宮本輝のレビュー一覧
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すっごい久しぶりの宮本輝さんの本だよ~~。
やっぱりいいな~~~。
私としては、『昭和』という時代がこの本のイメージだったんだけど、初版は平成なのね~。
いろんな個性の持ち主が集まる商店街のお話。
各章で、いろんな人に的を絞って書かれてるんだけど、その繋ぎに里美春太という人が絡んでくるの。
なんか、各章に登場してくる人物それぞれ曰くつきなんだけど、でもみんな良いキャラしてるんだなぁ。
また、関西弁がこの話にとっても合ってて温かさを醸し出してくれる。
宮本輝さんって、ほんと良い本を書く作家さんだと思う。
読んでて、すぐその世界に入り込めたし、もっともっと読みたかったって思わせてくれる。
自分 -
Posted by ブクログ
かなりワクワクした。宮本輝さんは、名前だけを知ってて、実は一冊も読んだことがないという作家さんだったのだけれど、ミステリー?というか、とっても先が気になって、面白い本だった。
つまらない女性が主人公。
悪いところはない。でもいいところも全然ない。女としての魅力も、人間としての味わいも全くないと見合いで結婚した旦那にたった数年で離婚されてしまう。
その彼女に遺産として残された、祖父の日記。
そこに広がる雄大な生き方と、自分の生き方を比べ影響を受ける佐和子。
ただ、結果は、この佐和子に対してはあーやっぱりねという退屈な結末。
そして、その結末は、佐和子が魅力的になることで起こると思われるのだが、 -
Posted by ブクログ
宮本輝の小説を読むと、いつも「人生」ってことを考えさせられる。そして、「豊かに生きる」ってことに憧れさせられる。言わずもがなだけれど、ここでいう「豊か」というのは、物質的な豊かさをさすのではない。
現在、38歳。
自分の人生の長さを知ることはできないけれど、日本人の平均的な寿命から考えれば、人生の折り返し地点あたりにいるのかなぁと思う。歩いてきた道を振り返ってみれば、世のため人のために何ができたかと言う軸から考えると誇れるものはないけれど、自分が自分に向けて言うのであれば、「なかなか良い人生を送っているね」と言える。幸せだなとも思う。
でももっとこの先に何かあるんじゃないか、
「豊かさ」 -
Posted by ブクログ
上巻とは打って変わって、こちらはほぼ一気読みだった。
希美子を始め、登場人物の面々がなんとも生き生きと、そして気持ちよく、前巻のどこか鬱屈とした雰囲気から解き放たれていく。
ところどころ影がちらりとするが、それは光と対をなす物としてなければならない影といったもので、決して胸に引っかかるものではなかった。物語が確実に「再生」へと向かっている証拠のような…。
上巻ではとても頼りない女性だった主人公の希美子も、下巻ではまるで人が変わったように逞しく賢い女性へと成長していく。
様々な出来事に意気消沈していたが、やがてそれを受け入れ、飲み込み、包み込んでいく…。そうすることでしっかりと根を張り、太く強