宮本輝のレビュー一覧

  • 骸骨ビルの庭(上)

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    さすが宮本輝の作品。ユーモアに富んだ登場人物、それらの難しい人間関係の様子をうまく表現してて、どんどんストーリーに引き込まれていく。
    そして相変わらず、美しい日本語(大阪弁)が秀逸すぎる。
    この勢いで下巻も一気に読んでしまいます。

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    2024年01月17日
  • よき時を思う

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    長い描写のカクテルドレスもタキシードも超一流のフレンチも、結局は断絶を再生に導く序章だったのか、と思えるようになったのはやっぱり歳のせいか。二つの物語の底流に流れる生命の繋がりと縁の重さを感じた作品。

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    2024年01月17日
  • 灯台からの響き

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    久々の宮本輝作品。いつものことながら読み始めると、話の展開と人との繋がりが広がりどんどんと惹きつけられました。
    なぜ「神の歴史」に挟んだのかは明かされず。

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    2024年01月14日
  • 森のなかの海(下)

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    下巻は時代背景などの話もあり少し時間がかかってしまった。
    だが、知らない間にページが進み時間が随分経っているという感覚だった。
    落ち着いた良い時間を過ごすことができた。

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    2024年01月02日
  • 錦繍

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    なにを思ったか約20年ぶりに読み返した。

    いつのまにか自分が主人公たちと同じ年になっていた。

    手紙形式で話は進み、とにかく言葉が美しい。

    ああ、生きるとはなんと辛いのだろう。

    話は決してハッピーエンドではないけれどそれでもお互いがそれぞれの人生を意を決して進みはじめる場面で終わる。

    それは希望に満ちた場面とも読み取れる。

    亜紀の父の「懐かしい字やった」。
    ここが私の感涙ポイントでした。

    人生は思い通りにいかない。それでも生きていく。

    それを思い知らされる本だった。

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    2023年12月30日
  • 青が散る(下)

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    読み終わって、もうこの登場人物たちとは会えないのかと思うと寂しくなる、そう思わせる読後感を与える物語こそ、最高の作品だと思う。
    大学4年間はあっという間だと感じさせる。疾走感がそこら中に散らばっている。大きな出来事は起こらないが、多くの出来事を通して絆を深めるテニス部の部員たち。恋に部活に全力な主人公たちに嫉妬してしまった。
    そして、新装版に追加された、森絵都さんの解説もよかった。

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    2023年12月30日
  • 青が散る(下)

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    結構古い作品ながら、それを感じさせない瑞々しさが漂っている。若い時ならではの澱みが魅力的。
    中でも、ラストが切なくてとても良かった。

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    2023年12月30日
  • 森のなかの海(上)

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    相変わらず宮本輝の本は、季節も、景色も、味も、香りも、全てを共に体感する事ができる。
    終始落ち着いて共に考えながら読み進める。
    それなりにストーリーは動くし、登場人物も今回は多めだが、なんだか静かなんだよなー。
    音は自然が奏でるものだけ。
    私は何をする時にも音楽をかけるタイプだが、宮本輝の本にはそれは邪魔になる。
    下巻も雪が積もる音だけを聞く様に読み進めよう。

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    2023年12月26日
  • 私たちが好きだったこと

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    ひょんなことから男女4人が同居することになり、紆余曲折の末、解散する。他人のために手助けするのが好きな4人。時には憤ることはあっても、自ら気持ちを鎮静化させる。別れても絆は残る。自立し一皮むけた中年になっていく。2023.12.21

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    2023年12月21日
  • 地の星―流転の海 第二部―

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    男と女みんなスケベ。スケベに始まりスケベで終わる。スケベが人生を狂わせる、そんなスケベ劇場に心震えます。人類が誕生してから何一つ変わってないんでしょうね。正に不◯倫は文化と言う世界。石田純一さんお元気でしょうか、神田正輝さんも心配です。

    正に課長島耕作ワールド。

    因みに昭和30年ごろの金沢大学が舞台になったシーン、もちろん城内キャンパス、学生時代の風景が目に浮かびました。

    まだまだ続きまっせ!(オモロー!

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    2023年12月20日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―

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    やはりスケベ。スケベが歴史を作る。そんな世界観がサイコー

    所々に松坂熊吾のいいセリフがあるんですよ。
    これ、今のビジネスにも使える良い台詞。そしてやっぱりスケベ。
    まだまだ読むでー!

