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Posted by ブクログ
平成28年9月
主人公の人生が平凡だったものから変わっていく。
その中で主人公の中にあるものは変わらず大切に一滴一滴の力を大切に。
ファニー(偽物)が世界を席巻している時代。
偽物、まがいもの、うらっつらだけ。そういうのに人間は騙されやすい。
一丈のほりを越えぬもの、十丈二十丈のほりをこうべきか
一丈の幅の堀を越えたら、一気に十丈二十丈がやすやすと越えられるようになる。その一丈の堀を越えてみることが大切。
この本を上下と読んで、
やっぱり人生って難しいね。自分も今、40になろうとしているところで。この主人公と同じように、今までの自分の人生って何だったんだろう、ヘイヘイボンボンと生きてきて、このまま死んでいくのか。
主人公のように何かがおきた時それを勇気を出してやってみる。偽物ばかりの世の中で本物を大切にやってみる。一滴一滴の食い込む水の遅い静かな力を!!
Posted by ブクログ
ごく普通の生活をしていた主婦が人との繋がりによって自分の幸せを広がっていく、ありそうでありえない物語の後編。
主人公は自分の力で引き寄せたのではない様々な事柄は、その生き方によって、自ずと引き寄せられていく、その生き方は相手に合わせて変化しながらも、結局は変わらない信念のようなものによって繋がっていくのだと伝えてくる、そんな話だった。そうした生き方を表したタイトルの言葉は、作者の思いが込められているのか、まあわかるような、そうかなぁというところもありか。
朝鮮半島からの過酷な脱出の物語は、ストーリーの中で重要な要素ではあるけど、これはこれで別の話の方が良かったのではないかなとも思う。
作者あとがきには、善き人たちの繋がりというテーマに欠かすことのできない無名の庶民の力を盛り込んだとあったが、そんな逸話も含めていろいろなストーリーが繋がっていく面白さがあった。
Posted by ブクログ
ロダンはいう「石に一滴一滴と喰い込む水の遅い静かな力を持たなければならない」
水には、そんな力強さがある。
志乃子は、「私は水の流れに乗って、それに身を任せて今日まできたと思っていたが、そうではないのだ。流れとともにかたちを変え続ける水に沿って生きてきて、今日の自分というものを得たのだ。どんな尖った細い難所でも、水はそのかたちになってくぐり抜けていく。私も水のかたちと同化して、微笑みながら難所をくぐり抜ける」
志乃子には、春のひだまりのような柔らかさがある。
志乃子は、ヒビが入った古備前の壺を見て、5万円で購入する。それが、実際には300万円で売れたのだ。志乃子には、本物を見分けるセンスがあると三好老人はいう。そして、病気のために閉店となっていた喫茶店グールドで、骨董品を売りながら、喫茶店を任される。
また、手文庫からは、手紙とリュックサックが見つかり、その持ち主が横尾文之介。北朝鮮から日本脱出する時の手記だった。彼は自分の家族だけでなく、150人近くの人を脱出させようとした。その脱出した時の女のお腹の中に子供がいた。それは、志乃子の息子が就職した美容師の兄だった。人々は繋がって、それぞれの幸せを追い求めていくのだった。
志乃子、美乃、沙知代。アラファイブの女たちの活躍を祈る。
ある意味では、北朝鮮脱出劇などは、戦争体験の人たちの語り継ぐ物語だ。1947年生まれという戦後世代の作者が、父親や母親が潜ってきた物語を受け継いでいる。私の父親は大正15年生まれ。よく考えたら、父親の戦争経験を全く聞かなかった。お爺は、明治23年生まれ。お爺とは、一緒に生活したけど、戦争の話をしたことがなかった。なぜか、今頃になって、そのことが残念だと思う。
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