宮本輝のレビュー一覧

  • 錦繍

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    名作と謳われる大人の恋愛文学、と身構えて読んだのだが、冷静に見ると「不倫で身を滅ぼした元夫」と「未練をぶつける元妻」の赤裸々すぎる、かつ手紙にしては長すぎる文通である。
    共感ポイントは正直あまりないのだが、「おいおい、この二人はどこへ行くんだ」と怖いもの見たさの読み応えは充分。

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    2026年10月23日
  • 灯台からの響き

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    静かな、いい物語でした。
    自分はまだ40になったばかりですが、60代になったらもう一度読もうと思いました。
    それまでに、康平が好きだった森鴎外の「渋江抽斎」、島崎藤村の「夜明け前」を読んでおこうと思います。

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    2026年10月23日
  • 錦繍

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    ネタバレ

    過去の出来事や後悔、愛憎を通して、人間の心の複雑さと、過去が現在を形づくり、今の生き方が未来を変えていくことの深さを感じさせてくれる作品だと感じた。

    人は時に、悲しみや恐怖、嫉妬といった感情に苦しみながらも、時の流れとともに変わり、少しずつ自分の過去を受け入れていく。生と死の境界、そして人の本質とは何かを考えさせられるとともに、過去は変えられなくても、今の生き方によって未来は変えていけるということを心に刻んでくれる一冊だった。

    気に入ったフレーズ↓

    「生きていることと、死んでいることとは、もしかしたら同じことかもしれへん。そんな大きな不思議なものをモーツァルトの優しい音楽が表現してる気がしましたの」。 P81

    素敵な出逢いに感謝です。ありがとうございます。

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    2026年10月21日
  • 避暑地の猫

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    とても暗い悲しい話で宮本輝さんとは到底思えない内容でした。明るい美しい軽井沢の小説を次は読みたいです。

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    2026年10月20日
  • 春の夢

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    片町線の住道という田舎駅の安アパートに住む大学4年の哲之を中心の生活は、昭和時代の貧しい時代を懐かしく思い出さされ、いかにも可愛い女の子・陽子との2人のキャンパスの恋は何か切ない雰囲気を漂わせている。そして哲之の部屋に釘打ちされ、棲息を続けているトカゲのキンが不思議な存在感。正に哲之や陽子、そして登場するホテルの同僚の磯貝、ドイツ人のランゲ夫妻、京都の古い家に住む沢村千代乃という老女などが、何とか生きている姿を象徴している存在になっている。この書名が最初は「棲息」だっということが納得できる。しかし、「春の夢」に改題したことが、若い男女2人の淡い希望を示していることで小説の魅力を増したように思う。

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    2026年10月20日
  • 湾

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    ネタバレ

    ある姉弟の一生が描かれている
    2人は一風変わった祖父母たちを持ち、自由に育てられる
    大人になると莫大な財産を相続するが、2人はマイペースに人生を送る
    弟は結婚し、5人の子供に恵まれ、姉は独身を貫く
    2人はずっと妙な絆で繋がっている
    凄く穏やかな気持ちで見ることができた
    家族ってやっぱり大切なんだなって改めてたり前のことを思った

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    2026年10月19日
  • 錦繍

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    インスタで前知識無しで是非読んで欲しい作品として紹介されていたので、十二国記の合間のお口直し的にいいかなーと読んでみたけど………
    なるほど、『現代日本文学における「書簡体小説(手紙だけで進行する小説)」の最高傑作』と言われるのはわかった。たしかに文章も美しい。
    しかし、クズ男の登場で胸糞の悪さしかなかったゎょ……

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    2026年10月18日
  • よき時を思う

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    宮本輝さんの作品を読むのはこれがはじめて。

    読み始めは、徳子おばぁちゃんの過去の話が綾乃の視点で展開されていくのかと思いきや、そうでもなく。ある意味裏面の文章に騙された感もなくもない(笑)

    吃音と妙音菩薩がテーマなのか、人との繋がりがテーマなのか、気がついたら読み終わっていたのだが、P376の義父と徳子の会話が題名の”よき時を思う”に繋がるのだろうと感じる。

    んで、棚田と綾乃はどうなるんですかね?

