宮本輝のレビュー一覧
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これぞ宮本輝の世界!!
あくまでも私の中での宮本輝さんのイメージですが。
久々に大満足。
特別哀しいできごとがある訳でもなく、ごく普通の日常(多少のゴタゴタはあるけど)が描かれてるだけなのに、なんだか泣けた。
読み終わって幸せな気持ちになれた。
もしも10年前に「10年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」なんて手紙をくれた高校生が自分の目の前に現れて、しかも今でも想い続けてくれてたら、それってすごいドキドキだよなぁ。
いい年して私ってばまだ「白馬に乗った王子様」思考があるのかもしれない。。。
宮本輝さんは「日本という国の民度がひどく低下してい -
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幸福物語だというから読み始めた。この頃の私には宮本さんや村上春樹さんの登場人物の動かし方はついていけないことがある。あまりにshockで寝込んでしまったりするのでソフトなのしか読みたくない。夫の残したフランス料理店を切り盛りする美しく若い?未亡人のまわりで起こるもっと若い画家との恋や、おぞましい人間達の店乗っ取りの魔の手。神戸という町らしい国際色豊かな人間関係の中で物語は進んでく。彼女は恵まれてるよ。信頼できる才能あるナイトのような人々に囲まれて。荒木美砂がアビィニョンをほしがるわけだ。幸運・福運のかたまりみたいな人だ。悪は天が許さない。そうだね、焦っちゃいけない。素人臭いのは大成しないという
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文章が美しく、全て読み終わるとタイトルも秀逸だと思った。
男性側のデリカシーの無さや、それでいて聞かれたことに対してなかなか直球で答えないところにイラっとしながらも(笑)、次の手紙が気になってどんどん読めた。
一方で、ところどころ出てくるスピリチュアルな部分は全てを理解するのは難しかった。
離婚した2人ではあるが、一緒に過ごした幸せな時間や愛情は確かにあって(だからこそ男性のしたことに腹が立つのだが)、最終的には、お互いの幸せを心の中で願いながらもそれぞれが前を向いて進んでいく。結ばれなかったとしても、人生においてそのように思える人がいることは尊いと感じた。
人には幸せな瞬間だけではなく -
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初めは、やや宮本さんの呼吸ではないと思ったが、ラスト、これぞ宮本輝と言ったような文章で締めくくられた。
綾乃の年齢と宮本さんが書くのをおそらく得意とする登場人物の年齢にギャップあったからだと思う。
また、ところどころで宮本さんの見る世界と私の見る世界に乖離が見えた。
例えば、地図をスマホではなく手書きで書き写し印刷会社へ向かうなど、実際に千代田区で働いている人はもうしないだろう。しかしそんな小さなことは、気にならない。
解説にもあるように、日常が描かれ、その中で生きるということがどんなことか、それを讃えることの素晴らしさ、食べること、が語られている。
私のような20代は、働いて、お金を -
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この本からは、人の世の哀しみと、無常感を感じた。
言葉で深く語るよりも、読者それぞれが読後の感情を個人で味わう類の作品だと思う。
文章は淡々としているけれど、でも一つ一つの出来事や情景が、なんともいえない寂寥感を与えてくる。
また違ったタイミングで再読したい。
■泥の河
タイトルからして不穏というか…救いのなさみたいなのを感じていたが、やはり終始重苦しさが漂う作品。時代背景が違うから当たり前だが、あの年齢で、短い期間に経験する出来事としてはハードすぎる…。
■蛍川
タイトルからは想像を絶するような美しい景色を想像していたけど…良い意味で裏切られたと言うか。
蛍を見た時の情景描写が、自分には -
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ネタバレ若い頃にこの作品を読んでいたら、きっと「いかにも自分勝手な人々の、どこか華奢な物語だ」と感じていたように思う。
けれど、少しだけ歳を重ね、友情も恋愛も、そして性も、刹那的な出会いをそれなりに経験してきた今の自分と重ね合わせて読むと、登場人物たちが抱える胸の痛みが、不思議なほど身近に感じられた。他人の物語を読んでいるはずなのに、かつて自分が感じた胸騒ぎや、あの頃の感情がふいに蘇ってくる。
とりわけ最後の、
「思い起こせば、なにもきわだった派手な思い出があるというわけではないが、心根のきれいだった自分というものの〈気配〉とはそう簡単に訣別できないではないか」
という一節には、心を強く揺さぶ -
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一言で表すなら「寂寥感」
現代的な本のように、特に大事件が起きるわけでもない。が、読んでいる間は時を忘れ、作中の世界観に引き込まれる。文章ひとつひとつが精査され、熟考の末編まれたものだということがよくわかる。非常に味わい深く、読むのに時間がかかるが、その分自分の思考が研ぎ澄まされるような感覚がある。癒えない戦争の傷跡、格差社会、生の儚さ、死のあっけなさ、思春期の戸惑い、などなど。思い返せばあらゆるテーマをこの物語は描き出している。しかし、あえてこの本から得られるものを言語化するべきではないように思われる。単純に言葉にできないものを、宮本氏がこの180ページの小説でもって描き出したのだと思う。だ -
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以前、「◯◯強調月間」「勝手に◯◯特集」等テーマを設定し選書したことがありました。今回はあまり続ける意図のない「灯台」絡み…それも海外文学連続3作でしたが、国内編の本作で最後です。
本作とも関係しますが、GPS等の進歩で灯台の役割が縮小し、廃止が進んでいるようです。が、機器トラブルの際の命綱、またその地域のシンボル(観光資源等)として、存在し続けてほしいです。
中華そば屋を夫婦で営んでいた康平(62歳)は、2年前に妻を亡くして以来、店を閉め家にこもっています。子ども3人も皆成人(3番目が大学生)し、同じ商店街にそれなりに親友もいて、好きな本を読んで過ごし、仕事への切迫感はありません。 -
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ネタバレ湾
著者:宮本輝
発行:2026年5月25日
新潮社
初出:「新潮」2024年6月号~2025年4月号、6~12月号
湾とは、舞鶴湾(京都府)のこと。
同じ舞鶴市にあっても、「人」の形をした湾に面した、西舞鶴と東舞鶴とでは世界が違うし、離れていて交流も少ない。東は産業の中心地、西は漁村集合体。物語は、西舞鶴にあるいくつかの集落が舞台。そこに入ってくる人、去っていく人、戻ってくる人、行き来をする人を描く長い物語。1959年から2023年に至るまでの話。
主人公は1949(昭和24)年生まれの光太。3歳、2学年上の姉である皐月とは父親が違う。父親は生後3ヶ月の時に死亡。母親が再婚し、光太が生 -
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ネタバレオラシオンがケガをして、二度とレースに出られなくなる…という展開ではなくて本当によかった(やりかねないと思ってたので)
※上巻を読み終わったときは、ミラクルバードのくだりがショックで、下巻に手を伸ばすのは3日間ほど置いてしまった。
1頭の馬をめぐって関わる人たちの運命も変わっていく。その馬が偉大であればあるほど、連れてくる福も禍も大きくなっていく。現実の歴々の名馬たちもそうだったのだろうか。
ダービーの後は描かれないけど、久美子と博正は結婚して意外と上手くやっていくんじゃないかなぁ。あと、多田さんも何やかやあって、最終的には和具さんの事業を手伝うことになる気がする。なってほしい。