【感想・ネタバレ】約束の冬(上)のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年05月24日

食べ物を食べてるシーンが本当に美味しそう。登場人物たちが自分の好きなもの大切に大切にしているところが好きです。人に対してだけじゃなくて、物とか言葉とか時間とか、とても丁寧に扱ってるなぁと感じます。もう好きとかじゃなくて愛だよねという。
蜘蛛とかほんとに苦手だけど、俊国から始まった飛行蜘蛛のお話はなん...続きを読むだか神聖なものにすら思えました。留美子が言うように「けなげ」だなとすら思えたのは、この作品の登場人物たちがみんな良い人間だからかもしれません。
山も谷もなく上巻は終わってしまいますが、味気なさや退屈さは全く感じませんでした。ひとつひとつの言葉に重みやカラーがあるなぁと思います。

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Posted by ブクログ 2012年11月23日

「空を飛ぶ蜘蛛を見たことがありますか?」

なんて素敵なラブレター。
すべての登場人物の凛とした、その生き方がわたしの姿勢を正してくれる。

真摯に、
誠実に、
ひたむきに、
愛を。

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Posted by ブクログ 2012年08月03日

れぞ宮本輝の世界!!
あくまでも私の中での宮本輝さんのイメージですが。
久々に大満足。
特別哀しいできごとがある訳でもなく、ごく普通の日常(多少のゴタゴタはあるけど)が描かれてるだけなのに、なんだか泣けた。
読み終わって幸せな気持ちになれた。

もしも10年前に「10年後、地図の場所でお待ちしてい...続きを読むます。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」なんて手紙をくれた高校生が自分の目の前に現れて、しかも今でも想い続けてくれてたら、それってすごいドキドキだよなぁ。
いい年して私ってばまだ「白馬に乗った王子様」思考があるのかもしれない。。。
宮本輝さんは「日本という国の民度がひどく低下している」って感じてこの本を書いたそうだ。
だから登場人物がみんな、優しくて誠実で大人で愛に溢れてるんだ。
こんな人たちに囲まれて生きていけたら幸せだなぁって思った。
んま、まずは自分が、優しくて魅力的な人間にならなくちゃね。

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Posted by ブクログ 2011年02月15日

現在、32歳になった留美子と、留美子の家の真向かいに住む、54歳の会社・社長の桂二郎の二人の語りで話が進みます。

それぞれが様々な問題に直面しながら、リンクしていきます。
登場人物たちも、良い人が多く、丁寧な言葉を選んでいて、安心して読めます。

この後の展開が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2010年08月28日

8月18日~25日

十年前、留美子は見知らぬ少年から手紙を渡される。「十年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」。いったいなぜこんな身勝手なことを?東京、軽井沢、総社、北海道…。さまざまな出会いと別れ、運命の転変の中で、はたして約束は果たされるのか。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

月光の光を読んだ時には難しすぎて全然わからなかったのだが、約束の冬を読んで、これは辺見庸に次ぐ写実的な作家だと思う。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

やっぱり宮本輝の作品にはすごく引き込まれてしまう。この作品は「人は何を拠り所にして生きていくのか。」問う傑作と紹介されていたが、現実が嫌になってしまっても、私たちには大切なものが何かあるはずだって思える作品だった。たくさんの登場人物の心の綺麗さがすごく癒されるし、自分も、頑張らなきゃなって思えた。

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Posted by ブクログ 2011年11月04日

200607/やっぱり宮本輝はおもしろいなぁ
201110/わー。5年ぶりか。たいして面白いと思わなかった・・・。読書ってそういうもんか。

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Posted by ブクログ 2018年12月22日

家族から重要なピースが欠けてしまったことで幾許かの喪失感を抱えながら健気にそして懸命に生きる登場人物達の人生が交錯し、人間模様が織りなされていく。物語は、青年と、青年が10年前に若気の至りで突発的にラブレターを手渡してしまった女性との間で静かに進行する恋愛を軸に描かれる。

