【感想・ネタバレ】草花たちの静かな誓いのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年11月09日

 久しぶりに宮本輝さんの本を読みました。私のおススメの作家さんの一人です。私が勝手にイメージする宮本輝さんの本に登場する主人公は、①それなりの教養を備えている、②運を持っている、③自分を引き上げてくれる出会いや人とのつながりがある、の三つかな。なのですごく羨ましくて、自分もこんな人物になれたらいいな...続きを読むと思いながら読むことが多いです。
 「草花たちの静かな誓い」は、もし読者が宮本輝さんについてなんの予備知識も無しに読むことになったとしたら、たぶん「ミステリーかな?」と感じてしまうかもしれません。でも本のタイトルはミステリーっぽくなくて「あれ?」と思うかも。そこが宮本輝さんらしいのですが。
 この本のメインテーマではないですが、ゲンとニコがこれから創ろうとしている新しい会社のポリシーは「働いている人たちが幸せになること」です。多くの経営者にも読んでほしい一冊ですね。
 私も今日から草花たちに話しかけてみようかな...

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月21日

泣いた。
読んでて本を伏せたくなるような辛い場面もあったけどキクエさんの娘を思う強さと優しさに胸が熱くなった。
娘さんを逃した後結婚生活を続けるところも、どうしてと思う反面、
娘と娘を引き取ってくれた夫婦に危害が及ばないよう、事件の波風がたたないようにすることと、夫を監視するためだったんだろうなと思...続きを読むうとすごく理解できる。

私自身、3歳の娘の子育て中で子どもを手放すことがどんなに辛いことかわかるので、キクエさんの英断の凄さがわかる。

最後空想で美しい庭の中でのキクエさんと娘さんの抱擁が描かれるがそのシーンで涙が止まらなかった。

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Posted by ブクログ 2023年07月06日

ロサンゼルスでの豪邸と偉大な遺産を残し、
叔母の遺言を引き受けることになった主人公が、
亡くなったと思っていた従妹が実は行方不明になっていることを知る。

たくさんのハーブや花が咲き乱れる庭とベランダにかけたガーベラの鉢。
鉢は毎年一つずつ増やすように庭師に依頼していた。
謎を調べていくうちに叔母と...続きを読む従妹の秘密が明かされていく。

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Posted by ブクログ 2023年01月15日

カリフォルニアの景色を思い浮かべながら読み進められた。宮本輝さんは実際に行ったのかな?

話は失踪した従姉妹の事が徐々に明らかになっていく事を軸に進められいる。
最後までドキドキしながら読み進める事ができた。

宮本輝さんの作品にはシチューだとかスープで商売を始める描写が多いのですが、今回もありまし...続きを読むた。
流転の海を読み、宮本輝氏の生い立ちの中で飲食業で成功する為に試行錯誤をしたという描写があったので時々作品に出てくる意味がわかった気がする。

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Posted by ブクログ 2021年09月14日

ミステリだと思い手に取った。想像していた内容とは違っていたのだが、とても良い一冊に出会えた。

すっと物語に惹き込まれ、社会の光と陰を覗き見た気がした。ストーリーの展開に想像はついたのだけれど、それでも彼らの感情や行動を見守らずにはいられなかった。
人間の表と裏、愛と憎しみ、尊敬と失望。時には人間で...続きを読むはないものに助けられながらも、人は人と関わって生きていく。

秋の高い空に、青すぎる彼の地の空を重ねてみたりした。

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Posted by ブクログ 2021年08月21日

高校受験勉強時の問題集で出会った螢川に衝撃を受けて以来、ずっとファンです。この作品もやっぱり自分の中にスッと入ってくる文章、楽しめました。ミステリーとして読むと、もしかすると「?」となるかもしれませんが…

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Posted by ブクログ 2020年08月05日

ある日突然、莫大な遺産が転がりくむことになった小畑弦矢の心の動き、そして急死した菊枝・オルコットとの関係・人生が簡単に紹介された後、6歳の時スーパーで行方不明となったレイラ・ヨーコ・オルコットのこともその時の事実関係が書かれていた。
 本来、娘であるレイラが相続するべきものであるとの思いから、弦矢の...続きを読む取った行動、心の動きが描かれ、彼と接触する様々な人間の事もうまく描かれていた。
 とにかく読みやすいタッチで、ロサンゼルスの風景・歴史・風土・食べ物のことなど詳細に描かれていた。
 今後長い付き合いとなるニコライ・ベロセルスキーのナイスガイぶりもいい感じでした。日本とアメリカ・カナダを跨ぐ人間模様、人として生まれ、人生浮き沈みがあるのだが、心優しき人々に見守られながら人は生きていくのだの改めて考えさせられました。
 宮本輝さんは私より三学年上で、大阪出身の方です。ひょんなことで追手門学院大学の彼の文学館を訪れ読むようになったのです。
 同年代・関西人でとっても親近感がある作家です。

