宮本輝のレビュー一覧

  • 潮音 第二巻

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    富山の薬売りで薩摩藩と切っても切れない仲にある川上弥一の姿を通して、幕末の日本をドラマチックに描く歴史巨編。
    第2巻は、京の町が拠点となり、伏見寺田屋事件、池田屋事件の騒動から大規模な市街戦となった蛤御門の変までを描く。
    弥一は、戦場と化していく京で、旧知の薩摩藩士・園田矢之助らと連絡を密にしながら、薩摩藩のために命を張って情報の入手や伝達に奔走する。
    弥一には、北前船で蝦夷地の干し昆布を薩摩へ運び、坊津の沖合で大量の唐薬種を得るということで富山の民は薩摩藩に恩義を感じるべきであり、薩摩藩を守らなければならないという強い意識があった。
    幕末の動乱期の日本について物語を通して再度、学び直せる素晴

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    2025年06月02日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    宮本輝(というか父親)の自伝的小説なのだが、環境悪すぎだろう。
    身体は虚弱な伸仁(宮本輝がモデル)だが、小学校低学年にして、様々な大阪の悪所にいりびたり、ヤクザ者と雀荘で賭け麻雀をしたり、ガラの悪い労働者たちと花札をしたり、母親がびっくりするほど町の情報通になっている。
    熊吾(父親)は熊吾で、幼稚園の先生の胸ぐらをつかんでどなったり、小学校に怒鳴り込んだり、現代なら即アウトだろう。小学校低学年の息子を競馬場や、ストリップ劇場など連れ回したり、夜中の2時まで息子と飲み歩いたり。
    他の登場人物もみな、一癖も二癖もあるものばかり。しかし、どの人物にも、熊吾は愛情を持って接しているのがすごい。
    とりあ

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    2025年06月02日
  • 潮音 第四巻

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    幕末の動乱に沿いながらも、商人の目線で物語が綴られているのが、宮本輝先生らしいと感じた。最終巻は、弥一達がいよいよ躍動しており、特に読み応えがあった。この時代のことなので、悲しさとも向き合わなければならないが、それを越えた何かを感じさせてくれるのが宮本先生の真骨頂だと思う。「潮音」のタイトルが納得出来る作品。読後感が清々しい。

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    2025年05月25日
  • 森のなかの海(下)

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    宮本輝!って感じの味わい深い作品。

    一人ひとりの人間にある歴史と、その人間の営みが絡み合って作り上げられる時代。
    その人間の縁にも色々あって、親子/兄弟/男女・夫婦/師弟/上司と部下みたいに関係性が明確なものから、老人と若者 や偶然寄り集まったひとたちまで…
    人間って愚かだしさもしいけど、愛しくも尊くもあって、それを俯瞰・達観できたら自分自身の人生もまた見え方・捉え方が変わる…かな?
    具体的に何かにグッときた というより、全体の流れとか人間の変化に身を任せながら読み終えた。

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    2025年05月20日
  • 灯台からの響き

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    犬吠埼灯台にいったので気になった本。
    久々の宮本輝作品。
    主人公が灯台巡りに何かにむけていろいろ準備していくところが心地よい。旅に出る、旅の途上ってその面白さもあるとおもう1人。

    まきのの中華そば食べたいなー。
    あと転ぶのは気をつけないとね、ほんと。

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    2025年05月09日
  • 幻の光

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    愛する者に理由も分からず先立たれた女性の嘆きを描く表題作ほか3編が収録された短・中篇集。

    いずれも、「死」や「喪失」が、方言とともに哀しくもしっとりと心に染み入る、そんな作品。
    50年近く前の作品ですが、その時代の空気や情景が浮かぶような、読みやすい作品でした。

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    2025年05月06日
  • 潮音 第一巻

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    ようやく読めました。連作の間が長く空く作者には珍しい三作ほぼ同時発刊ですが、まだ一作目。楽しみに次作を読みます。富山の薬売りの話はこの前読んだところですが、隠密的な政治に巻き込まれても生き残る道を探ろうとする県民性に頭が下がります。次の期待して読みます。

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    2025年04月27日
  • 潮音 第四巻

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    ネタバレ

     今年(2025)、1月の末から配本が始まり、この4月までの三か月、楽しませてもらいました。
     80前の著者が、初の歴史小説に挑むというその心意気たるや。ファンとして期待もあるが、心配も相半ばではあったが、なんとか完走したな、という印象だ。

     いろんなメディアのインタビュー記事や、四巻あとがきにもあるように、著者が、幕末の頃の薩摩と富山の薬売りの密約の存在を知り、清国との密貿易での荒稼ぎが、その後の倒幕の資金源となったという話を膨らませたのが本書。
     かつてない視点と、その壮大な仕掛けに胸躍らせながら読むことができた。

     今さら感も、正直あった。幕末ものということや、宮本輝が歴史小説という

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    2025年04月27日
  • 潮音 第三巻

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    目線の置き方が、いかにも宮本輝さんらしいと感じる。幕末の動乱は、商人から恐らくこのように見えていたのだろう。

