宮本輝のレビュー一覧

  • 道頓堀川

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    小説家、宮本輝が描くまだ戦後の色合いが大阪を舞台にした昭和40年代の学生を中心に描かれる人間模様。
    フィクションではあるらしいが、父を失い大阪で学生時代を過ごした著者自身の体験と重なるところがあるとは思う。
    登場人物は多岐にわたるが、共通する言葉のは「赦し」ではないかと個人的に解釈する。裏切られようとも、苦しい環境に置かれようともそれぞれがやさぐれずに生きていけるのは、過去を赦す心構えが根底にあるからではなかろうか。
    登場人物の一人である喫茶店マスターが、自分の妻と駆け落ちされた易者に20年後に邂逅し、何も気付かない易者に「どんなことが、しあわせやと思いますか?」と聞かれ「辛い悲しいことが起こ

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    2021年01月04日
  • 優駿(下)

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    血統だけでは勝てない。運も必要。人も頑張りだけで成功するわけではない。そこに軋轢、敵意、無力感が生じる。1頭の駿馬の誕生からの3年間は登場人物それぞれの生活、気持ちにどんな変化が起ころうと一途で清らかだった。久々に爽やかな読後感が得られた小説だった。2021.1.2

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    2021年01月02日
  • 避暑地の猫

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    螢川的な物語を期待して、以前先輩に勧められたこの本を手に取ってみた。
    螢川全然違うやん・・
    古き悪き昭和の香り。サスペンスを追う気持ちで読み進めていくうちに、徐々に宮本輝さんらしい筆致にのめりこんでいった。弱者を描く鋭さと薄暗い虚無感。
    そして全然直接的でないのに(ないから?)、めちゃめちゃ艶かしい姉。こういうのも書く人だったんだ、知らなかった。
    後味が良いものではなかったが、読書にのめり込む気持ち良さを久々に味わった。
    私は無邪気な後輩にオススメする気持ちにはなれないが、気持ちに余裕がある時にどうぞ。

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    2020年12月30日
  • 優駿(上)

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    競走馬に纏わる物語。主人公は馬でなく、競馬に関わる人たちの愛憎、触れあいが主題。泥々した人間関係とは対照的に馬の眼は澄んで美しい。2020.12.21

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    2020年12月21日
  • にぎやかな天地(下)

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    「倦まず弛まず焦ず」
    「わかりにくいものをわかりにくく言うのは所詮偽物。ゼロから物を産む人は具体的で普遍的なことを知ってる」
    「巧言令色鮮なし仁」
    「学べば則ち固ならず」

    上下で心に残った言葉です。
    (正確に書けているかわかりません)
    多分、受け止めきれていない言葉がたくさんあるんだろうなと思います。
    また読み返すことになるんだろうなと思います。

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    2020年12月06日
  • 青が散る(上)

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    宮本輝の錦繍を読んで、文章が好きだったことと、
    主人公が大学生だった大学生のうちに読んでおこうと思い、手に取った。

    登場人物一人一人が個性があって、人間らしい面を持ち合わせているので共感できて面白かった。
    大学4年間なにに使うのか、このままでいいのか、恋愛も含めて焦りの気持ちとかも今の自分に通じるものがある。
    話の方向がどうなるのかまだわからないけれど、下巻も楽しみに読みたい。

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    2020年12月04日
  • 骸骨ビルの庭(下)

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    人間の愛を読めました。苦労は自分のことを考えるから苦労と感じると、気づきました。自分が、今後、どうやって生きていくのか指針になるような本です。まだ、そのように生きられるのかはわかりませんが、そのように生きられれば幸せになれるのかもしれません。

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    2020年09月23日
  • 水のかたち 下

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    50歳の主婦がたまたま古美術品を手に入れたことから、日常の生活が大きく変化していくさまを描いた長編小説。