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Posted by ブクログ 2020年07月25日

宮本輝の本を久しぶりに読んだ。すんなりと入ってくる文章であっという間に読み終わってしまった。
宮本輝の作品に出会ったのは『約束の冬』
内容もとても面白いけど、そこに出てくる小物遣いにも興味が湧いてくる。
『約束の冬』では葉巻、『草原の椅子』では焼き物、本書では本格スープと庭の花々。まるで自分がそうい...続きを読むった品に詳しいような気になってくる。
派手なストーリー展開はないけど、巧みな情景描写でその世界にどっぷりと浸らせ、穏やかで優しい気持ちにさせてくれる宮本輝の作品が大好きだ。

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Posted by ブクログ 2020年07月19日

中盤から予想はできていた結末でしたが、やはりそのことの不愉快さに胸がカッとなりました。
彼女をそれから守ることはもちろん、自分の醜い感情からも守らなければならなかった気持ちが悲しい。
宮本輝さんの本は自分の日常とはあまりにかけ離れていてもすんなりその世界に入り込める情景描写で大好きです。

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Posted by ブクログ 2023年11月03日

宮本さんもこんな感じのミステリというかサスペンス仕立てのものを書くんだー、というのが最初の感想。

が、しっかりと宮本さんのテイストだった。

良い作品と思うが、一つだけあるのはジェシカという登場人物の描き方が今ひとつな気がする。

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Posted by ブクログ 2023年02月12日

クレバーな登場人物たちが
解いていく謎

少しショッキングな謎解きではあったけれど
みんながいい方へ進んだ

作者の落ち着いた文章が本当に好き

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Posted by ブクログ 2023年01月08日

作者の小説を読むのは初めてだったが、好きな作風だなと感じた。落ち着いた時間の中で読みたいような。
文章の言い回しには違和感があるけど、それがこの作者の味なのかな。

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Posted by ブクログ 2023年01月06日

主人公が大きなうねりに巻き込まれる内容とは対照的に物語は淡々と静かに進み、自分がそこで暮らしているかのように場面がきめ細かく描かれる。大きな感動やワクワク感は少ないが吸い込まれていく不思議な感覚だった。

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Posted by ブクログ 2022年05月12日

宮本輝的な、少し屈折してて、俗っぽさもあって、人が良い青春を拗らせてる男子が、大人になって現代で生きてたらこんな感じなんだろなと思った。

ミステリ的要素を期待せず手に取ったので、思わぬ展開に楽しんでしまった。

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Posted by ブクログ 2021年10月10日

映画を見終わったような読後感の一冊です。

アメリカに住んでいた叔母・菊枝が日本旅行中に亡くなり、突如莫大な遺産を相続することになった小畑弦矢。
諸々の手続の為、ロサンゼルスにある叔母の家に向かいますが、そこで27年前に死んだと聞かされていた叔母の娘・レイラが行方不明だと知らされます。
レイラは生き...続きを読むているのでしょうか?そして生きているとしたら何処に?そもそも何故、死んだとされていたのでしょうか・・?弦矢は探偵のニコと共に謎の解明に乗り出します。
・・と、あらすじだけ見るとミステリのようで勿論その要素もあるのですが(“探偵”も登場しますしね)、描かれているのが宮本さんだけに、やはり“ヒューマンドラマ”が軸となっている印象です。
主人公の弦矢は、アメリカの大学院でMBAとCPAを取得していて、英語はペラペラ、計算もスラスラの秀才なのですが、すごく気さくないい奴です。
一緒にレイラの謎を追う探偵のニコも、ちょっとクセはありますが頼りになるオジサンで、この二人の関係性も心地よいですね。
レイラの謎の真相は結構深刻で、これを27年間抱えてきたかと思うと壮絶なものがあります。
でも、物語としてそんなに重さを感じさせないのは、弦矢の人柄や、菊枝叔母さんの庭の花々の美しさ、そしてストックされていた菊枝さん手作りのスープの美味しそうな描写が癒してくれるからかな、と思います。どちらも丹精込めて作られたもので、それらを弦矢が受け継いでいく・・そんな未来が見える終わり方が素敵ですね。
そして、本書の舞台となっている、ロスの高級住宅街・ランチョ・パロス・ヴァーデスを一度訪れてみたくなりました。

