感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2020年09月06日
メモ。
青くて幼くて脆くて必死に生きてた。
大人になって世間に擦れて沈んでしまう、若さに裏打ちされた感情を思い起こさせる作品だった。
誰もが椎名燎平であり安斎克己であり氏家陽介でありむしろ誰でもない。
この世は怖い。人生は大きい。
Posted by ブクログ 2017年06月22日
予想以上に面白くて驚いている。
登場人物それぞれに対して、”なんだかわかる気がする”部分が自分にもあって、静かに余韻に浸ってしまう。まだ上巻なのに…。
特に燎平。
厚かましくも今だからこそ、自分の恋愛のなかにも、この時期の燎平みたいな男の子がいたのかもしれないという気持ちになる。一見控えめなんだけ...続きを読むど、心の中では勢い良く溢れそうになっている不安定な感じ。大学生の時に読んでいればまた何か違ったのだろうか。いかにも無知で無経験で小生意気な若さゆえに相手を傷つけてしまうことも少しは減らせたのだろうか。
男は女の感覚がわからないし、女は男の気持ちがわからない。
人は他人のすべてを理解することはできない。
まして20歳前後の大学生なら。
燎平のこの気持ちが今後どういう風に変化していくのか知りたい。
Posted by ブクログ 2014年09月21日
【本の内容】
<上>
燎平は、新設大学の一期生として、テニス部の創立に参加する。
炎天下でのコートづくり、部員同士の友情と敵意、勝利への貪婪な欲望と「王道」、そして夏子との運命的な出会い―。
青春の光あふれる鮮やかさ、荒々しいほどの野心、そして戸惑いと切なさを、白球を追う若者たちの群像に描いた宮...続きを読む本輝の代表作。
<下>
退部を賭けたポンクと燎平の試合は、三時間四十分の死闘となった。
勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。
若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながらも、自らの道を懸命に切り開いていこうとする男女たち。
「青春」という一度だけの時間の崇高さと残酷さを描き切った永遠の名作。
[ 目次 ]
<上>
<下>
[ POP ]
題名にひかれ、七つ上の姉の本棚からこっそり拝借したのはいつだったか。
大学生が織りなす恋とテニスの物語に夢中になった。
成り行きで新設大学を受験した燎平は、殺風景なキャンパスで夏子と出会う。
真っ赤なエナメルのレインコート、鮮やかな口紅。
その瞬間、青春が音を立てて回り出す。
本書には、やはり大学時代、創設されたばかりの追手門学院大学(大阪府茨木市)でテニスに打ち込んだ著者の、若き頃への思いが投影されているという。
若者たちの日々は輝かしいばかりではない。
ある者は忍び寄る病の影におびえ、ある者は破滅的な恋に身を投じる。
女王然とした夏子も、つまらぬ男にひかれて周囲を混乱させ、自らも深く傷つく。
文庫新装版にあとがきを寄せた作家の森絵都さんは、「青春最大の特徴は、光よりもむしろその色濃い影にある」と書いている。
人気のないキャンパスで再び燎平と夏子が向き合うラストシーンは、多くの読者の胸をしめつけた。
恋を夢見た頃を何十年も過ぎて読み返しても、決して色あせない青春文学の名作。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ 2014年08月07日
再読。若さとはこういうこと?この年になって改めて感じた。純粋でひたむきで、でもどこか冷めていて、でも未来があるんだな、これが。
過去の自分の青春時代を懐かしむというより、また青春にあこがれてしまった。やはり宮本輝氏はよいな。
Posted by ブクログ 2013年04月17日
中学時代に本小説のドラマをやっていた。主演は石黒賢(確か彼のデビュー作)。そして佐藤浩市、二谷友里恵、川上麻衣子らが出ていた。松田聖子の「青いフォトグラフ」が主題歌で毎週楽しみにしていた。
いつか原作を読んでみたいと思い、6年ほど前にようやく読みました。
ドラマは関東が舞台だったけど、原作は関西なん...続きを読むですね。ドラマも良かったけど、原作もとても良かった。
椎名燎平が大学の4年間、テニスを通して成長していく姿が描かれている。夏子への片思い。良いです。最後はとてもせつない。でもでも何度でも読み返したくなります。読み終えて本を閉じると「青いフォトグラフ」が聞えてきます。
Posted by ブクログ 2012年01月23日
読んだのは、二十数年前になります。
知人が廃品回収に出そうとしていた書物がもったいなく思い、それらを譲り受けた中にこの本がありました。
私が読んだ本は上下巻に分かれてなく一冊の文庫本で、分厚く字も小さくて「読めるかな」と読み始めましたが、時代背景や大学の雰囲気そして登場人物などが私が在学してい...続きを読むた頃にそっくりなのと、学生当時思い焦がれていた女性や友人に対する主人公の考え方が私とほぼ合致していたので、どんどん引き込まれていきあっという間に読んでしまいました。
それまで読書が苦手だった私を、読書好きにさせてくれた作品です。
Posted by ブクログ 2020年12月04日
宮本輝の錦繍を読んで、文章が好きだったことと、
主人公が大学生だった大学生のうちに読んでおこうと思い、手に取った。
