宮本輝のレビュー一覧

  • 潮音 第二巻

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    川上弥一は 京に拠点を移す。
    伏見寺田屋騒動、池田屋事件、禁門の変と 怒涛の幕末情景が 描かれる。
    薩摩仲間組が 斥候役として 伏見から洛中へ 駆けずり回ることに。
    よく誰も命を落とさなかったものだ。

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    2026年05月08日
  • 潮音 第一巻

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    宮本輝氏の初めての“大河歴史小説”4巻。

    今まで読んできた宮本氏の小説とは だいぶ趣きが違う。書き上げるまでに10年掛かったとか。
    書いている時間が3だとしたら 調べている時間が7だったそうだ。

    綿密に調べ上げられた越中富山の売薬行商人のこと、富山や薩摩の土地土地のこと などなど。
    重厚な 深い知識に裏打ちされた物語にだんだん引き込まれていきました。

    父が富山出身だったので 夏休みなどは何度も祖父母の家を訪れ “富山”のこと、“越中富山の薬売り”のことは他の人よりはずっと知っているつもり
    でした。無知でした。初めて知ることばかり。

    誠実で有能な越中富山の売薬人 主人公「川上弥一」のこれ

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    2026年05月03日
  • 約束の冬(下)

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    丁寧な文章で読みやすかった。上巻での経過を踏まえ下巻で回収する。上原圭二郎と氷見留美子の視点で書かれる生活は2人が出会い、さまざまな出来事から関わっていく様子を描く。ストーリーに大きな展開はないがあとがきで作者が述べた大人の幼稚化が進む現代では模範となる大人とはどんなか、という観点に置いて圭二郎は留美子や水瑛、俊国にとっては分別ある大人であった。だが、若い頃の過ちであったり最後多額の現金を申請せずに外国に渡るなど模範的とは言えない部分もある。そういう過ちがあるほうが人間らしい。
    雪迎えや10年後の約束に対して描写はあるものの最終的に本作で描かれることがなかったのが個人的には残念。

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    2026年05月02日
  • 夢見通りの人々

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    面白かった。とある商店街に住む奇人たちが紡ぐ物語。やばい人たちだらけだがどこかほっこりする。今村夏子さんがエッセイで、小説を面白いと思った、と語っていたのがきっかけで読みました。

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    2026年04月29日
  • 避暑地の猫

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    高校生のときドラマを見たときの衝撃が30年以上経ってもずっと忘れられない。大人になってから原作を読み、この度また思い出して読んでみたが、あの逃げ出した猫とそれを捕まえた男が何を意味するのか未だにわからずにいる。

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    2026年04月28日
  • 星々の悲しみ

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    この本も上白石萌歌さんが教えてくれた。彼女は「うっとり」と語っていた。たしかに、たしかに。読むことについて構えることなく読むことができる本には、ときどき出会うことがある。まさに出会いましたね。ぼくには『錦繍』以来の宮本輝さん。

    それにしても萌歌さん。
    「うっとり」かあ。さすがの表現ですな。
    いつも彼女は、ご自身の感情を素直な言葉で表現してくれます。ぼくは、そんな彼女の言葉にも「うっとり」しています。

    それぞれの物語の濃度と短編ゆえの“短さ”に惚れぼれ。人々や物事に対する“ベタつき”のなさ、さりげなさ。優雅さ。たまりませんね。まさに「うっとり」です。
    どっちにしろ割り切れないこと、でも向き合

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    2026年04月27日
  • 灯台からの響き

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    妻を亡くした中華屋の主人、康平が灯台を巡る旅をする中で自分と向き合う。とにかく登場人物が皆人情派で、ほっこりする。康平と惣菜屋のトシオの関係がいい。歳をとってもずっと変わらず地元の友達という関係が羨ましくもある。

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    2026年04月26日
  • 螢川・泥の河

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    「泥の河」
    情景描写を感じながら読んだ。
    「うちの子は見てない言うてんねんから、もうそれでよろしおまっしゃろ」
    父の子に対する態度は好きなところ。
    信雄に自分の気持ちを押し付けず、尊重していていい。
    「螢川」
    父の臨終の場面では、実際の家族と起こった場面を思い出させた。全然時代は違うのに。
    心に引っかかりを感じさせてもらえた。

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    2026年04月16日
  • 優駿(下)

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    小さな牧場に誕生した良血馬、オラシオンをめぐる物語の後編

    馬主である平八郎、病床に伏せる誠に自身の臓器を提供することに逃げ続け、葛藤しつつ、遂に会うことになったときには、和具工業も傾き、

    トカイファームの千造、博正、騎手の奈良、秘書の多田、平八郎の娘久美子、調教師の砂田、トラックマンの佐木、それぞれが、オラシオンを巡って悩み、苦悩しながら、成長を祈る、ダービー制覇を夢見る、そんな内容でした

    博正のオラシオンに対する従順な愛情も印象的でしたが、騎手同士のレース前、レース中の牽制し合う様、ドロドロした関係は、どこまで本当かわかりませんがとても意外で印象に残りました。40年以上前に書かれた話な

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    2026年04月13日
  • よき時を思う

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    ネタバレ

    気品ある家族の関係性を幸せに描いた作品。90歳の誕生日を迎えた祖母の願いとして、豪華な晩餐会が企画され、参加する家族の思いが丁寧に描かれる。読んでて幸せな気分に浸れるし、文章の間の余韻が素晴らしく、宮本さんらしさが満載されていて、充実した読書感が得られた。よき時とは、過去の思い出でなく、未来志向の言葉として意味づけられている。こんな家族関係は羨ましすぎて毒も無く、波風も立たない物語だけど、なぜか許容できてしまうのは不思議。

