宮本輝のレビュー一覧

  • 花の降る午後

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    初めての宮本輝作品。心地よい幸福な作品。

    坂の上のフランス料理店アヴィニョンを経営するマダム
    最愛の夫に先立たれた未亡人典子37歳の物語

    隣人リード、陰の支援者黄氏、アヴィニョンの凄腕シェフ…
    典子の人望に惹かれた周辺人物の働きと、
    その中心で若手画家との悦びに身を委ねる典子の対比

    人生の選択をテーマとしつつもその決断ができず
    今の悦びを大切に生きる
    周囲で起こる陰謀は周辺人物の働きで終息
    トラブルの当時者にはならずともトラブルは解決

    店=これまでの人生or男=女としての幸せ
    主軸となる重たい選択については先送りに…する辺りが妙にリアル。人生なんてこんなもんでしょ、時にはキッチリ決めら

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    2011年04月09日
  • 五千回の生死

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    ネタバレ

    「トマトの話」「眉墨」「力」「五千回の生死」「アルコール兄弟」「復讐」「バケツの底」「紫頭巾」「昆明・円通寺通り」
    宮本輝ははじめて。うーん、土の匂いがするぞ。
    「トマトの話」がなんて不完全燃焼な…でも、劇的でないからこそのリアル。届かなかった手紙のほうが世界には多いんだろう。
    「五千回の生死」一日に何べんでも死にたくなったり生きたくなったりする男との出会いの話。表題作だけに一番よかった。ちょっと怖いけど、この男に会ってみたくなる。

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    2011年03月26日
  • 避暑地の猫

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    初、宮本輝。
    薦められて読んだ一冊。ほかの作品も読んでみたい。

    幸せだったはずの2つの家族の中で、主人公の人格が構成されてゆく物語。
    少年から青年へと変わっていく主人公の人格が、時折狂気に満ちたものに変化する。その部分と、途中から僅かにみせる恋心。

    物語なのに、妙にリアルで衝撃的な作品だった。

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    2011年02月27日
  • ドナウの旅人(上)

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    ステレオタイプな出だしですが、だんだん惹かれてくる作品。宮本輝はあまり好きじゃないけど、この作品は面白い。

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    2011年02月22日
  • ドナウの旅人(下)

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    ステレオタイプな出だしですが、だんだん惹かれてくる作品。宮本輝はあまり好きじゃないけど、この作品は面白い。

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    2011年02月22日
  • 五千回の生死

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    宮本輝の短編集。

    同じ体験はしていないのに、
    どの作品も同じような気持ちになったとこがある気がして
    心に刺さる。

    一番好きなのは「トマトの話」

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    2011年01月22日
  • 春の夢

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    最初は読み進めるのがなかなかきつかった。
    しかし、10ページも読めば、淡々と、沸々と、低い音で、青い炎がみえるよな、恐ろしく抽象的だが、なんかそんな感じの魅力にやられる。

    くらい、つらい、だけどなんだか強くて、単純にいえば、かっこいい。


    蜥蜴のキンに対する気持ちも何だか、わかってくる。
    やっぱり宮本輝ってうまいよなー。
    小説家だよなー。
    と思う。

    単純じゃない、奇妙な状況が、よりうまく心情を伝える。
    良い道具になる。

    あー小説家ってすげぇ。

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    2011年01月14日
  • ドナウの旅人(下)

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    2011.1 再読
    最初に読んだときは、絹子が嫌で嫌でたまらなかった。置いていけばいいのに。放っておけばいいのに。何度もそう思ったっけ。再読では、それほどに感じなかった。マサコの印象がちょっとかわったかな。

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    2011年01月08日
  • ドナウの旅人(上)

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    2011.1 再読。
    以前読んだ時よりも、地名その他の知識がついた。シギィはいい男だなぁ。マサコのお父さんの動物園でのエピソードはひどい。暴力はいけないよ。

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    2011年01月08日
  • 血の騒ぎを聴け

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    学生時代に宮本輝作品は何作も読みました。
    エッセーを読んで、久しぶりにまた未読の作品を
    読んでみたいなと感じました。

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    2011年01月06日
  • オレンジの壺(下)

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    二段階で読める書き方が、新しいな、って思いました。

    …って言うても結構前の作品だけども。

    自分が生まれたこの時代、自分の意志の届かない生まれた環境・状況。
    それに対して思いを巡らしてみると、戦争については一度、考え込んでみても良いのかもしれない。