登場人物一人一人が個性があって、人間らしい面を持ち合わせているので共感できて面白かった。
大学4年間なにに使うのか、このままでいいのか、恋愛も含めて焦りの気持ちとかも今の自分に通じる...続きを読むものがある。
話の方向がどうなるのかまだわからないけれど、下巻も楽しみに読みたい。
Posted by ブクログ 2018年10月11日
テニスに明け暮れるというイメージで読み始めた所、主人公が父親の仕事の経営から大学への入学をどうするべきだろうと悩み立ちすくんでいた。似たように赤いレインコートを着た一輪の花の様に立っている女性と出会い、話は始まる。
登場する人物は誰も印象的でムダが無く、そして離れ別れる者もいれば、嫌いだと思ってい...続きを読むても腐れ縁の様に付き合う者もいる。濃厚な学生の青春と呼べる物語だと思った。
Posted by ブクログ 2017年02月19日
「一流になるには、変則的なテニスでは限界があるけど、オーソドックスな素直なテニスでは逆に三流の壁がなかなか越えられへん。見てくれはええけど、そんなテニスは怖いことも何ともない。筋金の入った、年季の入ったテニスにかかったら、勝負になれへんのや」
「俺は、実に真剣に、祐子に惚れとったな」
顔が赤かっ...続きを読むた。ビールのせいだけではなさそうな目元の紅潮だった。
「こないだ、学生食堂の窓から何気なく坂道を見ていたら、祐子がおんなじクラスの女の子四、五人とのぼって来た。なかなか美人揃いの一団で、他の連中と比べると、祐子が一番と目立てへんかった。祐子よりも美人で華やかな女の子に挟まれてたんや。祐子は、そやけどやっぱり際立ってたよ。祐子は華やかでなかったけど、よく見ると一番華やかやった。ああ、祐子て、やっぱりええなァと、俺は思ったんや」
Posted by ブクログ 2015年02月08日
卒業?記念に下巻と一緒にプレゼントとしていただきました。
学生時代に急激に戻された不思議な読後感。
あの頃の感性と今の受け止め方の差は、表現は違えど森絵都さんの解説にかぶりました。
絶対に忘れない作品(= ̄ ρ ̄=) ..
Posted by ブクログ 2014年06月16日
再読。手持ちの本は昔の装丁で上下巻に分れていないのですが、そちらのバージョンだと画像がなくて寂しいので、こちらを登録。
何年かぶりに読みましたが、30年も前に書かれた本なのに、現在にも通じるものがあり、若さゆえの痛さとか、迷いとか、昔も今もあまり変わらないんだなと思う。
Posted by ブクログ 2014年06月01日
知人に勧められて読んだ本、
『青が散る(上)』、
おもしろいです。
宮本輝らしい世界が表現されているように思います。
生きるって何なのか、自分の命って何なのか。
新設大学の一期生の燎平。
そこで知り合った学生の夏子とつきあいたいからテニスを始めて、
テニス中心の生活へ。
高校まで全国大会などで...続きを読む活躍していたが病を理由にテニスを離れていた安斎とであったり、
お手本からはほど遠いようなテニスをするけれども妙な強さがある貝谷とであったり。
勝利への貪欲さへの、「王道」と「覇道」と。
人間くさく、変わった奴らの、はいつくばるような生き様。
爽やかなスポーツとしてのテニスではなく、
どろどろとした人間くささを含んで描かれているのが、なんだかよい。
“王道とは何であろうかと燎平は考えた。そして、貝谷の言う覇道とは何であろうか。すると燎平の心に、社会の中で、あるいは力弱く悄然と生きているかも知れない数年後、数十年後の自分の姿がふいに浮かんできた。”
Posted by ブクログ 2014年01月22日
「青春をテーマにした」と言ってしまうとかなり薄っぺらい感じがするが、こうとしか言いようがないだろう。大学時代を懐かしく思わせる、非常に良い小説だった。
振り返ると大学には自分とは違う、色々な人たちがいた。全てを部活に捧げる人、見ててイライラするくらいちゃらんぽらんな奴、将来に向けて資格試験に取り組...続きを読むむ人、大学には全く来ず気付いたら会社を興していた社長…
自分は18歳から22歳の間、何をして今に至っただろうか。違う大学に行っていたら、違う言語を勉強していたら、何か熱中するものがあったら、今はどういう人間になっていただろうか。
はっきりした考えは無いが、何かすべきことをしてこなかったような感覚に包まれている。それが何か分からないから、しなかったのだろうけど。
ただ誰もがこういう心のモヤモヤを抱えていると思うと気が楽になるし、何より寝たら忘れているイージーな自分には考えること自体、無意味かもしれない。12時過ぎたしもう寝よう、明日も仕事だ。
Posted by ブクログ 2013年08月26日
青春小説の最高傑作と称される本作。
作中で、ある人物が「自由と潔癖こそが青春の特権である」と言う言葉を主人公に授ける。彼の青春は、その言葉にいかにも忠実な、懸命で誠実なものだった。自分はそんな風にはできなかったから、先の言葉は心に痛く、主人公に激しく嫉妬した。
主人公がこれから歩むのも人生の王道...続きを読むなのだろう。その道を歩める強さが恨めしくすら感じた。
Posted by ブクログ 2012年11月07日
大学生活の只中にいる自分が読むと、胸に迫るものがある。テニスというスポーツ自体をやっている身からしても、テニスの描写は面白い。上手いのと強いのは違うんだよね、うん。
Posted by ブクログ 2012年09月09日
これこそ小説!
