宮本輝のレビュー一覧

  • 避暑地の猫

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    久しぶりの宮本作品。
    何とも恐ろしい物語でした。
    最初はプロローグがあって、ある無口な男性が入院することになったのですが、突然過去のことを医師に打ち明けるところから始まります。
    軽井沢の別荘とその番人家族の物語なのですが、何もかもが異常な世界で、人間てこんなにも冷酷になれるのかと衝撃でした。

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    2016年08月21日
  • 愉楽の園

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    ネタバレ

    しっかり読ませる小説。
    バンコクを舞台に様々なドラマが繰り広げられる。恵子、イアンサマーツ、テアン、マイ、野口・・・

    本当にこんなことあるのかと問われるとやや現実味はないかもしれないが、小舟に乗って家を行き来するシーンが何とも言えない情緒を醸し出している。
    結局のところ恵子は最後、帰るのだろう。それが野口との再会でないにしても。
    バンコクの気だるさが端々に漂う。文字通りプチトリップをさせてくれる本。

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    2016年08月17日
  • 優駿(上)

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    初めての著者で、昔の話だけど面白い!下巻に期待。
    にしても、専門性の高い内容なので、自分は全然大丈夫だけど一般の人はどうなんだろとふと思った。

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    2016年08月05日
  • 水のかたち 下

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    ネタバレ

    自分を自分以上のものに見せようとはせず、自分以下のものに見せようともしないシノコが主人公。水のように、素直に正直に周りに馴染み、溶け込み、自然に自分の思い描く通りに周りがなっていく。こころが穏やかになる一冊。

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    2016年06月25日
  • 約束の冬(下)

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    この作品に登場する人物は、作者が「このような人が自分の近くにいてくれればと思える人物だけをばらまいて…」とあとがきで書いているように、大人で、優しく、人生に対して真摯だ。そう、作者の意図するように、大人が幼稚化した現代において、若い人たちの規範となりうる大人の姿なのだ。そのため、平成の作品であるにも関わらず、まるで古き良き昭和の小説を読んでいるかのような錯覚に陥る。
    留美子をはじめ、上原さん、須藤潤介、新川秀道、芦原小巻、料亭の女将鮎子…登場人物が皆いい!中でも上原氏は本当に魅力的で、私が留美子だったら、ラブレターをくれた息子より父親である上原氏の方に惹かれると思う。
    難をいえば、留美子と俊国

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    2016年06月24日
  • 森のなかの海(下)

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    大震災、不倫-離婚など大物のラインに加え、時代的な恋と家同志の結婚など大柄な話題を進めつつ、震災孤児を預かったり、お屋敷を受け継いだり、伏線としてはこれまたしっかりとしたラインを組み合わせて進む物語。物語を通じて、時代背景から大震災時に発揮される国家観、教育観、男女の仲や若者の将来や家族のあり方など多方面に渡るテーマを丁寧に語らせている。中でも希美子の父の考え方がおおらかかつしっかりとしていて共感が持てる。こうやるには財政面や社会的な立場もあるとは思うが。
    また忘れてはならないのが、森のあり方や描写である。様々な樹木や植物に加え、森のあり方について羨ましい環境が描写されている。

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    2016年06月20日
  • 幻の光

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    艶と哀愁が漂ってい情景が鮮やかに見える。暗いストーリーに反して登場人物が煌めいていて、心が震えた。「幻の光」と「夜桜」がお気に入り。

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    2016年05月30日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    ハチャメチャな男の物語 
    昭和を生きる明治男 面目躍如
    はた迷惑な男だが なぜか憎めない 猪突猛進
    この宮本輝、偏った宗教家的思想の持主? 右翼?極右?

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    2016年05月20日
  • 星々の悲しみ

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    暗く重たい雰囲気の中で、活力ある若者達の躍動を感じた。血の通った作品。

    お気に入りは「星々のかなしみ」と「蝶」

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    2016年05月14日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    日記形式。
    骸骨ビルの管理人として過ごした数カ月間。

    そこに住む人たち、そこで育った人たちと関わりながら、退居させることが求められている私。

    さてさて、どうなるものか。

    元々ことビルを所有していたオヤジが子供(戦災孤児)に伝えた言葉、人間は何のために生まれてきたのかの質問に、自分と縁する人達に歓びや幸福をもたらすために生まれてきたのだ。
    こういう質問に、明確に答えることができる人間になる。

