宮本輝のレビュー一覧
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泥の河は1955年頃の大阪を舞台にした小説で、川沿いに住む少年たちの交流を余情感たっぷりに描いている。うどん屋の息子の信雄、対岸の船の家に住む喜一と銀子、そして母親。物語は信雄と喜一の出会いから始まる。二人は川で遊ぶうちに親しくなり、信雄は船の家に通い、喜一の姉の銀子、さらに母親とも知り合いになる。その中で信雄は喜一と銀子の母親は娼婦であること、そのことで近隣住民から疎外されていることを知る。しかし信雄の両親は喜一と銀子を差別せず、愛情を持って接する。その態度は信雄にも伝わったと思う。ところが地域の神社の祭りの日の出来事で信雄と喜一の絆には距離ができてしまう。そして最後は会うこともかなわず、別
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大学の四年を終えて、燎平や仲間たちはそれぞれの人生を歩きはじめるところで、完。
「青が散る」とは「青春の終幕」の意であったか。
でもって非リアな青春を送ってしまった私には、その感傷が今一つピンとこないのだった。
学生時代の私が読んでいたらどう感じたかはわからない。
でも、ドラマを見なかったということからも、当時からこういう世界とは距離を置いていたような気がするな。
親目線でみると、親の金で大学に行っているのに、勉強をするわけでもバイトするわけでもない。
恋愛はまあいいだろう。
部活もまあいい。
でも、勉強はしろよ。
家業が倒産するのしないのという時ですらバイトもしないで、デートの時は小遣い -
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多分私が学生の頃にドラマ化して、すごく人気があったように思います。
私はドラマを見てはいなかったけれど、石黒賢が主役で、友達役として清水善三さんが出ていたことだけ覚えています。
せっかくなのでドラマのキャストを調べたら、親友が佐藤浩市で、主人公が憧れるヒロイン(華やかな美人)が二谷友里恵で、ひそやかな美人が川上麻衣子であることがわかりましたので、脳内イメージはキャスト寄りに。
善三さんのライバル役が遠藤憲一なのにびっくり。
そんなイメージ全くなかったので。
さて、ストーリーとしては、新設大学に進学した主人公が、成り行きでテニス部の創立に関わり、結果としてテニス三昧の大学生活を送るという話。 -
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宮本輝氏の初めての“大河歴史小説”4巻。
今まで読んできた宮本氏の小説とは だいぶ趣きが違う。書き上げるまでに10年掛かったとか。
書いている時間が3だとしたら 調べている時間が7だったそうだ。
綿密に調べ上げられた越中富山の売薬行商人のこと、富山や薩摩の土地土地のこと などなど。
重厚な 深い知識に裏打ちされた物語にだんだん引き込まれていきました。
父が富山出身だったので 夏休みなどは何度も祖父母の家を訪れ “富山”のこと、“越中富山の薬売り”のことは他の人よりはずっと知っているつもり
でした。無知でした。初めて知ることばかり。
誠実で有能な越中富山の売薬人 主人公「川上弥一」のこれ -
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丁寧な文章で読みやすかった。上巻での経過を踏まえ下巻で回収する。上原圭二郎と氷見留美子の視点で書かれる生活は2人が出会い、さまざまな出来事から関わっていく様子を描く。ストーリーに大きな展開はないがあとがきで作者が述べた大人の幼稚化が進む現代では模範となる大人とはどんなか、という観点に置いて圭二郎は留美子や水瑛、俊国にとっては分別ある大人であった。だが、若い頃の過ちであったり最後多額の現金を申請せずに外国に渡るなど模範的とは言えない部分もある。そういう過ちがあるほうが人間らしい。
雪迎えや10年後の約束に対して描写はあるものの最終的に本作で描かれることがなかったのが個人的には残念。 -
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この本も上白石萌歌さんが教えてくれた。彼女は「うっとり」と語っていた。たしかに、たしかに。読むことについて構えることなく読むことができる本には、ときどき出会うことがある。まさに出会いましたね。ぼくには『錦繍』以来の宮本輝さん。
それにしても萌歌さん。
「うっとり」かあ。さすがの表現ですな。
いつも彼女は、ご自身の感情を素直な言葉で表現してくれます。ぼくは、そんな彼女の言葉にも「うっとり」しています。
それぞれの物語の濃度と短編ゆえの“短さ”に惚れぼれ。人々や物事に対する“ベタつき”のなさ、さりげなさ。優雅さ。たまりませんね。まさに「うっとり」です。
どっちにしろ割り切れないこと、でも向き合 -
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小さな牧場に誕生した良血馬、オラシオンをめぐる物語の後編
馬主である平八郎、病床に伏せる誠に自身の臓器を提供することに逃げ続け、葛藤しつつ、遂に会うことになったときには、和具工業も傾き、
トカイファームの千造、博正、騎手の奈良、秘書の多田、平八郎の娘久美子、調教師の砂田、トラックマンの佐木、それぞれが、オラシオンを巡って悩み、苦悩しながら、成長を祈る、ダービー制覇を夢見る、そんな内容でした
博正のオラシオンに対する従順な愛情も印象的でしたが、騎手同士のレース前、レース中の牽制し合う様、ドロドロした関係は、どこまで本当かわかりませんがとても意外で印象に残りました。40年以上前に書かれた話な -
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言葉の重みというものを感じることが出来る作品だと感じました。
本著は終始男女2人の手紙のやり取りの内容で進められていきますが、手紙を書いている両者が内省し絞り出しながら言葉を紡ぎ出しているのが有り様に見て取れる事が非常に素晴らしいと感じました。
時には心のどこかにある感情を言葉にしようとする苦しみを表現し、逆に言葉が溢れ出てくるという表現が適するほど言葉が走っているような感覚になる場面も見受けられます。
ただ、終盤にかけてお互いに覚悟を感じさせる雰囲気の言葉に変遷していく過程は見所の一つではないでしょうか。
これは著者がもつ言葉を紡ぎ出す力が秀でている証拠ではないかと思います。
最新作では時