宮本輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2007/02/05 Mon
知人から貸された本w
宮本輝は初めての挑戦です。
茂樹と美花の異母兄弟?が、その真相を追い求めていく。
どうなの??どうなるの??と思いながら読んでたら、あっという間に上巻を読み終えてしまいました。
最初から「やばいなぁ」とは思っていたけど、やっぱりって感じ。
1つ気になった点。
渡辺淳一を読んだ後なので、こういう疑問が出ると思うのだけど、渡辺淳一の本では「射精そのものの快楽は相手によって違わない」とあったけど、この本では茂樹が「かつて味わったことのない、痺れつつのけぞるような快感」を感じている。
背徳がそう感じさせるのか、本当のところどっち??という感じだった。これは議論の余地アリ。
下巻でどうなるのか、早く読み終えたい!!! -
Posted by ブクログ
これぞ宮本輝の世界!!
あくまでも私の中での宮本輝さんのイメージですが。
久々に大満足。
特別哀しいできごとがある訳でもなく、ごく普通の日常(多少のゴタゴタはあるけど)が描かれてるだけなのに、なんだか泣けた。
読み終わって幸せな気持ちになれた。
もしも10年前に「10年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」なんて手紙をくれた高校生が自分の目の前に現れて、しかも今でも想い続けてくれてたら、それってすごいドキドキだよなぁ。
いい年して私ってばまだ「白馬に乗った王子様」思考があるのかもしれない。。。
宮本輝さんは「日本という国の民度がひどく低下している」って感じてこの本を書いたそうだ。
だから登場人物がみんな、優しくて誠実で大人で愛に溢れてるんだ。
こんな人たちに囲まれて生きていけたら幸せだなぁって思った。
んま、まずは自分が、優しくて魅力的な人間にならなくちゃね。 -
Posted by ブクログ
幸福物語だというから読み始めた。この頃の私には宮本さんや村上春樹さんの登場人物の動かし方はついていけないことがある。あまりにshockで寝込んでしまったりするのでソフトなのしか読みたくない。夫の残したフランス料理店を切り盛りする美しく若い?未亡人のまわりで起こるもっと若い画家との恋や、おぞましい人間達の店乗っ取りの魔の手。神戸という町らしい国際色豊かな人間関係の中で物語は進んでく。彼女は恵まれてるよ。信頼できる才能あるナイトのような人々に囲まれて。荒木美砂がアビィニョンをほしがるわけだ。幸運・福運のかたまりみたいな人だ。悪は天が許さない。そうだね、焦っちゃいけない。素人臭いのは大成しないというのが宮本さんの持論だろうか。厳しいのぉ。'92
小説らしい小説というか読んで面白い本というか落ち着ける雰囲気を求めて読み返してしまう本。一生懸命に生きる人が幸福にならなければ小説なんか読む意味がない。'93 -
Posted by ブクログ
幻の光
尼崎に住むゆみ子が、全く動機の分からない夫郁夫の自殺に深く傷つきながら能登へ嫁いでいく話。
是枝監督の映画を見て、いたく感銘を受けて、どうしても原作を読みたくて珍しく新刊で買って読みました。
映画は原作の基本的なエピソードを抑えつつ、うまく膨らませていましたが、原作はほぼゆみ子のモノローグのみで構成されていて、最後の民雄の一言も映画のようにではなく、もっと何気ない感じに呟かれていて、これもこれで、と思いました。
ただ、テーマ的には映画の方が伝わりやすい。というか是枝監督の解釈がかなりしっくりくるよな、と思いました。
夜桜
離婚して十数年経つ女性が息子を失って1周忌のころ、2階の息子の部屋を貸し出したところ、若い男が一晩だけ貸してほしい願い出てくる。
なんというか、神戸のあの辺の超高級住宅に住むバツ1女性の心理というのがいまいち入ってこず、間借りを申し出た男の動機もいまいち理解できず、なんか変な人ばかりが出てくる小説だった、という印象でした。
こうもり
高校のころ、コンスケと呼ばれていた男が不倫旅行に出かける途中に偶然昔の同級生に呼び止められ、同じ同級生で不良だったランドウの死を知らされ、当時の記憶が蘇る。
ランドウの描写もなんか納得できて(あんな感じに自分のお気に入りを作るやついるよな)、その後ランドウが童貞を捨てに大阪の下町を歩いていく時の暑苦しさが伝わり、ちょっとしみじみと読んでしました。ラストのこうもりが待っている描写もどことなく怪しい感じもして、それが現在の不倫旅行につながっていく感じがちょっと読みごたえがあったような気がします。
寝台車
大阪から東京へ、最後の営業の詰めの打ち合わせをするために寝台車に乗った男が、この契約をまとめるにあたって他社から配属されてきた男のことや、小学生のころ友達で、ふとした事件で死にかけるも一命をとりとめ、その後大学生になって死んでしまったことなどを思い出す
あらすじにも書いた通りの内容しか無くて、拍子抜けな感じがしますが、男の記憶のどこを辿ってもどこにもオチがなく、ほんとうに投げっぱなしだけど、どこかちょっと余韻が残るような不思議な作品でした。 -
Posted by ブクログ
悔恨と哀惜、人間の業と許しが通奏低音のように漂う内容であった。
ゴンドラリフトの中で偶然出会った二人。かつて夫婦であったが、夫が関わった妻以外の女性との無理心中未遂事件が発端となり離婚した。
夫は事件については多くを語らず、謎が残ったまま別れていた。元妻は迷いに迷い、考えに考えて、元夫の住所を調べ、手紙を投函する。ここから、全編往復書簡の形をとって、お互いのわだかまりや、謎めいていた事実が、過去へと思いを巡らすことで明らかになっていく。
元夫は泥に塗れるような苦難の生活が続くが、彼を慕う女性が現れ、生きる意味を見出しつつある。元妻は学者と再婚するが、知恵遅れの子供を授かり、再婚相手への愛情を感じないなか、子供が普通並になれるよう腐心する。そんな二人が少しずつ、過去を吐露し、現在をあからさまにしていく。救いようのない暗さを引きずったまま、二人の関係はどうなっていくのか、結末が気になる中、お互いに最後の書簡をやり取りして、未来への道筋が示されていく。
男女の機微や性格が、書体に深く現れていて、二人のやり取りのなかに入り込んでいくような感覚になる。