宮本輝のレビュー一覧
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夢見通り商店街に住む一癖も二癖もある人々の悲喜こもごもの物語を集めたオムニバス形式の短編集です。
夢見通りは戦後の闇市から発展した商店街。そこに暮らす住人はよく言えば人間味がある、悪く言えば癖が強い、腹に一物どころではない物を抱えた人ばかり。オムニバス形式で少しずつ進んでいく物語は、話によって主人公が変わるものの、ちょくちょく里美という男性が登場する。お人好しで、巻き込まれ体質の独身会社員。周りの住民たちに振り回されつつ、今日も彼は彼ら彼女らと世知辛く生き辛い世の中を泳いでいる。
今作を手に取ったのは、この著者宮本輝さんの文章が読みたくなったためです。この方の文章は独特の魅力があるよ -
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先日、映画館で「幻の光」が「能登半島地震 輪島支援 特別上映」と冠され、1995年の公開から29年の歳月を経て、デジタルリマスターにて上映されるということを知り、鑑賞して参りました。
本作が宮本輝さんの作品であること、映画化されたこと、主人公の女性を演じられている俳優のお名前くらいは知っている程度の認識でした。ストーリーや舞台として能登が登場すること、また監督を是枝裕和さんが務められ、これが長編映画デビュー作であったことなどは今回知ることとなりました。
古き日本の風景に「あるもの」を纏わせた絵画のような美しい映像に圧倒される映画でした。
そして、ぜひ原作も読んでみよう、と手に取った次第です。
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感想
今回は熊吾と房江の視点それぞれから交互に物語が語られる形式。
夫婦の周りにはどうしようもない人が多いが、自分たちが呼び寄せているのか?時代のせいなのか?なかなか安穏な日は訪れなさそう。
そんな激動の中で、息子の伸仁は病弱ながらも花札や賭けマージャンなどよからぬ方向へ。
あらすじ
熊吾は大阪に戻り、56歳、伸仁は小1になっていた。
熊吾は新しくテントの接着剤と中華料理屋、雀荘の事業を始める。
丸尾の隠し子がいる愛人が亡くなり、浦辺ヨネに城崎で小料理屋をやらせてことなきを得る。
周の子供の麻衣子は井手と結婚したが、井手の不倫に怒って、家出し、別れる。
妹のタネが母親を連れて無 -
Posted by ブクログ
ネタバレロス在住の叔母(菊枝)が日本滞在中に逝去したという知らせ。相続人である甥の弦矢は莫大な遺産を手に入れる。
5歳の時に病死したはずの叔母の娘レイラが、実はスーパーで連れ去られ、行方不明になっていた。少しの望みにかけ、弦矢は調査会社の優秀な探偵ニコとともに27年間封印されていた真実を追う。
菊枝は幼児愛者の夫から娘を守るため、誘拐と偽って、信頼しているマクリード夫婦に彼らの娘として育ててもらっていたのだ。
大事な一人娘を手放さなければならなかった菊枝の気持ちは、想像を絶する。
夫やまわりの人達にも嘘をつき続けなければならないなんて、生きた心地がしなかっただろう。もっと他のやり方はなかったものか。