宮本輝のレビュー一覧

  • 潮音 第二巻

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    良かった!富山売薬仲間の薩摩藩のために,ひいては、富山藩のためにできる事を必死に活躍する様は、目が離せない。歴史を鳥瞰し、横断的に見るのは、いろいろな事を教えてくれる。時間が楽しみ。

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    2025年07月08日
  • 螢川・泥の河

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    《蛍川》
    私の好きな場面は、蛍の群れと遭遇するシーン。蛍が、先の見えない母と息子の不安な心を灯してくれているかのようだ。これからも、何度となく思い出される光景であろう。信じてこれからの人生を強く生き抜いてほしいと思った。
    《泥の川》
    登場人物の葛藤を想像しながら、読みすすめた。考察が必要であり、読者によって受け止め方は様々ではないか。私は感傷的な思いが残った。混沌としている世の中、時代に生きる少年の純粋さも印象的だった。それに向き合う思春期の葛藤、物悲しさがあった。人それぞれ、背景(貧しい家庭に生まれた等)をもっている。その中でも、その人が乗り越えられる試練が与えられ、生き抜いて行けるんだと信

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    2025年07月06日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    流転の海、第二部「地の星」。面白かった。
    主人公の熊吾が大阪から、故郷の愛媛県の南宇部でのお話。ダンスホールを作ったりとクソダメに息子が落ちたり、鮎を掴んだり。色々あった。

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    2025年07月03日
  • 潮音 第一巻

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    富山の薬売り・川上弥一さんの語りの文章が優しく心に沁みました。黒船来航や天璋院篤姫、西郷隆盛など、お馴染みの歴史事実の中に、富山の薬売りと薩摩との関係など今まで知らなかった事が書かれていて、新しい発見が楽しいです。第2巻も楽しみです。
    途中、上縮(うわしまり)、二才(にせ)など、読み方が難しい用語や地名が出てきました。初出でルビをメモしておかないと、次にルビ無しで出てくるたび記憶のキャパが小さい私は「何だったかなぁ」と忘れてしまい、その都度メモを見返しながら読みました。時間がかかってしまいましたが、2巻ではもう少しスラスラ読めるように頑張りたいです。

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    2025年06月27日
  • 人生の道しるべ

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    宮本輝さんの作品は読んだことがなかったのですが、これから読んでみよう!ときっかけになる対話集でした。

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    2025年06月12日
  • 優駿(上)

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    ネタバレ

    競馬は夢を買うというセリフが出てくるが、夢だけではないということが上巻だけでもよくわかる。冒頭の出産シーンから産まれた子馬が成長する物語かと思ったが、そうではなく子馬を取り巻く人間たちの話に展開していく。牧場主の息子と子馬のシーンには感動したが、そこからはお金が出てくる現実の話。最後にはショッキングなシーンが出てきてビックリした。

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    2025年06月08日
  • 避暑地の猫

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    内容(ブックデータベースより)

    修平の両親が番人として雇われた別荘には秘密の地下室があった。別荘の主、布施金次郎と両親たちとの密約の存在を知った17歳の修平は、軽井沢にたちこめる霧のなかで狂気への傾斜を深めていく。15年の沈黙を破って彼が語り始めたひと夏の出来事とは? 人間の心の奥に潜む「魔」を描ききった傑作長篇小説。

    令和7年6月2日~6日

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    2025年06月07日
  • 潮音 第一巻

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    面白い!富山の薬売りが幕末をどう対策し、どう情報を得ていったか、薩摩と富山と幕府との関係の中での立ち回りがわかりやすく小説化されている。久々に宮本作品を読むけど、やっぱりうまい。

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    2025年06月06日
  • 潮音 第二巻

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    まさに歴史の教科書のような展開…
    というより、幕末を学ぶにはこれ以上ない教材ではないでしょうか。著者はかなり細かく調査されたのでしょうね。

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    2025年06月05日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    第3部は、大阪・土佐堀川編です。(伸仁6歳〜8歳)
    熊吾、房江、伸仁 親子3人を取り巻く様々な人たちが絡み合って賑やかに話が進んでいきます。
    賑やかという表現が適切なのか自信がありません。
    とにかく、この一冊の中に、色んな出来事が詰まっています。夢中になって読んでいきました。
    熊吾が伸仁に施す社会勉強の数々は、びっくりの連続だけど、根底にある慈愛が随所に感じられ微笑ましくさえ思います。船の火事から助かった伸仁を抱きしめて泣く熊吾の姿に思わずもらい泣きしてしまいました。

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    2025年06月03日
  • 潮音 第二巻

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    いよいよ訳のわからない尊皇攘夷とか会津とか長州とかのいわゆる身内の騒乱になって来ましたね。この時期にすっかりと外国と交渉できなかった事が2025の今も禍根を残してるのか。そう言う輪廻とか宿命とかを描いたら作者は一級。後2冊も買うしかないやん。

