宮本輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み終えるのに本当〜〜〜に時間がかかった!
つまらないとかではまったくない。
(マイナスな感情はひとつもなかった)
でも、とにかく読むのに時間がかかった。
晩餐会のシーンはどこを切り取ってもウキウキして、普通の家庭(普通ではないけど)の非日常を切り取っているような高揚感を感じられてとても楽しかった。
ごはんもワインもおいしそうで、楽しそうで。
視点が変わって場面が変わって、ところどころこれなんだっけ?ってなるようなシーンはあったけど、粛々とお話が進んでいく、でも手が止まらない!って感じではない、なんだか不思議な感覚で読み進められた1冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ思ってた展開とはまったく違いました(笑)
読み始めからしばらく、ちょっと読むのをやめようかと思うくらい
何を読まされてるのか、この話に意味があるのか等々、疑問に思いましたが
もうちょっとと読んでるうちに
話に夢中になりました。
晩餐会の設定は突飛でしたが、その謎も解けていき、
いろんなエピソードは最後まで回収されないままではありますが
全体的に心があったかくなる話です。
そして最後までやっぱり読んでよかった。
冒頭と最後がこうつながるのか、
そして「もう心配しないことですよ。…」のことば。
この一節に今、私が出会うためにこの本は必然だったんだと
(大げさですが)思うしだいです。
また再読しようと思います。
その時々で、感じ方が違うんだろうなあと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ手紙のやり取りだけの構成は斬新だった。そしてその文体の美しさに引き込まれた。
がしかし!いろいろ言いたいことがある。
いやそもそも、不倫相手と心中という運命的な事件のゆえに愛し合いながらも離婚した夫婦…だとぉ?!
亜紀よ!目を覚ますのよ!ってところからツッコミを入れなければならない。
夫が不倫相手と心中事件を起こしたのよ?
それでも愛する?はぁ?
なわけあるかい!ドン引きで秒で追い出すわよ!
世の男性の頭の中って、こんなにご都合良いのかしら?
そして有馬に物申す!!あなたの伝えたいことは、相手が聞きたいこととズレているのだわよ!さらに傷を抉ってきてんじゃないわよ!
という具合に、全くデリカシーのない有馬に途中からうんざりしつつ、でもそこがこの物語の面白みでもあるのだけれど。聞こえのよいことばかりなら、面白みが薄々になってしまうから。
そこで忘れてはならない、事件の張本人である不倫相手の由加子。
有馬にとっての由加子という存在は、有馬が唯一カッコイイ男を演じていられる相手だったんじゃないだろうか、、
家に帰れば婿養子として、亜紀の夫としての価値がどうしても引っ付いてくる。
由加子と共にしている時間だけが、有馬が有馬靖明として存在できる瞬間だった、、
帰れば、また亜紀の付属品となるのだから。
対して由加子の有馬に対する想いとは、、
有馬へ言った「あなたは家に帰っていくじゃない」このひと言に全てが詰まってる。
由加子は「有馬の全部が欲しい」
有馬は「由加子といる自分が好き」
愛の矢印が違う方をむいているのよ。残酷だわね。けれども世の不倫の男女とは大体がこのようなもの。報われない。不倫なんて結局はエゴイズムでしかないと私は思う。
というわけで、どっぷり余韻に浸れる作品であることは間違いない! -
Posted by ブクログ
何年も積読していたこちらをやっと
読み終えました。
久しぶりに純文学に触れましたが
意外にも一気読みでした。
とある事件をきっかけに、別れた元夫婦が
偶然再開し、別れた理由や当時の気持ちを
互いに書簡としてやり取りした記録。
美しい文章のやり取りは一部あるものの
この2人の気持ちに全く入りきれず
結局のところ何がしたかったのか。。
没入出来ないまま終わってしまった。
純粋にハッピーエンドでもなくかと言って
イアミスでもなく、終始ぼんやりとした印象。
単に自分が共感できなかったと言えば
そうかもしれないけれど、やり取りに
身も蓋もないと言うか。
読み返すことはないかな。
有名作品ではあるけれど、万人ウケするわけ
ではないのですね。純文学は難しい。
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Posted by ブクログ
読み進めるうちに、物語を追っているというより、誰かの人生のそばに静かに腰を下ろしている感覚になりました。
骨董や器の話が出てくるのに、知識を誇る感じがなく、むしろ「手に取ってしまったものが、あとから人生に意味を持つ」その流れが心地いいです。
家族の記憶や戦争体験が少しずつ浮かび上がってくる展開は重たいはずなのに、語り口が柔らかく、無理に泣かせにこない分、逆に胸に残りました。
一方で、後半は救いの方向に整いすぎていて、現実のざらつきが薄まったようにも感じます。
偶然が重なりすぎる場面が多く、「そんなにうまくいくか?」と一歩引いた自分もいました。
それでも読み終えたあと、過去を抱えたままでも人は前に進めるのだと、静かに背中を撫でられたような余韻が残る一冊でした。