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    2016年05月03日
  • 水のかたち 下

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    ネタバレ

    下巻は勢いで読む。
    主人公の周りには、善き人たちが集まってくる。
    それは主人公が、心根の正しい善き人間だからなのだろう。
    上巻に比べると、心に沁みる場面は少なかったと思う。

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    2016年05月03日
  • 水のかたち 下

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    下巻に入っても、川の流れに乗るかのように、志乃子の前にある扉が次々と開いていく。若干うまくいき過ぎな感もあるけど、この本のテーマに「幸福の連鎖」も含まれるのだから、これでいいのだと思えます。50代の知識も経験もそれなりに積んだ女性が、新たな人脈を得て才能が花開いたのなら素晴らしいことですしね。コツコツとまっとうに生きていけば、そのうち運や道が開けてくるかもしれないと、ほっこりとできました。作品中に織り込まれている敗戦後に38度線を越える話は実話がベースになっている知り、胸が痛んだ。

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    2016年04月29日
  • 水のかたち 上

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    閉店する喫茶店の女主人から骨董品を貰ってから、50歳の平凡な主婦である志乃子に新たな転機が訪れる。いつもの宮本作品らしく美味しそうな料理がたくさん出てきて、通勤中に読むと誘惑が多いのが困りもの。ジャズやクラシック、落語といった私の好きな分野の話が多い点でも楽しめました。手に入れた骨董品が縁で新たな出会いがあり、姉の美乃も居酒屋を開業したことで、緩やかな川の流れのように人と人が繋がっていきます。下巻で、この流れがどこに行きつくのか楽しみです。

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    2016年04月28日
  • 青が散る(下)

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    テニスに大学時代の大半を捧げた遼平
    その中で、4年間片想いを続けた恋の行方
    友達の自殺
    など、息つく暇なく、自分に対する漠とした不安
    を抱えたまま、時間が流れる

    関西弁が何か良かった。1982年の作品とは思えないほど、テンポ良く読めた

    自分が大学生の時に読んでいれば、今とはもっと違う感想を抱く気がした。

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    2016年04月12日
  • 新装版 二十歳の火影

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    エッセイと言うよりも、短編小説を読んだ感じです。作者自身は、そう言われることは潔しとは思われていないようですが。ご本人の生い立ちが、小説を超えるようなドラマチックなものであることに驚きました。ますます好きになりました。

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    2016年04月03日
  • 胸の香り

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    宮本輝の短編集。年齢が近い主人公も多く、共感と言うよりも、胸の奥底を見透かされている感じ。それもそのはず。著者にとって短編小説は「血の一滴を無理矢理絞り出すかのような労苦を強いる」のだそうだ。しかも、それを表さないようにしているというのだから、尚更だ。

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    2016年03月24日
  • 水のかたち 上

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    ネタバレ

    平凡な主婦が茶碗や戦時中の引き出しをもらったことから、いろいろな縁が始まり、出会っていく。日常のペースで語られ、ゆっくり過ぎるくらいのテンポだが、のんびり読むにはもってこい。さりげない周りの人の気持ちや優しさにも気づけるかも?

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    2016年03月23日
  • 道頓堀川

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    キーワードは「貧しさ」でしょうか。
    本書の舞台は大阪道頓堀川。鈍く光る川面で生活する登場人物は、その誰しもが何かしらの「貧しさ」を抱えています。もちろん「貧しさ」とは、金銭的なそれに限りません。離散する宿命を抱えた武内は金銭的には余裕があるのに、とても貧しくみえる人物ではないでしょうか。そんな「貧しさ」を抱えた道頓堀川の住人のなかで、ヌードダンサーのさとみが邦彦の前で一心不乱に踊る姿がやけに印象に残っています。「私なんか、毎日、頭が変になってるわ」というさとみの言葉。この「貧しさ」が小説内に留まるものではなく、普遍的なものとして、いたく心に染み入ります。
    ところで、まったく悲哀に満ちた作品なの

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    2016年02月27日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    シリーズ全部読んでます。

    面白いんですが、登場人物の相関関係とかわからなくなってきました。

    相関図とか作ってもらえないでしょうか。

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    2016年02月19日
  • 夢見通りの人々

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    長期に渡って読んでいたこともあり、もはや夢見通りにすんでいる気分。うまいなぁーみんなくどいくらいに特徴的なんだけど、それに見合うだけの悲哀を抱えているから、親身で読めるのかな。うん宮本輝は悲哀がうまいと思う。あと女心。第九章白い垢すんごい好きよ。第三章時計屋の息子も面白かった。うーんひさびさに小説っぽい小説読んだ!

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    2015年12月19日