宮本輝のレビュー一覧

  • 血の騒ぎを聴け

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    再読。宮本輝さんのエッセイ。クスッと笑ってしまうもの、考えさせられるもの。様々な類のエッセイが散りばめられている。早射ちマックとシャダイカグラの話か印象に残った。久々に宮本輝さんの小説を読みたくなった。

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    2015年01月03日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    流転の海第六部。息子も中学生になり主人公一家も、高度経済成長期の波にのっていきます。第六部で、全巻からのつながりももちろんあるけど、ここから読んでも十分面白い。比較的、一家の生活が裕福に落ち着いているので、安心して読めた一巻。あと二巻で終了らしいが、こっからどのように展開していくのかなー。

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    2021年01月06日
  • ドナウの旅人(下)

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    ドナウ河に沿って長い旅をしている過程で、様々な人と出会い経験を積むことによって成長し、変化していく様子が自然で引き込まれた。
    登場人物たちも個性溢れているし、ヨーロッパの情景が思い浮かぶような文章に浸れました。
    この作品や『深夜特急』のような作品を読むと、自分も長い旅をしたくなってくる。
    とても無理だけど……。
    この作品の頃と、現在では東欧の政治情勢も代わり、ブタペストなんて今では人気の観光地になっているけど、現在に置き換えると少し味気なくなりそう。
    当時の共産圏だからこその味わいもあると思う。

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    2014年12月31日
  • 星宿海への道

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    中国を旅行中に姿を消した雅人。
    血の繋がらない弟や籍を入れずに彼の子供を産んだ女性、学生時代からの友人たちが彼の安否を想う。
    雅人には簡単には語れない過去があり、姿を消した地にはある思いがあった。
    真実はわからないが、それに近づいた時、彼に関係する地に引き寄せられる。
    そして、雅人の人知れず抱えていたであろう出来事に胸を揺さぶられる。

    2014.12.13

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    2014年12月14日
  • 三十光年の星たち(上)

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    ネタバレ

    仕事になんとなく気持ちが入り込まない。。。
    親に勧められて なんとなく読んでみることに。。

    「現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ。現場が発しているかすかな情報から見えない全体を読み取りなさい。」

    まさしく今の自分は前者で、頭が固く困っていると感じていた。見えないものを見ようとする努力が足りないのだ。そういうことを母は言いたかったのだと感じた。恥ずかしいような悲しいような気持ちだ。

    ただ最後の方に出てきた、自分を磨く方法。

    本当にそうかもしれない。60歳まで働き続ける使命を背負うなら、そういう心持ち働けばあっと

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    2015年02月08日
  • 月光の東

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    よねかと言う女性に翻弄されていく周りの男性の話(自殺した友人)を中心に展開されていくかと思いきや、残された妻とよねかの生い立ちがメインだったように思える。作中に出てくる精神科医の先生とのやりとりが、人生の教訓になるような示唆に富んだ言葉が多かった。
    また若いよねかに溺れた初老の男性が、妻の死亡を機に行き場のない気持ちになる。浮気は何も残りません笑

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    2014年11月17日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    熊吾大阪に戻る。
    房江とノブちゃんは富山に残る。
    私的にあけみさんはけばいお姉さまだと思ってたけど意外とヤンキーっぽいところがあった。後2作で完結。

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    2014年10月11日
  • ここに地終わり 海始まる(上)

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    ネタバレ

    宮本輝らしくない章のつなげ方が「最近流行のやり方だってできますよ。」的な感じなのだが、天野志穂子の透明なキャラクターにどんどん引き込まれて行ってしまった。宮本輝の作品で物語よりも主人公が際立ってる小説ってめずらしい。

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    2014年09月20日
  • 幻の光

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    ネタバレ

    短編集。表題作は映画になったらしい。
    子連れで再婚し特に生活に不足はないが、不意に鉄道自殺で亡くした前夫のことや、出奔して生死不明の祖母のことが想いだされる中年女の話「幻の光」。
    息子を亡くし、離婚した夫と再会した豪邸に住む女が、得体の知れない若者に一夜の宿を提供する「夜桜」など、過去に親しい人を喪失した体験を現代から照射する、しかも事件とは関わりにない第三者の介在によって、というかたちがとられている。

    この著者の女性は男性に都合がいいと言えばそれまでなのだが、たくましく勤勉な人が多く好感がもてる。情緒を追うたくみな文体もよい。

    ただし再読したくはない。

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    2014年09月03日
  • 彗星物語

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    子供8人に大人が4人そしてビーグル犬が1匹の大家族のところにハンガリーから留学生がやって来る