読んですぐ物語に入り込めた。
合宿中の燎平達4人が夜空を見ながら語り合うシーン、失恋した金子たちと善良亭でやけ食いするシーン、いずれも微笑ましく。なつかしくもある。
大学関係者としては、
「一生に二度とない、四年間もの休暇や(P228)」
「・・・俺たちは人生の基礎を、この大学...続きを読む生活で作ってるんや(P307)」
などの台詞が印象的。
あぁすぐに下巻読もう!
そして、昔の仲間とテニスしたくなった・・・。
Posted by ブクログ 2012年05月19日
大学生のうちに一度読んでおいてよかったなと思います。
まだ上しか読んでいないので何とも言えませんが…
大学生活って、結局何なんだろうなぁ。
燎平や金子みたいに、私は打ち込んだものってないんだけど、彼らが感じている”何かやり切れないもの”は私も感じる。
そんでもって
『...続きを読む一生に二度とない、4年間もの休暇や』
っていう安斎の言葉がやけにしっくりきた。
大学生が一体何であるか今の自分には理解出来っこないけど、10年後、20年後にこれを読み直したら、何となく解るんじゃないかと思いました。
下も楽しみ。
ちょっとメランコリックになりますが(笑)
Posted by ブクログ 2010年11月18日
大学で部活(テニス)に明け暮れる主人公とその友人。
そして淡い恋(←みたいなことを、紹介に書いてあった)
わたしもテニスやってただけはあって、あの試合の精神戦みたいな部分、よくわかった。
上手いと強いは違うんだよね。
大学生ってやっぱり、社会人になる前のいわば長期休暇みたいなもので、毎日...続きを読むをただ行き当たりばったりに過ごしている人ばかりなんだって思ってた。
自分は、そうだし。
でもこの本は、一見そうも見えるし、実際に多分にそういう部分を含んでいたとしても、みんなどこかしらで信念をもっていたり、味のある部分をもっていたりする。
そこから滲み出すもので、みんな生き生きとしている。
人間って一枚じゃないってことに気づかせてくれる。
人の表面のその下の存在を、想像できる人間になりたいなあ。
あと、恋愛ってものはほんとにタイミングが大事ネ!
Posted by ブクログ 2023年04月04日
燎平、金子、安斎、貝谷……。個性的な大学生たちの、ゆるゆるとしながらも熱く、懸命に生きる、どこかノスタルジックな青春の日々。
青春っていいなと漠然と思います。
Posted by ブクログ 2016年10月29日
筆者の本を久々に読む。大阪に新設された大学でテニスに打ち込む大学生たちを題材にした1982年の作品。上巻では、個性的な登場人物の説明の部分が多い。楽しみにしていたテニスの話はあまりない。
Posted by ブクログ 2016年04月06日
新設大学でテニス部をコートから作った
別にプロを目指している訳ではないと本人も自覚しながらも、テニスに打ち込む
親友がいて、
好きな女子がいて、
今の自分と将来の自分に不安を感じ、
過ごす青春
Posted by ブクログ 2014年08月27日
「異端ではっても独自な、どこかに一点他の者より秀でている部分が、自分にはまったく見当たらないような気がするのである。何もかもがこぢんまりとまとまって、平凡で、おもしろくも何ともない人間だと思うのだった」
Posted by ブクログ 2014年02月25日
ネットも携帯もない時代の大学生達の青春が羨ましく感じられます。今の利便性も捨てがたいけれど、昔の人間の情に真剣に右往左往するのもいいかなぁと思ってしまいました。