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    2025年06月02日
  • 潮音 第二巻

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    富山の薬売りで薩摩藩と切っても切れない仲にある川上弥一の姿を通して、幕末の日本をドラマチックに描く歴史巨編。
    第2巻は、京の町が拠点となり、伏見寺田屋事件、池田屋事件の騒動から大規模な市街戦となった蛤御門の変までを描く。
    弥一は、戦場と化していく京で、旧知の薩摩藩士・園田矢之助らと連絡を密にしながら、薩摩藩のために命を張って情報の入手や伝達に奔走する。
    弥一には、北前船で蝦夷地の干し昆布を薩摩へ運び、坊津の沖合で大量の唐薬種を得るということで富山の民は薩摩藩に恩義を感じるべきであり、薩摩藩を守らなければならないという強い意識があった。
    幕末の動乱期の日本について物語を通して再度、学び直せる素晴

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    2025年06月02日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    宮本輝(というか父親)の自伝的小説なのだが、環境悪すぎだろう。
    身体は虚弱な伸仁(宮本輝がモデル)だが、小学校低学年にして、様々な大阪の悪所にいりびたり、ヤクザ者と雀荘で賭け麻雀をしたり、ガラの悪い労働者たちと花札をしたり、母親がびっくりするほど町の情報通になっている。
    熊吾(父親)は熊吾で、幼稚園の先生の胸ぐらをつかんでどなったり、小学校に怒鳴り込んだり、現代なら即アウトだろう。小学校低学年の息子を競馬場や、ストリップ劇場など連れ回したり、夜中の2時まで息子と飲み歩いたり。
    他の登場人物もみな、一癖も二癖もあるものばかり。しかし、どの人物にも、熊吾は愛情を持って接しているのがすごい。
    とりあ

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    2025年06月02日
  • 潮音 第四巻

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    幕末の動乱に沿いながらも、商人の目線で物語が綴られているのが、宮本輝先生らしいと感じた。最終巻は、弥一達がいよいよ躍動しており、特に読み応えがあった。この時代のことなので、悲しさとも向き合わなければならないが、それを越えた何かを感じさせてくれるのが宮本先生の真骨頂だと思う。「潮音」のタイトルが納得出来る作品。読後感が清々しい。

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    2025年05月25日
  • 森のなかの海(下)

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    宮本輝!って感じの味わい深い作品。

    一人ひとりの人間にある歴史と、その人間の営みが絡み合って作り上げられる時代。
    その人間の縁にも色々あって、親子/兄弟/男女・夫婦/師弟/上司と部下みたいに関係性が明確なものから、老人と若者 や偶然寄り集まったひとたちまで…
    人間って愚かだしさもしいけど、愛しくも尊くもあって、それを俯瞰・達観できたら自分自身の人生もまた見え方・捉え方が変わる…かな?
    具体的に何かにグッときた というより、全体の流れとか人間の変化に身を任せながら読み終えた。

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    2025年05月20日
  • 灯台からの響き

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    犬吠埼灯台にいったので気になった本。
    久々の宮本輝作品。
    主人公が灯台巡りに何かにむけていろいろ準備していくところが心地よい。旅に出る、旅の途上ってその面白さもあるとおもう1人。

    まきのの中華そば食べたいなー。
    あと転ぶのは気をつけないとね、ほんと。

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    2025年05月09日
  • 幻の光

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    愛する者に理由も分からず先立たれた女性の嘆きを描く表題作ほか3編が収録された短・中篇集。

    いずれも、「死」や「喪失」が、方言とともに哀しくもしっとりと心に染み入る、そんな作品。
    50年近く前の作品ですが、その時代の空気や情景が浮かぶような、読みやすい作品でした。

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    2025年05月06日
  • 潮音 第一巻

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    ようやく読めました。連作の間が長く空く作者には珍しい三作ほぼ同時発刊ですが、まだ一作目。楽しみに次作を読みます。富山の薬売りの話はこの前読んだところですが、隠密的な政治に巻き込まれても生き残る道を探ろうとする県民性に頭が下がります。次の期待して読みます。

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    2025年04月27日
  • 潮音 第四巻

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    ネタバレ

     今年(2025)、1月の末から配本が始まり、この4月までの三か月、楽しませてもらいました。
     80前の著者が、初の歴史小説に挑むというその心意気たるや。ファンとして期待もあるが、心配も相半ばではあったが、なんとか完走したな、という印象だ。

     いろんなメディアのインタビュー記事や、四巻あとがきにもあるように、著者が、幕末の頃の薩摩と富山の薬売りの密約の存在を知り、清国との密貿易での荒稼ぎが、その後の倒幕の資金源となったという話を膨らませたのが本書。
     かつてない視点と、その壮大な仕掛けに胸躍らせながら読むことができた。

     今さら感も、正直あった。幕末ものということや、宮本輝が歴史小説という

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    2025年04月27日
  • 潮音 第三巻

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    目線の置き方が、いかにも宮本輝さんらしいと感じる。幕末の動乱は、商人から恐らくこのように見えていたのだろう。

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    2025年04月20日