感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年08月19日
冒頭で産まれた仔馬を軸に、様々な登場人物が多重構造になって物語を重ねていく。
馬に関わる人々の生い立ちや心情が細やかに描かれている。
競馬に全く興味がなくてもスラスラと読み進める。
上巻ラストの、突然の事件が衝撃的。下巻は一気読みしそう。
Posted by ブクログ 2022年02月16日
北海道の静内、渡海千造の営む小さな牧場のトカイファーム。
そこへ息子の渡海博正と同い年で大学生の和具久美子が大阪から和具工業の社長であり、父の和具平八郎とともに、今、生まれようとする仔馬を見にやってきます。
生まれてくる仔馬はウラジミールとハナカゲの子のサラブレッドで、のちに和具の秘書の多田により...続きを読む「オラシオン」スペイン語で祈りと名付けられます。
仔馬は平八郎が三千万円で買いとり、平八郎は久美子に隠し子がいるという秘密を母に内緒にするかわりに譲ります。
久美子は父の隠し子の誠が同じ血液型の血縁である父からの腎臓を提供され手術をしないと生きられない病気であると知り、誠の入院先の病院に逢いに行きます。
そして久美子はオラシオンを誠の生きがいになればと思い誠に「譲る」と言います。
平八郎もまた妻には秘密にしていますが、身辺整理を始めます。
博正が久美子に見惚れていると姉に「あの娘はお前の手に負えるような娘じゃないよ」と言われたのは確かにと思いました。
行動力があって世慣れていて、口が達者。でも愛すべきキャラクターだと思います。
他にも子どものいない和具の秘書の多田。
騎手の増谷、奈良などの登場人物がいます。
久美子と誠の義姉弟がどうなるのか。
オラシオンのサラブレッドとしてこれからの活躍ぶりを期待して下巻へ続く。
Posted by ブクログ 2021年05月04日
友人の薦め。ミラクルバード第3戦の描写は圧巻。北海道の牧場や競馬場の情景が目の前に出てくるようで面白く読めた。「ウマ娘。」で競馬を知った人にも読んで欲しいな。
Posted by ブクログ 2020年03月09日
1987年吉川英治文学賞受賞
個人的宮本作品金字塔。
人物の主観が章ごとに変わり2回転ほどする。
どの章も生への執着が強く感じられとても良かった。
Posted by ブクログ 2019年08月09日
面白くどんどん読めた。久々の宮本輝、やっぱりいい。騎手も大変な稼業だな。引き込まれて読んだ。勝ち負けの世界に身を置くのは厳しい。強くないと生きていけない。人間のイヤなところ、汚いところ、あぶり出されています。
Posted by ブクログ 2013年09月09日
言わずと知れたヒット映画「優駿」の原作を、約四半世紀過ぎてから読んでみた。名馬オラシオン(上巻ではまだ仔馬だが)を巡り、様々な人間関係が複雑に絡み合う。宮本輝さんが競馬を愛しているということがとても良くわかる。現在の馬主界とのギャップ(馬の価格など)もヒシヒシと感じる一冊だった。下巻も楽しみ。
Posted by ブクログ 2013年01月04日
言わずと知れた宮本輝の名作。
競走馬を中心にして、さまざまな人間模様が描かれる。
一人ひとりの個性が強烈に出ていて物語の世界観に入り込むことができる。
Posted by ブクログ 2012年12月16日
映像化もされている競馬ファンなら言わずとも知れた不朽の名作。と言いながら、学生時代は野球バカだった自分が、競馬が好きになって、小説が好きになって、競馬の小説ってどんなのがあるんだろう、とようやくたどり着いた作品。
内容は競馬ファンじゃなくても受け入れられていることからも分かるように、競馬が織りなす...続きを読むドラマと人間模様が書かれた文句なしの内容。
この本をきっかけに、宮本輝氏の作品にも多く手を出していくことになりました。
Posted by ブクログ 2012年11月20日
競走馬を絡めたストーリーが面白いということもさることながら、
流暢な文章で描かれた登場人物がとにかく魅力的だった。
登場人物が「生きてる」という印象を強く感じた。
生き生きとしているというよりは、
生々しいという言葉の方がしっくりくる。
一人一人の生に粘度を感じた。
弱さ・欲・汚さ・狡猾さ・滑...続きを読む稽さ。
生きているという事は色々なものを交えて、
こんなにドロドロとしたもんなんだ、と。
未読の方には是非すすめたい。
Posted by ブクログ 2012年10月05日
"恋愛"をテーマとした読書会に持って行こうかと、久々に再読。
軽い復習のつもりだったのですが、ついつい読み込んでしまいました、秋は危険です。
結構忘れているもので、改めて読むと家族愛の要素の方が強いようにも感じました。
ん、一番愛情が向けられていたのは、"サラブレッド...続きを読む"だと思いますけども。
で、"馬(サラブレッド)"に対する想いが、愛情が、これでもかというくらいに綴られていきます。
そして、たまらなく夢を追いかけたくなりますが、冷徹な現実も立ちはだかって。
人の世は有為転変、それでも自分の"芯"を見失うことが無ければ、
