あらすじ
城田家にハンガリーから留学生がやってきた。3世帯の家族、総勢13人と犬1匹。ただでさえ騒動続きの大家族に、あらたな波瀾が巻きおこる。異文化へのとまどい、世代のギャップ、肉親ゆえの愛憎。泣き、笑い、時に激しく衝突しながら、家族一人ひとりは、それぞれの生の新しい手がかりを得る。そして別れ──。人と人の絆とは何かを問う、家族の感動物語。
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Posted by ブクログ
14人家族ってだけで登場人物十分多過ぎなのに、各人のキャラが立っていて、作中別段大きな事件が起きるわけではないけれど、笑ったり、そして、最後は嗚咽するくらい泣いてしまった。
読み終えたあと、家族写真を撮りたくなった。
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ゆるーい、よくありそうな家族のお話。
愛に溢れた、あったかい家族のお話。
人と人の繋がりの大切さ
忖度感情なく、見返りを求めない無償の愛。
家族だからこそ、できるものだと思った。
心あったまりました
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良かったー。
晋太郎、恭太、ボラージュ、真由美、紀代美に敦子、福造。忘れてならないのが自分のことを犬だと思っていないフック。なんてキャラが個性的でそれぞれが魅力的なのだろうか。
家族でさえも暮らしていると、些細な行き違いやうっとーしーと思うことが多々あるのに、ハンガリーの留学生を迎え、城田家の面々が右往左往してる様子がとても良い。
最後の方は思わず泣いてしまった。
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関西弁が心地よく、敦子お母さんの目線で書かれているけれど、子供たちの気持ちも手に取るようにわかって泣けました。それぞれのキャラクターの設定がしっかりしているからだと思います。
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所々現代に合わない感覚はあるけれど、約20年も前に書かれた本とは思えない。普遍性をもつというか、現代でも普通に楽しく読めるってのがすごいと思う。
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ハンガリー留学生、ボラージュの
家族に与える影響力のすごさ。
文化や言語の違い、そして
背負ってるものの違い。
好きな文がいくつか。
*心の手抜きはしたらあかん
*その橋は、まこと、ながかりきと
旅終わりては、人にも告げなむ。
(津村伸夫)
*さぁ、これからや。
*そのたった一つの事実の前では、ボラージュのいくつかの欠点は帳消しになる
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様々な問題や悩みをかかえた日本の大家族が、ハンガリーからの留学生(ポラーニ・ボラージュ:通称ボラ助)を迎え入れ、卒業するまでの3年の間に起こる泣き笑いを丁寧に描いている。
お国柄や性格の違いから小さな衝突を繰り返しながらも、結局うまくおさまり、ボラ助の不思議な魅力で何事も(突拍子もないが)良い方向へと進んでいくのが面白い。
また、自分を犬と思っていない愛犬フックもいい味を出しており、タイトルにある彗星の意味ともども、最後の最後までこの物語の鍵となっている。
感動しました。
Posted by ブクログ
ハンガリーからの留学生ボラージュが、総勢13人の大家族である城田家で3年間暮らす話。
時代は少し昔なんだろうね、城田家は家族の繋がりが良い意味でも悪い意味でも強い、典型的な日本の家庭。
13人も家族が入れば問題も山積みだ。その上に留学生が来たらそれはもう。
色んな価値観があるし、対立は絶えない。
どの問題も厄介で簡単には解決されない。でもそこが良い。
キレイごとが書かれていないので、読みがたえがある。
それぞれが成長する様子に感動を覚えますし、勇気も貰いました。
みんなの異なる個性が如実に表れてて面白いです。
あと、ボラージュの熱心な勉強姿には刺激をもらいました。
勉強熱心な留学生に対しては、私も危機感を感じている毎日です。
自由な時間をちゃんと使わないともったいないね!