    答えを探してしまったら、この物語は満足できないかもしれないと考えます。

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    2010年12月19日
  • 胸の香り

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    哀愁漂う大人たちの短篇集。それぞれの過去や、誰かを不幸にしている状況すべてひっくるめて郷愁をさそう話ばかり。

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    2010年11月23日
  • 五千回の生死

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    良かった、短編の良さが詰まっている。5000回の生死、トマトが特に印象に残っている。筆者は素晴らしいストーリーテラーだと思う。

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    2010年11月15日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    大河ドラマ『流転の海』シリーズ。
    前作と間があいているので、思い出すのが大変だった。
    しかし、至極の言葉は健在。
    これから伸仁がどのように成長していくのか期待。

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    2021年06月20日
  • 道頓堀川

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    p49
    「あんた、ほんまに嫉きもちやきやねんから・・・・」
    「うちが、どんなにあんたのことを好きか、よう知ってるくせに・・・」
    大人じゃ~!!
    この技を手に入れたら一生夫婦円満でしょう!

    p129ぜんぶ。
    ギヤマンの色が、杉山の描く海の色ってくだり。

    p137
    「それに足すことの三や」
    っていったまち子がかわいい★

    p142
    「小太郎、もう帰ってけえへんわ」
    まち子は同じ言葉を同じ調子でつぶやくと、微笑みながら、こんどははっきりと自分から唇を寄せてきた。
    きゅ~ん★★

    登場人物がいいね!個人的にはかおるが大好き。
    リバーみたいな店だったら持ってみたい。

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    2010年08月21日
  • 焚火の終わり 下

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    物語の根幹である設定自体には全く共感ができなかったけれど、そこはやっぱり宮本輝さんの書く小説だけあって、すっと身体に入ってくるように読めるから不思議。

    そして、宮本輝さんの描く女性って皆気持ち良い素敵女性。
    それもまたすっと読み進めていくことができる一つの要因なのかも。

    でも間違っても伏線の回収を事細かに読み追うようなミステリーファンにはお勧め出来ない。ミステリーとして読んでしまうと不完全燃焼で終わることは間違いなし。

    気持ち悪い読後感を好む人にならお勧め。

    なので私はこの不完全燃焼感を楽しんでいます。

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    2010年08月10日
  • ドナウの旅人(上)

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    初版が1985年。初読みはそのときだろう。絹子は八千草薫が適役だな、なんて思ったのか思わないのか覚えていない、麻紗子は誰を思い浮かべたのか。そもそも映画化・ドラマ化されたのかも覚えていない。でも、ひきつけられる。母親の逃避行に自らの捨てた恋の再生を重ねるなんてストーリーもいいなあ。

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    2010年05月30日
  • 焚火の終わり 下

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    ネタバレ

     出生の秘密を探るうちに、二人は愛しあうようになる。「近親相姦」この罪悪感がますます二人を燃え上がらせる。

     やがて2人は両親たちの謎の残る岬の家の近くに茅葺き農家を移築して改築し、旅館業を営むことを決める。そしてラストで謎が・・・・。

     のはずなんだが・・・結局完全に謎は解けないまま終わってしまいます。おいおい。
     なんとなーく「こういうことかな?」と予想はできるのだけれど。当事者たちが納得しているのなら、ま、いいか、で納得せざるを得ない終わり方。白黒はっきりしたい人にとっては、ちょっと消化不良ぎみのラストかも。

     とはいえ、いろんな意味で、愛情を感じるラストだったようには思い

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    2014年02月02日
  • 約束の冬(上)

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    随分前に読んだから記憶違いご容赦。飛行蜘蛛?でしたっけ、あと葉巻、それとなく大人の世界への題材つかって。自分文章かけないですが「小説家」・「小説化」の醍醐味ってこんなところにあるんだと思った。

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    2010年04月12日
  • 約束の冬(上)

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    作中に登場する色々な人々が
    けなげに自分を律しながら明日への希望を願う姿は
    まさにこれから大空へと糸を伸ばす…
    に重なります。

    生きるよすがを持つ人は
    潔よいなあ、自分もそうでありたいと
    柔らかく背筋を伸ばされた気分。

    上原桂二郎に松阪熊吾を感じるのは
    気のせいだろうか。

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    2010年04月08日