言われた人々の暮らし、思想、逞しさが伝わってきた。毎回のように、重厚なテーマが物語の根底に流れていて、読み応えがある。
    人間性を形作るのは環境。まさにその通りだと思う。特に子供の時分はその影響力が計り知れない。良い環境とは何か。考えるきっかけにもなった。

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    2024年03月23日
  • 三十光年の星たち(下)

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    憧れることを諦めた人がこの作品を読むと、胸がちくちくすると思う。少なくとも私はそうだった。
    若さとは愚かであることではなく、愚かしいほど純粋であることをわからされた。私は少なくとも、今はそのような歳ではないし、そのような人との出会いもない。主人公をあえてアラフォーの成年を選んだのは、宮本輝本人が苦労した歳であったからだと、作者のあとがきに記されていた。

    陰鬱な変わらない日々を変えてくれた一人の老人。
    「君の三十年後を見たい」と言われた成年。
    その時になったら、あなたはここにはいないのに、と思う成年。それも分かった上で「つべこべ考えずに進め」と言う老人。

    いずれ、分かる。

    その言葉に期待を

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    2024年03月19日
  • 焚火の終わり 下

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    人に秘められた謎を快楽の燃料とし、聖なる何かを生み出す。主人公の2人にとってはそれは出生の謎であり、自分たちは血のつながった兄妹なのか、ということで、ふくよかに支配され、残忍な愛撫を返す、深い快楽の関係につながるわけだが、謎が謎のままにしたい、でも知りたい、という葛藤と揺らぎを辿り、結局そこを明らかにしないことに決別した、そこからの2人の人生は本当に何もかもを楽しめる、前向きで明るい関係になっていくんだろうなと感じられた

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    2024年03月17日
  • 三千枚の金貨(下)

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    「20年待てない人はたかがしれている。」というような意味のセリフがあったが、趣味で盆栽をしているせいかこの時間の長さへの精神的な捉え方は考えさせられたし、忘れられない言葉になりそうです。
    宮本輝さんには人生を教わる事がとても多いけれど、草原の椅子だったか、他の作品だったか忘れけれど、「男は耳をしっかり洗わないといけない」というようなセリフも覚えていて、読んだその日から今に至るまで耳を洗わなかった日はない。

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    2024年04月06日
  • 三十光年の星たち(上)

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    宮本輝さんの作品にはいつも感動させられます。今の自分が主人公の立場だったら、この状況から逃げてしまうだろうと思いながらも、逃げなかったらこうなっていた話が書かれている気がしました。下巻が楽しみです。

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    2024年03月05日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    自尊心より大切なものを見つける。
    自分で実際に見聞きしたものだけを信じる。
    心根の腐るような言動はしない。
    何が起きても、大したことはない。
    主人公から我が子へ送る言葉が、心に響く。
    些事にとらわれず、我が道をひたすらに突き進む主人公の生き方が、かっこいい。
    妻が喘息にかかっている情報を得ても、すぐに連絡をせずに、目の前の雑事をさらっと片付ける姿がなんだか心に残った。

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    2024年02月29日
  • 灯台からの響き

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    読後
    宮本輝さんはやはりいいと思った。いつも人の中に忘れていることを考えさせられる。
    相変わらず一気に読んだ。作品中に出てくる
    灯台をネットで検索しながら読んだ。行けるところは行きたいなとも。
    しかしながら、主人公の読んだ本には手がつけられないなと思った(笑)

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    2024年01月28日
  • 約束の冬(下)

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    色んな大人がいて、それぞれ意思があって約束がある。約束は守るという至極当たり前のことをできる大人になりたい。逆に言えば守れない約束はしない。律することもできれば破ることもできる。力を入れるより抜く方が難しい。

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    2024年01月07日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    登場人物が多く、ごちゃごちゃしている話なのに、すっと頭に入ってくる。まさに映像が思い浮かぶような物語。主人公の主義主張が好きなんだよなぁ。今の時代にはそぐわない、もしかしたら古い価値観と言われてしまうかも、でも芯が通ってるように思う。次も読もう。

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    2024年01月03日
  • 灯台からの響き

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    妻を亡くして気力を失った中年男性が、ある日、本の隙間から、妻が隠した一冊の葉書を見つける。その謎解き、即ち妻の過去を知り、妻がそっと残していたメッセージを究明するために、灯台巡りの旅に出る。その過程で、3人の子どもや親友達との対話を重ね、生きる希望を取り戻して行く。最後のシーンは圧巻である。