Posted by ブクログ
兵庫県伊丹市を舞台に大家族+居候の外国人留学生+犬一匹が繰り広げる人間模様を描いた小説です。
母と息子の視点から描かれており、冒頭から中盤まではくすりと笑ってしまう文章が多く、外で読むには危険と言わざるを得ません。
では終盤は大丈夫かと言えば、さにあらず。
今度は思わず涙するストーリー展開が待ち構えており、やっぱり危険です。
笑いと涙を十分に味わえる本書。
気軽に読める文章で読みやすいため、普段読書をしない方でも簡単に感情移入が出来るのではないでしょうか。
心の洗濯をしたい時にお勧めです。
Posted by ブクログ
「森の中の海」に続く宮本輝。事件が次から次へと起こるのだが、留学生と犬とで、いつのまにやら解決してしまう。楽しく温かい家族の物語で、いつまでも読んでいたかった。うちも高校生の短期ホームステイ位なら受け入れても良いかも。出会いは彗星のごとく。本当にそうなんだよなぁ
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ハンガリーからきた留学生ポラージュ。
14人の大家族と1匹の犬ともに過ごした3年のお話。
『勉強しすぎて死んだ人はいない』
学生に戻って机に向かいたくなる。
終盤の『さあ、ここから』という気持ち、大事。
Posted by ブクログ
ただでさえ同居人(+犬)の多い城田家にハンガリー人のボラージュがやってきて…留学の3年間の出来事は、よくありそうな家族のエピソード。派手さは何にもない。でも心に染み渡るようなほろっとした感覚。
個人的には福造のセリフにくすっと笑わせられるものが多かった。おもろいじいちゃん。
どんなにゴールが近くても「よし、これからだ」と気を引き締める。これは大事にしていきたいと思った。それと、悪い気持ちを胸に石を掲げ叩きなくすという考え方。教訓めいたものもすんなり入ってきた。
家族写真、撮りたくなったなあ。
35年も前の話なんだけど、今読んでも面白かったよ。
Posted by ブクログ
色々な境遇にありながらも、真面目に人生を生きている城田家の人々。
そこにハンガリーからの留学生が一緒に暮らすことになって、様々な出来事が動き出す。
登場人物一人一人が愛おしい物語。
別れのシーンには感動した。
Posted by ブクログ
1985年。
いろいろな事情があり13人と1匹の犬からなる大家族になった家が、共産主義下のハンガリーの留学生を迎えることになった。
留学生でいえば文化の問題、民族性の問題、また家族ひとりひとり問題を抱えながらもみんなの力で乗り越えていく。言えることは、犬が一番の力になって、すべての問題を解決していってくれたことだ。
言いたいことを言い合える、秘密にしていることだってある。家族のあり方は今も変わっていないと思う。
400ページを超えるものであったが、彗星のように留学生は現れ、彗星のように消えていって物語は終わる。
しかしここからが頑張りどきなのだ。数年後に控えるソ連の崩壊を彼はまだ知らないのだから。
Posted by ブクログ
子供8人に大人が4人そしてビーグル犬が1匹の大家族のところにハンガリーから留学生がやって来る
そんなにどたばたでもなく、あまりに平凡でもなく、面白かったです。
家族って毎日こんな風に生活してるなぁ、家族って毎日お互いをこんな風に思ってるなぁって改めて感じます
母である敦子さんの落ち着きと優しさがとっても好きです
Posted by ブクログ
城田家。晋太郎、敦子夫妻の子供幸一、真由美、紀代美、恭太、そして晋太郎の父福造、愛犬(ビーグル)のフック、それに夫と離婚した晋太郎の妹めぐみとその四人の子供、春雄、夏雄、秋雄、美紀、この大家族・・・合計12人と一匹。
そこにハンガリーからの留学生ポラーニ・ボラージュがやってくる。そのボラージュが城田家の家族の一員として迎えられ、ともに生活をする3年間のリアリティある喜怒哀楽の物語。
彗星物語の「彗星」とは、人生が彗星のようにあっという間に過ぎ去ってしまうというようなメッセージを含んでいるが、その彗星のような人生の中に様々なドラマが生まれる。その人間模様や、心の動きを絶妙に表現するのがこの著者の特徴であると思う。
登場するキャストは、フックも含め、平凡なようであって、なかなか魅力的な個性の持ち主ばかり。しかも素晴らしい欠点をそれぞれに持っている。
大家族に異文化の留学生を迎えるのだけれども、ごくごく日常の家族ドラマ。あたまでは想像できるのだが、実際にはほとんど体験できない世界だ。読んでいる間、自身も城田家の一員として、ほんとはありえない体験をリアルに体験できてしまう、そんな感じです。
最後は感動、そして涙のエンディングですかね。
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「そのたったひとつの事実の前では、ボラージュの人間としての幾つかの欠点はもはや帳消しだ」
「さぁ、これからやぞォ」
なんだか心に残る言葉だな。
Posted by ブクログ
ハンガリーからやってきた留学生を交えた大家族のお話
ちょっと、コミカルで。。ちょっと切なくて。。
おじいちゃんとお母さんのやり取りが
私は一番大好き!!