 「うまくできるようにな...続きを読むってから、人前に出て仕事をしようと思うのは間違いなんじゃないかなァ。失敗したら恥ずかしいとか、間違えたら安く見られるとか考えて、それが礼儀だとか、おくゆかしいなんて自分に言い聞かせる人は、つまりは見栄っぱりで、勇気がないから、せっかく才があってもそれが育たない・・・。」

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Posted by ブクログ 2017年03月31日

なんだろう、どこがどうでこの作品が良かったというのは言いにくいのだけど、全体的に柔らかく透き通った印象の本で、読んでいて心地良かった。
留美子と俊国の話がメインになるのかと思えば、圭一郎にも恋の兆しがあり、面白い。
でも圭一郎のお相手の中国人女性は、ちょっと受け入れにくい。

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Posted by ブクログ 2014年01月19日

約束の冬(上) 宮本輝(著)

人と人の間で、コミュニケーションする。
その中で、約束 がある。
人は、生きている間に、どれだけの約束をするのだろう。
親との約束。
恋する人への約束。
愛する人との約束。
子供との約束。

物語の中に巡らされる約束。
留美子は、少年から、10年後に 結婚し...続きを読むようという
ラブレターをもらった。
その奇妙な申し出をした少年は 誰なのか
そのことが,10年の月日が流れることで 明らかになっていく。

留美子には、妻子あるオトコと 恋愛していた。
そして,そのオトコは 妻子と別れ
留美子と結婚すると言っていた。
そのオトコは言う「ボクは必ず約束を守る」と。
しかし,その約束は 妻の妊娠によって 
あっけなく破られることとなった。

留美子は、幼友達の芦原小巻とも、約束していた。
小巻は、若いにもかかわらず、肝臓ガンに侵された。
それでも、留美子との約束が希望となって、生き延びた。
その希望とは。

留美子の弟は、アメリカの大学に行って、コンピュータの会社に
就職したが、木工の修行に転身。
それは、死んだ父親との約束だった。

若い時に時計を壊した俊国の父親の約束。
父親は俊国が 2歳の時に 事故で死んだ。
俊国は 上原桂二郎のもとに,連れ後として成長する。
父親の約束を実行しようとするおじいちゃん。

約束が錯綜し、それぞれが 互いに繋がって行く。
守られる約束。破られる約束。
約束に拘束されながら生きる 人間。

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Posted by ブクログ 2013年09月06日

宮本作品は、女性の言葉遣いが綺麗。会話文がとても気持ちよく、登場人物のたたずまいも品がある。ぜひ若者に手にとって欲しい作品たち。物語は淡々としているが、飛行蜘蛛、葉巻、パソコン、古木、ゴルフなど幅広いアイテムがアクセントになって好奇心をくすぐられる。主人公の留美子と年下の俊国、桂二郎と若い中国人女性...続きを読むの恋?の行方も気になる。有川さんのようなわかりやすいキュンキュンもいいけれど、こんな渋い大人の恋のカケヒキ、深みを味わえる作品はいいなぁ。下巻へ。

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Posted by ブクログ 2013年09月04日

普通の人の日常で起こる様々な事で、心理状態の変化の描写がドラマチックでなく、自分にも起こりそうな感じでつい感情移入してしまう。

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Posted by ブクログ 2013年05月09日

これまで生きてきた中で、他者、そして自分自身への約束が一体どれほどの数があるのだろうと考えを巡らしました。守れた約束・果たせなかった約束…。様々な約束があるけれど、こんな心の豊かさがにじみ出る約束に触れたのは初めてです。個人的にラストに少し不満があるので評価は少し下げました。

