宮本輝のレビュー一覧

  • ドナウの旅人(下)

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    再生の物語。「悪いことが起こって当たり前。いいことがあったら不思議だと思って、大喜びするのだ」時代や風土や民族が違っても人間はみんな同じ。願わくは幸せになりたいという点において。見栄や自尊心にだまされずに、他人を愛する。長い長い旅の先に何が待ってるのか知りたくて夢中で読んだ。

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    2015年09月30日
  • ドナウの旅人(下)

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    ドナウの如く、読み応えのある小説でした。異国でも、とりわけ共産圏を主な舞台としているため下巻はその社会性に圧倒されながらのめり込むように読んでしまいました。

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    2015年09月23日
  • 水のかたち 下

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    久しぶりに読んだ宮本輝。なんだか傲慢さを感じるのはなんでだろう。嫌いな話では決してないのだが・・・。

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    2015年08月30日
  • 水のかたち 下

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    …石に一滴一滴と喰い込む水の遅い静かな力を持たねばなりません。…

    というロダンの言葉が作中に引用されているが、この物語の核心はこの一言に尽きると思う。良い流れに身を委ねて、次の一歩を踏み出す。人と人とのつながりって、おもしろいものなのよね。この人はと思ったら細くてもなが~く付き合えるようにしておくこと。それが自分の人生も豊かにしてくれるんだなぁとしみじみと思った。私もあの志乃子さんたちが住む場所の住人になって、志乃子さんたちと知り合って、いろいろおしゃべりしたいなと思った。

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    2015年08月19日
  • 水のかたち 上

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    志乃子さんがご近所の喫茶店の文机をもらったことからすべてが始まる。いくつになっても、世界を広げていくことができる。ぎらぎらせずに出会いを大切にしていれば。

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    2015年08月19日
  • にぎやかな天地(下)

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    カエルが やかましく泣いている中で
    発酵している 酢の 蔵で 耳を澄ます。

    宮本輝は 阪神大震災を経験することで
    なぜか雰囲気が 変わったような気がする。
    『森の中の海』をよみ 『にぎやかな天地』を読んで感じた。

    勇気って どこから湧いてくるのだろう。
    天から 降ってくるわけではない。
    そして、勇気を 奮い起こして 自らの道をすすむ。

    寡黙だった 祖母。
    何も言わない 母親。
    それが 聖司の なげかけた 言葉と行動で、
    ひも解かれていく。

    時間が 心の中のわだかまりと問題を解決してくれる。
    いろんな想い 悩み 苦しみ そして 絶望さえもが、
    時間という 発酵槽で かぐ

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    2015年08月14日
  • 彗星物語

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    1985年。
    いろいろな事情があり13人と1匹の犬からなる大家族になった家が、共産主義下のハンガリーの留学生を迎えることになった。
    留学生でいえば文化の問題、民族性の問題、また家族ひとりひとり問題を抱えながらもみんなの力で乗り越えていく。言えることは、犬が一番の力になって、すべての問題を解決していってくれたことだ。
    言いたいことを言い合える、秘密にしていることだってある。家族のあり方は今も変わっていないと思う。
    400ページを超えるものであったが、彗星のように留学生は現れ、彗星のように消えていって物語は終わる。
    しかしここからが頑張りどきなのだ。数年後に控えるソ連の崩壊を彼はまだ知らないのだか

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    2015年06月30日
  • 幻の光

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    何の理由もわからないまま、愛する人を自殺という形で失った女の不安定な心情。
    喪失感や虚無感、自責の念・・・
    短編を書ける作家こそ一流作家だと思う、そんな短編集。

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    2015年06月01日
  • 優駿(上)

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    サラブレッドの世界を初めて知った。
    そこにまつわるたくさんの人たち。いろいろな思惑。綺麗事ばかりではない現実はたくさんあれど、オラシオンには夢となっていろいろな人に勇気を与えてほしい。

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    2015年05月19日
  • 青が散る(下)

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    これは青いです。
    こんな多感な大学時代をすごせただろうか?
    大学ってとても特殊な環境であるし、体力と時間と好奇心の総量がMAXの時期だろう。
    ここで何を体験するかで人生かわるんだろうなぁ。

    このモヤモヤした感覚、何者にかになれるのかの期待と不安と現実、そして行動。
    ホント行動できなかった自分。失ったものは大きいんだろうな。
    もう、ボクには訪れることのない青春です。
    そんなムードが溢れていてとても青いのです。

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    2015年05月13日
  • 睡蓮の長いまどろみ(上)

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    ある事情で離ればなれになってしまった母と子。
    その何十年ぶりかの邂逅の果てに現れる新たな感情。
    親と子のつながりとは何とも複雑なものだと改めて思いました。

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    2015年04月08日
  • 焚火の終わり 下

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    何年振り、いや何十年ぶりかも。
    それぐらい久しぶりに2大関西弁作家の宮本作品(もう一人は当然、田辺 聖子さん)