Posted by ブクログ
伊丹が舞台って触れ込みで伊丹出身の人から紹介されたのだが、伊丹あんま物語と関係ないやん笑
別に尼崎でも宝塚でも成り立つやろ
留学生が大家族に来て繰り広げるドタバタホームコメディといった感じで、言うなれば「大人版サザエさん」
後日談読みたいと思った
Posted by ブクログ
上下巻
母が好きな作家さん
犬と留学生を含めた13人家族の話
何があった訳でもないというか常に何かあるというか
でも読み終わってから寂しくなる本
Posted by ブクログ
私は、読書には非日常を求めます。
SFとかサスペンスとか突拍子もない展開が好きです。
ドキドキ、わくわく♪
ところが、この彗星物語は、とある大家族のほのぼのとした日常を描いています。
おじいちゃん、お父さん、お母さん、長男、長女、次女、次男
お父さんの出戻り妹と3男1女の子供、犬、留学生
ちびまる子ちゃんのともぞう張りのおじいちゃん
さざえさんの「たま」よりキャラクターの強いアメリカン・ビーグル「フック」
渡る世間。。。ばりにいろいろ事件が起きます。
なぜ読んだのか?
それは、今住んでいる地元を描いた本で、前から読んでみたかったからです。
土地に関する描写は、「あっ、あの道か」「あのバス停までの道って、そうそう」って浮かんできて楽しいです。
で、非日常を満足しているかどうかなんですが、
私今、忙しくオフィスと家の往復を繰り返す毎日を送っています。
そんな中で読むと、大家族のほのぼのな日常は「非日常」なんですよ!これが
大家族ってのが、すでに非日常かもしれません。
迷惑をかけあって、衝突して、怒って、笑って
たまにはいいですね!こうゆうお話(^o^)b
「さあ、これからだ」と考える心、
「突如、彗星の如く」が表わすものとは? 学ぶべき点も多い作品でした。
そして、どうなんだろ?次のことが皆さんに聞いてみたいくなりました。
1)みなさんは地元について書かれた本って読んだことありますか?
2)読んで、「うんうん」って感じでしたか?
「ウソばっか」とか「盛ってる~」でしたか?
Posted by ブクログ
現実には稀な大家族の話(昔はあったんだろうが・・)。ハンガリーからの留学生や出戻りの娘と子供たちが居候する波乱含みの大所帯は、知らずうちにお互いが欠けたところを補い合いながら何とか進んでいき皆が少しずつ成長していった。ベルリンの壁が崩壊した3年後に発表された作品らしく当時の東欧諸国の内情も垣間見え興味深かった。
Posted by ブクログ
このような大家族ものはともするとキャラクター小説になりかねないが、この作品はそんなことなかった(強いて言えば飼い犬くらいか)。
文化の違う人が一人、この大家族に入り込むのであるから当然事件は起きる。ただ、昼ドラのような超絶ドロドロ事件でもなく、あっというどんでん返しも起こらない。さーっと読んでいるとそこまで気にしなくても・・・なんという瞬間もありそうなくらいである。しかしそこで生活する人にとってみれば大きなこと。この世の中の大ぜいにとっての事件なんてそんなものだろう。所詮他人にとっては自分の身に降りかからないことについては他人事なのだ。
大事件は無いにしろ、この留学生が結局この家族に大きな影響を及ぼすことにはなるし、読み応え、というよりは、起伏はそこまで欲しくないけど退屈しすぎないという点でするすると読める話を期待する人にはよいと思う。
Posted by ブクログ
義父と夫、長男、長女、次女に次男、夫の妹にその子供が二人、さらには犬が一匹。
そんな大所帯に今度はハンガリーからの留学生がやってきた。
ボラージュという名前の留学生は、城田家がすべてのお金を工面して大学に通わせるという。
決して裕福ではない城田家の中に、金銭、そして人種の違いというひずみができ問題を引き起こす。
人の考え方というのは本当に色々で難しいなとは思うけれど、ボラージュの考え方には時折腹が立つ。
日本人の気質とは違うからかなーと思いつつ、日本人の登場人物にも腹立たしいところはあるので、難しい話だ。
自分を犬だと思っていないフックがいい味を出しているのだが、どうしてラストはこうしたんだろう。
家族の終焉の形を表しているの?
ずっと一緒に過ごして来ただけにすごく悲しい。
Posted by ブクログ
なんか…後半の恭太と紀代美のリズミカルなかけあい部分が宮本輝らしくない…違和感がある。恭太にしゃべらせ過ぎ。流転の海のノブちゃんとはキャラがちゃうと思います。
Posted by ブクログ
久々の宮本作品。
留学生を家に受け入れることで、家族が良くも悪くも変わっていき、そして普通の日本人家族よりうんと沢山のことを学ぶということがどれほどかけがえのないことがが分かりました。
Posted by ブクログ
城田家の家族の物語ですね~。
ちょいと昔のお話なんだなと、ボラ助の話を聞いていると思いました。
私はおじいちゃんと、犬と思ってない犬が好きですね。笑