宮本輝のレビュー一覧
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じっくりじっくり読んだ。飛騨の森は温かな結界がはられ、すべてを包み込んでくれる「海」だったのだ。人には、地上で生きていくものには森はかけがえのないものなのだなぁとしみじみと思った。森がそばにない私は山を欲し、通勤途中にある自然公園にときめくのだな。地上で生きる多くのものに森はかけがえのないものだのだ。
希美子さんが「木にも心がある」というようなことを言っているけれど、そのとおりなのだろうと思う。我が家のベランダの小さな鉢につめこまれた2本の木は、我が家の前にアスファルトに囲まれながら並んでいる大きな木は何を思っているのだろう。
ぬくぬくした室内でまどろみながら、この物語にひたれる幸せ~! -
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欲しかった本の隣りにあり、タイトルと装丁に一目ぼれして購入。
阪神大震災が起きた時、私は小学生だった。東日本大震災もそうだと思うが、大きな大きな震災を目の当たりにし、大きく人生が変わっていく人が想像を絶するほど大勢いたのだろう。この物語の主人公の希美子さんもその一人。家族の形が変わり、住まいも奥飛騨へと変わる。そんな簡単なことではないとは思いつつも、奥飛騨の森に囲まれた山荘が生活の拠点になるなんて、なんて羨ましいのだろう!!傷ついた人たちがゆっくりゆっくり再生していくことがこの物語の神髄なのだろうけど、私は奥飛騨という場所で生活していくこと、森の描写にうっとりしてしまった。森は、木々は、たく -
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カエルが やかましく泣いている中で
発酵している 酢の 蔵で 耳を澄ます。
宮本輝は 阪神大震災を経験することで
なぜか雰囲気が 変わったような気がする。
『森の中の海』をよみ 『にぎやかな天地』を読んで感じた。
勇気って どこから湧いてくるのだろう。
天から 降ってくるわけではない。
そして、勇気を 奮い起こして 自らの道をすすむ。
寡黙だった 祖母。
何も言わない 母親。
それが 聖司の なげかけた 言葉と行動で、
ひも解かれていく。
時間が 心の中のわだかまりと問題を解決してくれる。
いろんな想い 悩み 苦しみ そして 絶望さえもが、
時間という 発酵槽で かぐ -
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1985年。
いろいろな事情があり13人と1匹の犬からなる大家族になった家が、共産主義下のハンガリーの留学生を迎えることになった。
留学生でいえば文化の問題、民族性の問題、また家族ひとりひとり問題を抱えながらもみんなの力で乗り越えていく。言えることは、犬が一番の力になって、すべての問題を解決していってくれたことだ。
言いたいことを言い合える、秘密にしていることだってある。家族のあり方は今も変わっていないと思う。
400ページを超えるものであったが、彗星のように留学生は現れ、彗星のように消えていって物語は終わる。
しかしここからが頑張りどきなのだ。数年後に控えるソ連の崩壊を彼はまだ知らないのだか -
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何年振り、いや何十年ぶりかも。
それぐらい久しぶりに2大関西弁作家の宮本作品(もう一人は当然、田辺 聖子さん)
人間の業とか性(サガ)を軸にした、いい作品は沢山あるけど、やっぱり関西弁で書かれてると説得力あるし感情移入しやすいから読んでない時も何となく切ない気持ちで過ごしてました。
美味しそうな料理とお酒が色んな場面で登場して、それもまた関西の食べ物やったりするから情景が浮かぶし今回は読みながら、よぉ呑みました。
結末は…まぁいいんやけど、それにしても男の人って嫁も子供も(孫も)いて女に疲れたから男に走る…って人、そんなに居てるもんなんかなー。
まぁ作品の中では元々そっちの素質があるかど -
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発刊当時は映画化もされた宮本輝氏の名作。連作短編作品です。
里見春太という主人公の、素直で優しく真面目で、でも不器用で孤独な部分と、彼を取り巻く夢見通りの人々の心模様や生き方が、表も裏も含めてリアルに描かれています。
宮本輝氏の作品には「人物」がしっかりと描かれていて、切なさや愛を感じさせてくれます。前を向いて生きる、ということの大事さを考えさせてくれます。
自分は、肉屋の竜一の印象が読み始めと終わりでガラッと変わったことに驚き、少し愛着が湧きましたね。
こんな風に自分のお気に入りの人物を見つけて読むのも面白いかも。といっても、ひと癖もふた癖もある人物ばかりで感情移入はできないかもしれま