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Posted by ブクログ 2012年06月01日

2012.5.20~2012.5.24

登場人物:氷見留美子、上原桂二郎、上原俊国

10年前に手渡された1通の手紙から始まる、とても素敵なお話です。出てくる人・場所すべて素敵で、自分の周りに実在してくれたらと願ってしまいます。

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Posted by ブクログ 2010年04月12日

随分前に読んだから記憶違いご容赦。飛行蜘蛛?でしたっけ、あと葉巻、それとなく大人の世界への題材つかって。自分文章かけないですが「小説家」・「小説化」の醍醐味ってこんなところにあるんだと思った。

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Posted by ブクログ 2010年04月08日

作中に登場する色々な人々が
けなげに自分を律しながら明日への希望を願う姿は
まさにこれから大空へと糸を伸ばす…
に重なります。

生きるよすがを持つ人は
潔よいなあ、自分もそうでありたいと
柔らかく背筋を伸ばされた気分。

上原桂二郎に松阪熊吾を感じるのは
気のせいだろうか。

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Posted by ブクログ 2009年10月12日

「十年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです。」

約束をテーマにした作品。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「10年後の12月5日、蜘蛛が空を飛ぶ場所であなたにプロポーズします」

桂二郎の息子・俊国は10年前、15歳の時に22歳の留美子にちょっとかわったラブレターを手渡していた。
10年後に2人は再会するが、最初のうちは留美子は上原俊国があの俊国だとは分からないが、だんだんと分かっていく

留美子、桂二...続きを読む郎の二人の生活を中心に話が進んでいく.
人間描写がすばらしい.

宮本輝作品の中で自分の中では 海岸列車についで2位の作品.

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

空を飛ぶ蜘蛛とはなんと魅力的な題材であろうか。

それを上手く物語の導入に用いていた。

クライマックスに向けて、どのように二人が近づいていくのか

下巻に向けての期待が膨らんだ。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

久しぶりの宮本輝。
そして、
女性でこの物語が嫌いな人がいるであろうか、否いない(反語)。
ちょっともう素敵すぎて。
女性に激しくおすすめ。

あとがきで作者が、
「自分のまわりにいて欲しいと思う人々を登場させた」、
と語っているだけあり、
登場する人のほとんどが素敵です。

心を暖めるためにどうぞ...続きを読む

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

久しぶりに宮本輝さん。読みやすい文章で引き込まれます。登場人物が多くて、いろんな要素が絡み合ってくる感じ。とってもいいところで上巻終了です。
書店で見つけたとき、下巻とセットで買おうとしたんだけど、おサイフ開けてみたら1000円札1枚しか入ってなかった。最近は文庫本も高いですよねぇ。。早く下巻読みた...続きを読むいです。
入手経路→街の小さな本屋さん

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

10年前に「10年後、地図の場所でお待ちしています。ぼくはその時、あなたに結婚を申し込むつもりです」という手紙を高校生の男の子から渡されたところから、年月を経て偶然再会を果たすところからストーリーは、展開される。ありがちな話しだけど、全く嫌じゃない感じでした。最後の終わり方が好き。大人の美しい恋愛話...続きを読む

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Posted by ブクログ 2016年01月28日

ここ何年かで宮本さんの作品を知り、自分と同じ病気を経験した人ということもあって読むようになりました。
年配の宮本さんの書く文章は、若い世代の自分には知らない言葉が多く、読むだけで勉強になります。

登場人物たちが楽しむゴルフや葉巻、食べ物やお酒など、丁寧に丁寧に語られてゆくと(少し長いくらいですが・...続きを読む笑)
読みながら人生を楽しむコツを教えてもらっているようです。

下巻まで大きな展開もどんでん返しもなく、淡々と進むのになぜか飽きないのは文章力でしょうか。
登場人物が困難な状況にあっても前向きな人ばかりで、読んでいて襟を正されるような気持ちになります。
宮本さんは人に対しても自分に対しても、希望を捨てていない人なのかもしれません。