    そんなにどたばたでもなく、あまりに平凡でもなく、面白かったです。
    家族って毎日こんな風に生活してるなぁ、家族って毎日お互いをこんな風に思ってるなぁって改めて感じます

    母である敦子さんの落ち着きと優しさがとっても好きです

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    2014年07月17日
  • 青が散る(上)

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    再読。手持ちの本は昔の装丁で上下巻に分れていないのですが、そちらのバージョンだと画像がなくて寂しいので、こちらを登録。
    何年かぶりに読みましたが、30年も前に書かれた本なのに、現在にも通じるものがあり、若さゆえの痛さとか、迷いとか、昔も今もあまり変わらないんだなと思う。

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    2014年06月16日
  • 青が散る(上)

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    知人に勧められて読んだ本、
    『青が散る(上)』、
    おもしろいです。

    宮本輝らしい世界が表現されているように思います。
    生きるって何なのか、自分の命って何なのか。

    新設大学の一期生の燎平。
    そこで知り合った学生の夏子とつきあいたいからテニスを始めて、
    テニス中心の生活へ。

    高校まで全国大会などで活躍していたが病を理由にテニスを離れていた安斎とであったり、
    お手本からはほど遠いようなテニスをするけれども妙な強さがある貝谷とであったり。

    勝利への貪欲さへの、「王道」と「覇道」と。

    人間くさく、変わった奴らの、はいつくばるような生き様。

    爽やかなスポーツとしてのテニスではなく、
    どろどろと

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    2014年06月01日
  • 約束の冬(下)

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    わりとミステリ色が濃くなりました。自分の気持ちを追いかける留美子は先を見ていて、周りとの繋がりが広がる中で過去を振り返る桂次郎、これが歳の差なのかなと思います。やっぱり立場的に近い留美子の章の方が読みやすいかったです。
    留美子と俊国の関係にしても、少年時代からずっと年上の女性を思い続けているような良い男がいるわけないんだけど、それがするりと当たり前のように今の2人として成り立つんだからこの作品はすごいと思います。上品ってわけじゃなくて、しっとりとした品のある作品という感じ。
    俊国のおじいちゃんが味のある人物だったので最後にもう一度お目にかかりたかったなと思いました。

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    2014年05月25日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    伸仁が自我に芽生える頃の話。ヨネの遺骨を撒いた、また雛から育てた鳩を放った余部鉄橋が印象的。14.5.24

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    2014年05月24日
  • 愉楽の園

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    久々の宮本輝、バンコクを思い出したくて読んだ。現実離れした設定もタイの匂いがムンムン、観光で行った所が重要な場面だったりと、当初の目的は達せられた。オリエンタルホテルのスィートからチャオプラヤー川をのんびり眺めていたいなぁ…

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    2014年05月19日
  • 新装版 命の器

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    人が持つ「命の器」は、大きさが決まっているのだろうか…私が持つ「命の器」は、大きいとは思えないのだけれど、自分の生き方次第で、これから大きくなるのだろうか。また、小さくもなるのだろうか…。

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    2014年05月11日
  • 生きものたちの部屋

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    「早撃ちマック」の話、大好き!
    あと、お母さまの話…泣けました。「流転の海」シリーズを読んでいると、お父様の話、お母様の話には弱い…。

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    2014年05月11日
  • 私たちが好きだったこと

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    結末には好き嫌い、賛否両論あると思いますが、私は好きな終わり方でした。それぞれの道を歩む。一人一人が、それぞれの人生の選択をする。心がすこし痛むけれど、さわやかで、若者らしい選択をしたな、という、気持ちの良い読後感でした。

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    2014年05月11日
  • 花の降る午後

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    久しぶりに読んだ、しっとりとした小説。
    主人公の典子の定まらない将来像に揺れる女心と、それとは関係なく進む周囲のゴタゴタ。
    そんな面倒なものたちを受け入れながら、強く生きていく姿がまぶしい。

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    2014年05月01日
  • ドナウの旅人(下)

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    麻沙子が、イケメンで男っぽいシギィと、見た目はともかくも穏やかで問題解決能力の高いペーターとのあいだで、内心揺れてしまう気持ちはよくわかる。

    どちらを選択しても、後悔する人は、無い物ねだりをして後悔するでしょう。

    でも、どちらを選択したとしても、幸せにはなれる気がする。

    読中、海外の作家の翻訳本を読んでいるかのような、不思議な錯覚を覚えて面白く感じた。

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    2014年04月30日