宮本輝のレビュー一覧

  • 星々の悲しみ

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    表題作の「星々の悲しみ」は個人的に特別な作品で、高校生の頃、小説というものを本格的に読み始めるキッカケになった物語の一つで、それから数年が経ち文庫本で改めて読むことにした。

    読み終わって思った事は、やはり自分の中では「星々の悲しみ」が個人的に衝撃だった作品という事を再確認出来た事だった。他にも収録順に「西瓜トラック」「北病棟」「火」「小旗」「蝶」「不良馬場」とあり、どれもアイテムや印象となる姿がタイトルとなっている。しかし、どれを取ってもタイトルから物語を思い出せるくらいのもので、逆に衝撃的読書だった「星々の悲しみ」は冒頭からこうなり、途中でこうなって、最後にこうだからこうなのだ――と揚々な

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    2018年08月12日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    宮本輝さんらしい人々の不思議(必然的な?)な繋がりが面白い。富山をツーリング、また京都の細い小径にも迷い込んでみたくなるが、なにより何年か後の姉弟の対面が楽しみな終わり方。

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    2018年07月25日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    人の運命というものを考えさせられる。生き方が美しい人がたくさん出てきて、人生捨てたもんじゃないと思える、かも。

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    2018年05月21日
  • 夢見通りの人々

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    宮本輝さんもこんな話を書くんだ、という感想。
    感受性が高いが詩が「幼稚園児」と言われてしまう春太、元ヤクザの肉屋の兄弟、息子が盗癖のある時計屋、ホモのカメラ屋…
    絶対に「良い人々との心温まるお話」ではなく、孕ませただの刺青があるだの強烈な劣等感があるだの、喧嘩の連続でモヤモヤした割り切れなさを持ちつつも、どうにか一日が終わる、そんな感じ。振り回される春太にほっこりする。あと誰にも理解してもらえない、元ヤクザの黒牛こと竜一が印象に残る。
    読後感は良かった。

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    2018年05月06日
  • 田園発 港行き自転車 上

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    【あらすじ】
    滑川駅で父が突然亡くなった。駅前には一台の自転車が取り残されていた。父は、宮崎へ出張に行ったはずなのに、なぜ―。十五年後、絵本作家になった娘・真帆は父の足跡を辿り富山へと向かった。一方、東京で桃いていた千春は、都会での生活に疲れ故郷へと戻る。そこで年下の従弟・佑樹と入善の町に広がる田園風景に癒されていく。富山・京都・東京、三都市の家族の運命が静かに交差する物語。

    【感想】

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    2018年04月12日
  • いのちの姿 完全版

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    ネタバレ

    宮本輝の初期の小説にはいるも”死”の影があったのはこういう訳だったのかとちょっと納得した。
    なにせ幼い頃から事件の末の死、災害による死、トンネル長屋での死、著者の父が”お前には行くところ行く所で厄介ごとに遭遇するちゅう星まわりみたいなのがあるのかもしれん”と言わしめたように。
    でも、それは言い換えれば作家になるべく星まわりとも言えよう。
    さまざまな経験、体験(家庭環境、結核、パニック障害、阪神大震災、シルクロードの旅、)をその繊細な感受性でとらえ骨太の純文学へと昇華させていったんだなとこのエッセイを読んで改めて感じた。
    父親違いの兄がいてひと目顔だけでも見たいと思ってその家のまわりを何度も行き

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    2018年03月20日
  • 新装版 命の器

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    宮本輝 「 命の器 」 著者の死生観がわかるエッセイ。父、富山、競馬、小説、貧乏、病気など 著者の人生の岐路の出来事を綴っている

    出会いとは 〜偶然ではない〜どんな人と出会うかは その人の命の器次第

    長生きしなければ、結局は負け〜どんなに長生きしても いかに生きたかが重要

    いつでも死んでみせるという覚悟を持って、うんと長生きする

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    2018年03月11日
  • 夢見通りの人々

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    登場人物は皆それぞれ重荷を背負っていて、皆がもがきながらも一生懸命生きているストーリーが詰まっている。暖かい気持ちで読めた。

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    2018年03月07日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    一気に読ませる構成がはっきりしている。予定調和的と言ってしまえそうだが、でもそれでやっと落ちつける。きっとこの話の続編が予定されているんだろうなと期待できる。

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    2018年02月25日
  • いのちの姿 完全版

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    ネタバレ

     未収録だった五篇を収録した完全版。京都の料亭・和久傳発行「桑兪」というエッセイ誌に10年にわたり連載されたもの。
     かつての仕事の出会いが縁で小説「水のかたち」に挿入されるきっかけとなった経緯。人との出会いの大切さを感じた。
     小学校四年生、トンネル長屋と呼ばれる長屋で一年間過ごしたエピソードなどは、まさに事実は小説より奇なり。
     また、映画監督・行定勲氏の巻末に寄せられた解説も素晴らしい!