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Posted by ブクログ 2016年01月25日

宮本作品に出てくる人物はどうして魅力的なのか?と考えながら読みました。自分なりの考えですが〝丁寧に生きているから〟だと思います。
今回は様々な約束を軸に話が進んでいきますが、自分は普段〝約束を守れているのか〟との問いを小説から受けている気がしました。
俊国、小巻の約束はどうなるのか?下巻が楽しみです...続きを読む
上巻では、留美子と小巻が食事をしながら話している場面が印象的で、徒然草を語るシーンは心に残っています。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年05月12日

実は、下巻まだ買ってません。


でも、空を飛ぶ蜘蛛の話、ちょっとこれはびっくり。

面白かった。


でも・・・
話が淡々と進みすぎるんですよね。

なんか、パッションが無い。

でてくる人がみんな、性善説を絵に描いたよう無い人ばかりで、毒がある人がいない。
それがなんか、味気ない。

まぁ、宮本...続きを読む輝の作品って、悪人らしい人はあんまり出て来ないんだけどね。

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Posted by ブクログ 2011年04月24日

2000年10月から2001年まで1年間『産経新聞』に掲載され、2003年に単行本として出版された作品。

 主人公の留美子は22歳の時、7つ下の少年から10年後の結婚を申し込まれる。10年の歳月を経て、かつての少年とその家族との付き合いがはじまっていく。

 率直に言って、前半にふくらませたストー...続きを読むリーを後半で回収しきれていないように感じた。進めば進むほど話が拡散し、何を言いたいのかつかめないまま終わってしまった感がある。無駄な描写よりはストーリーの構築の方に力を入れて欲しかった。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

「徒然草の第百五十段に書かれている・・・」
「能をつかんとする人、『よくせざらんほどは、なまじひに人にしられじ。うちうちよく習ひ得てさし出でたらんこそ、いと心にくからめ』と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。いまだ堅固かたほなるより、上手の中にまじりて、毀り(そしり)笑はるるにも恥ぢ...続きを読むず、つれなく過ぎて嗜む人、天性その骨なけれども、道になづまず、みだりにせずして年を送れば、堪能(かんのう)の嗜まざるよりは、終に上手の位にいたり、徳たけ、人に許されて、双びなき名を得る事なり。
 天下のものの上手といへども、始めは不堪(ふかん)の聞えもあり、無下の瑕瑾(かきん)もありき。されども、その人、道の掟正しく、これを重くして放埓せざれば、
世の博士にて、万人の師になる事、諸道かはるべからず」
「−芸能を身につけようとする人は、「よくできないような時期には、なまじっか人に知られまい。内々で、よく習得してから、人前に出て行くようなのこそ、まことに奥ゆかしいことだろう」と、いつも言うようであるが、このように言う人は、一芸も習得することができない。まだまったくの未熟なうちから、上手の中にまじって、けなされても笑われても恥ずかしいと思わずに、平然と押しとおして稽古に励む人は、生まれついてその天分がなくても、稽古の道にとどこおらず、勝手気ままにしないで、
年月を過ごせば、芸は達者であっても芸道に励まない人よりは、最後には上手といわれる芸位に達して、人望も十分にそなわり、人に認められて、比類のない名声を得ることである。
 世に第一流といわれる一芸の達人といっても、初めは下手だという噂もあり、ひどい欠点もあったものである。けれども、その人が、芸道の規律を正しく守り、これを
重視して、気ままにふるまうことがなければ、一世の模範となり、万人の師匠となることは、どの道でも、かわりのあるはずがない。−」

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

登場人物それぞれが魅力的。中でも自分に近い留美子が自分の中で甦っていく描写が好き。
人の心にある、優しさや思いやりに触れることができた作品。
ラストは宮本輝らしく、「あとは皆さんのご想像にお任せします・・・」って感じでした。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

いつも重たい作品が多い宮本輝だけど、今回は深刻ではないけれど、しみじみと感じさせるものがある作品だった。ストーリー的にはどうってことはないのだけれど、ぐいぐいと惹きつけるものがあり、飽きさせることなく読ませてくれた。ただ最後はちょっとイマイチな気がしたけれど。。。

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