    宮本輝の作品を手に取ったのは、何年ぶりだろう。その昔、『泥の河』をはじめ『青が散る』『錦繍』など10冊ほど読んだ記憶があるが、最近はとんとご無沙汰していた。
    友人の薦めで借りたのだが、まずは安定感のある品のいい文章が心地よい。複数の大きなエピソードも違和感なく収まり、力まかせの作家からは得られない良質な穏やかさがある。そういえば芥川賞の選考委員も務めていたのだったっけと、改めて作者の力量を思い知った。

    夫と3人の子どもと暮らす女性の視点から、更年期やら五十肩やらの身近な話題も取り入れて

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    2020年09月21日
  • 春の夢

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    こういう小説は読後感が気持ち良い。
    青春時代の屈折と解放、自分が同年輩だった時の事を思い出して重ねてみました。
    主人公哲之の恋人、陽子が居なかったら暗い幕切れになっていたんだろうと想像します。

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    2020年09月20日
  • 春の夢

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    内臓を貫かれたまま柱に釘づけにされ、一年間生き続ける蜥蜴と、父親の借金を背負った苦学生がシンクロする話。
    身動きと取れない蜥蜴と哲之がゆっくりと重なっていくのが新鮮で自然に引き込まれた。

    それにしても、彼女の陽子が素直で一途でかわいい。

    哲之の母の言葉に、実家の母の顔が浮かんだ。
    「夜、寝るとき、ああ、しあわせ、と思いながら蒲団に入れるようになりたいなァ…」

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    2020年09月05日
  • 幻の光

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    普段あまり読まない純文学も読んでみようと手にした一冊。
    幻の光もよかったが、夜桜、寝台車も、好きな感じ。

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    2020年08月12日
  • 真夏の犬

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    関東の地方都市にまだスーパーアリーナなんてなかった頃、町には普通に野犬がいた。
    あの頃のムッとした暑い夏の匂いとか、雑然とした商店街とかを思い出す小説。

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    2020年07月22日
  • 森のなかの海(上)

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    宮本輝の長編小説。
    阪神淡路大震災で奇跡的に無事だった希美子が、離婚し、息子と震災孤児たちと森の中で生活を始める。
    人の縁と、その人が本来持っている人間性といったことを考えさせられる。
    下巻が気になる。

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    2020年05月27日
  • 春の夢

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    読み進めていくうちにとても引き込まれる。また哲之という人物に対しても、最初ろくでもない人間やんという感情からだんだん人間味のある愛すべき人間だなぁと変わっていく事に気づく。とても良い作品だと思う。ハッピーな終わり方で良かった。

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    2020年05月10日
  • 愉楽の園

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    やっぱり宮本輝さんはいい。
    タイにも行きたくなってきた。
    この人の良さはなんだろう。
    人間らしいところかなぁ。
    主人公が前を向いてるところかなぁ。
    2010/11/2

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    2020年05月07日
  • 春の夢

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    この面白さを表現するいい言葉が見つからないけど、普通な人の普通な日常の中の普通な感情がすんなり深く入ってくる感じがいい。
    2010/7/21

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    2020年05月07日
  • 田園発 港行き自転車 上

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    自然豊かな富山を舞台に、真帆・祐樹・千春たちがそれぞれの人生を関わっていく。
    確かな未来への一歩と圧倒的な田園風景が相まって、感情を揺さぶる。
    下巻への展開が楽しみである。

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    2020年04月30日
  • 水のかたち 下

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    更年期障害を迎えようとしている平凡な主婦を主人公に、サッシの施工を生業としている夫、子供3人の一家と取り巻く善良な人々のお話。
    なかなかあり得ない偶然の連鎖も、今の世の中の状況を鑑みると救いのお話でした。

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    2020年04月18日
  • 幻の光

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    四話収録されているうち、『表題作』がしみじみとよかった。主人公と同調しているかのように、潮の香りまでかんじるように思われました。

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    2020年04月16日
  • 水のかたち 上

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    平凡な主婦が非日常な体験をするところからの話ですが、思考形態はずっと一緒の処に好感が持てます。
    Jazzの話は秀悦。

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    2020年04月07日