宮本輝のレビュー一覧

  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    熊吾と伸仁親子を軸に展開する。故郷の南宇和を引き上げて、再び大阪で商売を開始、伸仁も小学校に通い始めるとともに近所の世界を広げていく。13.11.17

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    2013年11月18日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    病弱な息子の健康のために熊吾は郷里の南宇和に居を移す。野放図だが人情に厚い熊吾をめぐり起こる事件の数々。五木寛之の「青春の門」を思いだした。13.11.6

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    2013年11月06日
  • 彗星物語

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    城田家。晋太郎、敦子夫妻の子供幸一、真由美、紀代美、恭太、そして晋太郎の父福造、愛犬(ビーグル)のフック、それに夫と離婚した晋太郎の妹めぐみとその四人の子供、春雄、夏雄、秋雄、美紀、この大家族・・・合計12人と一匹。

    そこにハンガリーからの留学生ポラーニ・ボラージュがやってくる。そのボラージュが城田家の家族の一員として迎えられ、ともに生活をする3年間のリアリティある喜怒哀楽の物語。

    彗星物語の「彗星」とは、人生が彗星のようにあっという間に過ぎ去ってしまうというようなメッセージを含んでいるが、その彗星のような人生の中に様々なドラマが生まれる。その人間模様や、心の動きを絶妙に表現するのがこの著

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    2013年11月01日
  • にぎやかな天地(下)

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    ネタバレ

    全般的にはいい話だった。
    不幸な縁が始まりで、到底、仲良くなれるはずもなかった人達と繋がっていき、よい影響を及ぼし合って、いい縁になっていくのは、人間としての深さを感じる。目には見えない波のようなもので繋がっていくのは、感覚としてとても理解できる。
    宮本輝の”あとがき”がなかなか感動する。

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    2013年10月13日
  • 約束の冬(下)

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    様々な人達のこころの葛藤。言葉にならない言葉。圭二郎、俊国、留美子と色々な縁で繋がっている人達との関係がどこにでもある感じで描かれている。私としては最後は約束の地で俊国と留美子が会うシーンをどう描くのかを見てみたかった。

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    2013年09月26日
  • 約束の冬(上)

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    宮本作品は、女性の言葉遣いが綺麗。会話文がとても気持ちよく、登場人物のたたずまいも品がある。ぜひ若者に手にとって欲しい作品たち。物語は淡々としているが、飛行蜘蛛、葉巻、パソコン、古木、ゴルフなど幅広いアイテムがアクセントになって好奇心をくすぐられる。主人公の留美子と年下の俊国、桂二郎と若い中国人女性の恋?の行方も気になる。有川さんのようなわかりやすいキュンキュンもいいけれど、こんな渋い大人の恋のカケヒキ、深みを味わえる作品はいいなぁ。下巻へ。

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    2013年09月06日
  • 約束の冬(下)

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    庶民の私には縁の無い、一段上の社会が舞台。僻み根性を持って読んだら、途端につまらなくなる作品でしょう。でも私は宮本輝の世界観は好き。大人とは何ぞや、気遣いとは何ぞや、登場人物の育ちの良さや、見識の高さ、潔さなど、読んでいて気持ちがいいのです。題名にある「約束」がお話の中に沢山出てくる。誰と誰のどんな「約束」なのか、約束に目をつけて読むだけでも、楽しいかもしれない。時間がゆっくりと流れ、時間が流れただけの、それぞれの人生がある。そんな読後感。昭和的だよねやっぱり。

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    2013年09月06日
  • 約束の冬(上)

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    普通の人の日常で起こる様々な事で、心理状態の変化の描写がドラマチックでなく、自分にも起こりそうな感じでつい感情移入してしまう。

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    2013年09月04日
  • 五千回の生死

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    しにとうなってきたあ、が印象的。
    異常ではあるが、わかるなあ。日に五千回ぐらい死にたくなるのもわかるなあ。
    そんだけ精神的な生死を繰り返してたら、生き返るのが楽しくて止められなくなるだろう。一瞬でもいいから、生き返る瑞々しさを味わってみたい。

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    2014年12月10日
  • 春の夢

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    亡き父の借財を抱えた大学生「井領哲之」。大阪にあるホテルのアルバイトに勤しむ彼の部屋には、間違って釘で柱に打ちつけたまま生きている蜥蜴「キンちゃん」がいる。可憐な恋人とともに人生を真摯に生きようとする哲之の憂鬱や苦悩を描く。蜥蜴の「キンちゃん」が生と死、束縛され身動きがとれないまま生きる姿として観念的に描かれている。

    「勇気と希望と忍耐」昭和には普通に使われていた言葉が今の時代には気恥ずかしい言葉になりつつある。小説家も今の時代ならば時代物で描かざるを得ないのかも。

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    2013年08月29日
  • 私たちが好きだったこと

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    「私たちって、人のために苦労するのが好きなのね」

    曜子の不倫相手のために、不良青年の更生のために、愛子の大学受験と学費のために、金を用立てる与志くん。だけど、愛子は、学費を払い続けられない与志くんのもとを去り、金持ちの医者と結婚する。

    何度読んでも、与志くんの人の良さと愛子の薄情さに腹が立つんだよね。

    私は、何の見返りもなく、他人にのためにここまでできるかな?