どこかで一つに結実していくのでしょうか、"祈り"とともに、、なんて。
多頭立てのダービーの時代ですから、舞台としては大分古いハズなのですが、
今読んでも普通に情景が浮かんできます、東京競馬場のラスト3ハロンなど、たまらない。
そういった意味では、時代をも超越しているのでしょうか、競馬というスポーツは。
そうそう、結局読書会には『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』+αを持参したのですが、
そのどちらでも"社台ファーム"をネタにしているのは、日本競馬界への影響の大きさが伺いしれます。
ノーザンテーストにサンデーサイレンス、今の日本競馬の血統の土台を作ったこの2頭ですが、
ここにメジロマックイーンを加えた、日本の血統の集大成ともいえる馬が、今年凱旋門を走ります。
リアルタイムで見れるかどうかはわかりませんが、"祈り"を込めて結果を待ちたいと思います。
そういえば『風の王』もまだ未読でした、、探してみようかなぁ。
Posted by ブクログ 2012年10月01日
競走馬に関わる人々を描いた群像劇です。
映画にもなりましたが、映画は現実の競馬の映像を使う関係で物語が変わっているのが少々面白かったですね(オラシオン役はメリーナイスでしたので・・・)。
Posted by ブクログ 2012年09月17日
「優駿」:その名のとおり、中央競馬会が発行する雑誌から取った名前である。北海道の小さな牧場で「祈り」を込めて生まれた雄の子馬「クロ」。子馬はすくすくと競走馬へと育っていく。ただ、その出産に立ち会った人々には、暗い影が訪れてくる。その中、「クロ」は「オラシオン」と名を変え、中央競馬会にデビューすべく、...続きを読む調教が始まる。調教師は、100年に1度の名馬と感じられ、自分の年齢も考え、ぜひとも「日本ダービー」を獲りに行きたいと執念を燃やしていく。 オラシオンもその素質と「根性」で勝ち星の取れる「人気馬」として成長する。
しかし、出産に立ち会った人々は、「オラシオン」の(仮の)馬主の電機メーカーの経営危機。また、その家族の希薄な関係、そして、馬主の隠し子の「腎機能低下」による腎臓移植が必要な状況。と、環境がマイナス方向にどんどん変わっていく。「オラシオン」を中心に人々の運命が回され、スパイラル状に下方に沈んでいく。これを打破するには・・・「下巻へ続く」
Posted by ブクログ 2010年12月05日
宮本輝の名作「優駿」。吉川英治文学賞作品であり、映画化もされているので、ご存知の方も多いと思います。
そのストーリーは、読んで字のごとく、一頭のサラブレッドを誕生に始まり、そのサラブレットを取り巻く牧場主や馬主、調教師、厩務員、騎手などさまざまな人々の生き様を描いていく・・・といったものなんですが...続きを読む、後半はストーリー展開がちょっと早い感じもしたけど、おいしいご飯を食べているときのように、とにかく次のページを貪り読みたくなる感じの本でした
その理由は、自分が単に馬好きだから・・・といった単純なものではなく、人間の内面に潜む強さや弱さ、そして人生における「運」や「夢」、さらにそれらを掴むための「勝負」とは何か?そういったことについても深く考えさせられ、読んだ後にものすごく前向きな気分にさせてくれたからだと思います
誰の人生の中でも、その成功と失敗の中に、運や不運という流れは確かに存在すると思います。しかし、その運を手繰り寄せ、不運をより回避していくため・・・つまり成功を掴むためには、自分の長短を冷静に判断し、日頃からたゆまぬ努力を続け、知識や経験を積み重ね、人との繋がりを大切にする…そういったことを地道に継続することが一番の近道なのだと思います。
「チャンスを掴むためには、いざという時、それに応えるための準備をしておくことが大切だ」。学生時代、とある友達がふと言っていた単純な言葉ですが、この本を読んで改めてそのとおりだなぁ・・・と思い返す良い機会となりました。
Posted by ブクログ 2022年11月04日
平成元年以来の20数年ぶりの再読です。
あることをきっかけに2005年以降、宮本輝さんを遠ざけていました。しかし元々は好きな作家の一人だったのです。私のHPで宮本輝を検索すると感想付きが数冊と感想無しが大量に出て来ます。感想付きは2000年以降に読んだ本、感想無しはそれ以前の所有本ですから、2000...続きを読む円年以前はかなり嵌って読んでいた作家さんだったことが判ります。
映画化されているのでご存知の方が多いはずですが競走馬の物語。
賭け事には興味がなく競馬を知らない私でも引き込まれるのは、これが愛憎とか宿命とかが絡む人間の物語だからでしょう。良くある優しいばかり、登場人物が全て善人の物語ではありません。悪人も多いし、善人側にも善だけでなく悪が混ざり混む。主人公の一人の馬生産者の息子だけが真っ直ぐなくらい。ただ気になるのは「善人は悪をなしても善」的な書き方で胡麻化されてるような気もします。