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    2017年11月01日
  • 私たちが好きだったこと

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    久しぶりに読んだ宮本輝。良かったです。
    柔らかく、自然な文体で、物語に引き込んでいきます。読み終えてしばらくすれば”そんな馬鹿な”と思う展開なのですが、読んでる最中には何の疑念も無く、物語の中に没頭できます。
    やや軽め、テレビドラマにしたらちょうど合いそうな雰囲気は、宮本作品の特徴でしょう。この作品も映画化されたようです(流行らなかったみたいですが)。

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    2017年10月30日
  • 森のなかの海(上)

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    ドンドンと読み進めてしまわせる作者の筆力は相変わらずだと思います。ただ、登場人物が多すぎて、ボヤけた感じがします。それと、震災以降、少し説教臭さが鼻につきます。下巻にどのように続いていくのか楽しみです。

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    2017年10月07日
  • 花の降る午後

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    おそらく25年ぶりくらいに読み返している。
    談話室の質問で店を持っている女性がレストランに絵の代わりにカレンダーを飾っているというところで、コレが頭に浮かんだ。

    時代がかなり昔のもので、携帯どころか、公衆電話や電話の切り替えやらが出てきて、当然インターネットなんてないし、そんなところも新鮮に驚きつつ、これを買った時はどういう理由だったのかなぁなんてことも思ったりして。(消費税さえついていない)

    33歳でマダムになっていたり、42歳のシェフの貫禄といい、現代のお子ちゃまぶりにまたまた衝撃を受けたりして。
    主人公の周りの人がいい人でありがたい。いろんな修羅場もくぐり抜け、だけど、愛を見殺しにし

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    2017年10月01日
  • 胸の香り

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    若干、起承転結が崩れている箇所もあったけれど独特の物寂しさが全体に染み渡っていてとても良かった。やるせなさに襲われるがそれがまたいい。

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    2017年09月24日
  • 骸骨ビルの庭(下)

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    ヤギショウはんとその家族に不幸な事故や事件が起きるでなく、夏美が骸骨ビルに来るでなく、それでも5月31日に一つの区切りがついてしまった。茂木は諦められたのか? 「子どもたち」は、それを受け入れられたのかが今一つ感じられなかった。戦後、様々な理由で親を失った子どもたちを育んだ骸骨ビルの幕引きが、ひっそりと行われた感じ。重箱の隅的に言わせてもらうと、日記として綴られた本文だが、骸骨ビルに関わる人々の発言をあんなに事細かく書けるのか? その部分にはリアリティを感じず、違和感があった。

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    2017年09月06日
  • 月光の東

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    塔屋米花という一人の女性をめぐって、現在から過去、北海道、糸魚川、東京、カラチと辿る足取りが交錯する。その根源の謎が解けぬままエピソードやつながりが見えてくるのが面白く感じた。
    会う男性全てを惹きつける謎めいた美貌の女。誠実で努力を続ける経歴を知るにつれ、彼女が破滅の運命の女だったのだなと思う。

    艶を持つ少女、転校、謎の浮気と死、『錦繍』とモチーフがよく似てる。
    加古の「あの日」が明かされなかったのが残念。
    ずいぶん皆様お上品な言葉を使っている。

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    2017年11月11日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    熊吾という主人公に対して序盤はあまり
    ただの乱暴ものでいい印象ではなかったが
    読み進むにつれ房江との出会いや
    運送屋、部下たちとのやり取りから
    熊吾の人間臭いキャラクターが
    興味深くなっていった。
    今どきこんな人そうそうおらん
    そりゃ、惚れるよなぁ。

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    2017年05月20日
  • 森のなかの海(上)

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    内容の紹介文を読んだ時点でワクワクしながら読み始めて前半はページはめくる手が止まらず読書の世界に浸りきりました。後半、7人の娘が森に転がりこんだあたりからちょっと中だるみのような気がして…展開が早いのでラストまで下巻もこのまま読みすすめたい!

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    2017年05月15日
  • 五千回の生死

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    スガシカオさんが薦めていたので読んでみた。いつもの習慣で寝る前に読み始めたら、冒頭の「トマトの話」にすっかりやられた。はっきり言えば、最初からオチは見えていた。なのに打ち抜かれてしまった。おかげで午前3時まで眠れなくなってしまい、いま寝不足です。

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    2017年03月31日
  • 約束の冬(上)

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    なんだろう、どこがどうでこの作品が良かったというのは言いにくいのだけど、全体的に柔らかく透き通った印象の本で、読んでいて心地良かった。
    留美子と俊国の話がメインになるのかと思えば、圭一郎にも恋の兆しがあり、面白い。
    でも圭一郎のお相手の中国人女性は、ちょっと受け入れにくい。

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    2017年03月31日