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    2015年04月30日
  • 青が散る(上)

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    青春小説の最高傑作と称される本作。

    作中で、ある人物が「自由と潔癖こそが青春の特権である」と言う言葉を主人公に授ける。彼の青春は、その言葉にいかにも忠実な、懸命で誠実なものだった。自分はそんな風にはできなかったから、先の言葉は心に痛く、主人公に激しく嫉妬した。

    主人公がこれから歩むのも人生の王道なのだろう。その道を歩める強さが恨めしくすら感じた。

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    2013年08月26日
  • 優駿(上)

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    競馬の話ということで、最初はとっつきにくいなと(競馬嫌いなんです)思って読み始めたんですが、これがなかなか人間模様が多彩で読み応えありでした。競馬をよく知らなくても十分面白いです。競馬の話はあんまり理解できなかったり、少し主軸の馬が強すぎなのでは? というところがあるので星を一つ引きました。

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    2013年08月22日
  • 胸の香り

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    月に浮かぶ

    80歳近くの母親が、お腹がいっぱいとなって
    それが 自分が妊娠したと思い込む。
    それを看病する 妻。
    そして、愛人が妊娠したと聞いて、何らかの覚悟を決めざるを得ない。
    海に映る 満月が 母親のお腹に見える。
    いろんなものを 失うことで、人は生きている。

    船を焼く

    海岸沿いの静かな宿。
    夫婦が経営しているが、若くもあり、年上に見えたり。
    そこに、泊まった 二人は 出口が見えないことで、
    別れようと思っていた。そしたら、その宿も 閉めるという。
    経営する二人は 22歳で、別れることにしたという。
    珠恵の霧のような汗がすてきなんですね。どんな感じなのか?

    さざなみ

    リスボンで偶

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    2013年10月01日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    熊吾が、家族を連れて、富山に行く。
    高瀬勇二、桃子の家に身を寄せることにするが、
    高瀬の小さな器量に改めて、ビックリする。熊吾は、人を見る目がないという。
    観音寺のケンから,妊娠した百合を預かることに。
    それで、熊吾は、結局は、大阪で一旗あげるべく、画策を始める。
    資金もないので、関孫六を因縁のある エビハラに売りつける。
    房子は、富山で、不安となり、更年期障害がひどくなり心因性喘息にかかってしまう。
    一方、熊吾は、西条あけみの災難が降りかかる。
    逆に、そのことで、深い関係となる。金の切れ目が、運の切れ目。
    新しく旗揚げした 中古車の販売の仕事は、スタートしたが、
    久保に、会社の持ち金をすべて

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    2013年08月06日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    流転の海 第三部

    父親の生きた時代を、描き出す。
    敗戦後の混乱期。昭和20年代から、30年に向かう頃の物語。
    時代の流れの中で、事業を見出す熊吾。
    中華料理屋、雀荘。
    消防のホースの修繕。プロパンガス。きんつば屋。
    その幅広さというか、事業の進め方だ強引だ。
    そして、体の不安を抱える年になる。

    伸仁は、小学生になる。
    ねしょんべんを小学生三年生まで治らなかった。
    どういう子供なのだろうか。
    観音寺のケンに好かれ、
    ヤクザと麻雀をし、ストリップを見に行く。
    街の情報を知り尽くしている。
    中華料理のコックには、いうこと聞かなければ、辞めろと
    までいう。

    千代麿の隠し子、麻衣子、ヨネ、タネへ

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    2013年07月28日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    流転の海の第4部作目。熊吾がこの苦しい状況を、この先どうやって乗り越えていくのか、続きも楽しみです。

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    2013年07月20日
  • 夢見通りの人々

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    ネタバレ

    宮本輝さんの本を読むと、なんだか安心します。大阪が恋しくなると無性に宮本さんの本が読みたくなります。

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    2013年07月16日
  • 道頓堀川

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    ネタバレ

    『川・三部作』を読み終えました。

    自分は誰に一番感情移入しただろう。誰の目線でストーリーを追ったのだろう。読み終えて直ぐはそんなことを考えました。

    喫茶店のマスター、マスターの息子、マスターの店で働く大学生。彼らを中心に、彼らに関わる人達、夜の道頓堀で生きる人達の人間模様に吸い込まれました。短編連作のよう。

    主人公を繋いでいたビリヤード。ビリヤードは打ち手が突いて初めて球が動きだし、球は他の球に当たってそれぞれの道を行く。白玉以外は自分で行く道を決められないだろうし、白玉もまた当たり所が悪ければ、思っていた道から外れてしまう。狭い台の中で玉同士がぶつかり、ポケットに落ちるように道頓堀から

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    2013年09月23日
  • 道頓堀川

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    前にも書いたような気もするけれど、宮本輝を読むときは、そのストーリー展開も面白いのだけれど、登場人物が思うことや決断すること、そして行動することをきっかけに自分だったらどうするだろうと考え、さらに生きるって何だろう、豊かな(経済的にという意味ではない)人生って何だろうと考えるられるのが好きだ。電車に揺られながら読んでいると、気づく文章から目を離して物思いにふける自分がいる。そして、またストーリーに戻ってしばらく読んで、そしてまた物思いに。だから時間がかかる。でもそれだから味わえる。自分事にして読める小説って、あるようであまりない気がする。うーむ、また読みたくなってきたぞ、宮本輝。ちょっとヘビロ

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    2013年06月22日