    人間の業とか性(サガ)を軸にした、いい作品は沢山あるけど、やっぱり関西弁で書かれてると説得力あるし感情移入しやすいから読んでない時も何となく切ない気持ちで過ごしてました。

    美味しそうな料理とお酒が色んな場面で登場して、それもまた関西の食べ物やったりするから情景が浮かぶし今回は読みながら、よぉ呑みました。

    結末は…まぁいいんやけど、それにしても男の人って嫁も子供も(孫も)いて女に疲れたから男に走る…って人、そんなに居てるもんなんかなー。
    まぁ作品の中では元々そっちの素質があるかど

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    2015年04月01日
  • 夢見通りの人々

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    発刊当時は映画化もされた宮本輝氏の名作。連作短編作品です。

    里見春太という主人公の、素直で優しく真面目で、でも不器用で孤独な部分と、彼を取り巻く夢見通りの人々の心模様や生き方が、表も裏も含めてリアルに描かれています。

    宮本輝氏の作品には「人物」がしっかりと描かれていて、切なさや愛を感じさせてくれます。前を向いて生きる、ということの大事さを考えさせてくれます。

    自分は、肉屋の竜一の印象が読み始めと終わりでガラッと変わったことに驚き、少し愛着が湧きましたね。
    こんな風に自分のお気に入りの人物を見つけて読むのも面白いかも。といっても、ひと癖もふた癖もある人物ばかりで感情移入はできないかもしれま

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    2015年03月15日
  • 三十光年の星たち(下)

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    愚直なまでに努力する事、人に感謝する事、人を信じられる事。幸せだったと言える人生を送りたい。若いうちは、素直に多くを吸収できる構えでいれば30年後には随分違った姿になろう。2014.2.17

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    2015年02月17日
  • 青が散る(上)

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    卒業?記念に下巻と一緒にプレゼントとしていただきました。
    学生時代に急激に戻された不思議な読後感。
    あの頃の感性と今の受け止め方の差は、表現は違えど森絵都さんの解説にかぶりました。
    絶対に忘れない作品(= ̄ ρ ̄=) ..

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    2015年02月08日
  • 約束の冬(下)

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    読み飛ばしたかと思った。
    翠英と桂二郎の朝の別れ とか、
    いつの間にか留実子と俊国が愛称で
    呼び合う仲になってた とことか。
    それぞれの章の裏側で、
    話は少しずつ進展していた。
    ひとつひとつ 細かく書かなくても、
    読者に委ねるのもありなんだね。

    桂二郎が、なんともまぁ、正直に、
    若い女を抱きたい、若ければ若いほどいいって のたまうこと。笑えた。
    若い女の企みに、騙されたと思うか、
    少しの間、夢を見たと思うか。
    幼い企みが気の毒に思えるほど、
    おとなの余裕を感じる。

    豪快な北海道も、閑静な総社市も、
    まるでその場にいるかのような気分。

    心落ち着く いい本だった。

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    2015年09月10日
  • 約束の冬(下)

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    この作品を読みながら、自分自身、今まで何回くらい約束をしただろうかと思い浮かべてみた。
    人と人との関係が繋がって、約束を交わすことが、この作品の中ではとても素敵に描かれていた。
    魅力的な登場人物たち、 飛行蜘蛛のエピソード、樹木や葉巻の薀蓄にゆったりと浸りながらも先が気になってあっという間に読み進めた。
    それで、結局、留美子と俊国はどうなったの?
    緑には打ち明けたの?
    この2点がはっきり判らなかったのが、ちょっと残念。
    留美子に関しては、きっと新しい恋が芽生えたのだろうなという話の流れだったけど。
    12月5日、留美子と俊国一緒に飛行蜘蛛を見に行く場面も読みたかったなあ。

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    2015年01月30日
  • 森のなかの海(上)

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    森の中で生活する暮らしが羨ましくなりました。
    震災を巡る話云々よりむしろ、森の生活の描写にうっとりしました。
    2014/05

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    2015年01月19日
  • 道頓堀川

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    ある男からみた戦後の歓楽街に”寄せ集まった”男と女と仲間と親子の話。特に、男のうちにあるぼんやりとした弱さは個人的にこの一文にすべて、凝縮されているように思う。


    ”相手の心の開け具合を計算して、きっちり開いた分だけしか応じ返していかない哀しい人間の習性を、彼等はとりわけ狡猾に身につけていたが、反面そうした弱さを歓楽街に生きる本物の女たちよりも、一段上手に隠し通す手練に長じていることも武内はよく知っていた。”

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    2015年01月15日
  • ドナウの旅人(下)

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    ドラマ観てから読んだので、ひたすら佐久間良子の呪縛から抜けられず。しかも高校生ぐらいだったから、正直良くわからなかった。面白かったのは覚えてるけど。要再読。

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    2015年01月10日