宮本輝のレビュー一覧

  • ドナウの旅人(下)

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    読んだ本 ドナウの旅人 宮本輝 20240326

     ソウル旅行中にドナウの旅人を読む。
     母親の熟年離婚に端を発した物語も、色んな人間模様が絡んできて、何の話かよくわからなくなってきた。少しサスペンスの味付けもあって、こんな話だったんだって感じでした。
     まだ冷戦下の時の作品なので、共産主義やジプシーなんかへの人種差別への思いなんかが描かれていて、時代の流れも感じました。時代の流れというと、横柄な父と離婚しようとしている母親を、今だったら娘が連れ戻そうとするか。そもそも離婚するのに一大決心でヨーロッパに逃げるか。全てがコンビニエンスになってる今だったら、簡単に別れるし、本人の自由って誰も止め

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    2024年03月27日
  • 花の降る午後

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    37歳未亡人の若き芸術家への恋を男ならではの視点で描いた作品、昭和63年作との事でさすがに時代がかっている。

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    2024年03月23日
  • 灯台からの響き

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    亡くなった妻宛に届いた謎の葉書をきっかけに主人公の冒険がはじまる。謎の葉書をもとに旅してる過程で、妻の過去や新しい自分を発見していく物語。この本を読んだ中でとても印象に残ったのは「永遠のなかの一瞬なのではなく、一瞬のなかに永遠がある」という一文。どういう意味か今はわからないけど、きっと人生のヒントになることだろうなと思った。この文の意味が完全にわかるようになるのはいつかわからないけど、自分自身成長して、意味を理解できる時がくれば良いなと、楽しみに過ごしていこうと思った。

    話の展開がすごいゆっくりで結末もスッキリ解決!って感じではなかったかな。でも、登場人物がみんな人情深くていいなーって思った

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    2024年03月18日
  • よき時を思う

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    四合院作り、端渓の硯、ノブレス・オブリージュ、ランスタンドゲラン、少病小脳、晩餐会とは今日生きていることへの敬意etc 知らないこと、なるほどと思うことが多々あった。「錦繍」や「流転の海」の感動を期待して久しぶりに宮本輝作品を読んだが、少し違った。ラストに違和感。

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    2024年02月08日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    今回のタイトル『慈雨の音』、筆者あとがきによりますと、”この時代の松坂熊吾一家を取り巻く物語の周辺と細部に、人間への慈しみと言うしかないものが、横溢していたと感じるからである”と、納得。
    いくつもの別離をこの優しい雨が洗い流してくれる、そんな、しっとりとした第6部。

    熊吾一家も何とか再スタートするわけで、ついつい応援してしまうのですよ、脳内で。偶にやらかすと(ノ∀`)アチャーと脳内でAAが浮き出てくるのですよ、ホンマに。こう毎日この世界に入っていますと、俺が松坂熊吾で松坂熊吾が俺で状態で、生き方に影響が出てきそうで怖いです。妻を殴ってはいけませんよ(熊吾さんDV野郎なんで)

    さあ、今夜から

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    2024年01月30日
  • 水のかたち 上

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    下町に暮らす主婦が骨董品屋さんから茶碗をもらう、それが数千万円の価値があるものらしい。小説ならたちまち怪しげな詐欺師とか曰く付きの学者とか出てきて、殺人事件でも起こるかという劇的な状況であるのに、何も起きずに主婦の周りでいろいろな人たちがゆっくりと下町の生活を過ごしている。小説の時代は平成だが雰囲気は全く昭和の白黒映画、主人公は八千草薫か倍賞千恵子か、なんて事を考えたくなるような、昔はよくあっただろう雰囲気が描かれている。
    さてこの先どうなるのやら。急ぎ後半に行きたいという気分でもないが、とりあえずタイトルの意味は知りたい。ここまでなら、水のかたち?というより、土のかけら、牛の形、すき焼きの味

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    2024年01月17日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    富山編。松坂熊吾さんやらかして、と言うか、相変わらず人の見る目が無さすぎてあえなく全財産盗まれるの巻。
    でも、スケベ55歳は元気にスケベしてます。中年の星がんばれ!
    って、この第4部は第1部から20年目の作品なんですねー、ゴイゴイスー。今どっぷり松坂熊吾さんにハマっている50歳の私です。あゝ50台は素晴らしい。
    ワテもやったるでー!

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    2024年01月02日
  • 田園発 港行き自転車 上

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    富山の美しい田園風景をベースに、いろんな人の想いや関係がつながっていて…。それぞれの目線で話が進み、これからどう展開していくのか、下巻が楽しみです。

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    2023年12月04日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    なんか壮大なホームドラマを見ているかのような気分だった。出てくる登場人物すべてが多かれ少なかれ繋がっていて、人間が綺麗すぎた。逆境なんてなんのその魅力的な人間によって吹き飛ばされていく。文庫本上下巻合わせて900ページ近く。これは人を選ぶ内容だなと思った。
    ただ富山という場所に訪れてみたいと思わせる数々の描写は素敵だった。舟見城址からの田園風景を私も見たい。