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    2026年10月17日
  • 五千回の生死

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    言葉、文章、表現、やはり綺麗で読みやすい。上品さを感じるというか。でも、物語はよくわからん。笑
    復讐は結局エスとエムの話?

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    2026年10月16日
  • 湾

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    人の一生は多くのことがある
    五老ヶ岳から舞鶴湾を見てみたい
    木内さんの絵も五老ヶ岳で描いたのかな?
    出てくる人が多く最初は戸惑ってしまった
    私は誰と

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    2026年10月16日
  • 骸骨ビルの庭 下

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    語り部であるヤギショーさんて
    上巻では安心感のある人物かと思ったが
    下巻では思いつきで動き出す軽い人なのかと
    感じたことが多々あった
    そりゃあ奥様は呆れてしまうよな
    それでもなぜか周りの人から
    愛される素質がたっぷりあって
    なんていうか憎めないタイプ

    それはさておき
    結局は思い描いた結末ではないものの
    ヤギショーさんがきっかけを作り
    あるべき場所へとそれぞれが収まる

    大変な時代を生きてきた人々ではあるけれど
    何やらほんわかしたラストであった

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    2026年10月10日
  • 骸骨ビルの庭 下

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    戦争、食べ物がないこと、子供だけで生きていくこと等、どれだけ辛く苦しいことなのか。
    想像してみたが、自分には本当の意味ではわからないと思う。

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    2026年10月06日
  • よき時を思う

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    読み終えるのに本当〜〜〜に時間がかかった!
    つまらないとかではまったくない。
    (マイナスな感情はひとつもなかった)
    でも、とにかく読むのに時間がかかった。

    晩餐会のシーンはどこを切り取ってもウキウキして、普通の家庭(普通ではないけど)の非日常を切り取っているような高揚感を感じられてとても楽しかった。
    ごはんもワインもおいしそうで、楽しそうで。

    視点が変わって場面が変わって、ところどころこれなんだっけ?ってなるようなシーンはあったけど、粛々とお話が進んでいく、でも手が止まらない!って感じではない、なんだか不思議な感覚で読み進められた1冊。

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    2026年10月04日
  • 五千回の生死

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    9つの短編集。
    五千回の生死。なんとも宮本輝さんらしいタイトル。
    「おい、お前、今は死にたいのか? 生きたいのか?」

    宮本さんご自身の父熊吾の半生を描いた超大作『流転の海』の登場人物とつながるつながる。「力」や「紫頭巾」は、大作の一部が切り取られているような感じがしました。
    ただ、「復讐」はちょっと異質な着地点になっていて、何とも言えない苦笑いが出てしまいました。

    まだ読んでないシリーズを続けよう。いや、読んだやつも再読しよう。

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    2026年10月03日
  • よき時を思う

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    ネタバレ

    思ってた展開とはまったく違いました(笑)
    読み始めからしばらく、ちょっと読むのをやめようかと思うくらい
    何を読まされてるのか、この話に意味があるのか等々、疑問に思いましたが
    もうちょっとと読んでるうちに
    話に夢中になりました。
    晩餐会の設定は突飛でしたが、その謎も解けていき、
    いろんなエピソードは最後まで回収されないままではありますが
    全体的に心があったかくなる話です。
    そして最後までやっぱり読んでよかった。
    冒頭と最後がこうつながるのか、
    そして「もう心配しないことですよ。…」のことば。
    この一節に今、私が出会うためにこの本は必然だったんだと
    (大げさですが)思うしだいです。
    また再読しようと思います。
    その時々で、感じ方が違うんだろうなあと思います。

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    2026年10月02日
  • 錦繍

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    ネタバレ

    手紙のやり取りだけの構成は斬新だった。そしてその文体の美しさに引き込まれた。

    がしかし!いろいろ言いたいことがある。
    いやそもそも、不倫相手と心中という運命的な事件のゆえに愛し合いながらも離婚した夫婦…だとぉ?!
    亜紀よ!目を覚ますのよ!ってところからツッコミを入れなければならない。
    夫が不倫相手と心中事件を起こしたのよ?
    それでも愛する?はぁ?
    なわけあるかい!ドン引きで秒で追い出すわよ!
    世の男性の頭の中って、こんなにご都合良いのかしら?

