宮本輝のレビュー一覧

  • 海岸列車(下)

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    過去の清算。原点。リセットそして決意
    運命と闘う事が生きるという事
    人間の拠り所。
    人間のリアリティを追究する宮本文学の真髄だな。

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    2012年07月25日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    「流転の海」第5部。こうなったらもう一気呵成に読み切るしかない。第5部ではバイタリティ溢れる還暦過ぎ、持病持ちの主人公が浮き沈みを繰り返しながらもどうにか事業を軌道に乗せていく様が描かれている。女房の房枝は伸仁とともに富山を離れ大阪へと舞い戻り、逼迫する家計を支えるため飲み屋で働く。息子の伸仁は家庭の事情で、「貧乏の巣窟」であり、またそれぞれに凄絶なドラマを抱えたアクの強い住人のすみかである蘭月ビルで、世間の塵芥に揉まれながらもしたたかに成長していく。第5部では作者の原点とも言うべき少年時代の一風景を見ることができます。

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    2012年07月23日
  • にぎやかな天地(下)

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    説法のようで説法でなく、宗教的なようで宗教的でない。ある老紳士から依頼された発酵食品に関する限定本作りをきっかけに、主人公船木が生と死の意味を見つめていくと言う話。
    発酵食品中心の話かと思ったが、微生物の営みの恩恵を、人生の様々な巡り合わせ・生死がもたらす作用に投影させる役割の発酵食品だった。
    人生に対する前向きさ、希望が淡々と書かれていていい話。

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    2012年07月18日
  • 睡蓮の長いまどろみ(下)

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    ストーリー展開が多様性もあっていろんな場所にも訪れるから、旅先で読んでてなんか合ってるなと。ただ、ふわぁっとした後半の展開に、主題である宿命だとか、生まれ持ったものについて、ぼんやりとした感想しか持てなかったなぁ。全体的には小難しい思想が読みやすくまとまってて良かったかなと。

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    2012年07月04日
  • 睡蓮の長いまどろみ(上)

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    年上の方におすすめされた純文学。
    目の前で自殺した女性から手紙が届いて…とミステリー要素が強いから東野圭吾好きな人はおもしろいんじゃないかな?

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    2012年07月04日
  • にぎやかな天地(下)

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     発酵という目に見えない微生物の営み。琵琶湖の鮒酢、鹿児島県枕崎の鰹節など伝統的製法で発酵食品を造る人々。「待つ」という行為、「時間」というものによって生み出されるもの。こうした事を通して主人公・聖司は仕事とはいかなるものかを学び人間的成長を重ねていく。
     一方、祖母が死の間際に繰り返していた「ヒコイチ」という言葉の謎?それと、聖司が母親のお腹の中にいるとき、不慮の事故で亡くなったとされる父の事や毎月2万円、死ぬまで32年間送りつづけた男が背負ってきたものがあぶりだされていくと同時に、その男の娘との出会いや美佐緒という人妻との危うい恋愛模様も描かれて物語は展開していく…。


     発酵、熟成とい

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    2012年06月29日
  • にぎやかな天地(上)

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    豪華限定本をつくるフリーの編集者・船木聖司は、松葉という人物から日本の伝統的な発酵食品を後世に残すため非売品で五百部の依頼を受ける。
     そして、丸山澄男という女好きで小々癖のある料理研究家と友人のカメラマンの協力のもとサンマの熟鮓、醤油などの取材を敢行する…。

    登場人物の会話、ほとんど軽妙な大阪弁だす。糠床の造り方のレシピを初め、グルメ本のようにお役立ち的な部分もあり( ..)φメモメモ。また阪神淡路大震災の記憶も呼び覚ますシーンもある。
    死というものは、生のひとつの形なのだ。この宇宙に死はひとつもない。こんな書き出しで始まるこの物語は、発酵食品を素材とした人間の生死と絆、愛を描いた壮大

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    2012年06月28日
  • にぎやかな天地(下)

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    様々な伏線の回収の仕方、納得する部分ともう少し描いて欲しかった部分はあるけれど。

    下巻では乗り越えた先の「生」にスポットが当てられていて、活力が湧いてくる。

    「著者解説」にあるように、私たちは、遭遇する大いなる災厄がいつどこでやってくるかを知りえない。
    その時はその先に何があるか、希望なんて持てないかもしれない。

    でも五年、十年と経って……その時間の経過は無意味ではないのだということ。
    むしろ時間の経過と共に形作られる何かがあるのだと。
    その変化を、生きることと結び付けて捉えていくことを考えさせられた。

    話の規模がどんどんと大きくなっていくのではなく、より微細になっていくのに、そこに広

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    2012年06月28日
  • にぎやかな天地(上)

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    濃厚。

    祖母の「死」がまるで一般化されたように始まって、そこから「生」へと絡んでゆく。

    祖母の糠床から繋がってゆく発酵食品についての豪華限定本の仕事。

    そして祖母の遺言から繋がってゆく聖司と美佐緒。

    阪神淡路大震災の記憶。

    それぞれについて丁寧にストーリーが仕上がっていくのは、さすが。読み応えがある。

    下巻も楽しみ。

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    2012年06月24日
  • 骸骨ビルの庭(下)

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    読み終わって、
    自分はこの物語を字面では最後まで追って行き、
    頭の中でなんとなく話を理解したつもりだけど、
    大事なところを全然理解してないんだろうなあという
    確信めいた気持ちになった。

    理解するには、今の自分には人生経験が足りてない気がする。

    歳をとってから、また再読したい作品。

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    2012年06月18日
  • ここに地終わり 海始まる(下)

