宮本輝のレビュー一覧

  • 田園発 港行き自転車 上

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    情景描写が美しく、暮らしている人たちを思い浮かべることもできる。
    人物が何を思っているのか、一人称で語られ感情移入してしまう。
    不倫の描写は自分の感情が動きすぎて、動揺してしばらく読み進めることができないほど。
    信条とは違う描写が続くが、動揺するほどの描写はやっぱりすごい。しばらく、宮本輝の小説を読み続けたい。

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    2020年03月22日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    破茶目茶な男、熊吾 私も彼に洗脳されたか 面白く読んだ
    でも 他の登場人物の話が面白いのだこの先どう進展していくのか?この小説の主人公は誰なのか?どう纏めるのか?
    そういう意味で楽しみだ

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    2020年03月20日
  • 水のかたち 下

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    志乃子は鼠志野の茶碗に出会うことで、人生が動き出した。物との出会い、人との出会い、その時々で大きな決断を迫られながら、彼女はごく自然に歩むべき方向を選んでいく。そこに無理はなく、水が山から湧き、滝になり、川に流れ込み海に注いでいくように、環境に合わせて形を変えても、水がその本質を失わないように、彼女もその素直さ、謙虚さ、礼儀正しさを失わない。
    自分を、自分以上のものに見せようとはせず、自分以下のものに見せようともしない、50歳の平凡な主婦として描き出される志乃子、ただものじゃない。

    小さな茶碗をきっかけに喫茶店兼骨董品店のオーナーへの道が開かれるのが、決して偶然ではなく必然のように思えてくる

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    2020年03月17日
  • 月光の東

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    夢中で一気に読める本を求めて、宮本輝を手に取った。カーテンで仕切られた病室で2.5日位で読んだ。夜の日本海側の村、古美術展、バーなど、薄暗い場面が多くシンクロしてぐんぐん読めた。

    2人がそれぞれよねかを調べ、神視点の読者が全てを知る奇妙な面白さ。
    杉井はよねかを一目も見られず、津田が作る美味しいクリーム・コロッケを知らない。
    美須寿はよねかの女の子らしい一面や男との接し方は知らない。

    それでいいんだと思う。
    初恋の中学生の少女を買った中年の男なんかに会わない方がいいし、浮気相手の異性との話し方や交わり方は知らなくて良い。

    自殺を乗り越えこのさき生きていくのに必要な情報が、2人にうまく行き

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    2020年02月15日
  • ドナウの旅人(下)

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    ドナウ河に沿った旅もいよいよ終着。
    道中様々な人と出会い別れる。
    そして突然の死。

    道雄は人生をやり直すことができるのか。
    麻沙子はシギイと国境を越えた愛を成就することはできるのか。
    黒海の港町で物語は終わり、その後の展開は読者に任せられる。
    でも、きっといいことに収まるのだろう。

    久しぶりに読んだ本書。
    記憶していたものとは全然違っていた。
    人の記憶は頼りない…

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    2020年02月11日
  • ドナウの旅人(下)

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    ネタバレ

    4人でドナウの先までついにたどり着いた!途中からもしや…と予感していた絹子の死がやはり起こってしまって切なかったが、やはり年齢差や借金や不倫?である2人が結ばれるにはこんな結末しかないのかもしれない。
    それにしても人間のあらゆる感情を見ることができたし、物語は壮大でロマンチックで、読み応えがあった。共産主義圏や普段なかなか行けない国の更に田舎の村の人たち、なぜか皆温かく、人間は世界中同じ生き物なんだなぁなんて当たり前のことを思ったりした。ドナウ河に沿った旅をするなんて、どう考えても金銭面や時間や言葉や…ハードルが多くてなかなか現実にはできないことだけど、そんな美しい旅をいつかしてみたいものだと

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    2020年02月06日
  • ドナウの旅人(上)

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    母が突然ドイツに旅立った。
    追いかけてみると17歳も年下の男と一緒。
    娘としては衝撃の事実。
    別れたドイツ人の青年とよりを戻し、母を追いかける。

    お話のプロットは秀逸。
    死を望む人間を救えるのか。
    人間の生とは。
    悠久の大河ドナウを舞台に物語は進む。
    下巻での決着ご楽しみ。

    随分以前に読んだ本書。
    おぼろげな記憶とは違う内容だった。

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    2020年02月06日
  • ドナウの旅人(上)

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    宮本輝は、中学生の頃に「錦繍」を読んでものすごく泣けて、以来の読書。
    本編は上・下巻に分かれる長編。
    ドナウ川に沿って旅をしていく物語。
    愛とは、生きるとは、人間とは、とつくづく考えさせられる。
    情景描写はとにかく美しくて、ドナウ川や流れている各国に旅してみたくなる。
    上巻でかなり話が進んだ感じがするが、下巻ではどんな進展と結末が待っているんだろう?!ワクワク。

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    2020年01月22日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    ネタバレ

    出てくる人物たちが気持ちのいい人たちばかりで、でも聖人君子のように良い人というわけではなく、それぞれの事情に誠実に向き合っていることが描かれていて、そこが魅力なのだと思う。上から目線で言うことではないけど、この筆力が宮本さんのすごいところなのでしょう。