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    2023年12月02日
  • 灯台からの響き

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    愛する妻が亡くなって、その妻が残した謎を追う展開で話しが進む。その謎は、自分的には全然たいした事に思わなかったけど、宮本さんのうまい文章と、それでいてテンポよく進む展開、そして所々に出てくる心に残る言葉に惹きつけられた。
    「いまを生きる人間にとっては過去の歴史は手に負えない。史実など根拠がないのだ。過去にそれを記した人の意のままだ。自分に都合のいい改竄や捏造はやりたい放題だったかもしれない。」
    この文章がすごく心に残った。

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    2023年12月01日
  • 田園発 港行き自転車 上

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    色々とでてくる登場人物。彼らが実は繋がっているということを本人たちはまだそれを知らない。
    富山のきれいな田園風景を見たいと思わせてくれる内容だった。
    これからどうなるかは全く分からない、下巻が楽しみです。

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    2023年11月04日
  • 草花たちの静かな誓い

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    第一章の導入部分がだらっとしていて読み進めるのに時間が掛かった。
    叔母さんの死や従姉妹の失踪の真相を探るドキドキの展開かと思いきや、淡々と淡々と最後まで描かれていて、主人公の喜びや驚き、感情が伝わらず、可もなく不可もなくという読後感だった。
    また、地図が苦手な私にとっては、通りの左向かいとか、この北側を行くとこの道に出る、とか行った描写が多用されていて位置関係が想像し辛かった。
    アメリカに馴染みのある人には面白いかもしれない。
    巨万の富を得るという体験を少し味わえた。

    叔母の菊枝はレイラがいなくなった後どう夫のイアンと最後まで過ごしたのだろう。
    菊枝と菊枝の兄(弦矢の父)はどうしてそこまで関

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    2023年10月27日
  • 灯台からの響き

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    静かでゆっくりとした話の展開が、悲しみの重さをじんわりと感じさせる作品だなぁと。本に挟まれていた葉書の秘密を追いかける、ミステリーの要素もあり面白かったです。今まで灯台というものの存在を意識したことはなかったけれど、そんな旅もいいなぁ。と思わせてくれた。

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    2023年10月24日
  • 灯台からの響き

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    主人公目線で淡々と物語が進みますが、読みやすかったです。
    人生を見つめ直す物語でした。
    行ったことのある灯台が出てきたので、その時の光景を思い浮かべながら読みました。
    旅ものを読むと旅に出たくなります。

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    2023年10月19日
  • 星宿海への道

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    ここ最近宮本輝先生の本を立て続けに読んでるのですが、読んでてずっしり来過ぎて咀嚼するのにパワーが入ります。適当に読めないのです。そのぐらい、心に響きます。

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    2023年08月20日
  • 私たちが好きだったこと

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    男女が同居し、恋愛に発展したり
    困ってる人をみんなで助けたり
    内容的には面白かったけど
    ハッピーエンドにはならなかったのが
    ちょっとね

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    2023年08月13日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    熊吾は、人に偉そうに身の振り方を指図したり文句言ったりするのに、自分のやっている事はめちゃくちゃ。自分の娘ぐらいのストリッパーに親切にしていると思ったら、体目当てでねんごろになるとは閉口した。妻と子供を何のゆかりもない、富山の田舎に放っておいて、やる事がひどすぎる。
    4部まで読み進めたが、話しに少し疲れて来たから続きは間を空けよう。

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    2023年07月31日
  • よき時を思う

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    ネタバレ

     オシャレで可愛い徳子おばあちゃま。 育ちの良さから品を、夫の戦死などから、凛とした強さを感じます。

     孫娘の綾乃さんからのプレゼントへの礼の文。
    『・・・九十歳になって孫の綾乃が贈ってくれたゲランの香水を胸にぽつんとつける日がくるとは思いませんでした。
     つけて寝て、朝、目がさめたとき、起きるのが恥ずかしくて、さらに起きたまはぬ朝となりました。よき時を思いました。幾重にもお礼申し上げてます。 かしこー 』

     九十歳のおばあちゃまがゲランの香りに包まれて目覚め、まどろむ贅沢な時間・・・なんとも優雅で羨ましい。 そんな優雅で贅沢なシーンが度々登場しますが、京都を中心とした言葉や空気感により、

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    2023年07月29日
  • よき時を思う

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    2023年作品。著者の作品は70冊くらい読んでいます。その度に上品な関西弁・登場人物たちの息づかいや体温を感じる部分に感銘を受けています。今回も同様の感想・感動を与えてくれると信じて読みましたが、少し残念な読後感です。晩餐会に関する記述が長いなあと感じました。ワインや料理の蘊蓄に若干、碧碧としました。ラスト近くに別の展開になって、消化不良感があります。私が著者の思いを読み取れなかってのかもしれません。また再読しようと思いました。

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    2023年07月20日
  • よき時を思う

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    自分には学びが多く、昔の背景を想像しながら読めて面白かったです。

    人生に一度は本書のような晩餐会を開いてみんなにお礼を言う機会を設けてみるのも夢があっていいですね。

    フレンチやワインも気になるけども、世界一美味しいアイスが一番気になるかもです。また、四合院造りも一度お目にかかりたいです。

    まだまだ自分の知らないことが多いし、知れる喜びがあるのは幸せですね。
    ただ、新しい言葉、漢字を調べながら読んだのでへとへととなりました。

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    2023年12月13日