宮本輝のレビュー一覧

  • 夢見通りの人々

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    すっごい久しぶりの宮本輝さんの本だよ~~。
    やっぱりいいな~~~。

    私としては、『昭和』という時代がこの本のイメージだったんだけど、初版は平成なのね~。
    いろんな個性の持ち主が集まる商店街のお話。
    各章で、いろんな人に的を絞って書かれてるんだけど、その繋ぎに里美春太という人が絡んでくるの。
    なんか、各章に登場してくる人物それぞれ曰くつきなんだけど、でもみんな良いキャラしてるんだなぁ。
    また、関西弁がこの話にとっても合ってて温かさを醸し出してくれる。

    宮本輝さんって、ほんと良い本を書く作家さんだと思う。
    読んでて、すぐその世界に入り込めたし、もっともっと読みたかったって思わせてくれる。
    自分

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    2013年06月10日
  • 優駿(上)

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    ネタバレ

    同僚の書評に魅せられたのが動機。サラブレッドの誕生・育成の過程を主軸に、それに関わる生産者・馬主の人間模様が複雑に絡み合い、ほぼ一気に読破してしまった。ただ、主役の馬のダービー優勝で終わっていたのが、やや物足りなさを残した。しかし、その大仕事を成し遂げたことが、その後のことが全て上手く行くことの暗示と捉えれば、下手に具体化しない方が余韻を残していいのかも?

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    2013年06月03日
  • オレンジの壺(上)

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    かなりワクワクした。宮本輝さんは、名前だけを知ってて、実は一冊も読んだことがないという作家さんだったのだけれど、ミステリー?というか、とっても先が気になって、面白い本だった。

    つまらない女性が主人公。
    悪いところはない。でもいいところも全然ない。女としての魅力も、人間としての味わいも全くないと見合いで結婚した旦那にたった数年で離婚されてしまう。
    その彼女に遺産として残された、祖父の日記。
    そこに広がる雄大な生き方と、自分の生き方を比べ影響を受ける佐和子。
    ただ、結果は、この佐和子に対してはあーやっぱりねという退屈な結末。
    そして、その結末は、佐和子が魅力的になることで起こると思われるのだが、

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    2013年05月31日
  • 森のなかの海(下)

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    宮本輝の小説を読むと、いつも「人生」ってことを考えさせられる。そして、「豊かに生きる」ってことに憧れさせられる。言わずもがなだけれど、ここでいう「豊か」というのは、物質的な豊かさをさすのではない。

    現在、38歳。

    自分の人生の長さを知ることはできないけれど、日本人の平均的な寿命から考えれば、人生の折り返し地点あたりにいるのかなぁと思う。歩いてきた道を振り返ってみれば、世のため人のために何ができたかと言う軸から考えると誇れるものはないけれど、自分が自分に向けて言うのであれば、「なかなか良い人生を送っているね」と言える。幸せだなとも思う。

    でももっとこの先に何かあるんじゃないか、
    「豊かさ」

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    2013年05月25日
  • 骸骨ビルの庭(下)

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    第13回司馬遼太郎賞受賞作。
    「骸骨ビル」で生活し大人となった戦争孤児達が、立ち退きを進めるためにやってきた管理人「八木沢省三郎」に語る半生。
    戦争を生き延びた「阿部轍正」、結核で死にかけた「茂木泰造」が自らの人生を投げ打ち多くの戦争孤児を育てるが、彼らが育てた桐田夏美から性的暴力を受けたと訴えられ、阿部轍正は失意のうちに亡くなる。その名誉が回復されればみな立ち去るという。
    「人間が抱く嫉妬の中で最も暗くて陰湿なのは対象となる人間の正しさや立派さに対してなの」
    少し宗教がかっているが、人間の魂魄を描いた大作には違いない。

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    2013年05月20日
  • 約束の冬(上)

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    これまで生きてきた中で、他者、そして自分自身への約束が一体どれほどの数があるのだろうと考えを巡らしました。守れた約束・果たせなかった約束…。様々な約束があるけれど、こんな心の豊かさがにじみ出る約束に触れたのは初めてです。個人的にラストに少し不満があるので評価は少し下げました。

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    2013年05月09日
  • 森のなかの海(下)

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    上巻とは打って変わって、こちらはほぼ一気読みだった。
    希美子を始め、登場人物の面々がなんとも生き生きと、そして気持ちよく、前巻のどこか鬱屈とした雰囲気から解き放たれていく。
    ところどころ影がちらりとするが、それは光と対をなす物としてなければならない影といったもので、決して胸に引っかかるものではなかった。物語が確実に「再生」へと向かっている証拠のような…。

    上巻ではとても頼りない女性だった主人公の希美子も、下巻ではまるで人が変わったように逞しく賢い女性へと成長していく。
    様々な出来事に意気消沈していたが、やがてそれを受け入れ、飲み込み、包み込んでいく…。そうすることでしっかりと根を張り、太く強