    そして有馬に物申す!!あなたの伝えたいことは、相手が聞きたいこととズレているのだわよ!さらに傷を抉ってきてんじゃないわよ!
    という具合に、全くデリカシーのない有馬に途中からうんざりしつつ、でもそこがこの物語の面白みでもあるのだけれど。聞こえのよいことばかりなら、面白みが薄々になってしまうから。

    そこで忘れてはならない、事件の張本人である不倫相手の由加子。
    有馬にとっての由加子という存在は、有馬が唯一カッコイイ男を演じていられる相手だったんじゃないだろうか、、
    家に帰れば婿養子として、亜紀の夫としての価値がどうしても引っ付いてくる。
    由加子と共にしている時間だけが、有馬が有馬靖明として存在できる瞬間だった、、
    帰れば、また亜紀の付属品となるのだから。
    対して由加子の有馬に対する想いとは、、
    有馬へ言った「あなたは家に帰っていくじゃない」このひと言に全てが詰まってる。

    由加子は「有馬の全部が欲しい」
    有馬は「由加子といる自分が好き」

    愛の矢印が違う方をむいているのよ。残酷だわね。けれども世の不倫の男女とは大体がこのようなもの。報われない。不倫なんて結局はエゴイズムでしかないと私は思う。

    というわけで、どっぷり余韻に浸れる作品であることは間違いない!

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    2026年09月20日
  • 錦繍

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    何年も積読していたこちらをやっと
    読み終えました。
    久しぶりに純文学に触れましたが
    意外にも一気読みでした。
    とある事件をきっかけに、別れた元夫婦が
    偶然再開し、別れた理由や当時の気持ちを
    互いに書簡としてやり取りした記録。

    美しい文章のやり取りは一部あるものの
    この2人の気持ちに全く入りきれず
    結局のところ何がしたかったのか。。
    没入出来ないまま終わってしまった。
    純粋にハッピーエンドでもなくかと言って
    イアミスでもなく、終始ぼんやりとした印象。

    単に自分が共感できなかったと言えば
    そうかもしれないけれど、やり取りに
    身も蓋もないと言うか。

    読み返すことはないかな。

    有名作品ではあるけれど、万人ウケするわけ
    ではないのですね。純文学は難しい。

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    2026年09月17日
  • 春の夢

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    主人公と同じ大学生ぐらいでこの本を読んでいたら共感性羞恥で途中下車してしまった気がします。若さゆえに、希望やら失望やら、まだまだ先が長いぞと人生を持て余しているのか、シンプルに決断をくだせない、目も当てられない拗らせ方がいいですねぇ〜。笑
    関西人の私にとっては、当時の関西の電車や街並みのリアルな描写が、宮本輝作品の一つの醍醐味だったりします。

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    2026年09月10日
  • よき時を思う

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    初めて宮本輝先生の本を読みました。
    読み終えた時に表紙のタイトルを見て「…そう言う事か」と
    自分の中にある不運に思う事すらもスッと落とし込める
    実に考えさせてもらえました。

    結論は読みながら読者が感じると言うのは初めてだったので
    新鮮で面白かったです

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    2026年09月09日
  • 草花たちの静かな誓い

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    なに不自由のない暮らしで
    悠々自適だと思っていた叔母にも
    人知れず隠してきた秘密があった。
    その真相を知った時、弦矢は自分に託された
    事の大きさに悩むこととなる。
    結局、弦矢の判断は正しかったのか?
    現実に生きていく残された者たちが
    その真相を、これからの糧として
    それぞれの胸に秘めて前向きに進む
    原動力になれば何よりである。
    結局、死ぬまで打ち明けられず
    怯えながら日々を過ごした叔母菊枝の
    広すぎる庭での草花との生活が
    切ない。

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    2026年09月06日