宮本輝のレビュー一覧

  • 血脈の火―流転の海 第三部―
    大阪へ戻ってからのお話。
    輝、大好きです!!
    映画を観てるみたい。出てくる人達、少なくないのにまるで見たことがあるかのように想像できちゃう描写。素敵ッス!
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    収入が無くなり、房江までもが働きに出る熊悟一家。相変わらずどたばたは絶えない。この物語はある一家とそれに関わる人々や出来事を淡々と綴って行く人生劇場だ。この先どうなるのか?クライマックスっていうのはあるのか?
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―
    主人公の熊悟はとにかくいろんな事にチャレンジしたり、世話を焼いたり、裏切られたり、感謝されたり、心配させたり、次々に事に対峙して行く様は常にアクティブだ。年を重ね若干強引さやパワフルさが影を潜めたが、生命力に溢れている。また、子煩悩であり、なんだかんだやっても妻を愛している。今後の展開が楽しみだ。
  • 血脈の火―流転の海 第三部―
    いろんな事が次々に起こる中で、熊吾がどんな風に対処していくのかが興味深い。行動はとにかく早い。バイタリティーと度胸もあり、商才もある。1人息子を愛して止まない。この先どうなるのか?気になって仕方がない。
  • 地の星―流転の海 第二部―
    主人公のまわりではいろんな事が起こり、ストーリーはどんどん進んで行く。人間の内面を深い考察でえぐって行くところは興味深い。また、ストーリー展開が早く目まぐるしいため、感想というより次の展開が気になる。一つ上げれば、伊佐男からの恨みがどんな風に熊吾に襲いかかり、熊吾はどう対応するのどろうか?と重いなが...続きを読む
  • 優駿(下)
    オラシオンという、一頭のものすごく強い馬を取り巻く人たちの壮大なるドラマ。ほぼフィクションであるが、実在する人物(大牧場の父と息子たち)も描かれており、楽しめる。最後は共同馬主制度の創成期についても書かれ、馬主として今後どうしていくかということを考えさせられた。
  • 優駿(上)
    言わずと知れたヒット映画「優駿」の原作を、約四半世紀過ぎてから読んでみた。名馬オラシオン(上巻ではまだ仔馬だが)を巡り、様々な人間関係が複雑に絡み合う。宮本輝さんが競馬を愛しているということがとても良くわかる。現在の馬主界とのギャップ(馬の価格など)もヒシヒシと感じる一冊だった。下巻も楽しみ。
  • 避暑地の猫
    複雑な関係と感情のもつれの中にいる少年は10代らしい短絡さと潔癖さでゆっくりと地獄へ向かって走り出す。
    地下室が表れてから物語の全体に淫靡で官能的な空気が霧のように立ち込めた。
    とても面白かった。また再読したい。

    ところで、これは作り話だし、物語を面白くさせる要素だとわかっていても、若い女性に性的...続きを読む
  • 地の星―流転の海 第二部―
    この本を読みながら、読んでいるとずいぶんと疲れる本だ。
    と感じることだ。

    宮本輝の父親を モデルにして
    戦後の波乱期のなかで 50歳になって 子供を授かって
    子供と妻のために 郷里に戻り
    そこで、自然と健康を取り戻させようとする 松坂熊吾の
    父親として 生きていく姿 がある。

    伸仁は まだ4歳で...続きを読む
  • 五千回の生死
    やっぱり短編上手だなー。すごいなあ。短い文章だけど、一つ一つが深い。小説読むっていいなあ、と思わせる本だなと思います。
  • 螢川・泥の河
    泥の河

    宮本輝の感性がシャープで、のちのまだろっこしい文章ではなく
    直裁な文体が 叙事詩のように広がっている。
    泥のような河にも 人生は繰り広げられている。
    人生というより 生があり 死があった。
    そして、戦争の焼け跡の 猥雑な雰囲気があり、
    たくましさと心細さが入交じっている。
    戦争に勝ったか ...続きを読む
  • 青が散る(上)
    中学時代に本小説のドラマをやっていた。主演は石黒賢(確か彼のデビュー作)。そして佐藤浩市、二谷友里恵、川上麻衣子らが出ていた。松田聖子の「青いフォトグラフ」が主題歌で毎週楽しみにしていた。
    いつか原作を読んでみたいと思い、6年ほど前にようやく読みました。
    ドラマは関東が舞台だったけど、原作は関西なん...続きを読む
  • 骸骨ビルの庭(上)
    宮本輝、予備校生だった二十年前に出会った作家。模試の国語で『星々の悲しみ』が出題されて以来の付き合い。大学二年くらいまでの間に、当時出版されていた作品の、ほぼすべてを読んだと思う。
    それからは数年に一冊、なんとなく手に取り、毎度のようにしっくりと身体に染み込んでくる感覚を味わってきた。
    たぶん、森の...続きを読む
  • 骸骨ビルの庭(上)
    「わたしが畑仕事で知ったことは、どんなものでも手間暇をかけていないものはたちまちメッキが剥げるってことと、一日は二十四時間がたたないと一日にならないってことよ。その一日が十回重なって十日になり、十日が十回重なって百日になる。これだけは、どんなことをしても早めることができない。」ナナちゃんの話
  • オレンジの壺(上)
    女性としての魅力、面白くない人間とまで言われてバツイチとなった女性。
    物語の最初の印象は悪く言えばお人形さんのようで、共感も感じず、つまらないの一言だったが、話が進むにつれて行動力と決断力を徐々に発揮しだします。そこからだんだん引き込まれてゆきました。
  • オレンジの壺(下)
    謎を追ってこんなところまできてしまうのか!!と、驚嘆というと大げさですが、あのお人形さんの様だったおお嬢さんは年齢相応の精神的な成長を遂げます。
    さらにそこで出会った女性のこれまでの人生と、お嬢さんのこれまでの人生があまりにもかけ離れている
  • 優駿(下)
    競馬のことを知らなくても、競走馬とそれに関わる人たちの運命や、かすかな心の動き、息づかいを十分に楽しむことができる。

    専門用語もふんだんに使われていて、かつそれを説明するような表現も全くないため、意味が分からないまま読み進めて行くことになるが、それでもここまで入り込むことができるのは、作者の巧みな...続きを読む
  • にぎやかな天地(上)
    2012年うめこ的ベスト作品!
    本を作る行為が個人的にツボだったばかりでなく,発酵食品のように主人公がじわじわと味を出していくというか成長していくような感じ,周囲の色んな関係の中で成熟していく感じが,じゅわっと味わい深いのです。胃腸にやさしくおいしいよ☆
  • 優駿(上)
    言わずと知れた宮本輝の名作。

    競走馬を中心にして、さまざまな人間模様が描かれる。
    一人ひとりの個性が強烈に出ていて物語の世界観に入り込むことができる。
  • 彗星物語
    様々な問題や悩みをかかえた日本の大家族が、ハンガリーからの留学生(ポラーニ・ボラージュ:通称ボラ助)を迎え入れ、卒業するまでの3年の間に起こる泣き笑いを丁寧に描いている。

    お国柄や性格の違いから小さな衝突を繰り返しながらも、結局うまくおさまり、ボラ助の不思議な魅力で何事も(突拍子もないが)良い方向...続きを読む