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    2023年12月19日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    富山の大自然の中、また、京都の伝統ある町屋の風景の中、様々な登場人物の心情の変化などに触れて、優しい気持ちになる素敵なお話でした。そして登場人物たちがこれからも幸せであってほしいと思います。

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    2023年12月10日
  • よき時を思う

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    宮本輝さんの本を初めて読んだのは学生時代、錦繍とかすごく大人になった気がしたのを思い出した。
    この本も何というか、とても上質な感じ。登場人物も、晩餐会という設定も、料理や建物や会話、すべて。
    四合院造りの建物も想像するだけでわくわくした。
    綾乃と先輩の関係もよかった。
    起承転結は曖昧だけど、それを上回る宮本輝さんの世界という感じ。

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    2023年12月06日
  • いのちの姿 完全版

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    ネタバレ

    作者あとがきより
    「小説にしてしまうとあまりに小説になりすぎる」という思い出や経験を……「これ以上書くと創作の領域だというぎりぎりの分水嶺あたりをうろつきながら」書かれたそうだ。

    書かれたもの総て「いのち」にかかわること。
    「いのち」とは? 命でも生命でもなく。
    前のエッセイ集は「命の器」
    「どんな人と出会うかはその人の器次第」と書いてあった。
    これはグサッと刺さる。

    解説の行定勲監督は 
    「どの登場人物にも嘘がないのは、「どれだけの人生に触れ、そのどの急所に目を向けてきたか」にあると思う。」
    「真実は一つではない。その出来事のどんな側面に何を感じるかで違ってくるという宮本さんのものの見方

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    2023年12月05日
  • 愉楽の園

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    宇賀さんのエッセイ、「じゆうがたび」の中で出てきた本書、気になって読んでみた。
    情景描写なのか?ストーリーなのか?
    読んでいても終始、熱帯特有の湿度がまとわりつく感じがします。
    面白いです。

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    2023年11月20日
  • 螢川・泥の河

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     2篇とも死や不幸や性の目覚めが少年の目を通して描かれている。それらは劇的ではないが主人公に影響を与える。登場人物の日常が微かに変化していく様子が、美しさとうら寂しさを感じさせる季節や街の描写と相俟って妙なる調べとなっている。この作者の事物の描き方捉え方は自分の好みかもしれない。

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    2023年11月13日
  • 草花たちの静かな誓い

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    宮本さんもこんな感じのミステリというかサスペンス仕立てのものを書くんだー、というのが最初の感想。

    が、しっかりと宮本さんのテイストだった。

    良い作品と思うが、一つだけあるのはジェシカという登場人物の描き方が今ひとつな気がする。

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    2023年11月03日
  • 水のかたち 下

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    日常を起点としながらも、スケール感のあるストーリー展開。
    明るくあっけらかんとした主人公の人柄に惹かれた。

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    2023年10月21日
  • 錦繍

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    ネタバレ

    かつては夫婦であったが、壮絶な出来事により離婚した男女、有馬と亜紀。
    秋の紅葉深まる蔵王で偶然再会し、手紙のやりとりが始まる。

    最初は謎が多く、それぞれの性格を探りながら読む形となるが、次第に離婚の事情とその後辿ってきた厳しい人生が明かされていく。

    生きていても虚無の中で生活していた亜紀。
    「生きていることと、死んでいることとは、
    もしかしたら同じことかもしれない。」
    亜紀の苦しい心情に共感し、何とか立ち直って欲しいと願う一方で、破れかぶれに生きている有馬には、甘さを感じ怒りすら抱く。

    手紙のやりとりを通じて、お互いの過去の事実を知り、今を見直し、未来を変えていく事になる。交わる事のない

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    2023年10月14日
  • 螢川・泥の河

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    『泥の河』では高度経済成長期間近の大阪の雰囲気を感じることができる。
    小学生や中校生といった多感な時期特有の葛藤を2作品では見事に表現されていると感じた。
    『泥の河』で出てきた巨大な鯉ってどんなものなのか想像しながら読むと少し面白かったです。
    廓舟で生活する母と2人の子どもが、次の場所では平和に過ごせることを祈るばかり。
    『螢川』は文句なしの面白さ、これこそ昭和の純文学という感じ。最後の螢が一面に飛んでいることを描写する文章が美しい。一昔前はこんなにも螢が多く綺麗だったのかと思いながら読み進めた。

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    2023年10月13日