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    2013年05月08日
  • ドナウの旅人(下)

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    長い旅だった。
    2組の男女が旅の中でぶつかり、寄り添い、葛藤しながら気づいていく様々なことが楽しく読めた。

    ドナウ河に沿って旅をするという設定も浪漫があって好きだ。

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    2013年05月06日
  • ドナウの旅人(下)

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    長い長い旅で、
    全員が 成長しました。

    この先どうなるんだろうと気にはなりますが、
    読後感は スッキリかな。

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    2013年04月24日
  • 青が散る(上)

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    大阪の大学が舞台なので親近感を持って読める。
    今の大学生とは異なる点もあるが、非常に読みやすくスラスラ読める。
    下巻も楽しみ。

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    2013年04月21日
  • 彗星物語

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    「そのたったひとつの事実の前では、ボラージュの人間としての幾つかの欠点はもはや帳消しだ」


    「さぁ、これからやぞォ」


    なんだか心に残る言葉だな。

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    2013年04月16日
  • 優駿(下)

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    一頭の馬、競馬にかかわる人々の人間模様が絶妙に描かれている。
    下巻になるとより読み進めたくなり、一気に読破した。

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    2013年04月14日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    流転の海から、文庫化されるたびに読んでいる。その間隔が長いので、前の巻の話の記憶がおぼろげになっているにもかかわらず、毎回じっくり読める。

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    2013年04月14日
  • 私たちが好きだったこと

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    丁度私の母親と同じ世代で、30年近く前の東京が舞台なのですが、とても切ない。主人公たちが30歳前後で定職があるのに、「貯金が100万円もない」と言う会話に何だか安心しましたね。全然深刻に考えていないところが。「何とかやっていける」と安心できる時代だったのだなと思い羨ましくなりました。

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    2013年04月13日
  • 愉楽の園

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    実際にバンコクにいる間に読んでいた本。自分のいる街が舞台になっている小説だから、知っている地名がたくさん出てきてワクワクした。

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    2015年09月07日
  • 焚火の終わり 下

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    美花は本当の妹なのか。

    鍵を握る最後の一人の死。

    そして、届いた茶封筒。
    しかし、謎は解けないまま。

    最終的な二人の決断には、謎解きはもう必要ない。

    茂樹は会社を辞め、美花と二人で旅館業を営み生きていく。
    揺るぎない二人の強い心がハッピーエンドなんだと思わせる。

    本当に綺麗な愛の物語♪

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    2013年04月11日
  • 焚火の終わり 上

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    宮本輝さんの美しい日本語。
    焚き火の絵が頭から離れない。

    異母兄妹の茂樹と美花。
    しかし、最後の肉親が亡くなり、謎の写真と謎のノートがそれぞれに見つかり、妹の出生の秘密を探り始める。

    二人の話す方言が、とても心地良い。特に、美花の京言葉が官能的で可愛らしい。

    上巻の最後は、茂樹の会社の同僚達とのキャンプ。
    同僚カップルは同性愛者だ。
    そして、テントでこの世で一度だけの交接。
    美しく衝撃的!

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    2013年04月11日
  • 優駿(下)

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    吉川英治文学賞。
    北海道のトカイファームという小さな牧場で生まれた「額に白い星印を捺された漆黒の仔馬」。「オラシオン(祈り)」と名付けられた競走馬が、周囲の人々から様々な想いを託され日本ダービーに出走する。
    単に馬の出世物語ではなく、馬の血統・遺伝と人を対比し、それを取り巻く人の命の繋がり、尊厳を描く。
    「母の肉は子の肉、子の骨は母の骨なり」

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    2013年04月07日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    松坂熊吾が愛媛の郷里に引き上げてからの話。やっぱりこのおじさん、田舎へ引きこもってもただではいない。
    彼をめぐる人々の人間模様、様々な事件。
    伊佐男という人間も最後まで憎めなかった。本当に嫌なやつは出てこないと思った。

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    2013年04月04日
  • 花の降る午後

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    「典子」という魅力的な女性の生き方を通して、人間にとって幸せとは何かをテーマにした作品。亡くなった夫の遺志を継ぎ、神戸北野町の老舗フランスレストランを切り盛りする「典子」。訪れた恋、乗っ取りとの戦い。
    乗っ取りに対抗する部分が非現実的で多少惜しい気がするが、宮本輝の小説にはちょっとうならせる言葉がある。
    「辛くて寂しくて哀しいことは必ず終わる時がくる。その終わった時に強くなるか弱くなるかの二種類だよ。」
    ただ、「花の降る午後」の題の意味がなんとなくわかるようなわからないような。
    1985年新聞連載。ドラマ岩下志摩・映画化古手川裕子。

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    2013年03月30日