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    2025年04月20日
  • 優駿(下)

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    ネタバレ

    オラシオンはさぞかっこいい馬なんだろうな、、と想像するとワクワク。皐月賞、NHK、そしてダービー。馬の仕上げの大変さなど改めて分かる。和具社長、馬主の久美子、ファームの博正、ジョッキー奈良。死神元秘書の多田。そして、誠。みな一生懸命生きている。すごくいい小説だった。

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    2025年04月14日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    『流転の海』第二部。
    五十歳にして授かった病弱な息子(宮本輝がモデル)と妻の健康のため、事業をすべて引き払い、郷里の愛媛県南宇和に引きこもった松坂熊吾。

    昭和の田舎の色濃い空気が漂っている。
    現代ではめったにお目にかからない、暴力や、色恋や(婚外子が非常に多い)、ヤクザ者や、戦争帰りの人や、四国の闘牛、選挙、うわさ話などなど、エピソードがいちいち濃いなあ。
    戦争で家族を失った人も数多く、また、医療や衛生状況が発達していないからか、病死する人もあまたいる。

    『流転の海 読本』なる本も購入し、索引ですぐ人物がわかる優れものなのだが、まだ読んでいない行く末もわかったりするのが玉にきず。
    とりあえ

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    2025年04月13日
  • 優駿(上)

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    馬の誕生から始まり、それを取り巻く周りの人達のやり取りに目が離せない。(上)を、それこそ馬の様に駆け抜けてしまった。競馬に詳しくない人でも全く問題なく愉しめると思う。

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    2025年04月11日
  • 潮音 第一巻

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    ネタバレ

    越中富山に生まれた川上弥一の目を通した幕末の歴史。維新の志士を通した話はあきるほど読んできたが、商人の目を通して見た歴史の転換点はユニークで読み応えがある。一巻は安政の大獄まで。読み進むにつれて、才児などの脇役にも愛着が湧いてくる。

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    2025年04月02日
  • 螢川・泥の河

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    宮本輝さん、錦繍に続いて二作目。
    最初は方言に慣れるまで戸惑ったが、泥の河、螢川ともに心理、情景描写が深くて、想像を掻き立てられる。
    物悲しさのある暗い話だけど美しく感じた。

    幼年期と思春期のふたつの視線で、人の世の哀歓を大阪と富山の二筋の川面に映し、生死を超えた命の輝きを刻む初期の代表作2編。
    「泥の河」 太宰治賞
    「螢川」  芥川賞

    解説に書かれてあるように、
    古くてなつかしい風景に宿る人の暮らしの哀しみを味わえたように思います。美しい文学的表現、再読したい。

    本日、素敵な書店にて購入。感謝です。

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    2025年03月19日
  • 灯台からの響き

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    スリリングで手に汗握るような展開ではないのに一気に最後まで読みたいと思わせてくれる、宮本輝さんの本にはそういったものが多いと思います。本書もその中の一つだと思います。

    灯台めぐり、老後の楽しみに良いかもしれないですね。足元には気をつけたいと思います。

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    2025年03月04日
  • 潮音 第二巻

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    京を中心とした幕末の動乱が市井の視点で描かれている。話の展開がゆっくりであった第一巻とはうって変わって、ストーリーが目まぐるしく展開する。早く続きが読みたい!

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    2025年03月03日
  • 骸骨ビルの庭(下)

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    戦争から生還し、沢山の孤児たちの親代わりとして生きた男の話。損得勘定抜きに、自分の幸せも二の次にして、こういう人生が送れるってスゴイなぁ。それだけやはり戦争での、人には語りたくない体験が、影響してしまったということなのだろうな

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    2025年02月28日
  • 灯台からの響き

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    ・中華そばの味は康平の人柄を体現しているような気がします。康平の周りにも、お店にもたくさんいい人が集まりますように。
    ・みんな、右肩上がり。

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    2025年02月26日
  • 潮音 第一巻

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    宮本輝✕時代小説✕長編 ということもあり、大きな期待を寄せつつ手にしてみた。
    前置きがやや長くてもどかしさを感じたが、ストーリー自体は読み応えあり。視点の置き方が流石と感じた。続編に期待。

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    2025年02月22日
  • 螢川・泥の河

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    「螢川」は芥川賞に輝いた作品である。主人公竜夫少年時代より物語は始まるが昭和37年3月末からである。その時代に作者は生まれていないがその頃の庶民の生活実態を作者は如何にして斯様に描けたのであろうか。思わず小生の少年時代から苦労の青年時代を偲ばせられる思いでジーンと人生の真実が告げられた感じがして現実涙が流れた。芥川賞作品というと現実物は抽象的で作者よがりの作品が多く、読まず嫌いの感がなきにしもあらずだが、この様な平易な書き方で、ものすごい感動に接した。本が好きで良かったー。と切実に感激した。宮本輝の作品が俺を待っている。小生の健康も余り先が無いように思われるが、著作者の作品に心が動かされ、もう

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    2025年02月20日