宮本輝のレビュー一覧

  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    今までの3巻とは違った雰囲気。
    初めから幸先の良いスタートではない。
    富山の美しい自然はあれど、慣れない土地で家族が離れ、寂しい生活をする。
    この巻ではずいぶん房江に感情移入をした。
    最後は少し希望がもてるようになっている。次の巻に期待したい。

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    2025年11月08日
  • 錦繍

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    テレビで紹介されて読んでみたが、おもしろかった。手紙のやり取りだけで、これだけ想像することができるとは。
    色々なことがあったとしても、毎日感謝して生きよう。

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    2025年11月07日
  • 愉楽の園

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    幾重にも折り重なって流れていく登場人物たちの心の動きが美しかった。宮本輝の小説は、言葉では表せない人間の繊細で豊かな一面を見事に描きだしてくれる。恵子のような情熱的な生き方に強い憧憬を感じた。

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    2025年11月04日
  • 道頓堀川

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    川三部作の最後『道頓堀川』
    昭和40年代頃?の道頓堀川界隈の人たちの話。どの川も馴染みはなかったけれど、道頓堀川は有名だからなんとなく思い描きやすかった。
    歓楽街近くの、汚溝沿いの、水商売の人もよく利用する場所にあって、見事な沢山の花が活けてあるのがウリの喫茶店っていうのがなんだか素敵に感じた。

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    2025年11月03日
  • 錦繍

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    ネタバレ

    読む前
    愛し合っていた2人が、ただすれ違って誤解してしまったがために離婚したけれど、手紙を通して再び相思相愛になる話
    なのかなと勝手に思っていた

    でも読んでみたら、思っていたよりもちゃんと不倫していたし、有馬さんは思ってたよりもダメな男やった

    お勧めしてくれた方がこの本を読んだ感想として、「ちゃんと言葉にしないとすれ違う」というようなことを言っていたからこそ、そう思ってたのかも?
    その意味を、ただ「事実を伝えること」みたいな意味合いで受け取っていたのだけど、この小説を読んでみて、実際にあった出来事は受け止め方に差はあれど大きな変わりはなく。
    でも「お互いがしっかりと本音を伝え合うこと」で、

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    2025年11月03日
  • 錦繍

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    40年も前に書かれた作品なので、日々の描写も生活実感もとても深い。ネズミの食べられる様も今では実感を持っては無理で、頭で考え想像しなければ映像も結べないと思う。
    主人公の男性も30代と読み進んで分かった。もっと熟年の男女の物語のように思えたので、なんて私達は幼稚な人間になっているのだろうと作品と離れた感慨を抱いた。

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    2025年11月01日
  • 錦繍

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    錦繍とは、錦(美しい織物)のように鮮やかで美しいさまを指します。転じて、美しい紅葉の比喩。

    元夫婦二人の手紙のやり取りによる、過去、現在、そして選択される未来。
    過去の話は湿っぽい感じ。だけど、令子さんが出てきてからが本当に爽やかで素敵だった。

    一番好きなところは、令子が手紙を読んで、この女の人が好きだと言うところ。愛だねありゃ。
    お父さんと亜紀のやり取りもとても好きだった。やり手の社長が不器用に娘の背中を押すのが良い。

    どうして錦繍と題名につけたんだろうと考えた。私の答えはね、生きている中で訪れるターニングポイントで出会う美しいもののことだと思う。まさにこの手紙たちのこと。モーツァルト

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    2025年10月18日
  • 潮音 第三巻

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    激動の3巻。幕末から大政奉還、戊辰戦争までが富山の薬売りという立場から描かれる。歴史の表面的な出来事や、特定の歴史の人物のエピソードなどではなく、庶民にどう見えていたのかを想起させるのが新鮮だ。カンパニーという言葉が出てきて4巻ではその道筋が語られるようなので益々楽しみだ。

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    2025年10月14日
  • 潮音 第一巻

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    静かな山あいの町から、
    壮大な歴史劇が始まる予感。
    富山の薬売りと薩摩藩の
    繋がりを史実と想像の絶妙な
    ミックスで描き引き込まれていく

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    2025年10月13日
  • 潮音 第一巻

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    ネタバレ

    実に久しぶりの宮本輝作品。楽しみにしていたが、期待を裏切らず面白い。相変わらずとても読みやすい。まるで見てきたような描写力が素晴らしい。弥一の京都に入ってからの獅子奮迅の活躍が特に面白かった。しかしいつも思うが、昔の人は日本中を歩いて旅するという、今では考えられない事をしていたのだから凄い。個人的には好きな幕末の話なので、二巻以降にまた期待する。

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    2025年10月08日
  • 三十光年の星たち(下)

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    まだ何者にもなれない若い苗木達
    それを支える為に添え木になる人生の先輩達

    この物語には何度も「三十年」と言う言葉が出てくる

    「十年でやっと階段の前に立てるんだ。二十年でその階段の三分の一のところまでのぼれる。三十年で階段をのぼり切る。そして、いいか、のぼり切ったところから、お前の人生の本当の勝負が始まるんだ。その本当の勝負のための、これからの三十年間なんだ。そのことを忘れるんじゃないぞ」