    毎年12月は、公私ともに忙しくなる。だからこそ、今年を振り返る時間を意図的に作りたい。ところが、振り返る度に、ネガティブな自分は、今年出来なかったことを思い出したり、目に見える他人の実績と比較して、卑屈な気持ちになる。

    この本は、気持ちが萎えて落ち込んだ時、自信を取り戻したい時にオススメの一冊である

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    2023年12月14日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    第一部に引き続き、一気に読んでしまった。
    主題がありすぎるんだけど、ごちゃごちゃしてない感じがすごい。次も楽しみ。

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    2023年12月14日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    長編第一部
    宮本輝の父親を描いたとされる自伝的小説。
    豪放磊落、しかし、決して完璧でない、むしろどこか精神的な病を患っているかのような主人公の在り方に、とても惹かれた。今の時代には、おそらく受け入れられないであろう。だからこその憧憬かもしれない。魅力的で人間臭いキャラクターが多数登場。続きが楽しみ。

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    2023年12月10日
  • 草花たちの静かな誓い

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     久しぶりに宮本輝さんの本を読みました。私のおススメの作家さんの一人です。私が勝手にイメージする宮本輝さんの本に登場する主人公は、①それなりの教養を備えている、②運を持っている、③自分を引き上げてくれる出会いや人とのつながりがある、の三つかな。なのですごく羨ましくて、自分もこんな人物になれたらいいなと思いながら読むことが多いです。
     「草花たちの静かな誓い」は、もし読者が宮本輝さんについてなんの予備知識も無しに読むことになったとしたら、たぶん「ミステリーかな?」と感じてしまうかもしれません。でも本のタイトルはミステリーっぽくなくて「あれ?」と思うかも。そこが宮本輝さんらしいのですが。
     この本

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    2023年11月09日
  • 螢川・泥の河

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    丁寧に綴られた言葉とリアルな情景が秀逸
    人間の生の美しさと強さとそして嫌悪が
    子どもの視点を通して不器用に映し出される
    忘れた頃にまた読み返したくなる一冊

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    2023年11月01日
  • よき時を思う

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    徳子おばあちゃんが素敵すぎる。筆で書く手紙、90歳で開く華やかな晩餐会、状況が目に浮かぶ!
    全ては、徳子さんの教師時代に起因する。徳子おばあちゃんの素晴らしい先生ぶりもさることながら、登場人物全てが素敵すぎる。玉木少年への導き、吃音を治す練習法、人として立派だなぁと感じ行ってしまった。
    綾乃の兄弟、特に春明との掛け合いが面白い。兄弟仲良くて素晴らしい!
    最初から最後まで、考え尽くされた?構図なのか楽しく読ませてもらったし、ポカポカした気持ちになった。
    欲を言うなら、綾乃と棚田さんとの関係ももう少し読みたかったかなー。
    題名も素晴らしい、読んだあとかなり余韻がすごかった!

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    2023年10月21日
  • 草花たちの静かな誓い

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    ネタバレ

    泣いた。
    読んでて本を伏せたくなるような辛い場面もあったけどキクエさんの娘を思う強さと優しさに胸が熱くなった。
    娘さんを逃した後結婚生活を続けるところも、どうしてと思う反面、
    娘と娘を引き取ってくれた夫婦に危害が及ばないよう、事件の波風がたたないようにすることと、夫を監視するためだったんだろうなと思うとすごく理解できる。

    私自身、3歳の娘の子育て中で子どもを手放すことがどんなに辛いことかわかるので、キクエさんの英断の凄さがわかる。

    最後空想で美しい庭の中でのキクエさんと娘さんの抱擁が描かれるがそのシーンで涙が止まらなかった。

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    2023年10月21日
  • ドナウの旅人(下)

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    ネタバレ

    主人公4人を軸とし、その他脇役の人々の心情や背景が丁寧に描かれ、一人一人の人生はまるでドナウ河のようだと思わせた。

    絹子には最後まで嫌悪感を拭いきれなかったが、彼女は最も身勝手で最も幸福な人生を歩んだのだろう。
    シギィとペーター2人の王子様争いが見たかったなと思った。

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    2023年10月09日