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Posted by ブクログ 2021年08月05日

莫大な遺産を相続するという羨ましい設定であるけれど弦矢のキャラクターもあり忘れてしまう。突然亡くなった叔母が残した謎を解いていく過程と相棒のニコとの信頼関係を築くまでをワクワクしながら読みすすめた。ラストのキョウコの真相告白はじっくりと読見応えあり全て明らかになりスッキリした。それにしても凡人には理...続きを読む解しがたい遺産を今後どのように生かしていくのかきっとビジネスは成功するだろう。

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Posted by ブクログ 2021年07月22日

最初は難しい話なのかな?と、思っていました。
読み始めると中盤から引き込まれました。
他にも宮本輝さんの作品を読んでいこうと思います。

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Posted by ブクログ 2021年03月11日

亡き叔母の莫大な遺産と秘められた謎。

アメリカに住んでいた叔母が修善寺で亡くなり、突如、4200万ドルもの莫大な遺産を相続することになった弦矢。ロサンゼルス郊外にある叔母の家に向かったが、そこで白血病で死んだはずの叔母の娘・レイラが行方不明だと知らされる…。
27年もの間、叔母が秘密にしていた事実...続きを読む。弦矢はレイラを探します。壮絶な内容なのに、なぜか穏やかに読める。宮本輝さんの小説は不思議です。


舞台になるランチョ・パロス・ヴァーデスはロス郊外の超高級住宅地で美しい紫色のジャカランダが咲き乱れる町。この背景にも惹かれます。
場所と花をググりました。行ってみたい!

美しい情景と繊細な人物描写で、
どっぷりと物語に飲み込まれていきました。宮本輝さんの小説、好きです。

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Posted by ブクログ 2021年02月24日

導入部分が長く、どういう主題の物語なのか掴むまではやや冗長だが、物語が動き出してからはテンポがよく、見事に引き込まれた。
話の核となる誘拐の原因は不愉快でしかなかったが、物語自体はきれいにまとまっているし、最後は未来に向かっていくので読後感は悪くない。
宮本輝氏の作品は、どんな展開であろうが最後は納...続きを読む得できるので安心して読める。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月04日

この分野には聖地巡礼という概念が無いのか 
モデルとなった豪邸が見つからない。

検索して出てきた豪邸は 私が想像する家とは全く違う物だった。 
これなら ロサンゼルスの郊外 ランチョ·パロス·ヴァーデスの明るい風景と合わないことはない。
しかし重厚なマホガニーと石材でできた豪邸は周りの風景とは不似...続きを読む合いな気がするのだ。

相続問題に関わる面倒ごとと 庭や周辺の街の明るさとが
相容れないように。 


草花たちの静かな誓いとは?

言葉をかけ続けると植物は綺麗に咲くとか 水の結晶が美しくなるとかよく聞くけれど
実行者の心を穏やかにするのだろうと思う。それは作業の丁寧さにつながる。
スープ作りは時間がかかり 自分を見つめることとなる。
そうして 顔が映るほど澄んだスープができるようになるらしい。


読みながら思い出していたのは
グリム著『眠り姫』

オーロラ姫を守るため生い茂った茨のように 弦矢の噂話をしているのか?

辰巳芳子著『あなたのために〜いのちを支えるスープ』

イアンに対する思いが変わったかどうかは判らないが
イアンの命を永らえさせ 

弦矢に新たな生き方を見つけさせ
レイラを…
葬り去られたようなレイラを蘇らせる。

終盤に近づくにつれ 夜明けに沸き立つ金色の雲のように レイラが燦然とかがやきを増してくる。

聡明そうな彼女は総てを察知しているような気がする。


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Posted by ブクログ 2020年08月05日

長いです。 登場人物の過去や設定などがずっと語られます。 話のメインは誘拐事件なのですが、 そこに至るまでの展開がちょっと冗長です。 事件の真相に迫っていく過程はスリリングでとってもドキドキします。 原因はある程度途中で予想がつきますが、 実際読んでみるとやはりショッキングです。 ラストやその後の展...続きを読む開は読者の想像に任せるタイプ。