最初は調子が出なかったけど、途中からページが止まらず。さすがの力量という気がします。ただ、どことなく古さを感じました。それは作品のせいか作者のせいか?宮本さんの最新作でも読んでみますかね。
Posted by ブクログ 2020年12月21日
競走馬に纏わる物語。主人公は馬でなく、競馬に関わる人たちの愛憎、触れあいが主題。泥々した人間関係とは対照的に馬の眼は澄んで美しい。2020.12.21
Posted by ブクログ 2019年10月17日
昔映画で観たことのある作品。
競馬のことをよく知らなかったり、主要人物の久美子に共感できなかったりと、読み始めはあまり進まなかった。
しかし、後半からの秘書の多田の内面の描写や、騎手の奈良に起こった出来事のあたりからぐいぐい引き込まれた。
一度は自分の犯したことから堕ちかけた奈良の今後の成長に期待。
Posted by ブクログ 2019年03月04日
雑誌の方の優駿を愛読していながら、こちらは長らく積読にしていた。時代背景もあるだろうがとにかく鼻持ちならねぇ登場人物が多く、上巻に関しては若干イラつきながら読み進めたが、奈良という騎手のパートに入ってからグッと面白くなってくる。
Posted by ブクログ 2016年08月05日
初めての著者で、昔の話だけど面白い!下巻に期待。
にしても、専門性の高い内容なので、自分は全然大丈夫だけど一般の人はどうなんだろとふと思った。
Posted by ブクログ 2015年05月19日
サラブレッドの世界を初めて知った。
そこにまつわるたくさんの人たち。いろいろな思惑。綺麗事ばかりではない現実はたくさんあれど、オラシオンには夢となっていろいろな人に勇気を与えてほしい。
Posted by ブクログ 2014年03月12日
競馬をテーマとした小説の1つとしてTwitterで紹介されていたのをきっかけに読み始めた1冊。
たしかに今となっては古い時代の話ではあるが、それでも物語の世界に惹き込まれながら読み進めることができた。
Posted by ブクログ 2013年11月24日
内容紹介(上巻)
生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように……。若者の祈りに応(こた)えて、北海道の小さな牧場に、一頭のサラブレッドが誕生した。オラシオン(祈り)と名づけられた仔馬は、緑と光の原野のなかで育ち、順調に競走馬への道...続きを読むを歩みはじめるが、それと共に、登場人物ひとりひとりの宿命的な劇(ドラマ)が、幕を開けた――。
内容紹介(下巻)
母の肉は子の肉、子の骨は母の骨なり……。いのちの哀しさ尊さに突き当りながらも、虚無と喧噪のなかで人間の業(ごう)から逃(のが)れられない男たち、女たち。だが、そういう彼らも、いつしかオラシオンの美しさ危うさに魅せられて一体化し、自らの愛と祈り、ついには運命そのものを賭けていった。やがて迎えるダービー決戦――。圧倒的な感動を呼ぶサラブレッド・ロマン。吉川英治文学賞受賞。
Posted by ブクログ 2013年08月22日
競馬の話ということで、最初はとっつきにくいなと(競馬嫌いなんです)思って読み始めたんですが、これがなかなか人間模様が多彩で読み応えありでした。競馬をよく知らなくても十分面白いです。競馬の話はあんまり理解できなかったり、少し主軸の馬が強すぎなのでは? というところがあるので星を一つ引きました。
Posted by ブクログ 2013年06月03日
同僚の書評に魅せられたのが動機。サラブレッドの誕生・育成の過程を主軸に、それに関わる生産者・馬主の人間模様が複雑に絡み合い、ほぼ一気に読破してしまった。ただ、主役の馬のダービー優勝で終わっていたのが、やや物足りなさを残した。しかし、その大仕事を成し遂げたことが、その後のことが全て上手く行くことの暗示...続きを読むと捉えれば、下手に具体化しない方が余韻を残していいのかも?
Posted by ブクログ 2015年06月23日
競馬という賭け事をテーマにしたということ、善玉と思っていた久美子や、多田に癖がありそう、ということが分かって、読むのを止めた。
この作家の後年作はあまり面白くない。
Posted by ブクログ 2015年05月07日
競馬、競走馬に関連するさまざまなことが少しばかり見えてきた。その中で色んな人間模様や人生などがうごめく。幾つかの気になる事がどのように進展していくのか気になる。下巻に期待したい。
Posted by ブクログ 2013年08月21日
いつも競馬を楽しんでいるが、小説では競馬の世界がどのように描かれているか興味があって読んでみた。
この本が出版されたのは1980年代で、その頃の競馬の世界というのはこんな感じだったのかなと思う。馬主と生産者、調教師、騎手それぞれにドラマがあって、競馬の世界の裏側がよく描かれてなかなか面白かった。競馬...続きを読む入門的な解説もあって、競馬をやらない人でも十分楽しめると思うけれど、競馬をギャンブルとして楽しむ人には、面白くないかもしれない。
競馬で金儲けするためのノウハウは書かれていないですから。