宮本輝のレビュー一覧
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九つの短編からなる短編集です。最初に文庫化されたのが1993年なので、もう31年も前に書かれた作品です。
宮本輝さんの師匠?だった池上義一さんから「いい短編が書けない作家は信用するな」と言われ一念発起し短編に挑戦し、何度も何度もダメ出しされた末にようやくOKをもらって出来上がった作品なんだそうです。
解説は森絵都さんで、宮本作品を読む理由について次のように書かれていました。
(すごく端折ってしまって申し訳ありません)
『インスタグラムだとかSNSには明るく楽しげでポジティブな人々の営みがさらけだされているけど、私たちの日常はそんなに明るく楽しいのだろうか?宮本作品には、何も気取っていな -
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752
476P
宮本輝
1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、1977年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため二年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『流転の海』『優駿』(吉川英治文学賞)『約束の冬』『にぎやかな天地』『骸骨ビルの庭』等著書多数。
花の降る午後 (角川文庫)
by 宮本 輝
八月に入ってから、典子は、昼食兼用の食事をとる前、アヴィニョンから不動坂を降り、北野坂に曲がって山手幹線の手前まで行き、思いきり足を上げて速歩で二往復することを -
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昭和30年代とおぼしき大阪の貧しい界隈を舞台にした9篇の短編集。
今の時代より明らかに貧しいはずなのに活気溢れる人物達がたくましく生活している。
「真夏の犬」熱中症なんて言葉がなかったあの頃、中2の僕が父親から廃車置き場の見張り役を命じられる。うだるような暑さ郊外の何もない場所での孤独感。昼食の弁当を狙ってくる野犬の集団。帰りのバス停までの道のりで見かける年上の女性。帰らない父親。
「赤ん坊はいつくるか」夏にててなし子を孕んだ女が始末に困ってこの川に捨てるのだ。花札賭博に負けたのち長さ25cm幅17cmの背中の般若を切り取られた般若のおっさん。不妊の末病んでしまった妻の為に生まれたての赤ん坊 -
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ネタバレ感想
読み進めていくうちにどんどん続きが気になる展開だった。オラシオンという馬にかけた様々な人々の夢を見た。最後の最後まで分からない展開にシビれた。
ノーザンダンサー、プリンスリーギフト、ボールドルーラー、ダビスタ思い出す。種付けの方法が原始的なのにびっくりした。また、種付けが不発に終わるとお金がパァになるギャンブル性を含んでいることから、生産者の方もヒヤヒヤと、期待が入り混じった思いがある。人工的だが、自然も相手にする難しい競技だ。
あらすじ
オラシオン号は3歳になり、吉永ファームで育ったことにより、立派な馬体になっていた。吉永会長は博正に、馬に良い環境を整えることで馬が強くなると教える -
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ついに8巻まで読んだ。長かった。あと一冊で終わりかと思うと、とても寂しい。
登場人物の何人かのことは忘れてる。
仕方ない。
でも何十年もかけて書かれた長いものがたりを、ぼくは二年かけて読んでいる。駆け抜けるような速さなのかというとそうでもない。
ぼくは読むのが遅い。
話は、中古車センターを立ち上げるところから、板金屋を売りに出すところ。
案の定というかなんというかお決まりのドラえもんのエンディングのような、裏切りや逃げられたり、しょーもないことが発覚したりするわけだけども。それすらも日常のなかにあってなんかおもろい。
この8巻での房江の心理描写がとても好きだ。
いきるとはなにだろうか。
た -
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現在松坂熊吾ロス状態。
37年かけた小説が遂に完結。37年ですよ、完結を待たずに亡くなった方もいらっしゃるでしょう。筆者自身も申し訳なかったとインタビューに答えておりました。そう思うと私は運が良かった。
偶々この小説を知ったのが50歳になった昨年で、第一部の感想にも書きましたが、主人公松坂熊吾も同じ50歳、時代背景が全く違いますが、何か運命を感じて読み始めた結果、私自身にとっては今後生きていく上での大きな指標となりました。
筆者自身の父親を元にした自伝的大河小説、実際は3分の1ぐらいが実際に起こった事で後は創作と言う事です。それにしても魅力的な登場人物、そして彼ら彼女らの生き様を見ますと全て -
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憧れることを諦めた人がこの作品を読むと、胸がちくちくすると思う。少なくとも私はそうだった。
若さとは愚かであることではなく、愚かしいほど純粋であることをわからされた。私は少なくとも、今はそのような歳ではないし、そのような人との出会いもない。主人公をあえてアラフォーの成年を選んだのは、宮本輝本人が苦労した歳であったからだと、作者のあとがきに記されていた。
陰鬱な変わらない日々を変えてくれた一人の老人。
「君の三十年後を見たい」と言われた成年。
その時になったら、あなたはここにはいないのに、と思う成年。それも分かった上で「つべこべ考えずに進め」と言う老人。
いずれ、分かる。
その言葉に期待を