宮本輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表題作の「星々の悲しみ」は個人的に特別な作品で、高校生の頃、小説というものを本格的に読み始めるキッカケになった物語の一つで、それから数年が経ち文庫本で改めて読むことにした。
読み終わって思った事は、やはり自分の中では「星々の悲しみ」が個人的に衝撃だった作品という事を再確認出来た事だった。他にも収録順に「西瓜トラック」「北病棟」「火」「小旗」「蝶」「不良馬場」とあり、どれもアイテムや印象となる姿がタイトルとなっている。しかし、どれを取ってもタイトルから物語を思い出せるくらいのもので、逆に衝撃的読書だった「星々の悲しみ」は冒頭からこうなり、途中でこうなって、最後にこうだからこうなのだ――と揚々な -
Posted by ブクログ
ネタバレ宮本輝の初期の小説にはいるも”死”の影があったのはこういう訳だったのかとちょっと納得した。
なにせ幼い頃から事件の末の死、災害による死、トンネル長屋での死、著者の父が”お前には行くところ行く所で厄介ごとに遭遇するちゅう星まわりみたいなのがあるのかもしれん”と言わしめたように。
でも、それは言い換えれば作家になるべく星まわりとも言えよう。
さまざまな経験、体験(家庭環境、結核、パニック障害、阪神大震災、シルクロードの旅、)をその繊細な感受性でとらえ骨太の純文学へと昇華させていったんだなとこのエッセイを読んで改めて感じた。
父親違いの兄がいてひと目顔だけでも見たいと思ってその家のまわりを何度も行き -
Posted by ブクログ
おそらく25年ぶりくらいに読み返している。
談話室の質問で店を持っている女性がレストランに絵の代わりにカレンダーを飾っているというところで、コレが頭に浮かんだ。
時代がかなり昔のもので、携帯どころか、公衆電話や電話の切り替えやらが出てきて、当然インターネットなんてないし、そんなところも新鮮に驚きつつ、これを買った時はどういう理由だったのかなぁなんてことも思ったりして。(消費税さえついていない)
33歳でマダムになっていたり、42歳のシェフの貫禄といい、現代のお子ちゃまぶりにまたまた衝撃を受けたりして。
主人公の周りの人がいい人でありがたい。いろんな修羅場もくぐり抜け、だけど、愛を見殺しにし