    ラスト付近、オムニバス風に紡がれてきた人たちの人生が交わりそうな予感を徐々に高めつつも、最終的には読者にいろいろな想像の余地を残して終わるのもとてもよかった。

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    2020年01月19日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    下巻で滑川駅で死んだ男の謎が判明する。物語の中心はそれではない。美しい富山湾周辺の情景、京都花街の情緒と独特な世界に引き込まれていきながら繋がっていく人たちに思いを寄せたり共感したり。
    大自然の中から、また人が作り出したしきたりのある町屋からそれぞれに与えられた人生を歩んでいく人たち。

    富山の田園地帯も京都の街中もゆっくり訪れたいと確かに思わせてくれた。

    #赤毛のアン
    #富山言葉
    )エミリディキンスン

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    2019年12月03日
  • 道頓堀川

    匿名

    購入済み

     純文学ですね。いいですね。戦後の雰囲気を残す大阪の道頓堀川沿いでのいろいろな事情を持った人々の日常を描き出している。抒情と哀愁を含んだ描写。人はとても哀しい運命を持って生まれ、暮らしていることを切実に思い知らされる。その文章に魅了される。省みて自分の幸せを再確認する。

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    2019年11月27日
  • 幻の光

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    「人間は、精が抜けると、死にとうなるんじゃけ」前夫の死をずっと忘れられず、たびたびの生死の間を見聞きし経験したことも思い出しつつ、奥能登に生きる女の独白。細密な文章が心のひだに絡んでくる。他3編。2019.11.8

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    2019年11月08日
  • 水のかたち 下

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    ネタバレ

    初の宮本輝

    ゆったり、まったり時が流れていく感じ。
    最初はこんなテンションで上下巻なんて最後まで読めるかなぁと思っていた。
    ハラハラドキドキというのがほとんどなく、よくある日常というのでもなく、かと言って奇抜でもない。
    それでいて、最後まで読ませてしまうのがすごい。

    主人公は確かに運が良くて羨ましい。
    そうそうガラクタのようなものの中から一攫千金の品に巡り合えるかな。
    しまいにはハイセンスな喫茶店まで破格の賃料で貸してもらえて羨ましいけど、自分がその立場になっても、手に余すぎる。
    その度量があるからこそ、それだけの幸運が舞い込むのかも。

    主人公が人生を達観していく様を見ているようだった。

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    2019年10月25日
  • 優駿(上)

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    ネタバレ

    昔映画で観たことのある作品。
    競馬のことをよく知らなかったり、主要人物の久美子に共感できなかったりと、読み始めはあまり進まなかった。
    しかし、後半からの秘書の多田の内面の描写や、騎手の奈良に起こった出来事のあたりからぐいぐい引き込まれた。
    一度は自分の犯したことから堕ちかけた奈良の今後の成長に期待。

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    2019年10月17日
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)

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    後半になると、熊吾の妻房江の動きが物語の進展に大きなファクターとなってくる。
    この期に及んでこの展開には、随分驚いた。
    極めて哀しい状況下だったけれど吹っ切れた様な房江の姿に、最終巻が待ち遠しい。

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    2019年10月06日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    漸く私の幼少期から、自我が芽生えてきた時代の描写が多く語られる様になってきた。熊吾、伸仁の表情は闊達だけれど、房江の気持ちは落ち込んでいる様に感じる。
    1~6巻迄、わき目も振らず読んできた、次にどういう展開があるのか楽しみ半分怖さ半分。

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    2019年08月12日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    熊吾が折に触れ「自分の自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん」と自戒し、また伸仁にも説く言葉、自分も覚えていたい。

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    2019年07月20日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    第4部のあとがきを読んで、第1部からこの4部迄執筆に20年を要した事が分った。
    今既刊になっているシリーズを読んでいて良かったと思う。
    多分4巻までに20年は自分にとっては耐えられないかも知れない、これは自分が置かれていた環境、人生観の辺か迄含めて考えると、同じイメージを持ち続けれる事が出来なかったんじゃないかと思う。

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    2019年07月01日
  • 私たちが好きだったこと

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    父の本棚に置いてあったので手に取りました。
    読後一年ほど時間が経ってからの感想ですが、未だにこの作品の印象が強く頭の中に残っています。
    好き嫌いの否応無く記憶に残ってしまう作品だと感じました。
    正直、話の繋がり方と登場人物の人間性が気にくわない部分があります。(物語の起承転結、スピード感、文章の構成はとてもスッキリしていて読みやすいです。)
    しかし、それを押しのけてでも読ませて、記憶に残す力のある作品だと感じました。
    人と人の間で愛がどのように生まれ作用するか。
    また、そもそも愛とはどういったものなのか、という事について考えさせられました。

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    2019年06月11日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    もし私が一人の生命の苦しみをやわらげ
    一人の苦痛をさますことができるなら
    気を失った駒鳥を
    巣にもどすことができるなら
    私の生きるのは無駄ではない


    後半に書かれているアメリカの詩人、エミリ・ディキンスンの詩の一節。
    心に残った。

    登場人物たちの関係が複雑で、結構読むのに時間を要した
    もう一度ゆっくりと再読したい!

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    2019年05月05日