宮本輝のレビュー一覧
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ネタバレ読む前
愛し合っていた2人が、ただすれ違って誤解してしまったがために離婚したけれど、手紙を通して再び相思相愛になる話
なのかなと勝手に思っていた
でも読んでみたら、思っていたよりもちゃんと不倫していたし、有馬さんは思ってたよりもダメな男やった
お勧めしてくれた方がこの本を読んだ感想として、「ちゃんと言葉にしないとすれ違う」というようなことを言っていたからこそ、そう思ってたのかも?
その意味を、ただ「事実を伝えること」みたいな意味合いで受け取っていたのだけど、この小説を読んでみて、実際にあった出来事は受け止め方に差はあれど大きな変わりはなく。
でも「お互いがしっかりと本音を伝え合うこと」で、 -
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錦繍とは、錦(美しい織物)のように鮮やかで美しいさまを指します。転じて、美しい紅葉の比喩。
元夫婦二人の手紙のやり取りによる、過去、現在、そして選択される未来。
過去の話は湿っぽい感じ。だけど、令子さんが出てきてからが本当に爽やかで素敵だった。
一番好きなところは、令子が手紙を読んで、この女の人が好きだと言うところ。愛だねありゃ。
お父さんと亜紀のやり取りもとても好きだった。やり手の社長が不器用に娘の背中を押すのが良い。
どうして錦繍と題名につけたんだろうと考えた。私の答えはね、生きている中で訪れるターニングポイントで出会う美しいもののことだと思う。まさにこの手紙たちのこと。モーツァルト -
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まだ何者にもなれない若い苗木達
それを支える為に添え木になる人生の先輩達
この物語には何度も「三十年」と言う言葉が出てくる
「十年でやっと階段の前に立てるんだ。二十年でその階段の三分の一のところまでのぼれる。三十年で階段をのぼり切る。そして、いいか、のぼり切ったところから、お前の人生の本当の勝負が始まるんだ。その本当の勝負のための、これからの三十年間なんだ。そのことを忘れるんじゃないぞ」
何事にもせっかちだと言われ、すぐに答えを求める今の若者にはなかなか理解できない言葉かもしれないなぁ…
今日は10月8日
実は三十数年目の結婚記念日です♡
長いような短かったような…
支える添え木が -
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女にも逃げられた無職の若者に手をさしのべたのは、金貸しの老人だった。若者の再生を通して人生の意味を感動とともに描く巨編。
何も知らずに宮本輝
おびさんの「泥の河」の方ね
上下巻で700ページ弱…
初めての宮本輝には丁度良い長さ♪
文章が関西弁…京都弁か。
心地良い文体と激烈な出来事が起こることもない
青年と金貸老人のやり取り
上巻読み終えるのに何度も睡魔に負けた笑
つまらないからじゃないのです!
面白いけど眠くなるって初めて!
宮本輝マジックか( ̄▽ ̄)笑
さあ坪木仁志よ!
気合い入れて働いて働いて働いて働いて
叱られて叱られて叱られて叱られて
30年後のお前を見せてくれ!!
下巻へ -
Posted by ブクログ
元夫婦の勝沼亜紀と有馬靖明の間に交わされる往復書簡で構成される恋愛小説。文体からも内容からも昭和の時代を感じさせるが、丁寧な言葉遣いに相手を慮り、敬い、愛おしく想う気持ちが溢れ出る。
別れることになったいきさつ、別れてからの苦悩、それぞれの道での苦難や心の動きなどを手紙で相手にどのように伝えるか、伝えたい気持ちと伝わってほしくない気持ちの揺れ動きにもしみじみとさせられる。
古い文体だからと言ってけっしてわかりにくいことはなく、すんなりと心に響くのは自分が昭和の人間ってだからこそだろうが。これは昭和を代表する男優、女優の語りで聞いてみたい。