宮本輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての宮本輝作品。心地よい幸福な作品。
坂の上のフランス料理店アヴィニョンを経営するマダム
最愛の夫に先立たれた未亡人典子37歳の物語
隣人リード、陰の支援者黄氏、アヴィニョンの凄腕シェフ…
典子の人望に惹かれた周辺人物の働きと、
その中心で若手画家との悦びに身を委ねる典子の対比
人生の選択をテーマとしつつもその決断ができず
今の悦びを大切に生きる
周囲で起こる陰謀は周辺人物の働きで終息
トラブルの当時者にはならずともトラブルは解決
店=これまでの人生or男=女としての幸せ
主軸となる重たい選択については先送りに…する辺りが妙にリアル。人生なんてこんなもんでしょ、時にはキッチリ決めら -
Posted by ブクログ
p49
「あんた、ほんまに嫉きもちやきやねんから・・・・」
「うちが、どんなにあんたのことを好きか、よう知ってるくせに・・・」
大人じゃ~!!
この技を手に入れたら一生夫婦円満でしょう!
p129ぜんぶ。
ギヤマンの色が、杉山の描く海の色ってくだり。
p137
「それに足すことの三や」
っていったまち子がかわいい★
p142
「小太郎、もう帰ってけえへんわ」
まち子は同じ言葉を同じ調子でつぶやくと、微笑みながら、こんどははっきりと自分から唇を寄せてきた。
きゅ~ん★★
登場人物がいいね!個人的にはかおるが大好き。
リバーみたいな店だったら持ってみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ出生の秘密を探るうちに、二人は愛しあうようになる。「近親相姦」この罪悪感がますます二人を燃え上がらせる。
やがて2人は両親たちの謎の残る岬の家の近くに茅葺き農家を移築して改築し、旅館業を営むことを決める。そしてラストで謎が・・・・。
のはずなんだが・・・結局完全に謎は解けないまま終わってしまいます。おいおい。
なんとなーく「こういうことかな?」と予想はできるのだけれど。当事者たちが納得しているのなら、ま、いいか、で納得せざるを得ない終わり方。白黒はっきりしたい人にとっては、ちょっと消化不良ぎみのラストかも。
とはいえ、いろんな意味で、愛情を感じるラストだったようには思い