    何事にもせっかちだと言われ、すぐに答えを求める今の若者にはなかなか理解できない言葉かもしれないなぁ…



    今日は10月8日
    実は三十数年目の結婚記念日です♡
    長いような短かったような…
    支える添え木が

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    2025年10月08日
  • 錦繍

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    評価の高いこちらの作品をやっと手に取りました。
    初めての宮本輝さん。


    元々夫婦だった男女の手紙のやりとり。
    ただそれだけなのに、どうしてこんなに読み終わり鳥肌が立ったのか。
    自分でもよくわかっていませんが、長い往復書簡だけでも2人の人生を読者に感じさせる作者はすごいのだろうなと…
    こんな浅はかな感想しか今は出てこないけど、読んでよかった、出会えてよかった作品でした。

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    2025年10月06日
  • 三十光年の星たち(上)

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    女にも逃げられた無職の若者に手をさしのべたのは、金貸しの老人だった。若者の再生を通して人生の意味を感動とともに描く巨編。

    何も知らずに宮本輝
    おびさんの「泥の河」の方ね
    上下巻で700ページ弱…
    初めての宮本輝には丁度良い長さ♪

    文章が関西弁…京都弁か。
    心地良い文体と激烈な出来事が起こることもない
    青年と金貸老人のやり取り
    上巻読み終えるのに何度も睡魔に負けた笑
    つまらないからじゃないのです!
    面白いけど眠くなるって初めて!
    宮本輝マジックか( ̄▽ ̄)笑


    さあ坪木仁志よ!
    気合い入れて働いて働いて働いて働いて
    叱られて叱られて叱られて叱られて
    30年後のお前を見せてくれ!!

    下巻へ

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    2025年10月06日
  • 錦繍

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    手紙でのやりとりがとても興味深かかった。ただ、主人公のふたりとも、自己中な感じを受けたのは私だけだろうか。時間を置いて、もう一度読み直してみたい。

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    2025年10月06日
  • 潮音 第二巻

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    2巻に入って面白くなってきた。よく知ってる名前が出てきて幕末を復習している気分。富山の薬売りからの視点で語られるのが新しい。時々入ってくる弥一と家族の温かいシーンもいい。3巻以降で時代はますます激動に入っていくのが楽しみだ。

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    2025年10月04日
  • 錦繍

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    最初にページを開いて読み始めた印象を裏切って、夢中になって一気に読んでしまった。手紙のやりとりだけで進んでいく本で、それがまた時代を感じさせる。
    再会したことで手紙のやりとりが始まり、過去を打ち明け、今までわかり得なかった事を知る。現在の自分を語り、これからの別々の人生を歩んでいく。
    なにかすごいストーリー展開、とかでもなく淡々としているけど、人間の心の中を繊細に描いていた。

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    2025年10月02日
  • 森のなかの海(上)

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    今も忘れられない凄まじい震災の場面から、奥飛騨へと舞台が移る。奥飛騨で出会った老女から譲り受けた山荘から物語は意外な方向へ進む。小説家というものはどうのようにしてその発想を得るのであろうかと驚かされる。急展開しつつもゆったりとした物語の流れにミステリーの要素が加わり、あきることなく謎解きに付き合うことができる。

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    2025年09月28日
  • 錦繍

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    手紙だけで構成される文体、現在ではあまり使われなさそうな丁寧過ぎる敬語でのやり取りなど、時代を感じさせる。
    家庭環境に恵まれず地味な暮らしをしてきた令子に薄幸という印象を抱くが、有馬に尽くし捧げる一方ではなく、手綱を握って上手く操っている感じがして、今後の2人に幸多かれ、と応援したくなる。
    それにしても、男はみんな結婚しても浮気するものなんだな…

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    2025年09月27日
  • 潮音 第三巻

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    いよいよ幕末から明治新政府へ!
    しかし、小生がこれまであまり幕末期に興味がなかった故、鳥羽伏見の戦いあたりから、なぜこのような流れになったのかが、あまり理解できず、それらについては別途、学び直しが必要と感じた。
    いよいよ第4章へ、どんな結末となるのか!?

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    2025年09月25日
  • 錦繍

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    元夫婦の勝沼亜紀と有馬靖明の間に交わされる往復書簡で構成される恋愛小説。文体からも内容からも昭和の時代を感じさせるが、丁寧な言葉遣いに相手を慮り、敬い、愛おしく想う気持ちが溢れ出る。
    別れることになったいきさつ、別れてからの苦悩、それぞれの道での苦難や心の動きなどを手紙で相手にどのように伝えるか、伝えたい気持ちと伝わってほしくない気持ちの揺れ動きにもしみじみとさせられる。
    古い文体だからと言ってけっしてわかりにくいことはなく、すんなりと心に響くのは自分が昭和の人間ってだからこそだろうが。これは昭和を代表する男優、女優の語りで聞いてみたい。

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    2025年09月24日