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    ポルトガルのロカ岬からの絵葉書が、結核で入院している志穂子に間違って届く。しかし、その絵葉書に心躍らせ、奇跡的に18年間治らなかった結核が完治するが、そこから絵葉書を送ったジゴロと恋物語。ロカ岬はユーラシア大陸の西の果てで、自分もリスボンに行ったが、物語になると途端にロマンティックな場所になる。行ったときはそんな風には思わなかったけどなぁ。

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    2012年05月28日
  • 約束の冬(下)

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    2012.5.25~2012.5.30

    登場人物:氷見留美子、上原桂二郎、上原俊国

    10年前に手渡された1通の手紙から始まる、とても素敵なお話です。出てくる人・場所すべて素敵で、自分の周りに実在してくれたらと願ってしまいます。

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    2012年06月01日
  • ドナウの旅人(下)

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    ネタバレ

    半年にわたる長旅が、ついに終わってしまいました。
    麻沙子が母を追いかけドイツまでやってきてから、もうこんなに長い時間が経っていたのですね。
    本を読みながら私も一緒にドナウ河を旅した気分になりましたが、その土地その土地で出会った人々の人柄にとても心温まりました。
    旅先の素敵な出会いに乾杯!
    東欧の共産主義事情も初めて知りました。
    ちょいと怖いなぁと思いましたが、ブダペストに行ってみたくなりました。
    どの街も素敵なんですけどね!

    最後は、ただただスリナの朝日を見ていたい…。そんな思いに駆られました。
    半年間、本当に色々なことがありましたが、この朝日をみるべく旅をしていたような気がします。
    絹子の

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    2012年05月21日
  • 約束の冬(上)

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    2012.5.20~2012.5.24

    登場人物:氷見留美子、上原桂二郎、上原俊国

    10年前に手渡された1通の手紙から始まる、とても素敵なお話です。出てくる人・場所すべて素敵で、自分の周りに実在してくれたらと願ってしまいます。

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    2012年06月01日
  • ドナウの旅人(上)

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    冒頭が素晴らしい!

    「蛇行する無数の川は銀色に光っていたが、どうかしたひょうしに、もつれた赤い糸みたいに染まって、麻沙子は、川が地球という生き物の血管であることを、朦朧とした精神のどこかで妙にはっきりと感じた。」


    ドナウの旅人は、4人の男女がドナウ川に沿って旅をする物語ですが、この冒頭を読んだ瞬間に、この旅はとんでもない旅行になるんだろうと思いました。
    後半あたりから、その「とんでもない」旅であることが徐々に分かってくるのだけど、読み進めるにしたがって、自分の血液がドクッ、ドクッと身体全体に流れるのを感じました。

    恋愛物語でありながらサスペンス的でもあり、人物描写に非常に優れた

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    2012年05月19日
  • 青が散る(上)

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    大学生のうちに一度読んでおいてよかったなと思います。

    まだ上しか読んでいないので何とも言えませんが…





    大学生活って、結局何なんだろうなぁ。

    燎平や金子みたいに、私は打ち込んだものってないんだけど、彼らが感じている”何かやり切れないもの”は私も感じる。



    そんでもって

    『一生に二度とない、4年間もの休暇や』

    っていう安斎の言葉がやけにしっくりきた。






    大学生が一体何であるか今の自分には理解出来っこないけど、10年後、20年後にこれを読み直したら、何となく解るんじゃないかと思いました。



    下も楽しみ。






    ちょっとメランコリックになりま

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    2012年05月19日
  • 愉楽の園

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    タイを舞台した宮本輝の作品。人間のありとあらゆる感情や営みをタイという得体の知れない坩堝の中に注ぎ込んだかのようなストーリーとその文体や行間からあふれ出る混沌は、やはりタイの空気を肌で感じたことのある人間のみが創造しうるものであり、そこに宮本輝氏独自の感性が加わり、妖しく訴えかけてくるものがある。「とめどない夢精の感覚」という言葉にまとわりついて、あのむせ返るような熱気やらパクチーの匂いやら柔らかなタイ語の響きやらその他いろいろのものが渾然一体となり一瞬で私の眼前に鮮やかに蘇る。複雑怪奇なのかごくありふれたものなのかさえもはや判然としない人間模様を描いたこの不思議な物語はタイという坩堝の中で不

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    2012年05月17日
  • 約束の冬(下)

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    ゆったりとした、ぬる~い、でも、何か”いいこと”がたくさん含まれている”宮本ワールド”が僕は大好き。 

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    2012年05月15日
  • 骸骨ビルの庭(下)

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    宮本輝の文章が好き。日本語の美しさを感じる。
    大袈裟でなく、遜ってもいない。自然な日本語。
    子供が出来たら、ぜひ宮本輝を読ませたいと思う。

    この作品の舞台は大阪の十三。
    登場人物の身の上話が、すべて語り口調なので、文章の中にも大阪弁が多く出てくる。
    中にはズルイ奴、人の顔色ばかり伺ってる奴、オネエなどなど、色んな個性が集まっているけれど、主人公のヤギショウさんの語り口が、それを緩和して、まとめている感じ。

    ラストまで、「どうなるんだろう・・・」というドキドキを引っ張りながら、登場人物たちの個性を浮き彫りにし、最後には親代わりとなったパパちゃんと茂木のおじちゃんの人となりを集大成として描く。

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    2012年04月10日
  • 真夜中の手紙

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    さくさくと読めました。児玉清さんとの逸話が心に残るなあ。慈雨の音で、最後の三ページを捨て去った話、そうだったんだと印象的だった。

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    2012年03月15日