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    2026年04月13日
  • 錦繍

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    言葉の重みというものを感じることが出来る作品だと感じました。
    本著は終始男女2人の手紙のやり取りの内容で進められていきますが、手紙を書いている両者が内省し絞り出しながら言葉を紡ぎ出しているのが有り様に見て取れる事が非常に素晴らしいと感じました。
    時には心のどこかにある感情を言葉にしようとする苦しみを表現し、逆に言葉が溢れ出てくるという表現が適するほど言葉が走っているような感覚になる場面も見受けられます。
    ただ、終盤にかけてお互いに覚悟を感じさせる雰囲気の言葉に変遷していく過程は見所の一つではないでしょうか。

    これは著者がもつ言葉を紡ぎ出す力が秀でている証拠ではないかと思います。
    最新作では時

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    2026年04月12日
  • 螢川・泥の河

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    余韻が凄いです。宮本輝さんの作品は2作品目ですが、
    今回も読み応えありました。哀愁漂う...考えさせられました。

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    2026年04月06日
  • 錦繍

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    ラジオ朗読で聴き、興味をもって読書へ。
    状況を解説する本文はなく、手紙で紡ぐ小説。まるで自分が相手の手紙を待っているかのように、次の手紙は!?と読み進んでいった。互いの気持ちを読みながら、時に、それでどうしたの?、どうしてそうした?!、そうだったのか、と思いを巡らし、読後は、じんわりした寂寥感を感じながら、少ししてから本をそっと閉じた作品。

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    2026年04月04日
  • 夢見通りの人々

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    とある商店街の話。タバコ屋、食堂、肉屋、時計屋、カメラ屋、スナック、美容室、その一角に間借りするサラリーマン。個性溢れる面々が織りなす日常が描かれている。
    個性というよりアク(灰汁)と言った方がしっくりくる登場人物達をさりげない文体で描く著者が凄い。
    哀愁漂う「ザ・昭和」の匂いを感じる10編の物語はどれも面白い。

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    2026年04月03日
  • 優駿(上)

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    小さな牧場、トカイファームが夢を託して生産した一頭の競走馬「オラシオン」を巡る物語、なのかな?

    「上」を読み終えた時点ではまだわかりませんが、途中まではオラシオン中心に、生産者であるトカイファームの主と息子(博正)、馬主になる社長(和具平八郎)、馬を譲り受けることになる娘の久美子、秘書、トラックマン、調教師、騎手…

    さまざまな関係者が絡み合って物語が展開されます

    かなりドロドロした思惑でいろんな出来事が展開していき、これが全て事実やったら競馬界もなかなかしんどい世界やなぁと思わされるような内容でした

    生産者の息子(博正)だけは純朴な感じかな、サラブレッドに対する熱い気持ちを持った、トカ

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    2026年03月30日
  • 螢川・泥の河

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    子供からちょっと大人になっていくなんとも言えない感じ。後から考えてみると「思春期」そのものなんだけれど、当事者はそう簡単に理解できるわけではないし、そんなことがあったことももしかしたら忘れてしまうのかも知れない。

    戦後の日本ならではの無力感や切ない感じが物語の雰囲気にマッチしていた。

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    2026年03月25日
  • よき時を思う

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    展開に発展があるのかと思いきや、終わりまで書かない。だからこそ、よき時を思う余韻が残る。そんな作品でした。
    登場人物はみんなどこか不器用なところがあるが、人間だれしもそんなことあるよねと共感できるエピソードが多い。それぞれの登場人物が、それなりに自分と対話しながら生きていく、それが人生を形作り、よい人生になっていくのかもしれないと感じた。
    ところどころ中国の四合院づくりや、東京の郊外の話、仏教用語がちりばめられていたりなど、日本人でなければ感じられない要素もたくさんあり、日本人の感性を刺激する作品でした。

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    2026年03月23日
  • 水のかたち 下

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    善きことの連鎖が更に善きことを生み出す。その人の根元にあるものが、それを可能にしているのだと思う。そういう風になりたい。

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    2026年03月13日
  • 灯台からの響き

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    宮本さんの本を初めて読みました。妻を亡くした中華そば屋の読書好きの男性が、書棚の一冊に挟まれた手紙をきっかけに灯台を回る旅に出ながら、妻の謎を追い求めていく、人情、愛情溢れる作品でした。テリストになりました。

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    2026年03月11日
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)

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    「流転の海」全九部中八部目まで来た。
    あと一巻しか残っていないのを寂しく感じるようになった。

    熊吾は、またもや会社の金を横領されたり、女とずるずると関係を続けたり、妻や息子に愛想をつかされるのも当然という気がする。

    しかし、こんな時にも、他人に仕事を探してやったり、免許を取らせてやるなどのおせっかいを焼くところが、大将、大将と慕われるゆえん。
    また、資金繰りに非常に困っていても、とりたてて節約しているようには見えず、糖尿病であるのに、酒を飲んで美味しいものを食べている。そういう熊吾を見ても、読者である私ももう慣れっこになってしまっている。

    とりあえず第九部に進みます。

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    2026年03月09日