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Posted by ブクログ 2023年10月27日

第一章の導入部分がだらっとしていて読み進めるのに時間が掛かった。
叔母さんの死や従姉妹の失踪の真相を探るドキドキの展開かと思いきや、淡々と淡々と最後まで描かれていて、主人公の喜びや驚き、感情が伝わらず、可もなく不可もなくという読後感だった。
また、地図が苦手な私にとっては、通りの左向かいとか、この北...続きを読む側を行くとこの道に出る、とか行った描写が多用されていて位置関係が想像し辛かった。
アメリカに馴染みのある人には面白いかもしれない。
巨万の富を得るという体験を少し味わえた。

叔母の菊枝はレイラがいなくなった後どう夫のイアンと最後まで過ごしたのだろう。
菊枝と菊枝の兄(弦矢の父)はどうしてそこまで関係が最悪だったのだろう。
キョウコとケヴィンがメリッサに告げた後はどうなっただろう。
謎も残った。
弦矢とニコのスープ屋さんはきっとうまく行くだろう。

ジャカランダの花は検索してみたら本当に紫の桜という感じで綺麗だった。

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Posted by ブクログ 2023年02月03日

【2023年21冊目】
ある日突然莫大な遺産を相続することになったらーー?思わぬことになった主人公にゆるゆると降りかかる未知の出来事の数々。終始困惑しながらも、着実に前に進んで真相に近づいていく様子を、こちらもページをゆっくりとめくりながら追いかけました。

草花の美しさと対比するような真っ黒な事実...続きを読むも明らかになるものの、結末は決して後味の悪いものではなく、未来を見据えた終わりになっているのが良かったです。

ニコ、私も一緒に仕事してみたいなぁ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月07日

なんか読んだ記憶があるな。。。と思いつつ読み進め、さて、真相解明、となってまさに読んだことあったわ、と思い出す。

アメリカカリフォルニアの豪邸街、アメリカの生活、を、描きたかったんかな、という感じの作品。

真相が本当にそうであってほしくなかった、という嫌な真相なのが、玉に瑕で。

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Posted by ブクログ 2022年07月01日

描写が豊かなのでお金持ちになった気分が味わえた。
内容は想像してた通りだったけれど、ありえる?と思いながら読んだ

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年06月11日

菊枝はなぜ最後までイアンと添い遂げることができたのだろうか。娘への愛情、イアンへの愛情、揺るがない強い意志を貫き通した菊枝の生き方に 良くも悪くも思いを巡らせた。

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Posted by ブクログ 2022年05月25日

推しグループのメンバーがジャカランダの話をしていたので結構前に読み終わったのを思い出して記録。
西海岸に行く用事に合わせて読んだ。可もなく不可もない話だったけど、現地の空気が感じられるのはよかった。西海岸で暮らしていた頃は知らなかったけれど、その後私の人生のゴールデンアワーを過ごしたリスボンで出会っ...続きを読むたジャカランダだったり、いままさに勉強している資格の話が出てきて、たまたま手に取った本が私の人生で出会うべき本だったと感じられる不思議な体験でした。

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Posted by ブクログ 2022年03月04日

半分くらいまで物語の大筋に関係ないスープや花の話で長く感じた。そういう作風だったのか。急展開があるような感じではなく、新生活の中で徐々に真実が明らかになっていく感じ。また普通に読めた。

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Posted by ブクログ 2021年11月27日

久々の宮本輝です。
昔ほど浸ることができないのは年のせいもあるのか…
「ドナウの旅人」の影響でを卒業旅行先にドナウ川を選んだほど、かつては宮本輝の、特に海外を舞台にした小説や紀行文に影響うけました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月05日

ロスという土地自体の描写、ロスで知り合う人々の描写が多い。伏線か!?と思って読み進めても伏線じゃないことが多かった。話自体はシンプルだと思った。

キクエおばさんは自己犠牲という言葉がよく合う。自分に関わった人にいろんな形の幸せを与える人だと思った。(レイラ然り、キョウコ然り、イアン然り) 自己犠牲...続きを読むの上に張り巡らせた、レイラを取り巻く糸が一瞬も緩むことがないことがおばさんにとっての幸せだったのだろう。
もし弦弥が自分の子供だったら、自分の子供が男だったならと思ったこともあったのではないかなあ…


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