宮本輝のレビュー一覧
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ドナウ河に沿って旅をする。
そんな手紙を送ってきた母親を追ってドイツへ飛んだ主人公の麻紗子。
そして、西ドイツの地で、母が17歳も年下の33歳の男性と一緒に旅をしている事を知って驚愕する。
とにかく早く母に追いついて、日本へ連れ戻さなきゃ。
かつての恋人であるドイツ人の男性と共に母を追い、様々な事情から、共にドナウ河を旅することに・・。
上下巻に渡る長いお話しで、舞台は西ドイツ、オーストリア、ハンガリー、ユーゴスラビア、ブルガリア、ルーマニアと6つの国にまたがった壮大とも言える感じ。
麻紗子と恋人、そして母親とその恋人の恋愛を縦軸にして、様々な人々との関わりや、ヨーロッパの国々の風土に影響され -
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幸福物語だというから読み始めた。この頃の私には宮本さんや村上春樹さんの登場人物の動かし方はついていけないことがある。あまりにshockで寝込んでしまったりするのでソフトなのしか読みたくない。夫の残したフランス料理店を切り盛りする美しく若い?未亡人のまわりで起こるもっと若い画家との恋や、おぞましい人間達の店乗っ取りの魔の手。神戸という町らしい国際色豊かな人間関係の中で物語は進んでく。彼女は恵まれてるよ。信頼できる才能あるナイトのような人々に囲まれて。荒木美砂がアビィニョンをほしがるわけだ。幸運・福運のかたまりみたいな人だ。悪は天が許さない。そうだね、焦っちゃいけない。素人臭いのは大成しないという
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戦後の貧しい時代の、大人の振る舞いを、子供目線で語る。貧しいながらより貧しい友達を心配し、苦労する母親を悲しませない気遣い。子供は見ている。自分の記憶も絡んで感情移入をしてしまう。また少年が、友達の姉や母親、自分の母親や初恋相手の同級生が発する匂いから、何かわからない刺激を感じる。これもあったかもしれない。なんとも甘酸っぱい。そして泥の河はお化け鯉、蛍川は密集した蛍、それぞれ作者が描きたいクライマックスへの自然な盛り上がり方。こういう作品は気持ちよく読める。大切な人が何人も死に、生活は不安だらけだが不思議と暗くないのは、いまとあまりに違いすぎるからか。
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宮本輝さん、初読みです。
穏やかで良質な小説を読んだなという感じがした一冊でした。家族間で晩餐会を開くということに驚きましたが、他は衝撃的な出来事が特に起きないのが、かえって新鮮でした。
叔母夫婦が留守の間、中国の四合院作りの家のうちの一棟、倒座房に住むことになった綾乃。彼女の祖母を中心とした物語でした。
その祖母が90歳の記念に晩餐会を開くことになり、その準備を手伝うことで綾乃が祖母の教え子と出会い、祖母の教師としての一面を知ることになります。そして語られた過去で祖母の生きてきた歴史を知ります。
この祖母の徳子おばあちゃんが、凛として気遣いもぬかりなく、とてもすてきな人でした。戦争を経 -
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悲しみを振り返る往復書簡。愛しながら離れてしまった夫婦が、過去と現在を少しずつ知らせ合い、次第に傷が癒されていく。
男女の愛情というものは、人の形のようにお互いの想いの形は少しずつ違っている。すべて都合にいいように理解できるものではない。振り返ってみて避けようがなかったことと、後悔も人生の一部だと受け入れていく。そうしなければ時間は重すぎる。
離婚して10年後、錦秋の蔵王のゴンドラで偶然出会った。二人は言葉の用意もなく分かれた。
こうして先ず女(勝沼亜紀)から長い長い手紙を書く。
(有馬靖朗)は、今の生活を知られたくない。無職で金に追われている。
亜紀はもう分かれた理由は分かっている、それ